日々雑談~2321~
今日は時間が出来たので、映画ブラックパンサーを観て来ました。細かい話は今後に回すとして、ひとまず思いついたことをネタバレ抜きでつらつらと。
政治や黒人文化に関する固めな感想が出回ってたのでちと座席で力が入っていたものの、実際は「わかる人は掘り下げていけばいいし、わからなくても問題ない」となるさじ加減でした。原作要素もだいたいこんな距離感だし、マーベル・シネマティック・ユニバースはここのところ上手いというか、押し付けがましさが無いよね。あんまり押しが強いと疲れるし、おそらく今のヒーロー映画を求める主な層は、ぐいぐいくるのはあまり求めてないんじゃないかな。
キルモンガーにエムバク(マン・エイプ)にシュリにユリシーズ・クロウにエヴェレット・ロスに……ブラックパンサーに関わるキャラを大挙出演させ、コミックスにおける元の設定やキャラクターの要所を抑えつつ、現在のマーベル・シネマティック・ユニバースや映画にふさわしいアレンジを施す。相変わらず、上手いアレンジだ。シリーズによる経験の貯蓄と確かな技巧による匠の技。シリーズへの愛や敬意のようなふわっとした評価基準が入り込めないぐらいに、システムとして完成しているわ。
ここ最近のマーベル・シネマティック・ユニバースにおけるネアカな路線とは違うものの、ブラックパンサーの画面自体は色彩鮮やか。アフリカの伝統を護りつつ、現代社会以上に発展した国があるとしたら、こんな風景なのではないか。現実ではアフリカの大半の国が蹂躙されている以上、これは幻想や異世界にカテゴライズされてしまう光景なのでしょう。
ここ最近のマーベル映画がきらめくネオンの鮮やかさなら、ブラックパンサーの色彩は鮮やかな民族衣装によるもの。主人公は黒豹だけど、作風まで黒一色とはいかないわな。また、心に響くリズムを持つBGMもいいんだわ。
ブラックパンサーの持つ、黒人や王やアフリカ生まれという個性をどう発揮するのか。この点をしっかり考え抜いた結果が、大ヒットに繋がったのでは。そう思わせてくれる、一作でした。ヒーロー映画が年に何本も出ている以上、そのヒーローならではの何かを追求しなければならない。そんな課題も、重く残った気がします。