ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その35~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第35話。
 久々のスパイダーマン登場! だが、しかし……?

 アメリカを離れたアベンジャーズに代わり、ニューヨークを守護していたスパイダーマン。多くのヴィランがディスク化したとはいえ、多くのヒーローがディスク化してしまった以上、負担が軽くなることはなく。ハーレムを守るファルコンや、スパイダーマン並みの知名度と抑止力を持つアイアン・フィストとパワーマンが居ないのは、痛いよなあ。ヴィラン以外の、ただの人間たる犯罪者も居るわけで。対ロキや対レッド・スカルのような激戦に参加することはありませんでしたが、スパイダーマン、きっと相当苦労してきたと思います。

 天才にして変人なハンク・ピムの協力という、心強い筈なのにアレ?なんか不安だぞな光明の裏にある黒。NYを震撼させる黒いスパイダーマンの大暴れ。ちくしょう! やっぱりジェイムソンとデイリービューグルは正しかったんだな! ……いやまあ、あくまで原作の話ですが、今日のトニーのコメントのように「あそこの編集長は、スパイダーマンを悪く書くことが趣味」というのは、既に一種の共通認識として市民の間にあります。ただ、ニューヨークが巨大都市である以上、その認識を全員が得ているというわけではなく。スパイダーマンを嫌っている人もいれば、好きな人もいる。多くの人間が住む都市としては、普通の光景です。
 よくマーベルの市民はヒドい呼ばわりされる事がありますが、感情が移ろいやすい面もヒーローに石を投げることも、手のひら返しで賞賛することも、ヒドいとか外道ではなく、多種多様な都市であれば当たり前の、現実的な光景なんじゃないかと。

 話がズレましたが、凶暴化した黒いスパイダーマンを止めるため、次々彼と戦いを繰り広げるヒーロー達。キャプテン・アメリカ、ソー、ブラックウィドウ……軽快なスパイダーマンが相手なだけあって、今回みんな動きが際立ってますね! ブラックウィドウに関しては、初登場回に変なのがいたせいで、初戦闘シーンですし! しかし、ヒーローの中でも最も高潔に近い、キャプテン・アメリカとスパイダーマンの戦い。親愛なる隣人を未だに信じ続けていたNY市民にとって、これほど辛い光景も無かっただろうなあ……。

 戦いとスパイダーマンの逡巡とブラックウィドウの情報の結果もたらされた結論は、共生体ヴェノムによる寄生。細かいことを言ってしまうと、共生体はシンビオートであり、シンビオートが寄生した結果誕生したキャラがヴェノムというのが原作における正式な認識であり。でもこの辺りは、あくまで個人的な感覚ですが、ヴェノムへの一本化でいいんじゃないかと。
 シンビオートやヴェノムといった単語の知名度の問題や、話をシンプルにする都合や大人の事情、あくまで推論でしかありませんが、様々な要素を天秤にかけた上での決断だと思います。原書でも共生体を呼ぶ際、ヴェノム・シンビオートやDWと同じようにヴェノムとか、そこまで名称に拘って無い時がありますしね。この天秤は、難しくあり。

 というわけで、今日の紹介はスパイダーマンです。おいおい、たまには俺も、メジャーなヒーローの紹介するんだぜ! ただし、テーマはブラックコスチューム&他のコスチューム。スパイダーマンについて本気で語ったら、コラム35回分あっても足りないからな!

スパイダーマン(ブラック・コスチュームorエイリアン・コスチューム)

スパイダーマン(エイリアン・コスチューム)

 ニューヨークにて、謎の落下物を調査していた筈のスパイダーマンは、気づけば見慣れぬ場所……どころか、地球ではない別の惑星に居た。しかも周りには、他の地球のヒーローやヴィランも集まっている。後にシークレットウォーズと称される、この事件。全能に限りなく近い存在である宇宙人ビヨンダーにより惑星闘技場バトルワールドに召喚された彼らは、強制的に戦わせられることとなる。
 そして激戦により、スパイダーマンは何時もの赤青ベースのコスチュームを大きく破損。どうしたものかと悩むピーター・パーカーは、謎のマシーンを発見作動させたところ、マシーンは従来のコスチュームによく似た黒いスパイダーマンスーツをピーターに纏わせる。黒いスパイダーマンコスチューム、ブラック・コスチュームはこうして登場した。

黒いスパイダーマン!?

 シークレットウォーズはやがて終戦。スパイダーマンは地球に帰還するが、黒いスーツも代用品兼記念品として持ち帰っていた。だが、スパイダーマンは何時ものコスチュームに着替えること無く、ブラック・コスチュームを着続けることを選択する。なにせこのコスチューム、異星文明の賜物か、まず着ただけで身体能力が拡大、更にはウェブシューターを使わずとも自力でしかも無限にウェブの生成が可能、たとえコスチュームを所持していなくても考えただけで手元に、しかも装着したいと考えただけで自動装着し普段着への瞬時の擬態も可能と、素晴らしい物であった。
 黒いスパイダーマンとして活躍し続けるピーター、しかし性能向上によりスパイダーマンとしての活動は若干楽になったはずなのに、やけに毎日、疲労と倦怠感に襲われていた。限界を迎えたピーターは、シークレットウォーズの事情を知り、優れた頭脳と設備を持つファンタスティック・フォーに助けを求める。ファンタスティック・フォーのリーダーである天才科学者ミスター・ファンタスティック(リード・リチャーズ)による実験と調査の結果、疲労感の原因とコスチュームの正体が明らかになる。

