ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その47~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ、47話。
 ローニンの中でせめぎ合う光と闇。そして遂に姿を表した、大いなる闇の主!

 ダークディメンションの名称、数話前ロキと共に現れた謎の影、出現や存在は匂わせていた最大最強の敵……ダークディメンションの主、邪悪なる魔術の極み、混沌からの追放者、ドルマムゥ! マブカプ3ではドーマムゥ名義での参戦でしたが、今回はドルマムゥとして参戦。この違いは、DORMAMMUをどう日本語読みするかで。ドーマムゥもドルマムゥも、どっちも合っています。ソーの持っているムジョルニアだって、ミョルニルやムニョムニョとか色々ありますしねえ。
 マブカプ3では、プレイアブルとして参戦したものの、実際のポジションはかの宇宙魔神ギャラクタスや主神オーディンやサノス(ガントレット付き)に比肩するドルマムゥ。ボスとしての格は、神であるロキや邪悪の結晶レッド・スカルを越えかねない存在と言えましょう。つーか今のロキ様、辞書に、
ロキ:強者の腰巾着の意
と書かれても、文句言えないぐらいのアレですし! 笑いの神は追撃の手を緩めないぜ……。
 ただまあ、神でありながらその立場を享受できることは、ロキの強さの一つではあるのですが。今でも、所々、何らかの意図が見え隠れしている気もしますしね。一人勝ちするのは、誰だ?

 先週に引き続き、「もう、あいつ一人でいいんじゃないかな」街道驀進中な、ドクター・ストレンジ。ただし、ディスクウォーズでは一人の力ではなく、アキラ達の力があってこその活躍が多く。トニー・スタークの帰還も、ローニンの居場所の発見も、今までアキラ達が培ってきた絆の力があってこそ。チートではなく、最後のひと押し、触媒としての手段がディスクウォーズにおけるストレンジのポジションかと。戦隊メカにおける、全員集合な最終合体に必要となるロボ的なポジションと言いますか。
 強すぎるドクター・ストレンジは作り手側のさじ加減が難しく、「よく分からない弱体化」「いくらなんでも油断しすぎだろ!」のツッコまざるを得ない不自然さで強さが削られるシーンもコミックスで多々あり。その点、ディスクウォーズは参戦時期や物語の成熟に加えることで、ストレンジの格を落とさず尚且つ物語も維持するという、良い落とし所を作り上げたのではないかと。個人的な話となりますが、自分もアメコミカタツキ4にストレンジを出した時、このさじ加減に苦心した記憶がありますし。ううむ、勉強になる。

 ローニンの暗躍の裏側、闇の力に追いやられても、ローニンの心中にて人としての抵抗を続けていたアカツキ博士。流石トニー・スタークの相棒であり友であり、流石アキラとヒカルの父親であるとしか言いようのない強さ。だからこそ、走狗としての価値を見出されてしまったのでしょう。今週、その意志は潰えたと言われましたが、ロキの算段を幾度も越えてきたヒーローや息子の友であり親であるアカツキ博士なら、きっとまだ……。

 今日の紹介は、下手するとディスクウォーズ史上屈指の「誰!?」なリアクションがあった、バイビーストで! アイアンモンガーは映画に出てるけど、コイツは正直なあ!w

バイビースト

バイビースト

 秘境スカイ・アイランドに住む、鳥人種族アビアン族。超人種族インヒューマンズの亜種と言われ、高度な知性と文明を持つアビアン族だったが、彼らは生存のため冬眠を選択。眠りにつく自分たちの守護者となり、アビアン族が築いた文明のデーターベースともなる存在、二頭のアンドロイド、バイビーストを作り上げる。二つの頭部と二つの頭脳と二つの人格、上の頭脳には戦争や戦闘といった争いに関わる知識を詰め込み、下の頭脳には歴史や文化のような文明に関わる知識を。アビアン族の全てを記すに、一つの頭脳では足りなかったのだ。
 バイビーストはスカイ・アイランドにて一人で二人の守り人となり数年の時を過ごすが、遂に二人きりの孤独に耐えられず暴走。翼を持つ怪物ハーピーを発見した彼らは、アビアン族に似た彼女を捕らえてしまう。だが、とある目的により、ハーピーを追跡していたハルクがスカイ・アイランドに到達。スカイ・アイランドの守護者として、ハーピーを求める者として、バイビーストはハルクと一進一退の攻防を繰り広げる。

