Amazing Spider-Man(ゲーム版)のレビューっぽいもの

“今年の海外におけるキャラゲーの良作? Transformers: Fall of CybertronThe Amazing Spider-Manじゃないかな”

ふじい(以下F)「キャラゲーの良作として、取りざたされるこの2本。とりあえず自分はトランスフォーマーをやってないので、アメイジング・スパイダーマンの紹介をば」

サイレン(以下S)「そーだな。プレイしていないのに深く評価するのは、まず無理だ」

F「ちなみにトランスフォーマー。プレイ動画を見ましたが、これは確かに素晴らしい!とひと目で分かる出来でした。高度な技術力と確かなゲーム性、高評価を受ける制作会社ハイムーン・スタジオ。忍び寄る赤タイツ、人質にとられるスタッフの家族たち。腕はいいし会社がメキシコに近い=いつでも本場のチミチャンガを食いにいけるし、こりゃいいわ! ということで、ハイムーン・スタジオの次回作は“Deadpool”です。ケーブルとドミノ、死の女神デスの出演は確定と」

S「え? 待って! どこからどこまでネタなのかが分からない!」

F「家族が人質に取られたとかチミチャンガ最高とか、俺が作ったネタじゃなくて、向こうのプレスリリースからの引用よ? そういえばコミコンで、アメイジング・スパイダーマンの看板がデッドプールにペンキで塗り替えられるっていう公式テロもあったね」

S「あーうん。OK、もう無理やり納得するから、ゲーム版アメイジング・スパイダーマンの紹介でいいや」

F「ゲーム内容を端的に解説すると、オープンワールド型のアクションゲームだね。スパイダーマンとなり、ウェブスイングでNYを跳び回ろう! ウェブを使った能力だけでなく、スパイダーセンスを使ったカウンターも容易に可能。慣れればすぐに、スパイダーマンを映画や原作みたいに華麗に動かせるぞ」

S「超人系グランド・セフト・オート(GTA)ってとこか」

F「今じゃプロトタイプやライオットアクトやインファマスと数多くの名作が出ているジャンルだけど、そもそもこのジャンルの黎明期、基礎を築いたゲームの一つが映画準拠のゲーム版スパイダーマン2とスパイダーマン3。いわば先祖返りと言っていいかもしれない」

S「他の作品はオープンワールド型じゃないのか」

F「それは、あったりなかったり? でもアメイジング・スパイダーマンにゲーム性が最も近いのは、このスパイダーマン2と3かな。同じ映画準拠だからってわけじゃなくて」

S「そもそもスパイダーマンのゲームって、一年に2本出るくらいのハイペースなんだっけ? マブカプみたいな、外部出演作もあるし」

F「他のスパイダーゲーの特徴をつらつらと上げると、“ノーマルモードとブラックモードがプレイ中常時選択可能。使用比率でED分岐”“アメイジング、アルティメット、2099、ノワール、個性ある四人のスパイダーマンを使用可能”“異常事態を前に、スパイダーマンと(映画登場済みの)オールヴィランが手を組んだ!”“ウルヴァリンやベノムを召喚獣的に使用可能”等などで、結構いろんな新要素をぶち込んでます」

S「ほう。ってことは、今回のアメイジング・スパイダーマンにも新要素があるわけだな」

F「そうだねえ。幾つかあるが、映画準拠のゲームとして珍しいのは……映画アメイジング・スパイダーマンの後日談ってことかな」

S「ええっ!?」

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はじめてのローグス~中編~

※前編はコチラ

質問:対フラッシュ用とも言えるヴィランチームのローグス。もしフラッシュが最初から存在しなかった場合、彼らはどうなりますか?

答え:仲間割れして殺し合います

シチズン・コールドVS復讐兵団

サイレン(以下S)「ホント、どうしょうもねえ!」

ふじい(以下F)「実のところ、フラッシュがいない世界(フラッシュ・ポイント)だとローグスメンバーだけでなく、フラッシュの代わりにヒーローやってるはずのシチズン・コールド(フラッシュ・ポイントにおけるキャプテン・コールド)すら、情緒不安定なんだよな……」

S「熱中できるもの、打ち込めるものを奪われた人間なんてそんなもんだろ」

F「部活が廃部になって、行き場を失ってグレる学生でもあるまいし。でも、だいたい合ってるな。そんなわけで、お待たせしました。はじめてのローグス第二回の中編となります。今日のヴィランは、ノゾキが得意なオッサンとイタズラ好きの取り返しの付きそうにないオッサンとクソガキ」

S「……ラインナップだけ聞くと、心底絶望的なメンツだな」

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日米ヒーロー業界の在り方について考えてみる

 今日は酔いたくなったので、飲酒ついでに、好き勝手なことを喋ってみよう企画の第二弾。ちなみに第一弾は、何故か色々なところで評判になったコレです。ヨッパライの戯言に、なんとかお付き合い願えればと。