暗黒のスパイダーマン

 ブラック・コスチュームの正体はブラック・エイリアン・コスチューム、異星の科学により作られた布製コスチュームではなく、コスチューム自体が知性と生命を持つ生物シンビオート(共生体)だったのだ。生物と共に生きる生命体であるシンビオートは、スパイダーマンに能力を与える代わりに、毎晩寝ているピーターの身体からエネルギー源となるアドレナリンを採取していた。疲労感の原因は、これである。共生体は既にピーターの指示を聞かぬ程に一体化していたが、リードはこの共生体が高い周波数の音波に弱いことを発見。音波を使うことで、ピーターは共生体より開放された……かに見えたが、リードの研究室から共生体は脱走。油断していたピーターに再度取り憑く。窮地に陥ったピーターであったが、近くにあった教会の鐘楼堂に登り、鐘の音を使って共生体との分離を試みる。生き残るのはピーターか共生体、どちらか一人。最高の宿主を救うため、共生体はピーターから離れていった。
 その後しばらく、共生体は教会に潜んでいたが、やがて訪れたスパイダーマンへの怒りを抱える男を、新たな宿主に選ぶこととなる――。
 なお、共生体と離れた後も、ピーターはブラック・コスチュームを着ていた。ただし、今度のコスチュームは、怪盗ブラックキャットから贈られたただの布製コスチュームである。いつもの赤青のコスチュームに戻ってからも、何度か着用しているが、どうにも精神的に不安定な時、怒りに燃えている際に包む機会が多い。アドレナリンを喰らうための刺激、心中共にずっと在る。元のブラック・エイリアン・コスチュームにも感情を不安定にさせる効果が見られたが、この呪いはイメージとして布製コスチュームにも付き纏っている。映画スパイダーマン3では、共生体に寄生され己を見失っていくピーターの姿がありありと描かれた。

映画版ブラックコスチューム

 印象的なコスチュームとしてゲームにもよく登場しているが、ゲームにおけるブラックコスチュームは主にパワー型。攻撃重視の能力値や荒々しいファイトスタイルで敵を追い詰め、ゲームによっては一時的なブーストであるレイジ(怒り)モードを搭載している。このスーツに関する総論は、スーツの由来も知らず関係も知らない別次元のピーター・パーカーが初めてこの黒いスーツを見た時のコメントに集約されている。
「僕にダークサイドがあったら、きっとこんなスーツを纏ってソイツを表すだろうね」

 ここからは完全に余談だが、敵や状況に対応してのスーツ制作といえばまずアイアンマンのイメージが強いが、優れた知性と応用性を持つスパイダーマンも負けじと開発を続けている。ピーターが自作したものとしては、例えばこんなスーツがある。

アーマード・コスチューム

 かつてマブカプにも登場したアーマード・コスチューム。大学の研究室で作り上げた擬似鋼鉄を使用しており、スピードが落ちているものの、防御力が格段に向上している。

ピーター四變化

 ホーネット、プロディジー、ダスク、リコシェ。殺人犯に仕立てあげられたため、満足な活動が出来なくなったスパイダーマンに代わり、ピーター・パーカーが代わりに着た四つのコスチュームとアイデンティティ。様々な技術や友人親族からの協力を得た結果、四つともそれぞれ独自の特殊能力をもっている。

バレットプルーフ・コスチューム

 超感覚スパイダーセンスを一時失ったピーターが開発した、バレットプルーフ・コスチューム。銃撃を避けるのが難しくなったため、防弾性能に優れたスーツを開発する必要があった。

ステルススーツ

 ステルス・スーツ。音と光の伝達を阻害することで、透明化出来る隠密用スーツ。前述のバレットプルーフとこのステルスは、当時ピーターが務めていた研究所、ホライゾン・ラボが持つ超技術を使用している。

このピーターが作ったスーツ以外にも、多の天才より贈られたスーツが多々ある。

アイアン・スパイダー

 アイアン・スパイダー。魂ロワイヤルにも参戦が決まった、トニー・スターク制作のハイテクスーツ。思いつく限りの能力に加え、強力なロボットアームも独自装備と、スパイダーマンのスーツの中でも頭一つ抜けた性能を持つスーツ。なお、しばらく後、量産型スーツも作られている。

FFユニフォーム

 ファンタスティック・フォーユニフォーム。一時死亡扱いであった、ヒューマン・トーチの代理として加入した際に着用したスーツ。リード・リチャーズの発見した不安定分子が使われており、ピーターの思うとおりに色や姿形を変えることが出来る。この白と黒という色合い、これは当時のファンタスティック・フォーのイメージカラーなのだが、某キャラクターに似てしまうため、実はあまりピーターは気に入っていない。でも、大人としてそれは、心中に秘めている。

