日々雑談~2228~
グランドジャンプ掲載の「キン肉マン 超人列伝 カレクックの巻」が実に素晴らしかったです。頭にカレーを乗っけたインド超人を主人公にして爽快感と悲哀を織り交ぜた武侠小説の如き物語を書き、なおかつ設定も補完する。シュールギャグにもならず、読み切りとしての立場を逸脱せず、これだけのことが出来る作者は、古今東西そうはおるまい。ゆでたまごのお二方は、ホントすげえわ。
個人的にやはり一番胸に来たのは、残虐超人を冬の太陽に例えた一説。ネタバレなので詳細は避けますが、これはダークヒーローやアンチヒーローの例えにも使える名文ですね。当時から囁かれてはいたものの、今では公式で“正義超人の過激派”と認められた残虐超人。むしろ、残虐超人自体が、今で言うダークヒーローなのかもねえ……。
この作品のカレクックは、当然ながら超人オリンピックインド代表に相応しい実力を見せてくれるのですが、同時に生じてくるのは「なんでこんなに強いのに、キン肉マンに負けたんだ」という疑問。その回答となるのが、頭頂部のカレーがカレクックの実力や残虐性に関わっていたという理由付け。キン肉マン戦では、頭部のカレーを破壊されたことで、逆転を許してしまったわけで。いきなり自分の強さの根幹であったカレーを失ってしまえば、そりゃ試合放棄もするわい。これで足りないなら、途中頭に乗っけた牛乳でカレーの辛さが中和される=残虐性も薄まってしまったという理屈でどうだ! どうもこうもないけど!
同じ超人列伝のベンキマンは短編集に収録されているものの、これまた同じ超人列伝のウルフマンは未収録。今後の単行本掲載がどうなるか分からないので、早いうちにグランドジャンプを確保しておいたほうが良さそうですね。しかしコンビニで入手した瞬間、その日の弁当は無意識のままカレーになってしまったので、全国のカレー屋さんはカレクック掲載のグランドジャンプを店に置くか神棚にでも飾っておいたほうがいいと思うよ!