日々雑談~5896~

 数日で落ち着かなかった!(挨拶

 

 ウルトラマンとマーベルヒーローズのコラボというのも珍しいけど、日本とアメリカで同時に同じコンセプトかつ同日同時刻にきっかりと始まる企画も珍しいよなあ。関係者の皆様は、調整お疲れ様です。
 ウルトラマン:アロング・ケイム・ア・スパイダーマンは深海怪獣ピーターや異次元列車といった本家ウルトラマンですらほぼ見ない連中を投入しつつ、話の作りは最初から説明するね?とばかりに丁寧。Ultraman X The Avengersはウルトラマンにアベンジャーズと主要キャラはおなじみなメンツなものの、皆様彼らについてはご存知でしょうが……と、話の作りは知識や前提ありきのもの。双方、掴みは大事、最初にインパクトのあるシーンを持ってくると、共通の創作論はあるものの、その一方で前提条件の捉え方や、読者層の狙い方に差があるのは面白いなあと。個人的な考察だと、雑誌としてワンパッケージとして売られる日本の漫画と、リーフとして単話で売られるアメリカのコミックスの違いが出た例じゃないかなあと。ワンパケかつ自作以外の読者層の多い雑誌だと常に新規層が来ることを考えなければならないし、話のつながりは他誌とあれども売り方は独立独歩なリーフは常連を満足させなければいけない。優劣じゃなくて、方法論の違いですね。

 

 以下、ざっとした短評。

 

ウルトラマン:アロング・ケイム・ア・スパイダーマン

・アベンジャーズは出るものの、今後の話の主軸はスパイダーマンとドクター・ドゥーム。MCUの次代のラスボスに内定したこともあり、今回のコロコロ参戦にフォートナイト参戦と、おそらくドクター・ドゥームの外部への露出と出番は増えていくはず。ドクター・ドゥーム、全盛期にして勝負の年――!

・アイアンマンの描写に疑問が出ていたものの、個人的なスタンスとしては「マーベルがOK出してるんだから、いいんじゃない?」といったところ。というより、アメコミの描写やキャラクターの解釈は多人数でやっている都合上どうしてもブレが生じやすいので、判断は公式に任せるぐらいの認識でいないと、一語一句の違いだけで作品の優劣を判断したり、もしかして作者や出版社より俺のほうが詳しくて正しいのでは?みたいな、変な袋小路に入る可能性があるので……。

・異次元列車とピーター繋がりの深海怪獣ピーター参戦は馬鹿じゃなかろうか(褒め言葉 二体(?)ともウルトラQ所属で、ピーターに至っては初のウルトラマンとのマッチアップと、昭和平成令和のウルトラマンでの再登場もほぼ無かった部類。いやでも実際、ウルトラQは等身大の怪物や怪人も多かったし、ある意味スパイダーマン向きかもしれんなあ。というか、絶対コイツ出るだろ!

 

Ultraman X The Avengers

・初っ端、ウルトラマンの世界にやってきたギャラクタスとザラブ星人の邂逅。掴みのインパクトは、異次元列車に連れ去られるスパイダーマンに負けてなかったと思います。

・ウルトラマンの世界と言っても、マーベルで数年連載しているウルトラマンの世界。なので、ハヤタの制服はウルトラ警備隊仕様だし、イデの顔は全然違うし、ウルトラマンジャックは合体ロボ。いや正直、独自設定が多いので、これをそのまま訳してコロコロに載せるってのは無理だったと思う。説明に相当な時間と手間がかかるだろ。

・マーベル・ユニバースから参戦してきたのは、マイルスとピーターのダブルスパイダーマンにアイアンマンにキャプテン・マーベルにワスプにキャプテン・アメリカ(サム・ウィルソン)といったメンツ。スパイダーマン以外は全員飛べる上に、スパイダーマンもウェブスイングでビュンビュン跳ぶと、機動力重視のメンバーといった印象。

・合体ロボのジャックを見て「そういえば、巨大ロボ(レオパルドン)に乗ってるスパイダーマンの拓也っていたじゃん」って話をするピーター。あっさり東映と円谷を繋げるな。頭バンプレストか?

・ギャラクタスの尖兵ヘラルドと化したザラブ星人に、「身体を大きくする研究をしててね」「小さくする研究は?」「やってないけど?」「うーん、それでいい。それでいいのよ」とハヤタとなんか重い会話をするワスプ。クロスオーバーで見たいものをさっと入れてくれるのは良し。この辺りの密度の使い方の上手さは、アメコミならでは。

 

 先が見えず参戦の幅も広くマニアックなウルトラマン:アロング・ケイム・ア・スパイダーマンは連載、対ギャラクタスという主軸がもう見えていて話もぎゅっと凝縮されているUltraman X The Avengersはクロスオーバーのスペシャル回といった感じですね。新たな連載と、既存の作品と地続きな新作、そりゃ作りも違うよねえと。なんにせよ、両作品とも今後が楽しみです。それにしたって、同じテーマの作品を日米で同時にやってくれるのって、それぞれの創作論や購買層を比較できるいいチャンスだよなあ!