 今までのスーツはまともな代物だったが、たまに都合や偶然やその場しのぎで、変なスーツを着るハメになることがある。

アメイジング・バックマン

 ファンタスティック・フォーのお陰でブラック・エイリアン・コスチュームとの縁が切れる。それはつまり、着る物がなくなるという事だった。しょうがねえなと、自分の旧コスチュームを持って来てくれたヒューマン・トーチ。ただ仕様上マスクが無いため、とりあえず紙袋を被ってみた。帰り道、この格好で人助けをしてしまったため、「ファンタスティック・フォーのニューメンバー! アメイジング・バックマン現る!」とニュースになってしまう。トーチがイタズラで背中に「キック・ミー」と書いた紙を貼っていたため、アメイジング・バックマンの謎は更に深まったとか。こんなどうしょうもないコスチュームだが、初めてトーチの代役としてファンタスティック・フォーの元に訪れた際、スパイダーマンはこのコスチュームでやって来た。流石に、マスクはちゃんと被っていたが。

 上記のコスチュームは、自作、他作、おもしろ含め全部、スパイダーマンのコスチュームの一端にすぎない。これらを見て、スパイダーマンの多彩さや可能性に気付いて貰えれば、幸いである。最近増えている別次元のスパイダーマンまで入れてしまうと、これ即ち本当にキリが無くなる。例えば日本で有名なもその一人なわけで。

日々雑談~1766~

 沢山のWEB拍手、ありがとうございます。そして拍手で人気者なノバということで、今日はノバ+1に関する返信特集ということで。ノバ(例:ディスクウォーズ)とノヴァ(例:マブカプ)。読み方は2つありどちらも正しいですが、一応今回はディスクウォーズに関する物なので、自分はノバ表記で行かせていただきます。

>サムことノバはアニメ「アルティメット・スパイダーマン」にアイアンフィストやパワーマンと一緒に登場しているで、この二人が出た時点でサムも出てきたら嬉しいとは思っていましたが、ロキやストレンジではなくノバがセカンドヒーローになるとは思いもしませんでした。解説記事、いつも楽しく読ませていただいています。

 お楽しみいただけたのならば、何よりです! アルティメット・スパイダーマンを観ていると、やはり輪にサムを加えたくなりますよね。しかしノバ、先週ならともかくとして、サムが出るという情報を聞く前に、セカンドヒーローとなることを予測できた人は居ないんじゃないでしょうか。そして、ストレンジは何処へ……あの人が行方不明って、ストーリー的にも不安だ。

>GoGの映画ではノヴァ・コープがザンダー星の空軍みたいな扱いなっちゃってましたけど、彼の今後のマーベル映画化企画に乗ってるようですね・・・
>おや、我らがロジャース大尉がバケツを装着した話に言及がないのは意外でした。リックよりさらに強かったノヴァ版キャップはもうずっとそれ被ってろよと思った覚えが

 映画の話や、キャップ関連の話にも触れたかったのですが、いかんせんリチャードとサム、二人を一つにまとめたような記事なので、カットせざるを得ませんでした。あまり長すぎると、知識の栓になってしまいますからねえ。ノバも結構、面白エピソードにあふれてますよね。つーか、リチャードもぶっちゃけ最初からしばらくは“若い”なキャラでしたし。そりゃ、面白いさ。

>アルティメットスパイダーマンに出てくるノバはこのノバのアルティメットユニバースバージョンと考えていいのでしょうか?

 どちらかと言うと、ノバのアニメ版アルティメットスパイダーマンVersionですかね。俗にいうアルティメットユニバースとアニメのアルスパはちと違いますし。つまりは、ディスクウォーズのノバもディスクウォーズVersionなノバということで。

DWのピム>近い例と言えば、最初期イエロージャケットの頃の躁鬱病の頃や、ハルクウェーブ収録の分裂して二人になってた頃が近いですかね?

 そうですね、イメージ的には、あの時期の(心が)落ち着かないピムに通ずる物がありますね。ディスクウォーズのピム博士、嫌な奴やダメな奴というより、変人ですよね。ここいら辺は、キング・リュウさんがアカウントでつぶやいていた、ピムを只の嫌なやつにしない路線へのプレリュードと言えるかと。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その34~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第34話。
 新キャラ目白押し、新章開始はロケットスタート!

 過去の象徴たる大敵レッド・スカルとの激戦が終わり、アベンジャーズと少年たちが見るのは未来に。アカツキ博士の救出、そしてディスクの回収。ディメンションスフィアという新たなサンプルを手にしたアイアンマンは、切るのに躊躇していた切り札、天才科学者ハンク・ピムに協力を要請する! ええ、遂に出ましたハンク・ピム。ディスクウォーズのピムは、ピントがずれ気味のある意味らしいとも言える学者キャラ。色々な作品にピムはいますが、今回は変人なので、分かりやすくまだ救いがある方じゃないかと。ピムは結構やらかすタイプのキャラですが、ヒーローとしての重圧によるミスや、荒れた心による暴走と、やらかしの原因が誰でも持っている心の弱さや暗黒面に起因していて、よくよく考えてみると痛ましい感じで。悪い人間ではないものの、決定的なミスやピントのずれた事をしてしまうという観点なら、このピムもちゃんと原作要素を汲み取ったものなのかなと。しかし、ディスクウォーズのワスプは所謂女子力高めなお姉さキャラだけど……このピムと付き合いがあったなら、そりゃ色々鍛え込まれるよなあ……。

