デッドプール:キルズ・ザ・マーベルユニバース~後半戦~

前回のあらすじ

 完全にキマってしまったデッドプールにより、ファンタスティック・フォーやアベンジャーズにスパイダーマンやハルク、解説役のウォッチャーすら殺され、混沌極まりない事態に。メイおばさんらヒーローの親族たちは、甥や恋人や夫の敵を取る為、タスクマスターを雇った。

さらばX-MEN。絶望の未来へレディ・ゴー!

 デッドプールによるヒーロー&ヴィラン皆殺し戦記、Deadpool Kills The Marvel Universe! だいたいのあらすじと、死亡者名簿を並べるこの記事。君の大好きなヒーローもきっと何処かに出ているはずさ!(注:死体として)
 あとわりと、話が進むごとに破れていくデッドプールのタイツがイラッと来る。なんて嫌な、クイーンズブレイド……!

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要約:注意事項は絶対読んでおきましょう

Twitter 1月23日 ふじいの発言

「海外のことが分かる自分カッコいい、物の価値が分かる自分愛おしい、日本?まあ分かる人間である俺には物足りないかな、と結局自分にしか目の行ってない、エセ国際派にはならんよう気をつけたいところ。ミーはおフランス帰りザンス」

 我ながらキッツいこと言ってる上に、かなり乱暴な言葉だなと。管理者にも「内容を解説しないと、余計なところに飛び火することとなる」と焼酎片手に忠告されたので、発言するに至った経緯と、言葉の意味を改めて解説しようかなと。飛び火を防ぐために、一部に炎が全部向かいそうな気はするけど、それはもう、仕方ないと割りきるしか無い。
 なお、この話自体は、管理者と話すことで論が補強された向きもあるのですが、今回は対談形式ではなく文章での記述で。対談にした場合、まず責任が管理者に飛び火するので。そりゃ流石に、非道い。

 物事のきっかけは、去年、コミティアとの合同で行われた海外マンガフェスタでした。イベントとしては、盛況な上、普段手にしにくい同人誌や書籍、発売予定のアイテムを目にできたりと、中々に興味深いものでした。
 ただ、初めてのイベントだけあって、新規参入層の多さやイベント自体の手探り感から、少し浮き足立った感じがするのは否めませんでした。具体的に言いますと、人を押さない。不用意に駆けない。長時間人の通行のあるところで立ち止まらない、群れない。人に譲ってもらう、もらった際に一言でも礼を言う。これら一般常識が、イベントの楽しさに気圧され、忘却されがちになることです。最初のイベントとなれば、あって当然のことなので、海外マンガフェスタだからどうこうという話ではありません。しかし、TwitterのTLを見る限り、あまり浮き足立ったことに注目せず、楽しかった、またやりたいで完結する呟きばかりだったので、自省の意味も込めて、これらを指摘した少し厳しい呟きをしてしまいました。この点を完全に忘れてしまうと、何かトラブルが起こる確率、またやれない確率が、徐々に上がっていきます。せめて、役立つ刺になればと思い、発言しました。
 その後、この発言と諸々に関しての質問がある方からあり、自分もなるべく言葉を選び、分かりやすいよう解説したつもりでした。しかし、どうもその方は、イベントには厳重なルールがあると誤解してしまった様子。そんな難しいことは言っていないし、多少調べればそんな物の存在は無いことが分かるのに、何故だろうか。こんな疑問を抱いていたのですが、答えは簡単でした。その方と別の方々のやり取り内で頻発する言葉で理解することが出来ました。
 彼らは海外マンガフェスタの常識やルールに、海の向こうのイベントである、コミコンを当てはめていました。同時開催であるコミティアのことは口にせず。いくら参加者やあり方が似ているとはいえ、遠い海外のイベント。方や、共催で行われている、隣のホールで行われているイベント。この際、見習うべきはどちらのイベントの常識やルールでしょうか。彼らは、入場チケット代わりのティアズマガジンを、なんだと思っていたのでしょうか?

