ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その25~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第25話。
 やっぱヒーローは助け合いでしょ!

 各界で「これスゲエんじゃね!?」と話題沸騰な映画ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、チーム登場回後編! 結構思わぬ所で、色々な人が薦めている感じで。この何時も以上の幅の広さは一体……?
 フィン・ファン・フームの猛攻、ロナンの強大な力。どちらも、ヒーロー1人では対処できず、ヒーローチームをも真正面から潰しかねない大敵。ならば、二つのヒーローチームが手を取り合い、一つの正義として立ち向かうべし! いやー直球なお話でした。まるでディスクウォーズとは別に、アニメガーディアンズ・オブ・ギャラクシーがやっていて、そのアニメ同士がコラボSPしたかのような満足感。もしくは鎧武のトッキュウジャー回やキカイダー回のような。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの続きはWEBで!ならぬ劇場で!
 ロナンと戦う→ヒーロー劣勢→再集結→ロナン敗れる。勝利の鍵は場の勢い……ではなく、アベンジャーズとガーディアンズが手を結んだ結果。実際、最初はめまぐるしくロナンに襲いかかってはいたものの、ほぼバラバラの散発的な攻撃でしたからね。再戦では、それぞれが特性をフルに発揮した上での連続コンボ。ヒーローの力が、一つの塊に。ハルクとドラックスのクロスボンバーなんて、並の超人が食らったらマスク狩りならぬ荒業フェイスボンバーになって首もげるわ! このヒーロー同士の繋がりのきっかけになったのは、アキラ。二つのチームだけでなく、この作品のキーキャラクターである少年達がかすがいになったのが肝です。真っ直ぐな作風には、彼らが必要不可欠。直球勝負に、熱血は強い。
 映画のタイイン回+ヒーローコラボSP+今後のストーリーにつながる、良スペシャルな前後編でした!
 今日の紹介は、そんなヒーローチーム相手に大立ち回りを演じた銀河の告発者で!  何が恐ろしいって、このクラスの大敵が宇宙だと飛び抜けてない強豪ぐらいのポジションなことかな……。

 

ロナン

ロナン

 ロナン・ザ・アキューザーもしくは告発者ロナンの名で知られる、銀河三大帝国の一つクリー帝国の最高告発官。なお、残りの二つはシーア(シャイア)帝国とスクラル。シャイアは女帝リサンドラとプロフェッサーXと恋愛関係を筆頭に、サイクロップスの家族であるサマーズ家との厚い因縁や皇太子の学園留学と、X-MENやミュータントとの関係が深い。スクラルは変身能力を持つ種族スクラル人の帝国であり、数年前の種族存亡を賭けた一大侵略作戦シークレット・インベージョンにて、地球のヒーロー&ヴィランの連合軍に敗れた。マブカプ3に出た一人ファンタスティック・フォーことスーパースクラルも当然所属。
 シーアの貴族階級に産まれたロナンは、法組織であるアキューザー・コーズに参加。ロナンはやがて告発から裁判そして執行と法の全てを司るアキューザーの最高位、スプリーム・パブリック・アキューザーへと就任する。順風満帆なロナンであったが、彼にとって初めてとも言える屈辱は、クリー帝国の衛兵ロボを撃破した蛮族を懲罰しようとした時の事である。地球に訪れたロナンは、衛兵ロボを破壊したファンタスティック・フォーを告発後罰しようとするが、敗北。罪人を裁けぬまま、恥辱にまみれ地球から逃げ出すこととなる。

ロナンVSファンタスティック・フォー

 更なる力と、法を司るのではなく従える身分を求めたロナンは、クリーとスクラルの大戦中、皇帝簒奪を目論む。この野望は、地球を初めて訪れた際に地球人へ敬意を抱き、やがて地球の為に戦うようになったクリー人、キャプテン・マーベルに阻止されてしまう。

キャプテン・マーベル(Marvel)