バイビースト 登場

 激戦の後、ハルクは正体であるブルース・バナーへと戻り、優れた頭脳を持ってしてスカイ・アイランドを探索。アビアン族の超科学を使い、ハーピーを治療する。ハーピーの正体はAIMの首領モードックにより過剰なガンマ線を浴びせられた女性、ハルク(ブルース・バナー)にとって最愛の女性であるベティ・ロスであった。ハルクとハーピーを追跡し、AIMとモードックもスカイ・アイランドに襲来。モードックの手に落ちるよりはと、バイビーストはスカイ・アイランドと共に自爆してしまう。
 消滅したと思われていたバイビーストだが、海に落ちたバイビースト二号機をSHIELDがヘリキャリアーで回収する。先代のデーターを取得したバイビーストは、スカイ・アイランドとアビアン族が吹き飛んだのは人類のせいだと判断。ヘリキャリアーを占拠し報復を目論む。バイビーストの前に再び立ちふさがったのは、人類の切り札であるハルク。死闘の末、バイビーストは海に落下し、溺死したと思われていた。

ハルクVSバイビースト

 だが、生きていたのか別の機体か、バイビーストは三度活動を開始。スカイ・アイランドの再生と人類への復讐軍の結成を阻んだのは、ソーとアイアンマンだった。以後、バイビーストは様々な場所に顔を出すヴィランとなる。対スパイダーマンチームである、シニスター・シックスの発展形、シニスター・シックスティーンへの加入。カナダの魔獣ウェンディゴや巨竜フィン・ファン・フームと共に、ハルクとの決戦に臨むこともあった。

バイビースト&ウェンディゴ

 あとまあ、下の頭がシー・ハルクに恋したがフラれたり、ファンタスティック・フォーのシングと戦っていたら、ヤバいリスと遭遇したりと、人間味や面白ポイントも結構あったり。

バイビースト&シング&リス

 能力は、怪力とタフネスと言った、シンプルかつ強力な物である。ハルクに匹敵している時点でかなりの物を持っているのが窺い知れるが、アンドロイドである彼の体力は無尽蔵であり、痛覚も無いため、殴り合いに関しては他の追従を許さない。応用力に欠けているものの、アビアン族の知識がつめ込まれた二つの頭の知力も相当な物がある。自身の身体スペックだけで、ハルクやソーのような強力なヒーローと相まみえているのだからシンプル・イズ・ベストの体現者と呼んでも過言ではない。
 ただし、自他共に認める弱点として、二つの人格を持っている事がある。二つの人格に一つの身体、戦闘中互いに主導権を握ろうとしての失敗や失策も多い。
 ディスクウォーズに出たキャラの中でも非常にマイナー側に属するキャラだが、特徴的な外見のせいか背景に居るとそれなりに目立つキャラではある。見かけたら「おっ!?」と驚いてあげて欲しい。

楽しき人生

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その45~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ、45話。
 レッキングクルー再登場! レッキングクルー大活躍!

 僕らのバカルテットこと、レッキングクルー大復活!
 前回が前回だったので、微妙にナメられてる中、四人揃って大暴れ!

「ウソ、強い!?」

「アイツらこんなに強かったのかよ!?」

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 ソーのムジョルニアと同じ、投げても戻ってくるバールの特性を使ってのブーメラン攻撃! 地割れ攻撃を起点とする四人がかりのフォープラトン! ムジョルニアと素手で殴り合い、シールド攻撃もワスプスティングにも耐えてみせるタフネス! 四人がかりとはいえ、ハルクを押し返してみせたパワー! 解体業者力溢れるダンジョン攻略法! 日本よ、これがレッキングクルーだ!
 バチ魂公式ブログでも総登場が「全バチ魂ユーザー感涙のあいつらがついに……」言われたりと、実に猛プッシュ! いやー、ついに日本でもレッキングクルーの時代が始まりましたね! 公式人気投票でヴィラン部門のビリ独占寸前だったけど! ありがとう、コットンマウス!
 いやまあ、こっちが微妙に戦力整ってない時や、突破できる火力が無い時は、アホみたいに強い時あるんですよ、彼ら。原作での設定スペックを補正抜きで並べた場合、おそらくハルク>>レッカー>他のメンバー>>パワーマンですし。何気にバールや鉄球や本人たちのベースが“神の力“なので、ハルクが持たないビーム系の攻撃手段や魔力魔術への耐性があるのもポイント。
 頑張った! 今日、すげえ頑張ったよ! ハルクがパワーマンをぶん投げるツープラトン、ダイナミック・スピードボールなんて無茶技くらって死ななかった時点で頑張った! アレの元ネタというか似た技としてあるのが、X-MENにおけるコロッサスがウルヴァリンを投擲するファストボール・スペシャルだけど、アレは爪の殺傷力があるとはいえ投げるのは小柄のウルヴァリン。大柄でタフなパワーマンがあの勢いで突っ込んできたら、相手良くてミンチだよ! 五体満足でDセキュアされただけで、レッカー頑張った!
 しかしセレブレティ5のジョエルさん、レッキングクルーの新メンバーと言われたら信じるぐらいに馴染んでましたね。アイツ、ロックすぎるぜ……!