 同人イベントでのルールというのは、ごく当たり前の一般常識に加え、主催者側の注意事項(コスプレの有無、不審物の対応等)をプラスした上で形成されています。この注意事項はイベントによって違うため、各運営はカタログに注意事項や解説マンガを記載しています。カタログを当日買う方、買わない方のために、公式サイトにもおそらく同じ事を載せています。例えばこのコミックマーケット公式サイトには、WEB上にカタログ同様の情報を、項目ごとに分けた上で掲載しています。おそらく殆どのイベントが、イベント名を検索エンジンに入れるだけで、これらの情報が得られる仕様になっています。
 キーボードをわずかに叩き、数クリックすれば辿り着く情報を自ら得ることもなく、行けばなんとかなるだろうという思想は、残念ながら「お客様気質」と呼ぶしかありません。このお客様気質によるトラブルは数多あり、ただの参加者であることの自覚は、参加者一人一人に求められていることです。おそらくこの意識は、海の向こう、コミコンでも必要なことと思います。いくら文化違えども、全員が全員自覚なきお客様でいたら、ファンサブなイベント開催はまず不可能かと。
 さらにここに言い訳として「コミコンでは…」など、違う文化を持ってきて自らを擁護した場合、ただ異文化を自分のいいように使う「エセ国際派」や「海外かぶれ」となります。トラブルが起きていないからいいものの、無知や不注意によるトラブルが起こったとして、果たしてこれは言い訳になるのでしょうか。「ミーはおフランスざます」「ロスでは日常茶飯事」、これらの言葉は、決して言い訳にはなりません。ここは、日本です。もし言い訳になったとして、自分は逃れられても、盾とした異文化へのイメージ低下や忌避の増大は避けられないでしょう。
 もし異文化を盾にすることを肯定する場合、ただそれは、自分の都合に合うから海外の物を愛しているフリをしているだけ、自分を他とは違うとアピールするだけに利用しているとしか思えません。例え何事でも、美辞麗句で自己愛のダシにすることは、卑しく見えます。
 足元を見ず、遠くのみを見て物事を語る。これこそが、遠くを更に遠方へと追いやることに繋がりかねないことです。自分は◯◯を知っているから違う。この特権意識はおそらく、知らぬ人、特権意識を持たぬ者の知ってる人、そして◯◯自体。どの方位から見ても、得意がっている当の本人以外からは、とても迷惑な物です。

 経験者の方に聞いた上で、イベントに望む。これは正しいことですし、経験者でしか分からぬ、防寒や耐暑の仕方等の、通知されている注意事項以外の注意事項も存在します。
 しかしやはりここにも、自らの目で公式の情報を確認するという過程を入れてほしいところです。事実、今年の夏コミでも、日程に関する大きな変更が行われ、何度もコミケを何度経験した人でも想像だに出来ぬ事態になる恐れがあります。伝える側の情報が更新されていない場合、間違った情報が流布されるだけです。やはりここは、伝える側も教わる側も、公式の情報を一度見て情報を共有した上で、その先のことを教えて教わることが、トラブルの回避に繋がる筈です。
 コミケの公式サイトには、英語版や中文版が。イベントに寄る海外からの参加者増加を見越たコミティアの公式サイトにも、英語での注意事項が、英訳した注意漫画つきで載っています。海外の方への注意事項の告知というのもありますが、読んでくれる方がいるからこそ、このような外向きの告知が成されています。海外の方が注意事項を読んでくるのに、とうの日本人が海外のイベントを持ち出し、母国語で書かれた注意事項すら読まないのは、流石に恥ずかしいことではないでしょうか。
 最後に、自分は若輩者であり、言葉過ぎた面もありましたが、その点、お許しいただけると助かります。また、長々ととりとめのない文章でのお目汚し、申し訳ありませんでした。

Amazing Spider-Man(ゲーム版)のレビューっぽいもの

“今年の海外におけるキャラゲーの良作? Transformers: Fall of CybertronThe Amazing Spider-Manじゃないかな”

ふじい(以下F)「キャラゲーの良作として、取りざたされるこの2本。とりあえず自分はトランスフォーマーをやってないので、アメイジング・スパイダーマンの紹介をば」

サイレン(以下S)「そーだな。プレイしていないのに深く評価するのは、まず無理だ」

F「ちなみにトランスフォーマー。プレイ動画を見ましたが、これは確かに素晴らしい!とひと目で分かる出来でした。高度な技術力と確かなゲーム性、高評価を受ける制作会社ハイムーン・スタジオ。忍び寄る赤タイツ、人質にとられるスタッフの家族たち。腕はいいし会社がメキシコに近い=いつでも本場のチミチャンガを食いにいけるし、こりゃいいわ! ということで、ハイムーン・スタジオの次回作は“Deadpool”です。ケーブルとドミノ、死の女神デスの出演は確定と」

S「え? 待って! どこからどこまでネタなのかが分からない!」

F「家族が人質に取られたとかチミチャンガ最高とか、俺が作ったネタじゃなくて、向こうのプレスリリースからの引用よ? そういえばコミコンで、アメイジング・スパイダーマンの看板がデッドプールにペンキで塗り替えられるっていう公式テロもあったね」

