ディスクウォーズ:アベンジャーズ第23話。
新展開開始! ハッピーエンドは覆すためにある!
アキラもヒカルも、ディスクウォーズの子どもたちには、強さが有りますね。というか、ラフト刑務所での運命のあの日からここまでで、強さを手に入れたのでしょう。掴んでいた手から離れた父、過酷な運命を受け入れた少女。どちらも別れるには、悲痛な物しかなく。
いや。死別ではなく行方不明、ノリコと共に有るX-MENと、僅かな希望は残ってましたね。問題があるとしたら、そんな希望をも塗りつぶしかねない、絶望が現れた事で。
「新たなる赤い恐怖」のタイトルとバチ魂参戦の情報から、なんとなくロキの次の大敵は予想されていましたが……。来ましたね、レッドスカル。神の次の敵は人、こう書いてみると、ひょっとしてスケールダウン?と感じますが、おそらく本日のディスクウォーズを見た方で、こう感じた方は0に等しいかと。
ロキが虚言や幻覚を持って人を操るとすれば、レッドスカルは恐怖や秩序を持って人を従わせる。ナチズムの申し子、ヒトラーの理想を超えて育ち、数々の権謀術数を持って、世界とキャプテン・アメリカとアベンジャーズに挑みつづけて来た男。元々、ヒトラーが目をつけた理由も、レッドスカルの持つ人類への憎悪、そのシンパシーから。つまり、虚言を使う立場であるロキとは違い、レッドスカルは恐怖そのもの。神をも越えかねぬ、怪物です。ディスクウォーズにおいても、アベンジャーズの戦慄がレッドスカルの持つ悪意を証明しているかと。どう見ても「ロキよりやべえ」としか思えないリアクションな上に、実際にレッドスカルの完勝。バイオコードを奪われたロキの手下連も、おそらく刑務所の方がマシレベルの扱いを受けているだろうし、もうロキのドヤ顔も彼らの颯爽さも、OPでしか見れそうにないな……。
レギュラーヴィラン勢、大幅パワーアップ! 名無しの悪党集団改め、マスターズ・オブ・イーヴル!
そのうちちゃんと紹介する機会がありそうなので軽く触れるだけにしておきますが、原作ではアベンジャーズを倒すために生まれた、ヴィランチームです。様々なヴィランにより何度も創設されることになるチームですが、初めて作ったのはバロン・ジモ(初代)。複数回結成したのもバロン・ジモ(二代目)。ディスクウォーズで彼が高らかに「マスターズ・オブ・イーヴル」を名乗ったのも、その縁深さからでしょう。来歴を紐解くと、第五期はドクター・オクトパスが結成しガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーと対決、第六期は別路線のチームであるサンダーボルツに変貌と、わりと重要ポジションかつ、どうしてこうなった風味もあるチームであり。第五期は、ホント異種格闘技戦レベルの対決だよなあ……。
今日の紹介は、日本のスーパーヒーロー、日輪戦士たるミュータントです。某ダイターンっぽい日輪の輝きについては、既にバチ魂のスキル名「日輪の輝き」として登場していたり。ミスティークかクロスボーンズにしようかとも悩みましたが、ミスティークは映画出演の影響もあり、世間に流れている情報も多めなので。クロスボーンズはレッドスカルと共にまた出そうですし、自分の今のクロスボーンズに関する最後の記憶って「目先の金に執着した結果、白ブリーフ一枚だけの格好で街中で暴れてボコられて、そのまま連行される」という、一回塗り替えないと大惨事な印象でして。ちくしょう、デッドプール誌メインで読んでる人間は、これだから駄目なんだよ!
