日々雑談~5823~

 露悪的なヒーローが出てくるので、ザ・ボーイズか?って言われているけど、ダークファンタジーやモブVS全英雄のキャッチフレーズや展開を見るに、いわゆるパーティーリベンジものに近いんじゃないかな。枠が異世界でなく、ヒーローものってとこで。そもそもドラマと言うか大本のコミック版のザ・ボーイズは、ヒーローアクションよりもサスペンスやミステリーに近い路線ですしね。たとえば若手のB級チームことスーパードゥーパーのエピソードは、ヒューイの裏切り疑惑とチームに現れた異物の存在がメインで、エピソードにおけるボスキャラはブッチャーに数コマで瞬殺されてますし。動画的な部分もプラスしたドラマ版は若干近いかもしれないけど、それだってやはり違う作品じゃないかな。

 アンチヒーローもの、逆張りものはいかんせん難しい作品なので、シヒラ竜也先生とマガジン編集部の挑戦は応援したいです。ただ、同じ路線の戦隊大失格が同じ紙面に並んでいるのは、ちょっと胃もたれ感があるけど。少年誌って同路線を戦わせるふしがあるし、ひょっとしたらもう一本ぐらい来るのか?

 あと、これはあくまで個人的な意見であり、実際に難しいことは重々承知なのですが、海の向こうのヒーローよりもこの国のキャラクターを弄るくらいに腹をくくらんと、話題性の維持や目が離せないような危うい魅力を出すことは難しいんじゃないかと思ってます。しかし、ザ・ボーイズをやった後も、ちゃんと大手でヒーロー系の仕事をやってるガース・エニスや、オファーを出した出版社はスゲエなあ……。

日々雑談~5629~

 You Tubeでの東映公式配信カーレンジャーが最終回を迎えたと聞いた瞬間に頭をよぎった、96~97年は日本だけでなく世界的にヤバかった説。今のとこ、97年は神様がヤクをやってた説が一番信憑性が高い。しかしモナハンの中では、グリーン・ランタンとゾンビ水族館が並ぶのか……。

 挙げた名前は作品の脚本家でありライターですが、細かにスタッフを見れば、もっと沢山挙げられるでしょう。例えばシャンゼリオンの井上敏樹は、浦沢義雄やガース・エニスと並べていいはず。もう20年以上前の話ではありますが、その20年前と今は確かに繋がっていて続いている。カーレンジャーもヒットマンもシャンゼリオンも、突飛な作品に見えて、完成度すげえ高いんだよな。作品とテーマの芯が、実にしっかりしている。

 同じ時期に名前が世に出始めたというならデッドプールも入るけど、デッドプールの場合はこの時点ではまだ発展途上って感じかな。実際、今のデッドプールらしさが身についてくるのって、第一レギュラーシーズン終了後に始まったケーブル&デッドプールの終盤なんじゃないかと思いますし。そもそも、デッドプールらしさってなんなんだろうね?

 多少成長タイプは違えども、デッドプールもロボコンやザ・ボーイズと並ぶ今のコンテンツと言っていいでしょう。
 96~97年は、面白おかしいヒーローが生まれた年にして、どう実をつけるか予想もできない種まきの季節だったんだなあ。でっかく実ってよかった。

日々雑談~5607~

Q:ザ・ボーイズが原作に忠実な実写化路線で行ってたら、今頃どうなっていると思いますか?
A:Amazonが焼き討ちされてたのでは。

 今の風潮でなくても、もともとザ・ボーイズ……というかガース・エニスの作風自体が権威に中指を立てつつ、社会の善悪を率直に書く作風なので、多くの人が見る映像化にあたり薄める作業は必要だったんじゃないかと。つーか、コミックスファンですら懐疑的かつあまり綺麗なものとして書いてないから、一部マニアに黙殺されてる面もあるしな。そういう作品が実写化でのし上がるのは、近年ならでは。

 そもそも原作通りにやった場合、登場するヒーローの数とうひゃあとなるアウトローな汚れっぷりと画面の肌色率が5割増しくらいになるし、女性の乳首も男のチンコも出さねばならん。成人男性のチンコがモザイク無しで出てるコミックス(漫画)なんて、知ってる限りじゃジャングルの王者ターちゃんとザ・ボーイズぐらいだぞ。

 踏み込む勇気は必要だけど、とにかく踏み込むことだけ考えてしまったら、それは勇気ではなく蛮勇。上手く距離感を保ちつつ、見事完走してほしいものですね。

 ……でも俺も、ザ・ボーイズの制作会議に参加してたら「せっかく映画やったんですし、ストームフロントをもうちょっとシャ◯ム!に寄せましょうよ! あと、シーモス出しましょう! シーモス! なあに、マーベルがシー◯ルクをさっさと出さないからいけないんですよ! それにシーモスは青いし、背中にコブついてるから差別化できますよ!」ぐらいのこと言ってたかもしれん。蛮勇どころか、暴走だろコレ。

日々雑談~6692~

 アマゾンプライムのドラマ、ザ・ボーイズの評判がいいようで何より。どうしてもほら、クソみたいなスーパーヒーローを描く性質上、本来コア層になってほしいディープなファン層の中でも賛否が分かれる作品だったし。そもそも、ガース・エニスの真骨頂は反骨心だし、その反骨心をぶつける相手にはファン層も入ってるしね。ガース・エニスは、露悪的と言うより、反抗心や反骨心をぶつける分、いろいろとにじみ出てしまう作風なんですよ…。

 実はドラマ版はまだ手加減している。
 キャプテン・アメリカをなんだと思ってるんだ。
 なんだこの途方も無い絶望感は。

 表紙のイラスト一枚でパッとこれだけのイメージが湧いてくるの、凄いと思う。このソルジャーボーイが出てくる本編の内容? イメージ以上に加減してないし、ある意味不変なキャップの存在に疑問を抱くようになるし、絶望は四割増しよ?

 ドラマ版は、コミックス版におけるラスボスポジションのセブンがまず前に出てきたので、これから先、どう仕上げていくか楽しみです。けっこう分厚い邦訳が三冊出ているけど、まだ三冊のうちではセブンと直接やり合う流れにはなっていないし、やり合うヒーローチームは、恵まれし子どもたちのG―MENや誰かにアベンジしたいペイバックなどの準最強格なチーム。ラスボスをこう前に持ってきたのは面白いし、だからこそ原作ファンでも今後が読めない。

 しっかりと地固めしてからやった方がいいテーマが多い作品なので、今の人気は心強いです。足元がしっかりしてないと、せっかくのテーマが、最大瞬間風速すごいなーで終わったり、余計なところをつっついて騒動になりかねんからね。足元がしっかりしていれば、どうにかなる。

 ところで、ドラマを見た人がなんだアレの一言で評しているブラックノワール。コミックス(未邦訳分)では正体が明かされているので、コミックスを読んだ身としては、実のところ謎の正体を知っているのですが……。実際、ドラマとコミックスの展開は異なるので正体がそのまんまかはわからないものの。これ、黙っているのすごい大変だけど、未見の人が受けるショックのことを考えると絶対言えねえ。今年最大級のネタバレ禁止事項だわ。

日々雑談~6660~

 俺は夏コミ原稿が終わるまで観れないので、皆々様は是非とも先に観て、クソッタレな世界を体験してみてください。ヒットマンは一応DCユニバースって安全弁があったけど、ザ・ボーイズは安全弁も遠慮もないから。いやあ、なんつーかさ、すっげえんだよな。これしか言いようがないぜ。とりあえず、発端の超光速轢き逃げシーンだけは観たけど、だいたいあんなノリっすよ!?