S「あーうん。OK、もう無理やり納得するから、ゲーム版アメイジング・スパイダーマンの紹介でいいや」

F「ゲーム内容を端的に解説すると、オープンワールド型のアクションゲームだね。スパイダーマンとなり、ウェブスイングでNYを跳び回ろう! ウェブを使った能力だけでなく、スパイダーセンスを使ったカウンターも容易に可能。慣れればすぐに、スパイダーマンを映画や原作みたいに華麗に動かせるぞ」

S「超人系グランド・セフト・オート(GTA)ってとこか」

F「今じゃプロトタイプやライオットアクトやインファマスと数多くの名作が出ているジャンルだけど、そもそもこのジャンルの黎明期、基礎を築いたゲームの一つが映画準拠のゲーム版スパイダーマン2とスパイダーマン3。いわば先祖返りと言っていいかもしれない」

S「他の作品はオープンワールド型じゃないのか」

F「それは、あったりなかったり? でもアメイジング・スパイダーマンにゲーム性が最も近いのは、このスパイダーマン2と3かな。同じ映画準拠だからってわけじゃなくて」

S「そもそもスパイダーマンのゲームって、一年に2本出るくらいのハイペースなんだっけ? マブカプみたいな、外部出演作もあるし」

F「他のスパイダーゲーの特徴をつらつらと上げると、“ノーマルモードとブラックモードがプレイ中常時選択可能。使用比率でED分岐”“アメイジング、アルティメット、2099、ノワール、個性ある四人のスパイダーマンを使用可能”“異常事態を前に、スパイダーマンと(映画登場済みの)オールヴィランが手を組んだ!”“ウルヴァリンやベノムを召喚獣的に使用可能”等などで、結構いろんな新要素をぶち込んでます」

S「ほう。ってことは、今回のアメイジング・スパイダーマンにも新要素があるわけだな」

F「そうだねえ。幾つかあるが、映画準拠のゲームとして珍しいのは……映画アメイジング・スパイダーマンの後日談ってことかな」

S「ええっ!?」

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はじめてのローグス~中編~

※前編はコチラ

質問:対フラッシュ用とも言えるヴィランチームのローグス。もしフラッシュが最初から存在しなかった場合、彼らはどうなりますか?

答え:仲間割れして殺し合います

シチズン・コールドVS復讐兵団

サイレン(以下S)「ホント、どうしょうもねえ!」

ふじい(以下F)「実のところ、フラッシュがいない世界(フラッシュ・ポイント)だとローグスメンバーだけでなく、フラッシュの代わりにヒーローやってるはずのシチズン・コールド(フラッシュ・ポイントにおけるキャプテン・コールド)すら、情緒不安定なんだよな……」

S「熱中できるもの、打ち込めるものを奪われた人間なんてそんなもんだろ」

F「部活が廃部になって、行き場を失ってグレる学生でもあるまいし。でも、だいたい合ってるな。そんなわけで、お待たせしました。はじめてのローグス第二回の中編となります。今日のヴィランは、ノゾキが得意なオッサンとイタズラ好きの取り返しの付きそうにないオッサンとクソガキ」

S「……ラインナップだけ聞くと、心底絶望的なメンツだな」

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日米ヒーロー業界の在り方について考えてみる

 今日は酔いたくなったので、飲酒ついでに、好き勝手なことを喋ってみよう企画の第二弾。ちなみに第一弾は、何故か色々なところで評判になったコレです。ヨッパライの戯言に、なんとかお付き合い願えればと。

 「日本よ、これが映画だ」映画アベンジャーズのキャッチコピーとして世に出て、現在色々なところでネタにされている代物であります。例えばモバマスの「千早よ、これが乳だ」とか。他にも、THE・ガッツの「日本よ、これが裸エプロンだ」も……これは、忘れようか。画像検索するなよ!? 覚悟がないなら、絶対にするなよ!?
 とにかく、「日本よ、これが映画」のキャッチコピーが世に出た結果、何故か一部の人がムキーとなって、日米の比較ではなく、日米のヒーローを対立軸とした優劣を競う流れができることに。不快に思う理由は分からんでもないですが、何も「こんな映画、こっちからお断りだ!」と未見を貫くまでにブチ切れんでも。
 ここはいっそ、少し切り口を変えて、日米のヒーロー業界を比較してみようじゃないかと。流れとしては、互いのシステムの優れた所の比較検証です。