 ソーの義弟ロキ、キャプテン・アメリカの宿敵レッド・スカル。続く巨悪は、アイアンマンの大敵、マンダリン! 10の指輪を持つ男、テンリングスとして、火炎や冷凍といった10の力の一端を披露。策謀を好むロキや暗躍を持ってして超人の域へ辿り着いたレッド・スカルとは若干違うタイプな、正統派のボスキャラ。かと言って策略暗躍が不得手なキャラではないので、今後の動向はまた多彩。チンギス・ハーンの子孫が打つ今後の一手とは!
 ディスクウォーズに際して、中華の怪人マンダリンがメカメカしくなった!というイメージが見受けられますが、実のところ既にマンダリンは、先行のアニメ、アイアンマン・ジ・アドベンチャーズにてアイアンマンのライバルらしい、ディスクウォーズの源流となる容貌となっております。

マンダリン(アイアンマン・ジ・アドベンチャーズ)

 つまり、この路線を一層強めて、日本の成分を若干取り入れた結果がディスクウォーズのマンダリンですね。まあ、マンダリンに関しましては、正直アイアンマン3というとてつもねえ大アレンジがありますからね! いやアレは、劇場で見てビックリしたわ……。

 公式サイトで言及されていたハンク・ピム、10の指輪が予告で映しだされていたマンダリン。そんな二人を隠れ蓑にして、大半の視聴者に正体を隠しつつ、ここまで来たのが新人アベンジャーズであるノバことサム! またはノバではなくノヴァ!
 ノバ自体は過去の活躍でそれなりに知られていた上にマブカプ3にも参戦したヒーローですが、代替わりがあったという情報がなければ、おそらくノバを知っていてもサムと繋げられなかったかなと。サムが登場しノバになったのって、去年とか一昨年の話ですからね。ディスクウォーズに出たマーベルキャラの内、おそらく最も登場が新しいキャラです。サムが2010年代、おそらく時点が2000年代のサージ(ノリコ)、次が90年代のデッドプール。いやもう、アメコミキャラって長寿だ。なお、「Marvel Sam」で検索すると、一番最初に出てくるのはこの人です。
 なお自分の場合、サムの顔に見覚えがあったので「あー、アイツか!」と思い当たることが出来ました。原作のサムに比べディスクウォーズのサムは若干年が上に見えますが、髪型を始めとした原作のサムの雰囲気は出ていたと思います。そういえば、予告で見せた速さからサム=クイックシルバーな説も出てましたが、クイックシルバーは本名ピエトロですしね。あと、指輪を付けた悪役としてサノスの名も。サノスと言えばジェムですが、アレは指輪ではなくガントレットなので。あと、両手につけるほどの数はありません。

サム

 というわけで、今日の紹介は正体隠しGJ!なサムこと宇宙の戦士ノバで!
 今日出た三人は誰もが今後出そうな感じだけど、GJ補正でまずはノバ!
 なおハンク・ピムに関しては複数紹介記事を書いてるので、ぶっちゃけもういいんじゃないかな?というのもあり。いやまあ、機会あれば改めてやりますけどね!

ノバ(ノヴァ)

ノバ(サミュエル・アレキサンダー)

 異星種族ザンダー星人の私軍として結成された組織、ノバ・コーズ。最初は自国の防衛、他の惑星の調査等が主な任務であったが、後に様々な星でスカウトを開始。組織のメンバーは多様化し、拡大。やがてその任務は、銀河の治安維持へと拡大していく。ノバに選出された者は、多大な星の力を授かり、助けを求める声に応じ、宇宙を飛び回る。宇宙の平和を守る組織としては、ウルトラマンやウルトラセブンが属する宇宙警備隊やDCコミックスのヒーロー、グリーン・ランタンらがメンバーを務めるグリーン・ランタン・コァに類似している。
 ノバ・コーズの隊長(階級:センチュリオン)であるローマン・デイは致命傷を負い、末期寸前、その場に居た地球人の高校生。リチャード・ライダーに能力を託す。ノバ・コーズの一員としての力を手に入れたリチャードは、ノバと名乗りスーパーヒーローとなる。後にリチャードは正式なノバ・コーズの一員となるが、このスーパーヒーロー時代の結果、地球におけるノバの意味は、リチャード個人を指し示していた。なお、マブカプ3に参戦したノバも、このリチャードである。

ノバ(リチャード・ライダー)