 ロナンとキャプテン・マーベル、同じクリー人であり、地球来訪が変貌のきっかけとなった二人。しかし得た物や性質は、真逆であった。

ダブル マーベル

 野望は頓挫したものの、ロナンは政争や大戦に巻き込まれながらも、クリーの一員としてあり続けた。そして、三大帝国どころか宇宙全てを巻き込む脅威、異次元ネガティブゾーンからの侵略者アニヒラスの大軍の到来“アニヒレーション・ウェーブ”事件が発生する。絶滅艦隊が宇宙を席巻し、スターロードが将来に繋がるチームを結成する中、ロナンは遂にクリー帝国のトップ、皇帝に就く。だがしかし、アニヒレーション・ウェーブの被害に加え、クリーを支配するため産まれた人工生命体スプリーム・インテリジェンスの暴走による人種改良や大虐殺の結果、往来の国力はなくなっていた。
 クリー帝国は、地球より進出してきた超人種族インヒューマンズに接触し同盟を締結。ロナンはインヒューマンズの王であるブラックボルトに皇帝の座を譲り、実質インヒューマンズがクリーを支配することとなった。インヒューマンズの由来、それは太古の昔、地球を訪れたクリー人が自らの奴隷として地球人を改造したことに始まる。その由来を考えると、なんとも皮肉めいた同盟である。
 同盟と言えば、2勢力の繋がりを強くする政略結婚。有力者であるロナンは、ブラックボルトの妹であり四大元素を操る力を持つクリスタルと結婚することになった。

ロナン&クリスタル

 武骨者なロナンではあるが、彼なりにクリスタルを愛そうと花を詰んでプレゼントしようとしたりしたものの、上手く行かず。そもそもクリスタルはバツイチの子供付き。前夫であるクイックシルバーが、シスコンな上に嘘つきで挙句の果てに一族の秘宝を盗み出した男と、クリスタル目線で見たら相当アレな物件だったため結婚や夫に対する壁がそもそも高く、ロナンでなくとも苦戦は必須であった。あの銀色……。

ダメでした

 しばらく後、ブラックボルトは皇帝の座から退き、インヒューマンズも地球へ帰還。ロナンはクリーに残りクリーの一員として、帝国の未来の為、身を粉にして働いている。

 ロナンはクリー人であり、クリー人は身体能力や毒素への抵抗力が地球人よりも優れている。更にロナンは、サイバネティクス手術を受けており、その腕力は10トンの鉄を持ち上げ、どんな環境でも生き延びられる肉体を持っている。訓練と勉学の結果、格闘術や武器の扱いに関しても熟練。当然、クリーの法律に関しての造詣も深く、戦術や軍略にも優れた物がある。最高告発官の称号は、伊達ではない。
 ハンマー状の武器の名は、ユニバーサル・ウェポン。万能武器と呼ばれるだけ有り、ディスクウォーズ作中で見せたエネルギーボルトやフォースフィールドの展開にエネルギーの吸収と枚挙にいとまがない。コスチュームは最高告発官に与えられる伝統的な物だが、ロナンの力を増大させる効果やステルス機能を持っている。装備は全て、認証からしてロナン専用の物。最強のクリー人に最高の装備。帝国の誇りの体現者である。

 映画ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーでは、メインヴィランとして登場。強大な力で、帝国に己の行動を黙殺させ、ザンダー星とノバ帝国を蹂躙し、ガーディアンズの前に立ちはだかる。告発官でありながら無法なまでの強さ、その存在が、銀河最強のチームを作り上げる一端となる――。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その24~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第24話。
 地球のヒーローVS宇宙の無法者!

