ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その18~
ディスクウォーズ:アベンジャーズ第18話!
……ディスクウォーズ:X-MEN第18話!
ノリコを巡る人間模様、彼女が現状を打破する希望となったことで生まれる、人間関係の亀裂。更には、キャプテン・アメリカを蝕んでいた過去への後悔も噴出。この、誰も悪くないけど、空気はまず悪い。ああ、このやり切れなさ、X-MENだなと。序盤に情報を主とした地固めをした事により、世界観を展開するだけの猶予が誕生。その猶予で作られたのは、情報よりも先の段階といえる本場の空気感。やっぱ、キャラ名や設定のような情報も大事だけど、こういうアメコミの空気!を積極的に再現しようとするのも大事だと思うんですよ。序盤よりこの空気感はありましたが、最近は更に濃密です。
空気が合うなら、ひょっとしたら映画や原作にも進んでくれるかもしれない! 地上波である以上、TVさえあれば、この空気を味合うのは無料! ジャンルの入り口、最大開放!
いくら失態を挽回できるとは言え、焦りすぎなんじゃ?のトニーですが、トニーの回りにいるアベンジャーズのメンバーって基本能力手に入れてやる気になってる人、既に答えを出している年長者が多いですからね。X-MENのメンバーのスタート地点、能力に戸惑う若年層への距離感にはあまり慣れておらず。若者への距離感というのなら、キャプテン・アメリカもバッキーの死が響いているわけで。こうした大人のひずみが少年少女にどう影響するのか。楽しみ半分怖さ半分、いや怖さのほうが現状大きいかな……?
今日の紹介は、暗めなストーリーにおける一服の清涼剤こと、アメリカンバカルテット四人衆です。強い彼ら、他のヒーローを圧倒する四人の勇姿は、9月発売の邦訳デッドプール:スーサイドキングスにて!
「引っこ抜くぞ! レッカー!」
「打ち抜く! パイルドライバー!」
「砕け散れ! サンダーボール!」
「全てを轢き潰す! ブルドーザー!」
「「「「俺たち四人合わせて レッキングクルー!」」」」
~完~
一回どころか何回もざっと書いてるし、彼らについてはもうこれでいいんじゃないか?という手抜きへの欲望と戦いつつ、今回はレッキングクルーのメンバーであるサンダーボール、パイルドライバー、ブルドーザーについてなんぞを。なお、レッキングクルーの概要とリーダーのレッカーについては、以前書いたこちらを参照して下さい。
バールのようなものを武器に、ソーを筆頭としたヒーロー達と一人戦っていたレッカー。ある時、力を失った彼は、常人として刑務所に収容される。ずさんであったその刑務所、職業人種、顔ぶれからしてバラバラなメンツが一つの房に入れられることになった。この運命と適当さで集まった、レッカー含む四人組。やがてレッカーが力を取り戻したその時、共に居た三人もレッカーと同じ力を授かり超人となる。脅威の四人組、遠慮はいらない怪力四人衆、アメリカンバカルテットことレッキングクルーの誕生である。
まずレッカー含む全員に共通する能力は、怪力とタフネス。銃弾も効かず刃も通らず、10トン以上の物体を全員持ちあげることが出来る。基本としては、このベースに各員の装備や個性が付くこととなる。
パイルドライバー
本名、ブライアン・キャルスキー。ニューヨークのブルックリン生まれだが、農場で育てられそのまま農業に従事することとなる。農家としての人生は退屈すぎたため、犯罪に走った結果投獄されレッカーと出会う。素行は悪いが、性格自体は田舎のあんちゃんといった感じで明快。息子も居る。
特別な武器や装備は持っていないが、力が両手に集まっており、その影響か手が一回り大きい。大きな手の握力は他のメンバーに比べても高く、自慢の拳から繰り出すパンチが武器。装備なしでも戦える利点から、変装して潜入、一般人のふりをしてヒーローを奇襲するような事も出来る。手が大きいので、よく見ればバレバレだが。
ブルドーザー
本名、ヘンリー・キャンプ。不名誉除隊された元軍曹であり、順当に犯罪者の道を走る途中、レッカーと出会う。彼の武器は特殊な金属で出来たヘルメットと首や肩を護るアーマー。防御力を盾に目標めがけ一直線、全てを轢き潰すとの豪語は伊達ではない。元軍人だけあって、軍隊式の格闘術も習得している。経歴といい能力といいジャガーノートとかぶり過ぎなんじゃ……?
最近あまり見ないが、いつの間にか死んでいたという話もある。本当にいつの間にかで、特に死亡シーンも無いまま……真偽は不明なものの、彼の娘であるマーチ・キャンプの証言、そして彼女が能力とアーマーデザインを引き継ぎ、新たなブルドーザーとなったのは事実である。
なお、彼女が所属したのは、そのままのレッキングクルーではなく、ファンタスティック・フォーの対抗組織、フライトフル・フォーだったりする。
サンダーボール
本名、エリオット・フランクリン。レッキングクルーの頭脳担当。四人居るんだから、一人ぐらい頭脳担当がいてもいいだろ! 三国志の南蛮軍だって南蛮一の知恵者の朶思大王がいるじゃないか! 元よりある毒泉を使うだけの作戦が知恵に基づくものかと言われたら微妙だけど!
正味の話、サンダーボールこそレッキングクルーの頭脳である。前歴は肉体労働系の他の三人とは違い、なんと物理学者。特にガンマ線の研究者としては一流であり、ガンマ線の第一人者かつ世界屈指の天才、ブルース・バナー(ハルク)より先に小型のガンマ線爆弾の開発に成功。黒人であることから“黒いブルース・バナー”とあだ名されていた。しかし、研究費を求めるあまり強盗を働いたのがバレて投獄、レッキングクルーとして立てた作戦が「昔、ガンマ線爆弾無くしちゃったんだよなー。無くした辺り、更地にすれば見つかるんじゃね?」な辺り、頭悪い天才疑惑が囁かれている。疑惑というか、おそらくは(ry
武器は建物解体用の鉄球。最初は只の鉄球だったが、サンダーボールが使い続けることで未知のエネルギーを吸収。再生能力や地震を起こす能力、ソーのムジョルニアのように投げたら戻ってくる特性と、もはや宝具や神具のような武器になっている。このような特性は、レッカーが持っているバールのような物にも付与されている。
リーダーであるレッカーに忠誠を誓っているパイルドライバーやブルドーザーと違い、頭の良さを鼻にかけての反逆気質を持っている。力の独占を企み、実際レッカーからバールのようなものを奪いとるが失敗。その時は罰として手を砕かれたが、レッキングクルーから追い出されることはなかった。家族と称される連帯感を持つチームなだけのことはある。
実のところ、キャラクターとしてとても制作側が使いやすいチーム。四人揃えば、ソーやハルクだけでなくアベンジャーズやディフェンダーズのようなチーム相手の大食いも狙えるし、一人でもたいていのキャラと渡り合える。一方、脳筋な所もあるため、四人揃っても作戦で負け若手チームに食われたり、直接打撃力を持たないキャラ一人に完封されることもある。つまり、どんな状況、どんなカードにも使える幅の広さが有り。やられ役から強敵までなんでもござれの万能性。主役となることは少なくとも、多くの出番を確保できる便利なポジションである。