 バカ四人に話持ってかれたー!?と思っていたら、夕焼けの砂漠にてのVSローニン。剣術だけでなく、初代ローニンが使ったことによりアイコンとなったヌンチャクを駆使し、アベンジャーズと単独で渡り合う!
 トニーだけは察していた、マスクの下の素顔がついに顕に。当たってほしくなかった予感、ローニンの正体はアカツキ・ノゾム博士。いったい、ダークディメンションに落ちた博士に何があってこうなったのか。アイアンマンを蝕む力の正体は。もうこうなったら、魔法しかない! 若干投げやり気味なものの、来週遂に最後の大物ヒーロー、ドクター・ストレンジ参戦! ちなみに、序盤少し出ていただけなので、マジ一年ぶりに近い登場。アイツ一人でいいんじゃないかなを地で行く人なので、ここまで引っ張ったのはしょうがない!

 今日の紹介はレッキングクルー!

我らレッキングクルー!

 ……ではなく、先週の話となりますがクールなアイツということで。だってねえ、流石にレッカーレッキングクルーでアイツら二回やってるようなもんですし! いやまあ三回目もバランスとか忘却すればやってもいいんですけどね!?

 ブリザード

二代目ブリザード(Ⅲ)

 アイアンマン、トニー・スタークの会社であるスターク・インダストリーズ。大企業であるインダストリーズは、ハンガリー人科学者であるグレゴル・シャパンカ博士を雇用する。彼が研究している人体の冷凍睡眠や冷凍保存技術に期待しての事だったが、博士の頭にあるのは全人類の夢である不死不老に、自身が到達することのみだった。研究は、そこに至るまでの過程にしか過ぎない。グレゴルはトニーの技術を盗んで売り、更なる研究資金を得ようとするが発覚、会社をクビになってしまう。
 悪へと堕ちた彼が進む道は、犯罪者の道しか無かった。グレゴルは自身の持つ知識技術を悪用し、極度の冷気を放射するスーツを開発。犯罪者ジャック・フロストとしての活動を始める。

ジャック・フロスト

 ジャック・フロストはスターク・インダストリーズを急襲するが、当時会社のボディーガードを自称し、トニーとは別人のふりをしていたアイアンマンに敗北。その後、しばし姿を消すが、更に強化開発を進めたスーツと、新たな名、ブリザードを称し、再びアイアンマンに挑んだ。

初代ブリザード

 グレゴルはブリザードとしてアイアンマンの宿敵となるが、トニー・スタークとは別人な未来のアイアンマン、アイアンマン2020により殺害されてしまう。ブリザードの名とスーツは、トニーの敵である企業家ジャスティン・ハマーの手に渡り、彼の部下であったドニー・ギルが譲り受けることとなる。二代目ブリザードはこうして生まれた。

二代目ブリザード(Ⅰ)

 ドニーはやがてハマーの元から去り、一人のヴィランとしての道を歩み、やがてトニーとの和解やヒーローへの転向、再びヴィラン化と波乱の道を歩むこととなる。一時、ドニーの友人で元犯罪者のランディ・マックリンがドニーの予備スーツをいただきブリザードになったことがあるが、彼がブリザードになった理由は刑務所出所後に仕事が見つからなかったことへの自棄が多分だったので、スターク・インダストリーズに雇われることでスーツを脱いだ。
 つまりブリザードは、初代のグレゴルと二代目のドニー、この二人が正体であり、つまりは二人しか居ないのだが……ややこしいことが一つある。今から上げるのは、ドニーが中身のブリザードとなる。

二代目ブリザード

二代目ブリザード(Ⅱ)

 幾度ものアップデートの結果、非常に多くのブリザードとしての外見を持っている。記事の最初に載せたディスクウォーズのブリザードにも似た最新型アーマーの中身もドニー。別人レベルでスーツのデザインが変わっている。元はといえば、初代のグレゴルもがっちり目な黒いスパイダーマンのようなスーツを着ていた時期もある。ついでに言うと、アニメや他所の世界でのアレンジもかなり激しい。それらも下記に挙げてみるが……なんとも、ややこしくもめまぐるしい。