 今週末から公開の、映画ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。映画公開に合わせての、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー回、開始! 映画のタイミングとアニメのタイミングが、こうも上手く合致するのも珍しく。スケジュール調整、大変だったと思います。
 アウトロー人生を満喫中、無頼のスターロード。映画やアニメではスリングショットなコスチュームをちょっと大人しくしたガモーラ。同じ緑のパワーキャラでありながら、ハルクに劣らぬ豪快さを見せたドラックス。無茶苦茶な再生能力のアピールに成功した、私はグルート。ラスカルの創りあげたアライグマカワイイ!な幻想を壊すために現れた、幻想殺しのロケットラクーン。正直、日本では現状マイナーな面々ですが、今週のディスクウォーズで彼らのざっとしたキャラクターはアピールされていたかと。映画が楽しみです、ホント。
 それだけでなく、SHIELDが復活したことによるトニーとフューリーの鞘当て復活。以前、ヘリキャリアーより飛び出した日のことを思い出すヒカル&ホークアイ。ロキ戦が終了したことによる、構図の再生や復活も描かれてましたね。レッドスカルとは違うベクトルの大強敵が現れた結果、箸休め感はホント0なんですが、感覚的には少しホッとするような在り方。アキラのアイアンマンデザイン、僕の考えた最強アイアンマン道を邁進してきたトニーには、結構合ってるんじゃないかな。そういうところは、大人にならなくてもいいのよ?
 今日の紹介は、若干フライング気味ではありますが、次回全貌を現すであろう大巨竜を。ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーの紹介は、映画の影響もあって、ハイクオリティな物が沢山出てますしね……。ウチの本質、それはヴィラン好きにして、変な所をガッツリ狙うスキマ産業。

フィン・ファン・フーム

フィン・ファン・フーム

 中国の秘境、眠れる龍の谷と呼ばれる場所に棲む巨竜。四つの鋭い牙を持つ龍は、何時からかフィン・ファン・フームと呼ばれることとなり、四肢は山を砕き、尾は太陽も薙ぐと、近隣の人々に畏れ敬れ続けた。龍の姿が目撃され、伝説として語られるようになったのは8世紀頃だと、史書や証言では語られている。
 巨体に比類した怪力、スタミナ、耐久力。翼は空どころか宇宙をも駆け、寿命は数千年以上。人と同じサイズへの変身やテレパシーといった神力のような能力も持ち、傷や病は冬眠に入ることで回復。例え死しても精神体として残り、他の生物に憑依することで復活が可能。口からは猛烈な火炎を吹くことが出来、優れた頭脳は古代中国よりの学問や技術に武術を記録習得している。まさしく、伝説や神話に残る、龍の有り様である。
 やがてフームは、眠れる龍の谷から出現、伝説の真実を証明した後、度々世に出る事となり、アイアンマンやハルクと激戦を繰り広げる。やがて、明らかになった真実。フームの正体は、伝説の怪物ではなく、異星Makluansから地球侵略のために来た、宇宙人だったのだ。フームはあくまで異名であり、宇宙人としての本名は不明。人には発音できないとの説も。
 太古の地球を訪れたフームは、同胞のバックアップとして眠りに入るが、同胞はフームが寝ているうちに撤退。フームを残し撤退した理由は不明だが、地球のドラゴンや龍に関する神話の大半は、フームと彼の同胞の姿を描いたものではないかと言われている。彼らとは別に地球在来種の龍も居るようだが……かつてイギリス、アーサー王の国キャメロットにいた在来種のドラゴンは、外来種たるフームの同胞が駆逐、彼らは邪龍としてキャメロットを襲撃した。

フーム&ドラゴン

 余談ではあるが、アイアンマンのライバルである、不可思議な10の指輪を操るヴィラン、マンダリン。彼の使う伝説の指輪は、フームの宇宙船から手に入れた物である。
 ヒーローと戦い敗北し、自身のねぐらへ撤退。映画マイティ・ソー:ダークワールドや映画ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーにも出ている宇宙収集狂コレクターに捕まりコレクションに。他の怪獣キャラと一緒に怪獣島に送られたものの、周りとの知的レベルのあまりの差に辟易して脱走。巨体と強大さを持て余し、仏教への傾倒にも走ってみたフームだが、ある日一大決心。ファンタスティック・フォーの考案したリハビリプログラムにロボットのエレクトロ(電気人間とは別)や巨大ゴリラのゴジーラや異星人のゴーガムと共に参加、サイズダウンと催眠療法による能力の抑制等を経て、人間社会で生きる道を選択。ファンタスティック・フォーの本拠地であるバグスタービルディング内の中華料理店に、コックとして就職した。長年の中国住まいの、面目躍如と言えよう。今でも、時折NYを人間サイズのまま歩く姿が目撃されている。