 「日本よ、これが映画だ」映画アベンジャーズのキャッチコピーとして世に出て、現在色々なところでネタにされている代物であります。例えばモバマスの「千早よ、これが乳だ」とか。他にも、THE・ガッツの「日本よ、これが裸エプロンだ」も……これは、忘れようか。画像検索するなよ!? 覚悟がないなら、絶対にするなよ!?
 とにかく、「日本よ、これが映画」のキャッチコピーが世に出た結果、何故か一部の人がムキーとなって、日米の比較ではなく、日米のヒーローを対立軸とした優劣を競う流れができることに。不快に思う理由は分からんでもないですが、何も「こんな映画、こっちからお断りだ!」と未見を貫くまでにブチ切れんでも。
 ここはいっそ、少し切り口を変えて、日米のヒーロー業界を比較してみようじゃないかと。流れとしては、互いのシステムの優れた所の比較検証です。

 まず日本のヒーロー業界、今回は仮面ライダーやウルトラマンといった特撮をヒーロー物として扱わせて頂きます。漫画やアニメにも語るべきヒーローは沢山いるけど、裾野を広げまくると話終わらないからね。
 なんといっても、日本の素晴らしい所は回転率の速さですね。仮面ライダーやウルトラマンのようなくくりはあるものの、一年ごとにフルモデルチェンジ。多少視聴率の高低はあるものの、ブランドを壊すことなく、回転が維持できること。最近、ウルトラマンの回転が遅いのは、どうしょうもないとして。
 ライダーを例としてあげてみると、近年だけでもテーマがハーフボイルド→メダル→宇宙→魔法という激しい移り変わり方。これだけテーマが移っても、仮面ライダーという枠を維持し続けられるのは、実は凄いことですよ。バイクや仮面のような、イメージの鉄板を手放しても、なんとかなってますし。
 回転率で言うと、どうしてもアメリカのヒーローはあまり良くないですね。ヒーローの数はとんでもなく多いんですけど、その中で主役を張れるのは一握り、更に長年レギュラーシリーズを張れるぐらいのキャラは極小。更に、従来シリーズの影響下から抜けるとなると、至難の業。例えば、Marvelの若手ヒーローグラビティなんか、個人誌デビュー→失速→グレイト・レイクス・アベンジャーズへようこそ!と、最悪の流れを辿りましたからね。新たなピーター・パーカー以外のスパイダーマンを模索した結果が、クローンサーガですし。側が同じでも中身が違うというのは、アメリカでは中々受け入れられないようです。特に、大物ヒーローでは。
 贔屓目抜きで、レギュラーシリーズの定位置を確保し、従来シリーズからの脱却を果たした新しめなキャラは、デッドプールじゃないですかね。ただ新し目に分類されると言えど、デッドプールは1991年誕生のキャラ。ウルトラマンG終了直後に始まり、一年後に久方ぶりの仮面ライダーこと仮面ライダーシン登場。日本基準だと大ベテランです。

 一方、バットマンやスーパーマンやキャプテン・アメリカのような、年季の入りまくったヒーローが多い、アメリカのヒーロー業界。日本で言うと、黄金バットが未だにメインストリームにいるようなもんです。
 向こうの良い点は、ヒーローをしゃぶりつくすための環境が出来ていることです。結構アウトなラインにも、ずかずかと入り込んで、なんでもやる。購読層も、とりあえず受け入れてみる。
 あくまで極端な例ですが、東映公式で「仮面ライダーゾンビーズ」をやったら、洒落にならんでしょ。いやでも、ウルトラマンシリーズなら、セブンが暴走族を痛めつけるぐらいは許容範囲に……。
 最近ライダーで問題になってる、過去のヒーローの悪役化問題(例:フォーゼのキョーダイン)も、あっちだとあまり問題にならん気もするんですよね。ジャスティス・リーグを全員悪人化したクライム・ソサエティは結構出張ってますし、悪いピーター・パーカーなんかクローンや別次元それぞれカウントしたら雲霞のごとく居ますし。悪人どころか、ゾンビも類人猿もいるよ!
 まあ、キョーダインの問題は、まだそういうのに慣れていない日本の環境にぶち込むにしては、荒すぎた感じもしますが。兄弟→兄妹のような細かで数の多い設定の改変だけでなく、昔の宇宙鉄人とは違うということを作中人物の発言や情報で提示しておけば、ここまで揉めなかったんじゃないかな。価値観が違う流れを持ってくるにしては、不親切でしたね。