 ノバとなったリチャードは、ノバ・コーズの一員として、地球で加入した若手ヒーローチームのニューウォリアーズのメンバーとして、奮闘を重ねつつ成長。遂には、前任者でありセンチュリオンであるローマン・ディより上の階級、ザンダー星の力を全て授かることが出来、強大な火力と不死寸前の再生能力を持つノバ・プライムに認定される。ノバ・コーズの全滅によりメンバー全ての力を集めた結果の強大なパワーアップと新生ノバ・コーズの設立、かのスターロードと組んでの侵略者への一大抵抗軍結成と、宇宙に名を馳せる英雄となっていくリチャード。だがしかし、激戦の末、リチャードは戦死。結果地球からも宇宙からも、ノバの名は消えようとしていた。
 リチャードが死亡同然の行方不明になってからしばらく後、地球にはリチャードとは別のノバであった男が居た。ただし自称、ただし冴えない中年、ただし飲んだくれ。息子のサミュエル・アレキサンダー、縮めてサムですら信じていない、ヨッパライの戯言。そんな父が行方不明となり、探しに行こうとしたサムは謎のヘルメットと出会い、そのまま頭部を打つ不詳。入院し眠るサムを起こしたのは、謎の獰猛な喋るアライグマとブラジリアン水着なコスチュームの美女。

アライグマの導き

 ノバを知る銀河のヒーローであり、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの一員ともなる、ロケットラクーンにガモーラ。二人の来訪と証言により、サムは自分の父が、本当にノバであったことを知る。謎のヘルメットを被ったサムはノバ・コーズとしての能力に覚醒、ラクーンに訓練を受けた後、新たなノバを名乗ることになった。

ノバ新生

 サムの性格は、良くも悪くも“若い”。物おじしない点やノバとしての力を扱うだけのセンスはあるものの、能力を誇示し天狗になったり、大仰に自らを語ってしまったりと、まだ色々危なっかしい。行方不明の父親の追跡、ノバ・コーズの生き残りとの接触、宇宙的な危機との対峙。苦難様々であるが、息子がノバであることを知った母親や周りからかかるプレッシャーに耐えつつ、ただの一学生から最高位のノバへと成長したリチャードの背を、必死に追い続けている。
 ただ、いくら自分の功績をでっかく語る必要があったとはいえ、「NYで戦っていたX-MENやアベンジャーズを軽く押しのけて、ムジョルニアを拾ってドクター・ドゥームをあっさりKO!」は盛り過ぎな感じ。正直、ディスクウォーズのサムは原作のサムに比べ、主に頭脳面にブーストがかかってる。

「いやマジ、ドゥームとか楽勝だったから」

 ノバとしての共通の能力は、まず超人的な体力と耐久力と力。殆どのダメージを軽減し、体一つで宇宙にいられる生存力。ノバは20トン程度の鉄を持ち上げることが出来るため、つまり一説に10トンほどの鉄を持ち上げられるスパイダーマンの二倍近い腕力となる。またヘルメットには万能翻訳機能がついており、大抵の宇宙人と会話ができる。そしてノバと言えば、コズミックエネルギーであるステラ・ファイアーの使用。ヒューマン・ロケットとあだ名される通り、ノバはステラ・ファイヤーを噴射し、銀河を飛び回る。
 サム固有の能力として軽く物を動かせる念動力の存在があるが、ノバとしての実力はリチャードの方が上である。何故なら、リチャードは前述した通り最上階級ノバ・プライムに認定されており、星の力を自由に行使することが出来、なおかつ最終的に、複数人に与えられるノバの力を全て自分の物にしている。この時のリチャードの実力は、宇宙魔神ギャラクタスやミュータントの悪夢オンスロートのような強大な存在、コズミックビーイングにも匹敵していた。
 なお、ノバ・コーズが無いため、サムは階級の枠組みに入っていないが、力の行使度合いから見て、最上階級の一個下、リチャードに力を授けたローマン・デイが属していたセンチュリオンクラスとの見立てがある。プライムは一人であるが、センチュリオンも数は少ない。この下に、まだ幾つもの階級があることを考えると、すでにこの域に達しているサムの才能は、並み大抵の物ではない。
 余談ではあるが、宇宙に居る都合上、ノバは宇宙的脅威に発見遭遇し、地球へのメッセンジャー的役割を担うことがある。リチャードだけでなくサムもその役割を担うこととなり、宇宙の彼方で不死鳥の形とした脅威と出会ったサムは、大怪我をして地球に墜落する。サムが目撃したフェニックスをきっかけとし、ミュータントとミュータント以外、二つのヒーローチーム同士、フェニックスに絶望を持つものと希望を見出したもの。マーベルに欠かせぬAとX、両者の戦いが始まるのはしばし後の事である。

AvsXは、ここより始まる

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その33~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第32話。
 いよいよな最終決戦、レッド・スカル編決着!

 完全に、アベンジャーズと子供達を手の平の上に乗せたレッド・スカル。ライバルであるキャプテン・アメリカより、優れている一点がレッド・スカルにあるとしたら、キャップが兵士ならレッド・スカルは将校であること。謀略や策略という将棋盤において、超越者相手に腕を磨き続けたレッド・スカルに勝てる者はそうそう居ないでしょう。なら勝つためには、まともに将棋を打つ以外の手段を模索するしか無く! 相手の思考の外を突くホークアイ復活! ちょっと存在を忘れかけてたけど(注:行方不明からリアルタイムで一ヶ月近く経ってます)待ってたぜ! ホークアイ、エージェントとしては頭も腕も器用な部類に入るので、こういう変装しての潜入任務も得意なのよね。実は弓矢以外も結構使えるので、多分タスクマスターにも短期間ならなり切れます。それぐらいには、武芸百般。