フィン ファン 4

 だが、フームの就職後も、以前と同じ巨体を持つフームが目撃され、動物アベンジャーズことペット・アベンジャーズと戦ったり、カメラの回ってない所でスクイールガールに瞬殺されていたりする。どうも、どこかの組織がフームのクローンを作り出す方法を見つけてしまったらしい。それに加え、ディスクウォーズのような正史とは違うユニバースや過去の時間軸での話では、巨竜として登場。竜王フィン・ファン・フームの姿を拝める機会は、未だ多い。

フィン・ファン・フーム(シネマティックユニバース)

 そして実は、フームはヴィランとして出るよりも先に単独デビューを果たしており、初登場は1961年10月。ファンタスティック・フォーの誕生は同じ1961年11月、スパイダーマンの登場は1962年、アイアンマンの登場は1963年3月……ライバルである主なヒーローよりも、先んじている。アメリカンコミックスにその名を刻む伝説的ライターと伝説的アーティスト、スタン・リーとジャック・カービーの生み出したキャラの一人でも有り。来歴も、豪快さと意外性に満ちたキャラである。

ストレンジ・テイルズ#89

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その23~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第23話。
 新展開開始! ハッピーエンドは覆すためにある!

 アキラもヒカルも、ディスクウォーズの子どもたちには、強さが有りますね。というか、ラフト刑務所での運命のあの日からここまでで、強さを手に入れたのでしょう。掴んでいた手から離れた父、過酷な運命を受け入れた少女。どちらも別れるには、悲痛な物しかなく。
いや。死別ではなく行方不明、ノリコと共に有るX-MENと、僅かな希望は残ってましたね。問題があるとしたら、そんな希望をも塗りつぶしかねない、絶望が現れた事で。

 「新たなる赤い恐怖」のタイトルとバチ魂参戦の情報から、なんとなくロキの次の大敵は予想されていましたが……。来ましたね、レッドスカル。神の次の敵は人、こう書いてみると、ひょっとしてスケールダウン?と感じますが、おそらく本日のディスクウォーズを見た方で、こう感じた方は0に等しいかと。
 ロキが虚言や幻覚を持って人を操るとすれば、レッドスカルは恐怖や秩序を持って人を従わせる。ナチズムの申し子、ヒトラーの理想を超えて育ち、数々の権謀術数を持って、世界とキャプテン・アメリカとアベンジャーズに挑みつづけて来た男。元々、ヒトラーが目をつけた理由も、レッドスカルの持つ人類への憎悪、そのシンパシーから。つまり、虚言を使う立場であるロキとは違い、レッドスカルは恐怖そのもの。神をも越えかねぬ、怪物です。ディスクウォーズにおいても、アベンジャーズの戦慄がレッドスカルの持つ悪意を証明しているかと。どう見ても「ロキよりやべえ」としか思えないリアクションな上に、実際にレッドスカルの完勝。バイオコードを奪われたロキの手下連も、おそらく刑務所の方がマシレベルの扱いを受けているだろうし、もうロキのドヤ顔も彼らの颯爽さも、OPでしか見れそうにないな……。

 レギュラーヴィラン勢、大幅パワーアップ! 名無しの悪党集団改め、マスターズ・オブ・イーヴル!
 そのうちちゃんと紹介する機会がありそうなので軽く触れるだけにしておきますが、原作ではアベンジャーズを倒すために生まれた、ヴィランチームです。様々なヴィランにより何度も創設されることになるチームですが、初めて作ったのはバロン・ジモ(初代)。複数回結成したのもバロン・ジモ(二代目)。ディスクウォーズで彼が高らかに「マスターズ・オブ・イーヴル」を名乗ったのも、その縁深さからでしょう。来歴を紐解くと、第五期はドクター・オクトパスが結成しガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーと対決、第六期は別路線のチームであるサンダーボルツに変貌と、わりと重要ポジションかつ、どうしてこうなった風味もあるチームであり。第五期は、ホント異種格闘技戦レベルの対決だよなあ……。