サンファイアー
※SunFireは作品資料により読み方にブレ(例:バチ魂ではサンファイア)があるのですが、今回はアニメ準拠のサンファイアーで統一します。
本名は吉田四郎。日本産まれの、日本人ミュータント。四郎を妊娠していた母は、『第二次世界大戦末期、広島で被曝してしまい』放射線障害が元で亡くなる。最近は時系列的に無理があるのか、『』で語った部分はスルー気味ではあるが、放射線とミュータントの関連性を暗に示す存在である事はあまり変わらない。他のミュータントとしては、ビーストも父親が原子力発電所勤務で強い放射線を浴びたという経緯が描かれている。
父親の三郎は親米気質の外交官であり日米をせわしなく駆け回っていたため、四郎の養育は叔父のトモに任されていたものの……彼は強烈な反米主義のテロリストであった。母親の死、叔父の思想、結果四郎は、トモと同じ反米主義者へとなってしまう。やがて叔父と共に、超人テロリスト、サンファイアーとしてアメリカの国際連合本部を襲撃。駆けつけたX-MENと戦っている最中、外交官から日本の国連大使となっていた三郎がサンファイアーを説得するが、業を煮やしたトモが三郎を殺害。激昂したサンファイアーにより叔父も殺され、四郎は全てを失うこととなった。
日本に帰国させられたサンファイアーが、己の過ちや深海の王サブマリナー・ネイモアやアイアンマンとの出会いにより心揺さぶられる中、プロフェッサーXからの思いもよらぬ連絡が届く。生きてる島クラコアに囚われたX-MENを救うためのメンバーとして招集されたのだ。この時、X-MENに全世界より招集されたのは、ウルヴァリン、ストーム、ナイトクローラー、コロッサスと、後にX-MENの中核となるメンバーばかり。
クラコア撃破後、救出メンバーはX-MENにそのまま残ることになるが、サンファイアーだけは日本のヒーローとなるために離脱してしまった。サンファイアーの熱くなりやすい直情的な性格は、チームとしての連携を主にするX-MENに向かなかったというのもある。
元より、吉田家は日本に根を張る巨大組織矢志田一家の親族であり、シルバー・サムライの従兄弟でもある。矢志田の一員として、日本のヒーローとして、日本に結成されたヒーローチーム“ビッグヒーロー6”を導く者として、アメリカのヒーローとも共闘しつつ日本で活動を続けるが、両足切断の重傷や能力喪失と言った七難八苦に襲われてしまう。
隠遁生活に入ったサンファイアーに声をかけたのは、X-MENの大敵であるアポカリプス。アポカリプスにより両足と能力を取り戻し、新コスチュームとなったサンファイアーだが、黙示録の四騎士“飢餓”に仕立てあげられてしまう。なおこの、ディスクウォーズの格好にも似たコスチュームの初出は、アポカリプスが支配した世界を書くエイジ・オブ・アポカリプス(AOA)。なので別名、AOA版とも呼ばれている。邦訳されたX-MEN:メサイア・コンプレックスには、このコスチュームで参加している。
やがて自分のアイデンティティが揺らいできたサンファイアーは失踪してしまうが、ウルヴァリンが発見、悩む彼をチームに誘うこととなる。誘ったのはX-MENではなく、なんとアベンジャーズ。ミュータントとの融和の為アベンジャーズに同じく誘われたローグやハボックと共に、旧コスチュームで参加(注:現在、戦いの影響により再びAOA版コスチュームに)。アベンジャーズとして活動しつつ、日本のヒーローとしての活動も再開している。
能力は、太陽エネルギーの吸収による、熱や炎の放射。放射できる熱は100万度と言われており、超高熱の気流を作ることによる飛行速度は時速250キロ少々、身体に展開されたフォースフィルドは銃弾も溶かすか弾くことが出来、ディスクウォーズでも見せたように熱をサーモグラフィーのように探知しての追跡も可能。出来る事、やれる事のイメージとしては、ファンタスティック・フォーのヒューマン・トーチがかなり近い。
実際、この性能はミュータントとしてもかなりの物であり、アポカリプス選出の12人の強力なミュータント“トゥエルブ”の中に、なんと入っている。マグニートーやプロフェッサーXやジーン・グレイと共に入っていることから、評価の高さが伺える。
強力な能力を持つ一方、サンファイアーには明確な弱点、前述した熱くなりやすい性格がある。熱い性格自体は能力と相性が良いのだが、熱くなりすぎてオーバーヒートした結果の自爆を何度かやってしまっている。能力がピーキー気味なミュータントの中でも、安全弁の不安定さではワーストに入りかねない。これだと強力な能力が、逆に足を引っ張ってしまっている。
ディスクウォーズではあっさり敗れてしまい、ビッグヒーロー6が出る映画ベイマックスへの出演の可能性は低めと、若干逆風が吹いてはいるが、日本のヒーローとして是非とも応援していきたいキャラクターだ。