ブリザード(アルティメット)

ブリザード(アイアンマン:アーマード アドベンチャーズ)

 ブリザードの能力はスーツにあり、装着者は皆、常人である。ブリザードスーツのウリは、スーツの各所に仕込まれた小型低温保持装置マイクロ・クリスタリオット。この装置の力により手袋から放たれる氷や冷気が、ブリザードの武器。激しい冷気だけでなく霧や吹雪にみぞれが発生可能。鉄板をも貫く氷のダーツに移動用となる氷の滑り台の生成、人体に直接冷気を送り込むことでの人体凍結なんて荒業も出来る。弱点は、マイクロ・クリスタリオットが冷気や氷を発生させるに、大気中の水分が必要なこと。乾燥地帯だと上記の能力は一切使えない。一応、電撃やエネルギー増幅装置なんてのもついてはいるが、これで例えば砂漠での戦いを勝ち抜くことは難しいだろう。ディスクウォーズでは、凍土のロキ城でアベンジャーズと戦ったが、彼にとって冷たい上に水分も十分なあそこは、絶好の戦場だったと言える。
 X-MENのアイスマンと似通っているが、かたやアーマータイプ、かたやミュータントと、初期位置はだいぶ違う。最も、アイスマンは未だ発展登場な上、彼の冷凍能力は分子を直接振動させることで発生させている物なので、ブリザードの頻繁なアップデートでも追いつけるかどうかは微妙な所。アイスマンの場合、現在持ち得る冷凍能力ですら、秘められた本質の前座との説もある。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その44~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ、44話。
 謎の達人、ローニン登場! 仮衣の下の正体は……!?

 失敗を可能性に塗り替えるのが、アキラの強み。ディメンションスフィア喪失という大事件を引き起こしてしまっても、絆は切れぬまま事態収拾への奔走へ。失敗をしないのではなく、失敗を積み重ねて前に進んでいく姿勢。これはアキラの相棒である、アイアンマン、トニー・スタークにもある部分ですね。そもそも、アイアンマンになった理由こそ、過ちからの再起。何度も致命的な過ちを繰り返しながらも、前に進んで来たのがトニー・スタークという男。勝手な想像ですが、そんな似通った部分をトニーに見出したから、アカツキ博士はアキラの可能性の話をした。そう思ってみたいぐらいに、両者の失敗を糧に出来る姿は、似通っています。

 暗黒世界ダークディメンションよりの使者、ローニン参上。原作にてローニンの名と姿を借りた、数多くの達人に匹敵する剣の冴え、更にはレッドスカル以上にディメンションスフィアを使いこなすという離れ業。ディメンションスフィアとの名称から怪しんでいましたが、かのスフィアの出元はどうもダークディメンションのようですね。レッド・スカルに力を与え、ダークディメンションに堕ちたロキの背後で蠢く、不気味な影。いわばディスクウォーズの黒幕とも言える最大の敵、その朧気な姿は、いよいよ形に。ロキを超える魔力、レッド・スカルの悪意を超える存在、それは……。

 先週垣間見せた声(CV堀秀行)の時点で怪しまれてはいましたが、ローニンの正体、彼の人の友であり同僚であったトニー・スタークが見定めた正体は、アカツキ・ノゾム博士。救うべき存在が敵に回るという皮肉。まるでアカツキ博士を他人のように扱う余所余所しさ、アベンジャーズにも劣らぬ超人的な剣術、人を狂気に陥れるディメンションスフィアを使いこなしてみせる精神性。善良なる科学者がただ持つには、荷が重い物ばかり。まだひと波乱もふた波乱もありそうな匂いがしますが。声をコピーしたロボ超人だったり、アカツキ博士が某男塾一号生筆頭並みに謎武術を習得していたり、謎のゲルマン忍者をベースにしたクローンだったらどうしよう。

 今日の紹介は、疑惑の忍者ローニンで。場所を最大限に活用してハルク相手に健闘したブリザードも紹介してやりたいけど、一週間正体を気にしていたせいか、ローニン熱の方が強かった! 来週、バカ四人しか出なかったら、そんときゃブリザードだ!

