日々雑談~5763~
ヒャッハー! 今週の新鮮なキン肉マンのお時間だぜえ!https://t.co/CocnKhlBEQ
— 藤井三打@C97日曜ほ-38b (@nikuzousui) 2019年12月15日
一流プロレスラーの凄さは、リングという場を己の色に染めていくことだと思っているので、理想や救済でリングを染めるとするフルメタルジャケッツに必死でオメガ・グロリアスが抗っていた姿は、プロレスの凄味を切り取ったような構図だったよなーと。
— 藤井三打@C97日曜ほ-38b (@nikuzousui) 2019年12月15日
よく格闘マンガにレスラーが出ると、パワーにタフさに技を受け止める精神性などが強調されるけど、これだとまだ不足してると思うんですよ。実際にプロレスを見ていると、回避した瞬間や切り返し技が炸裂した瞬間も盛り上がりの一つ。他の格闘技のように、技自体から逃げることはほぼ無いものの、無策で頑固に技を受けるわけじゃない。
UWFの時の佐山サトル(初代タイガーマスク)は、ドロップキックを避けることや、ロープに飛ばされても跳ね返らないことで、歴史のターニングポイントとなる盛り上がりを作りましたしね。
じゃあプロレスラーの真髄とはなんなのかというと、それは目の前の相手だけでなく、観客の目と戦っていることであり、リングだけでなく会場全体を自分の色に染めてみせることだと思うのですよ。要は、場を構築する能力。一度、自分の色に会場を染め上げてしまえば、もはやそこにあるのは勝敗を通り越した主演劇場。勝敗より何より、染め上げた人間のことしか覚えてない。お前の色には染めさせないと、互いがぶつかり合った結果の極彩色こそリングの華です。
グラップラー刃牙の刃牙対猪狩は、刃牙が猪狩から観客をも奪い取ったことで決着へと繋がった。ケンガンアシュラの関林の試合は、まず鬼王山戦では自分の信念で打ち勝ち、次のムテバ戦では負けたものの、試合自体は関林が引っ張っていき、勝者であるムテバも関林とプロレスに感服することとなった。
格闘マンガにおけるプロレスラー絡みの名試合には、必ず場の空気と言っていいものが存在し、勝敗を越えた何かがある。今回のフルメタルジャケッツVSオメガ・グロリアスの試合も、このような場を意識できる試合でした。
アタル兄さん、平成の格闘王高田延彦を足四の字固めで一気にプロレスラーに引き戻して、Uインターの存在意義にまで止めを刺した時の武藤敬司の域に達してるよね。
— 藤井三打@C97日曜ほ-38b (@nikuzousui) 2019年12月15日
片方がすべてを飲み込んだ試合としては、グレート・ムタ対小川直也も挙げたいよね。デビューしたばかりの小川直也が、ムタに黒帯で首を絞められ、毒霧をくらい、プロレスの魔界に飲み込まれていく試合だったから。あの試合を思い出そうとしても、ムタが攻めてるシーンしか思い出せない。自分の色に染め上げることにかけて、天才なのが武藤敬司であってムタ。武藤の名試合は数え切れないけど、武藤の色と混ざり合う域にまで達しているレスラーは少数。いい試合だったのに、武藤のことしか覚えてねえ。こんなことが出来てしまうのが、極光たる武藤敬司ですよ。
今回のアタル兄さんも、自分の色で染め上げる点においては武藤敬司の域でした。もうすでに道を間違ってしまったと自覚していたアリステラからしてみれば、スグルよりアタルの方が良かったのでは。漫画としての勝敗、プロレスとしての色の争い、どちらも並行しておこなっているんだから、今のキン肉マンはスゲエよ……。この感覚が、染められたってことなんだろうな。