 まず日本のヒーロー業界、今回は仮面ライダーやウルトラマンといった特撮をヒーロー物として扱わせて頂きます。漫画やアニメにも語るべきヒーローは沢山いるけど、裾野を広げまくると話終わらないからね。
 なんといっても、日本の素晴らしい所は回転率の速さですね。仮面ライダーやウルトラマンのようなくくりはあるものの、一年ごとにフルモデルチェンジ。多少視聴率の高低はあるものの、ブランドを壊すことなく、回転が維持できること。最近、ウルトラマンの回転が遅いのは、どうしょうもないとして。
 ライダーを例としてあげてみると、近年だけでもテーマがハーフボイルド→メダル→宇宙→魔法という激しい移り変わり方。これだけテーマが移っても、仮面ライダーという枠を維持し続けられるのは、実は凄いことですよ。バイクや仮面のような、イメージの鉄板を手放しても、なんとかなってますし。
 回転率で言うと、どうしてもアメリカのヒーローはあまり良くないですね。ヒーローの数はとんでもなく多いんですけど、その中で主役を張れるのは一握り、更に長年レギュラーシリーズを張れるぐらいのキャラは極小。更に、従来シリーズの影響下から抜けるとなると、至難の業。例えば、Marvelの若手ヒーローグラビティなんか、個人誌デビュー→失速→グレイト・レイクス・アベンジャーズへようこそ!と、最悪の流れを辿りましたからね。新たなピーター・パーカー以外のスパイダーマンを模索した結果が、クローンサーガですし。側が同じでも中身が違うというのは、アメリカでは中々受け入れられないようです。特に、大物ヒーローでは。
 贔屓目抜きで、レギュラーシリーズの定位置を確保し、従来シリーズからの脱却を果たした新しめなキャラは、デッドプールじゃないですかね。ただ新し目に分類されると言えど、デッドプールは1991年誕生のキャラ。ウルトラマンG終了直後に始まり、一年後に久方ぶりの仮面ライダーこと仮面ライダーシン登場。日本基準だと大ベテランです。

 一方、バットマンやスーパーマンやキャプテン・アメリカのような、年季の入りまくったヒーローが多い、アメリカのヒーロー業界。日本で言うと、黄金バットが未だにメインストリームにいるようなもんです。
 向こうの良い点は、ヒーローをしゃぶりつくすための環境が出来ていることです。結構アウトなラインにも、ずかずかと入り込んで、なんでもやる。購読層も、とりあえず受け入れてみる。
 あくまで極端な例ですが、東映公式で「仮面ライダーゾンビーズ」をやったら、洒落にならんでしょ。いやでも、ウルトラマンシリーズなら、セブンが暴走族を痛めつけるぐらいは許容範囲に……。
 最近ライダーで問題になってる、過去のヒーローの悪役化問題(例:フォーゼのキョーダイン)も、あっちだとあまり問題にならん気もするんですよね。ジャスティス・リーグを全員悪人化したクライム・ソサエティは結構出張ってますし、悪いピーター・パーカーなんかクローンや別次元それぞれカウントしたら雲霞のごとく居ますし。悪人どころか、ゾンビも類人猿もいるよ!
 まあ、キョーダインの問題は、まだそういうのに慣れていない日本の環境にぶち込むにしては、荒すぎた感じもしますが。兄弟→兄妹のような細かで数の多い設定の改変だけでなく、昔の宇宙鉄人とは違うということを作中人物の発言や情報で提示しておけば、ここまで揉めなかったんじゃないかな。価値観が違う流れを持ってくるにしては、不親切でしたね。

 こうして、日米お互いの優れた点から差異を上げてみたのですが、実は自分の最近の意見は、国境なんてあんま関係ないという身も蓋もない意見でして。
 アメコミや洋ゲーに少し足を踏み入れて分かったのですが、よっぽど内輪向けや国に根付いたものでない限り、良い物はどこ行っても良い物として評価されています。実際、向こうで評判の良い物に手を出して、ハズレたことないですからね。どうしてもこの辺り伝聞ですが、逆もしかり。
 なのでこれからは、日本と海外の差をあげつらうのでなく、お互いの良い物、目につきにくいものを、それぞれ紹介していくのがより良き道なんじゃないかと。例えば、犬溶接マンなんて、急に一部で大爆発起こしたからね。こういう互いにとっての未知の強豪は、きっとまだまだ眠っているはず。
 英語もできず、国際化という言葉からは程遠い人間が言うのもアレですが、国家の壁をひとまず忘れ、文化的な胸襟を開くことにより、それぞれの弱点や停滞にも、新たな光が差し込むのでは。生意気にも、そんなことを思っています。