2018年11月24日
/ 最終更新日 : 2018年11月24日
fujii
日々雑談
PS4のスパイダーマンのDLC第二弾「玉座を継ぐ者」をクリア。DLC第一弾の「黒猫の獲物」にて暗躍していた鋼鉄の頭を持つギャング、ハンマーヘッドとの本格的な戦いが開戦。警察だけでなく、犯罪組織マギアをも標的にするハンマーヘッドの暴威がスパイダーマンごとニューヨークを波乱に陥れる。
比喩でなく、鋼鉄の頭を持つハンマーヘッド。スパイダーマンのパンチにも真正面から耐える硬さを持つ頭、そして人並み以上の怪力と射撃の腕前を武器とするギャングのボス……こうやって書き出してみると、既に本編で倒したキングピンの方が格上っぽく思えます。スパイダーマンを圧倒するほどのタフな巨体に、ギャングの枠を飛び越えフィクサーとなれるだけの権力と知力と冷静さ。まあ、ぶっちゃけ、コミックスでの扱いなどを見るに、キングピンの方がハンマーヘッドより格上です。ハンマーヘッド、すぐにブチギレるし。ゲーム本編でさくっと倒した敵のほうが、クリア後のDLCの敵より格上という、一見、妙な状況になっています。
でも、この状況がおかしいのかと言うと、けっしてそうではありません。実は、ハンマーヘッドにはもう一つ特性があります。説明の前に、このコミックスのハンマーヘッドを見てみてください。
いやお前、どこの禁酒法時代のギャングだよ?というファッションですが、実際これはアル・カポネをモチーフにしたファッションです。ハンマーヘッドが鋼鉄の頭になった理由は怪我の治療ですが、その際にカポネ映画のポスターを見て強烈な刺激を受け、治療後は禁酒法時代(1920年代)のギャングかぶれとなりました。
ゲームだと、ここまで古い格好はしてませんでしたが、ゲームにてハンマーヘッドが目指したものは人々に恐れられるギャングの復権であり、つまりは「懐古」でした。コミックスにおけるハンマーヘッドと同様の属性ですね。ゲーム本編の戦いにて空白地帯となったニューヨークにて、劇的な騒乱を起こしつつ、構図を強引に(過去へと)塗り替えようとする。この役割に適しているのは、キングピンではなくハンマーヘッドです。キングピンの場合、鹵獲した装備を直接使うような短絡的なことはしないし、もう少し長期的な真綿で首を絞めるような計画が似合うというか……。実際、ゲーム開始前は、スーパーヴィランが跋扈するニューヨークにて、キングピンがバランサーとして上手くやっていたようですし。悪人でありながら、統治の才能もあるやつはホント厄介だ。
そして逆に、ハンマーヘッドがキングピンのゲームにおける役割を担えるかどうかと言われたら、それはそれで微妙な話に。キングピンがゲーム本編にて示したことは、ニューヨークの支配者が敗れたことによる変革ですからね。ハンマーヘッドの敗北が変革レベルのショックになるかと言うと、ちょっと厳しいですね。つまり、PS4のスパイダーマンのキャラクターの使い方は、適材適所ということで。無理に背伸びもさせず、かといって魅力は殺さない。キングピンばりの、良いバランス感覚です。