前回のあらすじ。
デッドプールがディケイドライバーを奪って、ディケイプールに変身した。正真正銘の、あらいすじ。
鳴滝は責任を感じていた。
「責任の一端は私にあるとはいえ、あれもこれも、全てディケイドのせいだ。おのれディケイド、おのれデッドプール。このままでは、ライダーの世界、全てが破壊されてしまう」
ほんの少しだけでも、責任を感じているだけマシなのかもしれない。いつもだったら、全てディケイドのせいにする。
「責任を払う為、ライダーの世界を守る為、ディケイプールを倒す為、私もかつての姿を取り戻そうではないか」
帽子とコートを脱ぎ捨てる鳴滝。詰襟の軍服に眼帯、鳴滝は一瞬で厳格な軍人の姿へと変貌を遂げた。
「私はスーパーショッカーのスーパー幹部、ゾル大佐!」
ゾル大佐へと変貌した鳴滝の周りで、青い毛を持つ二足の獣が、複数うごめいていた。
その頃のデッドプール改めディケイプールは?
「のぶひこー!」
「OK OK こっちの彼には俺が肩を貸そう。だから、その暑苦しい叫びを即刻止めるんだ。地球の平均気温が上がっちまう。ディケイプールは地球に優しいヒーローだ」
ゴルゴムの秘密基地から、二人の世紀王候補を改造前に救いだしていた。
デッドプールが暴れたせいで、散らかりまくった光写真館。
「あ……うあ……ここはっ!」
「よかった。気がついたんですね」
デッドプールにKOされてから、ずっとうなされていたユウスケが目覚めた。看病と後片付けのために残っていた夏海も安堵する。
「いったいあれから、どうなったんだ! 士は!? あのマスクマンは!?」
「落ち着いてください。まずですね、変身して欲しいんですけど」
「変身って……クウガに? 普通に変身すればいいの? アルティメットになれみたいなのは無い?」
「いいから早くお願いします、確認したいことがあるので」
「わ、わかった。じゃあいくよ」
武道の達人のごとく、涼やかな動きで構えるユウスケ。
堂に入る。一人のリントの戦士として戦い抜いてきたことにより、ユウスケの変身ポーズは、それなりの絵になるようになってきた。
「超変身! ……あれ? 超変身! 超変身!」
何も起こらなかった。神秘のベルト・アークルは、何回叫んでも出てこない。ポーズが絵になる分、余計恥ずかしい。ユウスケはクウガ?からクウガ(笑)へと進化した!
「士くんが、このままだと仮面ライダーの存在全てが消えるって慌ててましたけど、こういうことだったんですね。クウガも消えましたか」
「超変身!? 超変身!? ちょうへんしーん!」
ユウスケの叫びが、むなしく響き渡った。
その頃の仮面ライダーディケイプールは?
「あれさー、ホラー映画やパニック映画の学者ってどうかと思うのよ。怪しい古代遺跡を見つけたらさ、調査しようとか思うなよ! どうせ、中に入ってるのはエイリアンや超古代の破壊兵器なんだって! それで解き放っちゃって大変なことになるんだからどうしょうもない、本当にどうしょうもない。という訳で、3……2……1……Fire! ワーオ! 流石ショッカーから盗んだ爆弾! スッゲー!」
西暦2000年、長野の山の一つがグロンギの眠っている遺跡ごと吹き飛んだ。
more