日々雑談~5858~

 いやこのラスト一コマ凄くない!? ダークヒーローの定義付けだけでなく、今まで立ち場が不明瞭だった残虐超人のポジションも、ここでしっかりと固定。この一コマを持ってして、キン肉マンの読み切り群の中でも頭一つ抜けているといっても過言ではなく。でも次の超人血盟軍結成秘話も、王位争奪戦の「ソルジャーが正体を明かす前に離脱したのに、やけにアタル兄さんを察しているアシュラマン」のミッシングリンクを埋める、結構重要な話だったりする。まあアレだ、最近のキン肉マンの読み切りは、どれも面白いな!

 日本人レスラー対外国人レスラー、日本人のエース同士の対決の後に生まれた、団体内ユニットによるイデオロギー闘争。キン肉マンの連載期間は、新日本プロレスで維新軍やはぐれ国際軍団やUWF軍団の登場でイデオロギー闘争が急速な成長を遂げた時期でもあります。ジャパンプロレスの誕生で、対外国人レスラーがメインだった全日本プロレスにも火は伝播し、やがて天龍同盟やnwoジャパンやCHAOSや鈴木軍やCRAZY-MAXや蛇界転生のようなユニットが各所で次々と生まれ、ユニット抗争は当たり前の今に繋がっていきます。

 残虐超人は当時合った概念がまだ日本のプロレスで薄かったからしょうがない一方、やっぱ2世開始時に残虐超人を悪魔超人や完璧超人とあわせて悪行超人にしたのは不味かったよなあ……。他団体もしくは外国人レスラーのポジションだった悪魔超人や完璧超人と組むことで、残虐超人のアイデンティティがねえ。先達であるラーメンマンやカレクックやウォーズマンが正義超人入りしたままだったので、そのあり方はさらにあやふやに。作品のリスタートという、定義付けがしやすいタイミングを逃したってのはあるわね。

日々雑談~2266~

 とりあえず、峠は超えた……はず。
 体力も何もかも尽きたので、今日は簡易更新で。峠は超えても、日常は続くし、なにせ年末だ!

 今週のキン肉マンのカレクック。ヨガなどを始めとする新たな概念とゆでたまご先生の進化により、ついにインド人に求める理想を詰め込んだ、創作における至高のインド人レスラーが完成したのではなかろうか。ゆでたまご先生の源流である、梶原一騎先生のミスター・クエスチョン(タイガーマスク)も完成度高いけど、流石にファイトスタイルにヨガを組み込むことは出来なかったからなー。いや、トレーニングにはヨガを組み込んでいるし、古豪キャラクターとしての迫力はプリンス・カメハメレベルと、ミスター・クエスチョンも完成度すげえ高いんだけど。でもタイガーマスクWの新ミスター・クエスチョンだと、今のカレクックと比べて流石に色あせてしまうな……。

 しかし、カレクックどうなるだろうなあ。というか、来週がおそらく今年最後の更新。ゆで先生は、年の最後に爆弾を仕込んでくるタイプなので、何が起こるかわからんぜ。

日々雑談~2228~

 グランドジャンプ掲載の「キン肉マン 超人列伝 カレクックの巻」が実に素晴らしかったです。頭にカレーを乗っけたインド超人を主人公にして爽快感と悲哀を織り交ぜた武侠小説の如き物語を書き、なおかつ設定も補完する。シュールギャグにもならず、読み切りとしての立場を逸脱せず、これだけのことが出来る作者は、古今東西そうはおるまい。ゆでたまごのお二方は、ホントすげえわ。

 個人的にやはり一番胸に来たのは、残虐超人を冬の太陽に例えた一説。ネタバレなので詳細は避けますが、これはダークヒーローやアンチヒーローの例えにも使える名文ですね。当時から囁かれてはいたものの、今では公式で“正義超人の過激派”と認められた残虐超人。むしろ、残虐超人自体が、今で言うダークヒーローなのかもねえ……。

 この作品のカレクックは、当然ながら超人オリンピックインド代表に相応しい実力を見せてくれるのですが、同時に生じてくるのは「なんでこんなに強いのに、キン肉マンに負けたんだ」という疑問。その回答となるのが、頭頂部のカレーがカレクックの実力や残虐性に関わっていたという理由付け。キン肉マン戦では、頭部のカレーを破壊されたことで、逆転を許してしまったわけで。いきなり自分の強さの根幹であったカレーを失ってしまえば、そりゃ試合放棄もするわい。これで足りないなら、途中頭に乗っけた牛乳でカレーの辛さが中和される=残虐性も薄まってしまったという理屈でどうだ! どうもこうもないけど!

 同じ超人列伝のベンキマンは短編集に収録されているものの、これまた同じ超人列伝のウルフマンは未収録。今後の単行本掲載がどうなるか分からないので、早いうちにグランドジャンプを確保しておいたほうが良さそうですね。しかしコンビニで入手した瞬間、その日の弁当は無意識のままカレーになってしまったので、全国のカレー屋さんはカレクック掲載のグランドジャンプを店に置くか神棚にでも飾っておいたほうがいいと思うよ!