 こうして、日米お互いの優れた点から差異を上げてみたのですが、実は自分の最近の意見は、国境なんてあんま関係ないという身も蓋もない意見でして。
 アメコミや洋ゲーに少し足を踏み入れて分かったのですが、よっぽど内輪向けや国に根付いたものでない限り、良い物はどこ行っても良い物として評価されています。実際、向こうで評判の良い物に手を出して、ハズレたことないですからね。どうしてもこの辺り伝聞ですが、逆もしかり。
 なのでこれからは、日本と海外の差をあげつらうのでなく、お互いの良い物、目につきにくいものを、それぞれ紹介していくのがより良き道なんじゃないかと。例えば、犬溶接マンなんて、急に一部で大爆発起こしたからね。こういう互いにとっての未知の強豪は、きっとまだまだ眠っているはず。
 英語もできず、国際化という言葉からは程遠い人間が言うのもアレですが、国家の壁をひとまず忘れ、文化的な胸襟を開くことにより、それぞれの弱点や停滞にも、新たな光が差し込むのでは。生意気にも、そんなことを思っています。

デッドプール:キルズ・ザ・マーベルユニバース~前半戦~

 去年のベノムプールに続く、今年の大問題作Deadpool Kills The Marvel Universe! 

Deadpool Kills The Marvel Universe#1

 このキルズ・ザ・マーベルユニバース、元々はパニッシャーが主人公でした。パニッシャー版はヒーローに妻と子を殺された男の復讐譚として、大変良く出来ていましたが、果たしてデッドプール版はどうなのか。
 すっげえ簡単にイメージを伝えるとしたら、13日の金曜日やエルム街の悪夢のようなホラーですよ。殺人鬼がデッドプールで、被害者がヒーローな。なにせ今度のデッドプールは、ほぼ不死身。頭を吹き飛ばされても、数コマで蘇る恐ろしい生命力。いつもなら最低一週間はかかるというのに。
 そんな不死身の殺人鬼が、刀やピストルを振り回しながら追いかけてくるという、紛れも無い恐怖。緻密な戦略と思い切った作戦で勝ち星を上げてきたパニッシャーが詰将棋なら、デッドプールは将棋盤で相手に殴りかかっている感じ。もうね、無茶苦茶っすよ。

 以下、すげえざっくりとしたあらすじと、1話から2話までの犠牲者名簿です。まだ前半が終わっただけなのに、なんという惨状なんだ……。
 まあでもコレ、あくまでホワット・イフですからね。現にホワット・イフでお馴染みの監視者ウォッチャーが一コマ目で解説してくれている時点で、所詮パラレルのお遊び企画ですよ。

監視者の嘆き

 つまり、そう構えずリラックスして楽しめばいいのさ!(ウインク

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ウルヴァリンvsハルク ミニレビュー

 出来る事なら全巻買いたいが、世の中お財布事情という物がある。一本買うならコレしかねえだろ! こんな感じでマーベル・アニメイテッド・ユニバース6 ウルヴァリンVSハルクを買いました。なにせ、デッドプール出ちゃってるしね。そして元来のハルク好きとしては、これを選ばぬ道理はない。
 変な赤いのが出ていなければ、プラネットハルクこと超人ハルク:サカールの予言も選択肢に入ったんだけど(ボソッ

 実はこのウルヴァリンVSハルク、メインのウルヴァリン戦だけでなく、ソーvsハルクも収録されています。つまり、ハルクの二本立て。ビバ、パワーキャラ!
 両者ともに内容としては「悪い奴がハルクを利用しようとして、大変なことになる」という流れです。つまり、ハルクのテンプレ。ハルクを利用しようとして、幸せになった人間なんて、アタイ見たこと無い。
 あくまで個人的な好みですが、ハルクを主眼に置いた場合、出来が良いのはソーの方です。ウルヴァリンは、敵がウルヴァリンのヴィラン(セイバートゥース・デスストライク・オメガレッド・デッドプール)ばかりでストーリーの根っこもウェポンX計画なので、ぶっちゃけハルク居なくても別に平気なんですよね。ウルヴァリンと宿敵が戦ってたら、ハルクと言う名の天災が来た感じ。飽くなき戦いを繰り広げる、ハルクとウルヴァリンの姿は魅力的ではあるのですが。あとデッドプールうるさい。超うるさい。「死ね死ね死ね死ね(以下繰り返し)死ねー! さてオレは、何回死ねと言ったでしょうか!?」
 対してソーの方は、ロキがソーを倒すため人間界からハルクを呼び出したというストーリー。ハルク合ってこその話なので、ハルクとストーリーは不可分です。あっさりロキの手に負えなくなり、アスガルドと神々を破壊する勢いで暴れるハルク。友と世界を救うため、命をかけて奔走するソー。そしてブルース・バナーの、勇気ある決断。大迫力の、骨太作品です。
 両作とも見るべきところは多いので、興味が有る方は是非に。ウルヴァリンの爪が血を撒き肉を切るので、規制なしでの地上波放映は難しいかもしれません。OVAならでは。
 しかしウルヴァリンを始めとする不死身系キャラに、アスガルドのタフな神々。もしかして、ハルクの対戦相手にウルヴァリンやソーが選ばれたのって、本人+関係者に殴りがいがあるからだろうか。とんだ災難としか、言うことがねえ。