 

ローニン

ローニン

 上から下まで、黒装束で固めた謎の戦士ローニン。ヌンチャクや刀といった武器を駆使する正体不明の達人が初めて現れたのは、盲目のクライムファイターデアデビルの紹介により、ニュー・アベンジャーズと呼ばれるチームに参戦した時だった。ローニンはニュー・アベンジャーズの一員として、日本で忍者集団ハンドとの決戦に望む。体格からして男性と思われていたが、その正体はなんと女性。かつて巨漢にして巨悪のギャング、キングピン配下として父の敵であるデアデビルを付け狙った聾唖の暗殺者、エコーであった。

エコー

ローニン(エコー)

 キングピンの配下であったエコーだが、父を殺した本物の仇はキングピンである事、デアデビルはキングピンに濡れ衣を着せられていた事を知り、既に離反していた。彼女の能力は、写真的反射能力。一度目にすればどんな達人の動きでも模倣できる彼女だからこその、ローニンの達人性であった。
 ……一説によると、最初ローニンの中身は彼女でなくデアデビル当人だったとか。それが色々なストーリーとの兼ね合いで、急遽エコーに差し替わったという噂もある。能力的に、デアデビルっぽい動きをしていても何らおかしくはない。おかしくは、ないのだ。

 エコーのローニンとしての活動期間は短く、彼女は早々にコスチュームを脱いだ。中身の居なくなったローニンの姿を次に借りたのは、一度死んだ男ホークアイ(クリント・バートン)だった。とある事件にて死亡し、その後復活を遂げたクリント。蘇った彼が目にしたのは、二代目ホークアイを名乗る少女ケイト・ビショップ。ホークアイが死んで蘇る間に、キャプテン・アメリカやアイアンマンに認められ初代ホークアイの弓を授かった自身の後継者だった。死亡からの蘇生、後継者の登場。クリントはローニンの衣を纏うことを選択し、ローニンのままアベンジャーズに参加。チームリーダーとして活躍した。正体はアベンジャーズの仲間に明かしており、二代目ホークアイのケイトとも接触。彼女の資質を認め、先輩としての助言も与えた。

「俺達がついている。思い切り戦え、そして失敗しろ。世界を救うために。不可能だなんて、諦めるな」

 このローニンとしてのクリントとケイトのエピソードは、邦訳ホークアイ:マイ・ライフ・アズ・ア・ウェポンに収録されている。

ダブルホークアイ

 ローニンとなったクリントは、弓矢を持たず刀やサイを使うことで悪と十分渡り合ってみせた。ホークアイは弓矢だけの男ではない事を、実証したとも言える。クリントが再び弓矢を手にしたのは、擬態宇宙人スクラル人との決戦シークレット・インベージョン。自らを翻弄したスクラル人との最終決戦時、負傷したケイトの弓、自分が譲り渡したホークアイの弓矢を使い、スクラル人を恐怖に陥れた。

ローニン(ホークアイ)

 この後、国家公認の偽ホークアイ(正体は百発百中の投擲手ブルズアイ)の出現などを経て、クリントはローニンのコスチュームを脱ぎ、ホークアイの座に復帰する。二代目ホークアイのケイトもそのまま名乗り続けた結果、現在はダブルホークアイ体勢となっている。
 またも中身が居なくなったローニンだが、次にその名とコスチュームを纏ったのは、アベンジャーズどころかヒーローですら無い、悪人であった。新たなローニンは、アメリカ、ロシア、日本で暗躍し、三カ国を緊張状態に陥れる。ローニンであったホークアイと、ロシアを知るエージェントであるブラック・ウィドウは邪悪な新ローニンを追跡する。やがて明らかになった新ローニンの正体はアレクセイ・ショスタコフ。ソ連のキャプテン・アメリカことレッド・ガーディアンの初代であり、ブラック・ウィドウの夫であった彼は、自らが忠義を捧げたソビエト連邦の復活を画策。北方四島に新ソビエト連邦の建国を目論んでいた。

ローニン(アレクセイ)

 アレクセイが敗れた後、ローニンは三度消えた。しかし近年、再びアベンジャーズとしての、ヒーローとしての、新生ローニンの姿が確認されている。

ローニン(最新版)

 新たなローニンの正体は、前任者達を越えかねないほどの剣や武器の達人であり、吸血鬼並みの超人的な身体能力を持ち、更に言うとその吸血鬼への造詣も非常に深い男である。新ローニン、一体何者なんだ(棒

 ここまで上げた四人のローニン。人種性別善悪、様々に入り混じっており、全員の共通点といえば、達人と呼ばれる技巧者な事だけ。5人目、6人目が出るのかどうかは分からない。しかし、ディスクウォーズのローニンも含め、正体でこれだけ魅せてくれるキャラクターは、情報化社会の近年非常に珍しい。最高峰の仮の姿と言えよう。