日々雑談~5900~

 Switchのセールで購入したDoom Eternalをクリア。前作DOOM(2016年版)から数年空けてのひっさびさのDOOMはやっぱ楽しかった。雲霞のごとく湧いてくる悪魔たち! そんな悪魔の軍勢の中を、武器をとっかえひっかえ駆け回るドゥームスレイヤー! 悪魔を倒し、殺し、踏み潰せ! 数多のFPSの中でも超戦闘特化なゲームの個性は健在でした。

 そしてその一方で、発売直後のコレジャナイ続編扱いもわかるというか……! 前作に比べ、とにかくドゥームスレイヤーは柔いし、弾丸所持数もガクっと落ちている。この弱さは、ダブルジャンプや敵に引っ掛けて移動するミートフックの機動力、一撃必殺から弾薬回収の手段になったチェーンソーで補えるものの、その分考えることややることが増えてしまっている上に、壁際に追い詰められるとあっさり死ぬ。敵の種類も数も火力もマシマシな一方で、武器の種類は増えても火力は減少気味。一言でいうと、あれ? ドゥームスレイヤー弱くなってない? 

 ただ、ドゥームスレイヤーは相対的に弱くなったけど、それが駄目だってわけではないんですよ。実際、Eternal自体は面白かったですし。前作はスーパーショットガンやガウスキャノンといった一部の武器の尖り具合が強かったので、マイルド化することで多数の武器を使うバランスに。機動力を駆使すれば、前作以上の無双が可能だし、増えたガジェットの使い方と合わせれば、周回プレイに多数の分岐やランダム性を生む。一撃死や詰みみたいな理不尽要素も減ってますし、ゲームとしてはよくなっているんですよ。ただ、その尖り方や不器用さが、前作の魅力でもあったわけで。

 前作のDOOMが「スーパーマンの俺つええ!」なら、Eternalは「バットマンなので用意周到に戦います」といった感じ。どっちも悪くない、というか面白いのですが、戦いという器は一緒でも中身が違うので、そりゃコレジャナイでモメもするなあと。あと、追加要素の方針が、崖を飛び移るアスレチックや、対策やカウンター必須の敵と、緩急における緩なんですよね。普通に考えれば、緩急が無い作品は退屈であり、よって緩急を付けるのは正しいことではあるものの、ノンストップなジェットコースター性がウケたDOOMにそれいるのか? という話に。結局は、白黒つけられない堂々巡りなんですが、もしもっと緩急の付け方を間違ってたり、超戦闘特化というコンセプトを間違っていたら、全員一致で駄作扱いだっただろうと、Eternal自体が確かな仕事をしたゲームであることは間違いないはず。ツボが分かってなかったら、たぶんステルス要素や協力プレイみたいな、質実剛健一人でコツコツなDOOMにあわない追加要素を入れてきたでしょう。

 今回のDOOM Eternalのパターンは、単純な良い悪いじゃなくて、頑固一徹な店に新風は必要なのか? 常連の声をどれだけ聞くべきなのか? 新店舗で冒険しないでどうするのか? みたいな、新規と既存の対峙、未だに答えが出ていない問題に足を突っ込んでるように思えるな。これらの問題は、新風や常連や冒険の内容により、結果もまるっと変わるわけで。なので、確かな答えがないまま、とにかく挑むしかない。次回作のDOOM: The Dark Agesは時系列的にはDOOM(2016年版)の前日譚であり、ドゥームスレイヤーを侮っていたら地獄が滅びかけた件のゲーム化だそうですが、果たして戻るかそのままか、それともまた違う挑戦を見せてくれるのか。楽しみに思える時点で、Eternalは俺にとってよかったんだろうな。