ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その2~
スパイダーマンが、ウザい(挨拶) でもあの敵側から見たら「ホントこいつ、ぶっ殺してえ!」なファイトスタイルこそ、スパイダーマンの真骨頂。真正面からの殴り合いは、ハルクとかソーの担当なので、むしろこれでこそ、コレで行こう!
そんなこんなで、ディスク・ウォーズ:アベンジャーズも本日第二話でした。少し展開が遅めかもしれませんが、それは無駄なことをしているのではなく、丁寧な仕事の結果なので仕方ないことかと。
例えば、アメコミを読んでいる人ならば悩むこともないヴィランという単語。自らにとって普通だと忘れがちなことなのですが、ヴィランって多分、一般的にはあまり使わない言葉ですからね。おそらく、怪人の方が通りが良く。このヴィランという単語を、ちゃんと冒頭ナレーションで解説する丁寧さ。知識に頼りいきなり「ヴィラン」と言うこともなく、分かり易い悪党や怪人といった言葉で押し通すこともなく。この真摯な姿勢には、制作側の本気を感じました。日本という土壌で、個性を殺さぬままアメコミを作ろうとしているんだなと。
そして、個人的にはレッカーの登場にガッツポーズ。レッキングクルー出てくれないかーという無茶な願いが、ウルヴァリン出てくれないかなーやデアデビル出てくれないかなーより先に叶ってしまうとは……。今後レッキングクルー勢揃いになってくれたら、思い残すことは何もないレベル。
という訳で今日は、スパイダーマンに負けた赤いアイアンマンと、メジャーじゃ通じないスイングなバール野郎の紹介です。
クリムゾン・ダイナモ
未だ、米ソの冷戦が続いていた時代。ソ連はアメリカのヒーローであり象徴となっているアイアンマンを打破するために、科学者アントン・ヴァンコにソ連のアイアンマンを制作&装着させた。赤いアイアンマン、クリムゾンダイナモの誕生である。
その後、製作者であるヴァンコは政治思想の転向により、アメリカに亡命。ヴァンコはトニー・スタークの元に身を寄せ、友人となるものの、二代目クリムゾンダイナモとなったボリス・ツルゲーネフと相打ちとなり死亡してしまった。そして製作者死亡と共にクリムゾンダイナモも潰えることと……全然ならず、ヴァンコ死亡後も、続々と10人以上のクリムゾンダイナモが誕生することとなった。どうにも、設計&製作技術が確立してしまったことに加え、兵士が畑で取れるようにヒーローもついでに取れる人海戦術的発想、更にソ連崩壊で色々流出してしまった結果、手に負えなくなっている。8代目ダイナモは、ボリスが着ていたアーマーをうっかり起動させてしまった大学生。10代目に至っては、闇市場に流出していたそのアーマーを買った銀行強盗である。ソ連崩壊後のロシアでも、別の型の中身不明なクリムゾンダイナモがヒーローチーム、ウィンター・ガードで活動しており、もうこれわっかんねえな!
余談と推測混じりですが、アイアンマン2でミッキー・ロークが演じたウィップラッシュ。本名はイアン・ヴァンコでロシア在住、更にはアーマーの製作技術持ちと、どちらかと言えばウィップラッシュよりクリムゾンダイナモ寄りのキャラなんですよね。そもそも、ウィップラッシュ自体が、映画前はメイン張る程優遇されてなかったというか、ちょっとした事故であっさり死んだような……? なので、あの映画のメインヴィランはウィップラッシュの皮を被ったクリムゾンダイナモだったのではないかなと、個人的には。
レッカー
顔を隠しレッカーと名乗り、操作妨害のためにバールで犯罪現場を無茶苦茶にした、犯罪者のダーク・ガースウェイト。本来、チンケで粗暴な犯罪者として終わるはずであったが、邪悪の神ロキの陰謀が右往左往し偶然の事故が起こった結果、ロキが授かる筈だったノルンヘイムの女王にて強大な魔女であるカーニラの魔力は、ガースウェイトと彼の持つバールに授けられてしまった。バールのようなものを手に大暴れする犯罪者、レッカーの誕生である。やがてレッカーは、手に入れた力を三人の仲間に分け与えることとなり、その仲間もサンダーボール、ブルドーザー、パイルドライバーという新たな名前とコスチュームをゲット。レッカーをリーダーとした、欧米系バカルテットなチーム、レッキング・クルーを結成することとなる。
頭は決して良くないものの、単純さとパワーがかち合った結果、イメージ以上に強い。力を授かった直後、数時間に及ぶ死闘の末にソーを撃破。レッキングクルー結成後は、自由を求めメンバーと共にカナダへ逃亡。一時期キャプテン・アメリカの代理を務めていたUSエージェントや、異星人版マイティ・ソーであるベータ・レイ・ビルといったアベンジャーズメインメンバーの2Pキャラと、ほぼ互角の力を持つヒーローで構成されたカナダのヒーローチーム、オメガフライトを真正面から叩き潰している。
全員脳筋気味なので、まともに攻略しようと思うと、大変。逆に言うと、作戦や策略を立てた上でなら、倒すのが難しい相手ではない。常人であるパニッシャーに毒ガスでやられたり、若手ヒーローチームであるヤングアベンジャーズに捕まったり。ゲームで例えるならば、能力値は高いが行動がワンパターンな上、状態異常に弱いボスキャラ。
レッキングクルーは、レッカーが他の三人にパワーを分け与えている。なので、レッカー自身はレッキングクルー結成後、弱体化している。バカ強い一人と、強い四人のどっちが手強いかと言われたら、現実的には後者の方がおそらく厄介。ただ、こういう状況下でありながらも、平気で単独行動するメンツなので、バカ強くない一人がウロウロしていることも良くある。最悪手じゃねーか。