日々雑談~6645~

 正義の日本人レスラーVS悪の外国人レスラー=地元の英雄VS余所者の構図は、各地区にプロモーターがいた頃のアメリカンプロレスの構図であり、力道山がほぼ直輸入した構図でもあります。アメリカで地位を築いた自分ごとアメリカンプロレスをそのまま持ってきたジャイアント馬場に、タイガー・ジェット・シンとの一騎打ちで一気に名を挙げたアントニオ猪木と、後継者たちもその構図は受け継いだものの、WWE(当時はWWF)の全米進出による情勢や時代や需要の変化により、徐々に団体やイデオロギーや日本人同士の戦いに変化していくわけです。

 まあ、キン肉マンの旧シリーズが正義VS悪の構図でいたのは、タイガーマスクを始めとする梶原一騎作品の影響が大きいのでしょうが。例えばタイガーマスクを読むと、試合のギミックに冷たい世間に話しの細かな点と、ああキン肉マンめっちゃ影響受けてるなあ!というのがひと目で分かります。タイガーマスクの続編として放映されたのはタイガーマスクWだけど、梶原一騎の作風を受け継いでいるのはキン肉マンだと思う。正確に言うと、作風を受け継ぎつつ新たな地平に立っているのが今のキン肉マンですね。

 プロレスの進化こそ、キン肉マンの進化の原動力ですわ。

日々雑談~2360~

 というわけで、横山光輝『三国志』の無料読み放題企画が始まってますね。サイトへの会員登録をしないと6巻以降が読めないものの、ひとまず1~5巻だけでも読んでみると吉。読んだことがあったとしても、読み返す価値は十分ある作品です。

 執筆当時、日中国交の回復ならず→資料が満足に手に入らない→従来の三国志に無い描写が生まれる。この苦心の結果、今となってはこの作品ならではのオリジナリティを感じる部分が多々生まれているのは、世の中わからんもんというか……。現状、張飛と董卓の体型が一番スマートな作品だと思う。

 結構この、情報の遮断により産まれた漫画のオリジナル描写というのは面白いものがあり、例えばジャイアント台風やタイガーマスクでの空中殺法なんてのがあります。この頃まだ、日本に本格的な飛び技が伝わってなかった結果、この当時のプロレス漫画内での凄い飛び技は、ドロップキック100連発のような伝わっている技の超強化やキン肉マンもかくやな超人技の2択となっております。後者の超人技はキン肉マンの必殺技のルーツとなっているものもあり、最初から情報が満足に伝わっていたら幾つかの必殺技が産まれていない可能性もあったんじゃないかと。もっとも空中殺法の追求は、漫画やアニメの発想すら飛び越えた初代タイガーマスク(佐山聡)の登場で、またすげえことになっていくのですが。まあ、それはひとまず置いておきます。話、すっげえ長くなるし。

 それはそれとして、横山光輝の三国志もいいけど、爆風三国志もね! という強引なシメでオチに。爆風三国志、贔屓目なしで、日本の三国志漫画のトップランカーに入ると思うんだけどなあ……三国鼎立前よりずっと早く第一部完なことからは、目をそらすとして(小声

日々雑談~2356~

 マーベル展のレポートを作成中。半分ぐらいは終わったものの、どうしても写真を載せるバランスがねえ……撮影禁止のトコも、長かったから。文章と写真、レポート内の色のバランスが良くないのもアレだし、少し工夫を考えてみますか。
 たぶん、明日にはアップできます。できれば、人に行く余裕が出来る週末前に上げておきたかったんだけどねえ。

 

 変な時間に寝て、変な時間に起きてしまったので、タイガーマスクWをリアルタイムで視聴。VSキングタイガー戦のルールを総合格闘技や異種格闘技戦と表現してたけど、この戦いのモチーフとなっているのはUWFだよなあ。打撃と関節技とプロレス技が一体になっている、U系な試合。別にグローブとレガースは付けてもよかったんじゃなイカ?