 今日の紹介は、日本のスーパーヒーロー、日輪戦士たるミュータントです。某ダイターンっぽい日輪の輝きについては、既にバチ魂のスキル名「日輪の輝き」として登場していたり。ミスティークかクロスボーンズにしようかとも悩みましたが、ミスティークは映画出演の影響もあり、世間に流れている情報も多めなので。クロスボーンズはレッドスカルと共にまた出そうですし、自分の今のクロスボーンズに関する最後の記憶って「目先の金に執着した結果、白ブリーフ一枚だけの格好で街中で暴れてボコられて、そのまま連行される」という、一回塗り替えないと大惨事な印象でして。ちくしょう、デッドプール誌メインで読んでる人間は、これだから駄目なんだよ!

サンファイアー

サンファイアー

※SunFireは作品資料により読み方にブレ(例:バチ魂ではサンファイア)があるのですが、今回はアニメ準拠のサンファイアーで統一します。

 本名は吉田四郎。日本産まれの、日本人ミュータント。四郎を妊娠していた母は、『第二次世界大戦末期、広島で被曝してしまい』放射線障害が元で亡くなる。最近は時系列的に無理があるのか、『』で語った部分はスルー気味ではあるが、放射線とミュータントの関連性を暗に示す存在である事はあまり変わらない。他のミュータントとしては、ビーストも父親が原子力発電所勤務で強い放射線を浴びたという経緯が描かれている。
 父親の三郎は親米気質の外交官であり日米をせわしなく駆け回っていたため、四郎の養育は叔父のトモに任されていたものの……彼は強烈な反米主義のテロリストであった。母親の死、叔父の思想、結果四郎は、トモと同じ反米主義者へとなってしまう。やがて叔父と共に、超人テロリスト、サンファイアーとしてアメリカの国際連合本部を襲撃。駆けつけたX-MENと戦っている最中、外交官から日本の国連大使となっていた三郎がサンファイアーを説得するが、業を煮やしたトモが三郎を殺害。激昂したサンファイアーにより叔父も殺され、四郎は全てを失うこととなった。

サンファイアーVSX-MEN

 日本に帰国させられたサンファイアーが、己の過ちや深海の王サブマリナー・ネイモアやアイアンマンとの出会いにより心揺さぶられる中、プロフェッサーXからの思いもよらぬ連絡が届く。生きてる島クラコアに囚われたX-MENを救うためのメンバーとして招集されたのだ。この時、X-MENに全世界より招集されたのは、ウルヴァリン、ストーム、ナイトクローラー、コロッサスと、後にX-MENの中核となるメンバーばかり。

ジャイアントサイズ X-MEN

 クラコア撃破後、救出メンバーはX-MENにそのまま残ることになるが、サンファイアーだけは日本のヒーローとなるために離脱してしまった。サンファイアーの熱くなりやすい直情的な性格は、チームとしての連携を主にするX-MENに向かなかったというのもある。
 元より、吉田家は日本に根を張る巨大組織矢志田一家の親族であり、シルバー・サムライの従兄弟でもある。矢志田の一員として、日本のヒーローとして、日本に結成されたヒーローチーム“ビッグヒーロー6”を導く者として、アメリカのヒーローとも共闘しつつ日本で活動を続けるが、両足切断の重傷や能力喪失と言った七難八苦に襲われてしまう。

サンファイアー&ビッグヒーロー6

 隠遁生活に入ったサンファイアーに声をかけたのは、X-MENの大敵であるアポカリプス。アポカリプスにより両足と能力を取り戻し、新コスチュームとなったサンファイアーだが、黙示録の四騎士“飢餓”に仕立てあげられてしまう。なおこの、ディスクウォーズの格好にも似たコスチュームの初出は、アポカリプスが支配した世界を書くエイジ・オブ・アポカリプス(AOA)。なので別名、AOA版とも呼ばれている。邦訳されたX-MEN:メサイア・コンプレックスには、このコスチュームで参加している。

