マイティ・ソー:ダークワールド~誰だよ、アイツら!~

 先日公開されたマイティ・ソー/ダーク・ワールド作中において、序盤とエンドロール中にて登場した謎のキャラクター二人の解説となります。
 性質上、ここから先は映画のネタバレです。鑑賞後の閲覧をおすすめします。

クローナン・ザ・ストーンマン

 序盤、ヴァナヘイムに侵攻するマローダーズの隠し球として出てきて、あっさりやられた岩石人間。モデルはソーの第一話、デビュー戦と相手となった、クローナ星人。更に言ってしまえば、おそらく鎧をまとった外見上のモデルはクローナ星人の生き残りである、ウォーバウンドのコーグでしょう。初登場時のクローナ星人は何も着ていなかったので。

コーグさん

 傲慢の罪により人間に転生させられたソーの転生体である、足の不自由な医師、ドナルド・ブレイク。彼を追い詰め、無敵の雷神マイティ・ソーとして覚醒させたのは、土星に前線基地を置く、クローナ星の地球侵略軍でした(注:最初は土星人だったものの、設定が変更)。

 雷神大暴れの図

 ソーにめちゃくちゃにやられたクローナ人は、地球どころか土星からも撤退し、宇宙を放浪することに。その生き残りが、惑星サカーにて剣闘士をしていた、クローナ人のコーグ。なお、ソー初登場時をコーグ初登場とした場合、40年以上経っての再登場となります。
 コーグは地球を追放されたハルクと出会い、ウォーバウンドを結成。惑星サカーでの戦い、そしてハルクの地球への復讐劇にも付き合うこととなります。戦闘力は平時のハルク並みと称される高水準。クローナの仲間の死や、ソーへの完敗が経験となっているのか、性格は比較的温厚。ソーの事はサンダーゴッドと呼び、姿を観ただけで戦闘不能に陥るほど。ちなみに、ワールド・ウォー・ハルクのIF編“もしソーがハルクと戦っていたら”では、ソーとの再開と和解を果たしています。

コーグ「サンダーゴッド。私の事、覚えていますか?」

ソー「おお! 覚えているぞ、ストーンマン!」

コレクター

 エンドロールの途中、シフとヴォルスタッグよりエーテルを預かった謎の男はコレクター。宇宙で最も古くから存在する知的生命体、エルダーズ・オブ・ザ・ユニバースの一員にして、不老不死の超人。宇宙開闢のエネルギーである原理力やテレパシーを扱うことが出来ます。

蒐集狂コレクター

 エルダーズ・オブ・ザ・ユニバースの共通点としては、不老不死の結果、人生に飽きていること。その為、彼らは皆、何らかの趣味嗜好を持っている。例えば、メンバーの一員であるグランドマスターはゲーム、チャンピオン・オブ・ザ・ユニバースは闘争、そしてコレクターは収集といった具合に。

エルダーズ・オブ・ザ・ユニバース

 ただし彼らの楽しみは度を越している上に常識のタガが外れています。
 グランドマスター(上記画像右下)のゲームは宇宙規模であり、好むのは決闘。因縁を操ることで、アベンジャーズ同士の対決や悪党によるチームなどを作ってしまっている。
 チャンピオン(上記画像中央)は究極の格闘家であり、宇宙を旅し、星々の英雄に挑戦し続けている。もし英雄がチャンピオンを満足させられなかった場合、その星の全生命体は彼の手により駆逐される。
 コレクター(上記画像左下)は、全宇宙の滅びを予感し、強制的な生命体の標本化を計画。他にも価値あるヒーローチーム、アベンジャーズの保管。人口減少後の採取を目論見、地球侵略軍の誘導等も行っている。
 全員が強大な力を持ち、エルダーズ同士には兄弟のような絆があると、まるで神話の神々のようであるエルダーズ・オブ・ザ・ユニバースは、カテゴリ的にはソーやアベンジャーズと言うより、コズミック(宇宙)系の人々。コレクターは後の映画、ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーの登場も噂されています。
 そしてエルダーズといえば、強大な力を持つ6つの宝石の保管者でもあったのですが……。敵とも味方とも言い切れないコレクターの動向が、今後のMarvel映画の流れを決めると言っても、過言ではありません。