 しかしタイガーマスクWも、評価が難しい……単体として観るか、タイガーマスクの後継作として観るかで、評価が変わるというか。後者の場合、元祖タイガーマスクが持っていた悲壮感や怪奇や焦燥感が薄めなので、そこんとこどうしても……。まあ、元祖が濃すぎると言えば、濃すぎるので、今のアニメとしてその濃さが適しているのか?というのはありますが。

 タイガーマスクのテーマの一つとしてあるのは、自らの孤児という生まれや悪役レスラーという境遇に対してのコンプレックス。正統派のレスラーでありたいものの、自分の中に流れる悪役の血がそれを許してくれず、傷だらけになりながら光を求め続ける。原作では死亡、アニメでは生存と、タイガーマスクは一見アニメの方がバッドエンドっぽいですが、最後悪役テクニックを全開にしてタイガー・ザ・グレートを惨殺したアニメ版よりも悪役レスラーとしての運命に折り合いをつけてから死んだ原作版の方が、ある意味グッドエンドだったんじゃあないかと。ただ、光を手にしかけたところでの事故死は、むしろ一層残酷な終わり方とも思えます。

 次週のタイトルが「黄色い悪魔」なので、後継作として欠けている部分が埋められていることを期待。ただ、単体として観れば悪くないのは、同時に語っていきたいところです。出来れば、全てが“良い”となってほしいし、そのポテンシャルはあるはず。

 しかし伊達直人は、自らを悪役と信じ込んでいる結果、自己評価がえらい低い主人公なんだけど、この部分の後継者は、自らをダメ超人と信じ込んでいて自己評価が低いキン肉スグルよねえ……。

日々雑談~2289~

 録画していたタイガーマスクWをイッキ見。もう少し荒唐無稽なデスマッチやマスクマンの投入や、演出ギミックを丁寧に描いて欲しいという要望もあるものの、綺麗な一区切りとして覆面トーナメントが着地していたので、一時的にでも終わり良ければ全て良し。うん、アイアンマンのヘルメット並みにギミック満載なマスク着けてた黄金仮面やピラニアンとのプールデスマッチや歩く放送禁止レスラーなミスター・ノーみたいな、怪しさも欲しいんだ……。

 なんとなしに原作のタイガーマスクも読み直すようになったのですが、タイガーマスクWのナオトやタクマがあまり強く受け継いでないタイガーマスク(伊達直人)の特徴が、一つあったね。これに関しては、同じプロレス漫画なキン肉マンの主人公であるスグルが受け継いでいるんだけど。
 直人もスグルも、幼少時代のつらい経験のせいか、わりと自分自身と他人を信じきれない部分があるよね。自分自身を根っからの悪役やダメ超人と卑下したり、絶望を前にして自棄になったり逃げ出してしまうようなところ。決して心まで鉄な強い人間ではなく、ずっと辛い弱さを秘め続けている。
 ただ、二人共根は恐ろしいまでの善人であり、たとえ弱さに苛まれても、最終的には逃げずに諦めずに立ち向かってくれる強さがあるというのも共通項です。だから二人は、タイガーマスクでキン肉マンなのでしょう。心の弱さに抗い続け、それでも正しくあろうとする姿勢があるからこその、二人のヒーロー。ああ、心に弱さが無ければ、スーパーヒーローじゃあないのさ。

日々雑談~2230~

 昨日は更新できなかった上に、今日もこんな時間の更新になってしまい、大変申し訳ありません。頭脳肉体共に、結構振り絞っている状況です。根性ー!

 タイガーマスクWから感じる、前作タイガーマスクから今に至るまでの変化。プロレス業界の運営方法だって変わっているし、技だってめっちゃ増えている。そもそも主人公のタイガーマスクへのイメージ自体、今は佐山タイガーの四次元殺法が主流なイメージですしね。漫画のタイガーマスクは、スピーディーさはあったものの、地に足の着いたトータルファイターな印象。

 つーか佐山タイガーの動きは漫画より非現実的なトコがある。あんなプロレス界にの常識を飛び越えたジェットコースターレスリングをいきなり見せられたら、そりゃタイガーマスクブームにもなりますよ。コミックスのタイガーマスクから現実のタイガーマスクが生まれ、その現実の影響が現在のタイガーマスクWにもあると考えると面白い話。実際、Wのタイガーマスクは、佐山タイガーや三沢タイガーらしいムーブや技もちらほら見えます。

 タイガーマスクWにおける二頭の虎も、将来的には現実のプロレスに影響を与えるのかね。既にこの間やった新日本プロレスの両国国技館大会に、タイガーマスク出たみたいだけどさ!