サンファイアーAOA版

 やがて自分のアイデンティティが揺らいできたサンファイアーは失踪してしまうが、ウルヴァリンが発見、悩む彼をチームに誘うこととなる。誘ったのはX-MENではなく、なんとアベンジャーズ。ミュータントとの融和の為アベンジャーズに同じく誘われたローグやハボックと共に、旧コスチュームで参加(注:現在、戦いの影響により再びAOA版コスチュームに)。アベンジャーズとして活動しつつ、日本のヒーローとしての活動も再開している。

サンファイアー(アベンジャーズ)

 能力は、太陽エネルギーの吸収による、熱や炎の放射。放射できる熱は100万度と言われており、超高熱の気流を作ることによる飛行速度は時速250キロ少々、身体に展開されたフォースフィルドは銃弾も溶かすか弾くことが出来、ディスクウォーズでも見せたように熱をサーモグラフィーのように探知しての追跡も可能。出来る事、やれる事のイメージとしては、ファンタスティック・フォーのヒューマン・トーチがかなり近い。
 実際、この性能はミュータントとしてもかなりの物であり、アポカリプス選出の12人の強力なミュータント“トゥエルブ”の中に、なんと入っている。マグニートーやプロフェッサーXやジーン・グレイと共に入っていることから、評価の高さが伺える。
 強力な能力を持つ一方、サンファイアーには明確な弱点、前述した熱くなりやすい性格がある。熱い性格自体は能力と相性が良いのだが、熱くなりすぎてオーバーヒートした結果の自爆を何度かやってしまっている。能力がピーキー気味なミュータントの中でも、安全弁の不安定さではワーストに入りかねない。これだと強力な能力が、逆に足を引っ張ってしまっている。
 ディスクウォーズではあっさり敗れてしまい、ビッグヒーロー6が出る映画ベイマックスへの出演の可能性は低めと、若干逆風が吹いてはいるが、日本のヒーローとして是非とも応援していきたいキャラクターだ。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その22~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第22話!
 陰謀の神ロキVSアベンジャーズ。決戦! 決着! そして……。

 シリーズの区切りとも言える、ロキとの最終決戦。作画、脚本、演技、全てに力の入った、決戦にふさわしい回でした。ロキVSアイアンマンの高機動戦闘、物語の発端であるラフト刑務所やハルク暴走も練り込んだストーリー、溜めに溜めての全ての誇りや勇気を叫びに乗せるような「アベンジャーズ・アッセンブル!」。いやあ、いいもん見たなと。トニーのスーパー悪口タイムに、子どもたちの覚醒に、エドとハルクの絆、この喜怒哀楽のてんこ盛りが一話にぎっしりと。ああ、いいもん見たなあと!
 もし数年前にデッドプールに出会わず自分の中のアメコミというものが薄かったとしても、きっと90年代の思い出から見始め、最終的にこの最終決戦で「やべえ! アメコミ面白え!」になっていたと思います。その場合はおそらく、今以上に第一話からの丁寧な土台作りに感謝していたかと。
堂々と、面白い!と言い切れる作品に出会えるのは、とても幸せなことです。

 あとアレヒドイですよね、ロキのハルクへの囁き。
「アイアンマンは、お前を騙して誰もいない死の惑星に追放しようとしているのだ」
 全くもって、ひどいデマです。アイアンマンがそんな事する筈ないだろうに! どこかの別世界のアイアンマンがやったのは「ハルクを騙して、自然あふれる平和な惑星に追放しようとした」のであって、死の惑星にハルクが流れ着いたのは事故ですよ! 事故! この事故の結果は、ワールド・ウォー・ハルクで。何度も紹介していると思っても、手は緩めず!
一応、もしもの話を書くWhat If?での「ハルクがもし当初の予定通り自然あふれる平和な惑星にたどり着いていたら?」では、最終的に生まれ始めた知的生物の守護者として幸せに生きましたという結末にはなっています。この場合、結果オーライにはなっていたでしょうが……やっぱ追放はダメだわ。
 マニア心をくすぐりつつ、元ネタがわからぬ人に不自然さを感じさせず、物語の展開に自然に組み込む。非常に、勉強になります。