 ソーの信頼とホークアイの奇策により、ヒカルを使っての計略に失敗したレッド・スカル。だが、それに慢心すること無く用意していた巨大ヒドラメカが始動。また再び、策略の迷路に引きずり込まれたワケですが、次は少年少女達の連続Dスマッシュ! 奇策の次は、力押しによる盤の破壊! いやー、いいですよね! メイン&セカンドヒーローの共闘。アベンジャーズと他のチーム、メンバー的に……ヒーローズ・フォー・ハイヤー?とにかく、ヒーロー同士の共演、チームアップは熱い! キング・リュウさんのTwitterによると、いくらボス相手といえども、一人へのアッセンブルという名のリンチにならぬよう気を配っているそうですが、今回のレッド・スカルWith巨大メカは最高の的でしたね! いやもう、燃えるしか無く。筋肉コンビの大破壊は、パワーキャラの名誉挽回企画と銘打っても何ら問題ない迫力。力こそ、パワー!

 レッド・スカルも敗れ、ヒドラも壊滅し。ショッカー首領並にしぶといとは言えども、おそらくこれで一度は決着。次週は謎の新人アベンジャーズに、新たなる巨悪。そして偏屈で有名なピム博士登場! えーと、色々頑張れ! ワスプ! あと2014年11月12日現在、12月3日まで公式サイトにてキャラクター人気投票開催中。人気者は誰だ!ということで、是非投票を! こういうのは、数が集まれば集まるほど面白い! みんな、絶対俺ちゃ……デッドプールさんに入れようね!

 なんか雑音が入ったけど、気にせず今日の紹介はいよいよなナチスの核弾頭、レッド・スカルで! 今現在も、某コズミックビーイングの力を手に入れ、X-MENとアベンジャーズ相手に大立ち回り中な巨悪! あんまりすぎて、マグニートーやロキやドクター・ドゥームやセイバートゥースやカーネイジ、この巨悪凶悪一団+デッドプールも対レッド・スカルに参戦。ほんにこの人は、ラスボスやね。

レッド・スカル

レッドスカル

 神であり強力な魔力を持つ、アスガルドのトリックスター、ロキ。
 地球の大いなる力、磁力を自在に操るミュータント、マグニートー。
 眩い出自や強烈な能力を生まれつき持つ、マーベルの巨悪たち。そんな彼らに比べ、彼には何もない。母は出産時に死亡、父は呪われた息子を殺すことに失敗し自殺。孤児となった子供は、物乞い、泥棒、肉体労働、生き抜くことに必死な只の少年。彼の運命は、とあるホテルでベルボーイとして働いたある日代わる。何もない筈の少年の目に宿る、この世全てへの憎悪。何も持たない少年には、強烈な恨みが宿されていた。彼を見出したホテルの来客は、少年と同じ憎悪を持ち、20世紀を最も乱した男、独裁者アドルフ・ヒトラーであった。

 ヒトラーは、自らが最も求めていた資質を持つ少年を、さらなる理想型、完璧なナチス・ドイツの申し子へと育て上げる。無慈悲さと戦略頭脳、優れた射手にして格闘家。ヒトラーの理想像、それすらも超えた少年ヨハン・シュミットに与えられたのは、赤い骸骨のマスク。レッド・スカルは、こうして誕生した。後に毒ガスの一種を浴びることにより、レッド・スカルは仮面いらずの、本物の骸骨顔となってしまう。忠誠を誓うヒトラーの命令による暗殺、テロ、破壊工作。各国は工作員やスパイによりレッド・スカルを止めようとするが、それはただ犠牲者を増やすだけであった。超人的なレッド・スカルに対向するために必要な物は、超人。アメリカ合衆国政府は超人血清の人体への投与を決断、レッド・スカルに立ち向かえる超人キャプテン・アメリカを誕生させる。Marvelにおける超人の世紀の始まり。一人の鍛えぬかれた邪悪な男は、こうして世界を塗り替えてしまった。

レッドスカル(戦時中)

 アメリカやイギリスやアトランティスの超人やサイボーグと共に枢軸国に立ち向う、キャプテン・アメリカ。レッド・スカルもまた、ナチス・ドイツの超人や侵略者との同盟により迎え撃つ。だがそれは、レッド・スカルという優秀な破壊工作員が動けなくなることを意味していた。やがてドイツは劣勢に。ベルリンが陥落した時、ヒトラーに次ぐ権力者であったレッド・スカルはバンカーにおり、キャプテン・アメリカもそこに居た。第二次大戦最後の、超人同士の戦争。勝敗は国家間の戦争と同じ形、キャップの勝利に終わり、レッド・スカルは崩壊するバンカーに飲み込まれて消えた。
 レッド・スカルは死亡したと思われ、彼の名は伝説として残った。第二次大戦後の冷戦時代、KGBはレッド・スカルの恐怖を蘇らせるため工作員をレッド・スカルに仕立て上げ、レッド・スカルに憧れる多数の者も偽レッド・スカルとなった。だがしかし、死んだと思われたレッド・スカルは生きていた。バンカー崩落の際に浴びた毒ガスの効果により、数十年間冬眠状態で埋もれたままで。復活したレッド・スカルは目撃する、自分と同じ別件の冬眠状態を経て、若々しいままのキャプテン・アメリカを。ナチス残党による秘密結社ヒドラ、ヒーローチームアベンジャーズ。二人の男の戦いは時代を変え、再び始まることとなった。

