風が教えている、強さは自分の中に
翔太郎「風と共に去りぬ、か」
フィリップ「スカーレット・オハラかい? 翔太郎」
翔太郎「過ぎ去った物はもう戻らない。アイツに相応しい言葉だと思ってな。風となって街を見守っててくれよ、霧彦」
フィリップ「翔太郎は風が万人に愛されるものと思い込んでいるフシがあるね。風は二面性を持っている。微風は心を落ち着かせるが、強風は全てを吹き飛ばしてしまう。風都の風は比較的穏やかだけど、この風を嫌う人間も少なからず居る筈だ……」
???「嫌な風だ。だから嫌いなんだよ、この街は」
霧彦さん風になる→新キャラ「嫌な風だ」
全力で台無しだ!
いやー、第一部のシメというに相応しい展開と内容の充実さでした。風は何処までも優しく、仮面ライダーW(ダブル)18話感想。強敵と書いてトモと読む、さらば強敵よ。
さらば、霧彦さん。これ以外の感想を書く必要があるのだろうか。それくらいにインパクトの強い退場劇でした。普通、新キャラ登場や新たな謎の出現が話題となるべきなのに、今回の話題は何処も霧彦さん退場。いや、これって何気にすごいことですよ。だって霧彦さんは、W放映9月から数えて、4ヶ月以下の活動期間なわけで。正直、創作キャラとしての活動期間はすごく短い。ブ○ーチだったら「なん……だと……!」の応酬で一戦も終わってねーよ。
一年を通してドラマを描いても、退場の重みを大して感じないようなキャラも居る中で、この短期間で新キャラを食うほどの存在感を示した霧彦さんは素晴らしい。仮面ライダー限定ならばアポロガイスト(初代)や一つ目タイタンと並べても遜色ないくらいの幹部怪人だぜ。どうせなら再生アポロガイストや百目タイタンみたいに、華麗に復活してくれればいいのに。霧彦さんなら、どんだけ適当に復活しても文句ねえよ。復活自体がうれしいだろうし。
気を取り直して他のことにも触れねば!
クスリ、駄目、ゼッタイ。バードメモリだけに、どこまでもハイになれるってか!? モヒョヒョヒョ!
すいません、なんか自分がヤクやってるような文章になってしまいました。とにかく、未成年にメモリを持たせる事と、メモリの使い回しはダメというのが良く分かった。そして、ミュージアムの確固たる悪としてのポジションも。
前回辺りから悪の組織らしい全容を表してきた園咲一家。今まではどちらかというと、スイーツの時みたいな愛嬌が先に立っていたのであんま怖くなかった。しかし、今回の風都の若者や霧彦さんへの処置はどう見ても外道がおこなう物。琉兵衛、冴子は多分転向なしで悪役を貫くんでしょう。ミック様は……いかんせん、猫は気まぐれな物でして。
霧彦さん離脱後の園咲の鍵は若菜姫か。フィリップとの出会いが無ければ、多分霧彦さんはW対バードの現場にもたどり着けなかった筈。霧彦さんは翔太郎との出会いで街を愛する心を思い出し、若菜はフィリップとの出会いで優しさを取り戻す。主人公二人共、それぞれいい働きしてんなー。ただ敵を倒すよりも難しいんじゃね、これって。
霧彦さんは自分の美学をしっかと持ってるキャラだったのかね。悪と言うよりも、主義主張の仕方がヒーローと違うキャラクター。大人にメモリを与えること(それで子供に二次被害が出るかもしれないが)は認められても、直接子供に手を出すことは絶対に認めない。腹芸も使わず即座に反旗を翻す辺りや、冴子を見捨てられず命を捨て去るハメになった点からの印象は、不器用の三文字だなと。Wに負けじと地道に力をつける地道さからみても、キャラクターのイメージは実直。キザな外見やスカーフのせいで、どうもそうは見えなかったけどさ。
霧彦さんは退場したけれども、ナスカは絶対に復活する気がする。メモリだけは冴子に持ってかれたし、どうやらまだナスカには伸び代があるようだし。どういう出し方をするのかは分からないけど、絶対熱いんだろうなぁ。今後の出来に信頼が置けるって素晴らしい、シンケンジャーもWも現状歴代屈指の高クオリティ+安定感。
今回の話で一番可哀相なのは、新ライダーにも関わらず、霧彦さんに話題全部持ってかれたアクセルだろ……。劇場版でもちらっと顔見世してたけど、顔見世の際どこかのお父さんが「また余計なこと(複線)を」って舌打ちしてました。大丈夫ですからお父さん、同時上映の作品と違ってちゃんと複線消化する作品ですから! アクセル、不憫。
実は一番今回恐れてたのは、ナスカの高速移動がアクセルのかませになることでした。いやあ、だってアクセルって名前からして速そうだし、霧彦さんの新能力は高速移動だし。死亡フラグは乗り越えられなかった霧彦さんだけど、かませ犬フラグは完全に粉砕したんだね……。晩節を汚されなくてよかった。