 数で負けている+1人は新人ミュータント。この圧倒的不利な状況を覆し、DWレギュラーヴィラン勢を鎮圧したX-MEN。アボミネーションやグラビトンと、下馬評では有利が取れるであろうヴィランもいましたが……。X-MENって、基本、チームとしての連携や集団戦の訓練受けてますからね。ストームもアイスマンもコロッサスも、小隊長レベル以上の指揮力は持っており。個々ではともかくとして、X-MENと寄せ集めヴィランチームで下馬評作ったら、X-MEN圧倒的有利よね。

 そしてロキ退場により、次回から新展開。赤い恐怖が、新たなる大敵が、暗躍を始める! 予告の断片とバチ魂でのデザインを照らし合わせるに、おそらく赤き恐怖の正体はあの男だとは思いますが。だとしたら、笑いの神虚言の神との戦い以上の、熾烈な試練が待ち受けているはず。今後の展開からも目が離せません。
……確かに赤いけど、赤い恐怖=デッドプールでは無いと思うヨ!?

 前半もここで(多分)一区切り……ということで、放送開始の第1話から現在最新の22話まで、ディスクウォーズに出たマーベルキャラを一挙紹介! 以前解説記事を書いたキャラに関しては、キャラ名の所に、リンクを張っておきますので。しかし多い、バチ魂に出ているキャラ(例:パワーマン、サンファイア、ダイナ・ソアー)も含めると、更に多い。話数よりもキャラ数の方が多い上に、アニメではほぼ全てのキャラに見せ場が。まさに多彩の豪華絢爛よ!

注:ディスクウォーズ=DWと以下省略しております。

more

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その21~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第21話!
 X-MENとアベンジャーズ、ここに集結! 決戦、A+X対ヴィラン混成軍! ロキ様の、いつも通りの水が漏れる完璧な策略!

 というわけで、奪われたディスク奪還のため、X-MENが対ロキの最前線に。いいですよね、この異種格闘技戦の匂い。だって、超人類VS北欧神ですよ? 権利関係で映画では見れず、コミックスでもあまり無い構図ですよ? いわば越境対決、この同じ世界観でありながらクロスオーバーの風味を感じる対戦カード。これは、良い。個人的には、盛り上がる本編を更に盛り上げるスパイス!
 それに今回、盛り上がりの鉄板こと「ここは俺に任せて先に行け!」もありましたからね。こいつは、ズルい。盛り上がらざるを得ない!

 あと気付きにくいトコですが、本日より参戦のアイスマン、ストーム、コロッサスの三人の能力や性格が分かり易く描かれているのも良かったですね。スパイダーマン同様の軽口を見せるアイスマン、天候を操りつつ仕草に頼りがいの在る母性を感じさせるストーム、鋼の肉体で切り込み率先して味方をかばうコロッサス。そして、まさかの参戦マグニートもX-MENボスキャラとしての暴威的な磁力に、単なる悪とは言いがたい威厳と主義主張を。ディスクウォーズの視聴者の知識に依存せず、物語に説明をしっかり組み込むところは、美点かと。しかしアイスマンの寒さに強い描写に隠れているけど、生足レオタードのストームとノースリーブのウルヴァリンとノースリーブ&ホットパンツの超絶コンボなコロッサスも相当だよなあ……。コロッサス、鋼鉄化しているんで目立ってないけど、露出度ではX-MENトップクラスです。

 今日の紹介は、殺戮獣プレデターXの先達、ミュータントへの敵意の象徴たるロボットです。ロキ様、X-MENと対立するミュータントを組み込むどころか、ミュータント殺戮兵器をバンバン投入と、ミュータント全部に喧嘩売ってますよね。ロキ陣営唯一なミュータントのセイバートゥースは、常時バーサクなので気にしてないだろうけど。

 

センチネル

センチネル

 プレデターXの先達とも言える、対ミュータント用ロボット。最初期は探索、やがて捕縛、最終的に殺戮と、その目的は性能のアップグレードと共に禍々しい進化を遂げ、反ミュータント主義者の象徴として扱われてきた。