レッドスカルVSキャプテン・アメリカ

 前述した通り、レッド・スカルの超人としての能力は然程ではない。後に死亡し、キャプテン・アメリカのクローンに意識を移植するものの、キャップの能力も超人という枠内では決して高いわけではなく、常人を磨きあげた結果でしかない。だがしかし、レッド・スカルには優れた戦略頭脳があり、伝説があり、カリスマ性があり、きっかけである憎悪がある。レッド・スカルに心酔し従う者は多く、クロスボーンズのような優れた者も多い。そして本人に超越的な力は無くとも、超越的な力を開発できる組織を作り従わせることもできるし、力を手に入れる手段を構築できる能力はある。世界を変える立方体コズミック・キューブの入手使用などは、類たる例だろう。

レッドスカル&コズミックキューブ

 映画では、キャプテン・アメリカ 卍帝国の野望とキャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャーの二作に登場。近年の後者では、ナチス・ドイツも裏切り、秘密結社ヒドラの総帥として、世界すべてを敵に回した大戦争に挑む。キャプテン・アメリカとの対決によりヒドラは壊滅し本人もコズミック・キューブの力で塵と化してしまうが、ヒドラの毒は既に世界を密かに侵食していた。余談ではあるが、原作におけるレッド・スカルの何度目かの死の際、コズミック・キューブを手にして死んだ結果、その意識がキューブに残り、他者に憑依したことがあった。映画の死に様は、それを連想させる。

映画版レッドスカル

 映画における、ナチス・ドイツ、ヒトラーに忠誠を誓った男の反逆。実のところこの流れは、当のヒトラー本人が望んでいたことかもしれない。何故なら、完璧すぎるナチスの理想像であり、結果鋭すぎる懐刀となったレッド・スカルを、ヒトラーは内心恐れていた。刃を飲み込むよりは、まだ外に居たほうが、共通の敵となった方が安全とも言える。作った人間すらも恐れさせる、人の憎悪の結晶。最後に、多少違う世界で最狂の名を関する男。そんな男のレッド・スカル評を置いて、シメとしたい。

ジョーカー「あのガイコツ、マジで頭おかしいわ」

ジョーカーVSレッド・スカル

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その32~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第32話。
 ヒカル兄さん&ソーの属性エナジー回。さて、セカンドヒーローは誰かな!?(白目)

 いきなりの開戦、ソーVSグラビトン! マスターズ・オブ・イーヴル随一の実力者たる自負からか、妙な小細工はせず、真正面から迎え撃つ形に。結局のところ、ビルドアッププレートという火力増強パーツの存在を知らなかったので、負けてしまいましたが。元々の重力の支配者たる自信がスフィアの力を手に入れた事で、自信ビルドアップ。例えば常人のキャプテン・アメリカやホークアイが超人と相対した場合の突破口にしてカモとなる、過信を招いてしまった感じかと。もしくは、他のヴィランが行っていた、グリーンゴブリンやレッドクリムゾンを使っての消耗戦法。本命はレッドスカルで、グラビトンは前座と考えれば、作戦的にも悪くはなく。連続Dスマッシュの情報が流れていても、そもそもヒカルの手元に他のディスクは無いし、セカンドヒーローも居ないので、実質無意味な情報ですしね。時間制限5分は変わらず。

 ヒカルの心、ソーの心を揺らがす、レッドスカルの奸計。奸計と言えばロキなのですが、ロキの奸計はまず幻惑幻覚を使っての嘘八百。幻惑や幻覚が本来使えないレッドスカルは、舌と頭脳。相手の心の隙間を見抜き、相手にとって最悪の方に誘導していく。映画ダークナイトのジョーカーが人を狂気に誘うピエロだとしたら、DWのレッドスカルは相手の選択肢を用意周到に潰していく蛇。どちらも、人を陥れる悪辣さにおいては天下一品。ヒカルの弟を思う気持ちも、ソーのヒカルへの兄としてのシンパシーも、どちらも間違っていないもんなあ。間違っていないまま、道を誤らせる趣味の悪さ。ソーはあえて洗脳せず、他のヴィランのディスクを渡すこと無く、アベンジャーズと戦わせる。DWのレッドスカルは夕方六時半に流せるギリギリの邪悪として造形されたそうですが、目に見える残虐さは無いのに残酷なレッドスカルを作り上げた時点で目標達成かと。

 セカンドヒーローを取り上げればいいかな?と甘く見ていたら、本編それどころじゃなかった!
 というわけで、未紹介なヒーロー&ヴィランから、本日出番のあった一人を紹介。一コマだけと言われたらそれまでですが! CV無かったよね?と言われたらそれまでですが! 今日はレッドスカルの腹心、クロスボーンズで! レッドスカルは出来れば今シリーズのシメ辺りに、セカンドヒーローで唯一紹介してないアイアンフィストは多分また機会があるはず。アイアンフィストを後に回すのは、ヒーローズ・フォー・ハイヤーコンビ出演へのある種の願掛け……!