初期型センチネル

 元々センチネルとはシリーズ化されているロボットであり、“センチネル”というキャラがいるわけではない。例えばセンチネル初期型はマークⅠ、その改造型はマークⅡと、型式番号で種類は分けられている。モビルスーツにおけるザクやジムのポジションに近い……というか、パイロット搭乗型のセンチネルや等身大かつ人類への擬態能力を持つプライム・センチネルや細胞レベルで攻撃してくる極小ナノ・センチネルと、その幅の広さからして、もう少し広い範囲で。対ミュータント用ロボの総称、モビルスーツやウォーカーギャリアにレイバーのようなくくりと捉えても良いかもしれない。

 進化した種であるミュータントは、やがて今の人類全てを征服するのでは? ミュータントの存在に疑念を抱いたボリバー・トラスク博士の手により、センチネルは誕生した。人類を守護する自律型ロボット、センチネル。しかしセンチネルは守護対象である筈の人類を不確かな者として認識し自ら統治すべき存在と判断。リーダー格のマスターモールドはトラスクを拉致し、センチネル軍団の製造を命令する。この最初の自律志向暴走からして、センチネルは決して人類に忠実なロボットではなく、これ以降もミュータントだけでなく、人類に対して幾度と攻撃することとなる。

マスターモールド

 センチネルの反逆は、X-MENの尽力とトラスクの犠牲により阻止されたが、その後もトラスクの残した設計図を元としたマークⅡや、マークⅢを様々な人間が開発。マークⅡ以降の機種では、対ミュータントだけではなく対超人が設計思想に。やがて超人が起こす脅威に対抗する国家組織、センチネル・スクワッドONEの設立までに至った。

 センチネルの性能は作られる度に向上しており、シリーズが進むごとに適応能力は上がっている。強力な能力を持つミュータントへの対策は特になされており、X-MENメインメンバーの持つ能力には、大体の対策が立てられている。金属製である以上磁力を扱うマグニートーには弱く見えるが、強化プラスチックの使用やコーティングを施すことで、対応は可能。プレデターXに進化という武器が在るのなら、センチネルにはアップグレードがあるのだ。更に、センチネルが人類を統治している未来。そんな未来のセンチネルことニムロッドに至っては、戦闘中に敵の能力を封じる形にアップグレードするという、進化以上の物を見せている。しかも量産可能、データーやアップグレードはリアルタイムで共有されると、もはやまともな手段では、ニムロッドの大軍に勝つことは出来ない。

ニムロッド

 センチネルの単純な戦闘力も非常に高く、非ミュータントであるスパイダーマンやファンタスティック・フォー曰く「僕達が何時も戦っている相手より強い」らしい。ただ、彼らの宿敵の多くはセンチネルを悪用できる側の人間なので、決してセンチネルが格上というわけではないが。

 これは余談だが、トラスクに反逆したマスターモールドは、その後幾度も復活。未来より現れたニムロッドと合体し、ミュータントを絶滅寸前までに追い詰めるが、X-MENの最終手段により魔界に追放された結果、センチネルと人間のハイブリット種バスチオンへと転生してしまう。

バスチオン

 やがてバスチオンは反ミュータント勢力を統合できる存在に、ボリバー・トラスクを筆頭とした死亡した反ミュータント主義者も部下として復活させ、X-MENとの、ミュータントとの最終決戦に望むこととなる。
 生みの親や育ての親たる人間を従わせる機械。新人類による旧人類の淘汰を防ぐためのロボットは、人類全てを淘汰する存在となってしまったのだ。

 

おまけ

 ロキと三機のセンチネルと言えば、ロキ謹製のこのトライセンチネルが脳裏に。三倍どころか、何十倍もの力を持つ三面六腕の阿修羅型。こっち出しとけば、マグニートーにも勝っていただろうに……。

トライセンチネル

あと、某所には少年につき従うジャイアントロボ的センチネルもいたりする。

ジョストン&センチネル