クロスボーンズ

クロスボーンズ全身

 ナチズムの権化、アーリア人の理想型、ヒトラーの後継者にしてヒトラーが恐れた男。第二次大戦中、強烈な悪意で世界を恐怖に陥れたレッドスカル。滅び去った悪党であっても、そのカリスマ性は不滅であり、多くの信奉者を世に残した。ニューヨークの下町に住んでいた子供、ブロック・ラムロウもその一人である。悪意のタガが外れていたラムロウは、15歳の少女を暴行した上、止めに来た少女の兄を殺害するという、外道たる人間として成長する。(なお被害者の少女は後に傭兵ダイヤモンドバックとなり、クロスボーンズと何度も戦うことになる)
 自らの暴力性とレッドスカルへの憧れを持ち続けたラムロウは、暴力性で金が稼げる仕事、傭兵への道を選ぶ。傭兵育成スクールを開校していたタスクマスターによる訓練を三年ほど受けたラムロウは、一流の傭兵に成長(この時、見学に訪れたレッドスカルが素養を認めたとの話も)。コードネーム“フラグ”を名乗り活動を始め、遂に憧れの存在であるレッドスカルの部下となる。だがしかし、このレッドスカルは赤は赤でも共産主義の赤、共産主義活動のためレッドスカルのふりをしていたアルバート・マリクがその正体だった。だが、マリクは敗れ、配下のうち生き残ったのはラムロウだけという悲惨な状況になってしまう。そんなラムロウの前に現れたのは真なる骸骨、彼の道を定めた本物のレッドスカルであった。理想そのもののレッドスカルに改めて出会ったラムロウは、レッドスカル心酔。彼の忠実な部下となることを誓う。レッドスカルはラムロウにフラグに代わる新しいコードネーム、クロスボーンズを与えた。傭兵クロスボーンズの誕生である。クロスボーンズは、レッドスカルの敵であるキャプテン・アメリカやアベンジャーズと死闘を繰り広げる事になる。シビル・ウォーでのキャプテン・アメリカ暗殺事件やレッドスカル逝去後の後継者たる娘シンの奪還と、キャプテン・アメリカやレッドスカルにとって、語るに欠かせぬ存在となった。

クロスボーンズ

 相手の動きを瞬時に記憶し再現できるタスクマスター。ダイヤモンド型投擲スパイクを操るダイヤモンドバック。クロスボーンズには、他の傭兵のような特殊能力や特別な装備は無い。だがレッドスカルが目をかけ、タスクマスターが技をパクるだけあって、クロスボーンズの能力は高水準でまとまっている。残忍と称される格闘術、武器や爆発物への精通、体中に隠した銃やナイフといった暗器。逆に言えば、特殊能力や特別な装備に頼らずとも戦えるだけの強さを持つ常人なのだ。
 映画キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャーでは、キャプテン・アメリカを裏切りヒドラに加担した実務部隊エージェント“ブロック・ラムロウ”として登場。サバット使いの傭兵バトロック・ザ・リーパーと共に、映画の世界観に合わせての出演を果たした。ただ、クロスボーンズと名乗ることも呼ばれることもないので、本当に言われなければ気づかないレベルの出演である。

ブロック・ラムロウ(映画版)

 レッドスカルの配下として働いてない時は、普通に傭兵として活動。ついこの間は、ある事件に巻き込まれた結果、多額の賞金をかけられたデッドプールを襲撃した。

デッドプールVSクロスボーンズ

 だが、デッドプールの新婚さんを巻き込むルール無用な残虐ファイトの前に敗北。

ひき逃げ!クロスボーンズ!

 気絶した後、気球に乗せられ、海に落ちて漂流し、カモメを食って生きながらえ。デッドプールにリターンマッチを挑むが、服を燃やされ街中でブリーフ一丁にさせられた上で敗北。SHIELDに逮捕されてしまった。

デッドプールVSクロスボーンズ 決着!

 余談ではあるが、このブリーフもといクロスボーンズを逮捕したのは、映画の逆輸入キャラであるエージェント・コールソン。奇しくもコミック上で、キャップを崇拝するエージェントがキャップを裏切ったエージェントを逮捕するという、映画的に中々面白い光景が繰り広げられることとなった。
 そしてこの時、デッドプールVSクロスボーンズに、デッドプールに多額の賞金をかけた黒幕も乱入してくるが、そもそも黒幕とデッドプールの因縁も、黒幕の未払から始まっている。

デッドプール「おい。コイツ、景気のいい話はするけど、金払わないぞ?」
クロスボーンズ「傭兵を雇っておいて金を払わないなんて、ゴミだな、ゴミ!」

 デッドプールとクロスボーンズは一時休戦、黒幕をゴミ収集車に叩き込んでスイッチONした後、また戦いを始めた。金を払えばどちらにでも付く、ドブネズミ野郎と呼ばれる傭兵。だが、ドブネズミ唯一のルールにしてプライドである金をごまかすとこうなる。レッドスカルのように心酔させられないのであれば、相応しい対価を用意してから雇うべきだろう。