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TIGER&BUNNYとアメコミで色々考えてみる

『TIGER&BUNNYのNEXTをX-MENのミュータントになぞらえている人が居たけど、X-MENの世界観で「ミュータントにスポンサーを付けて、ヒーロー番組を作ろう!」と企画したら、スポンサーなんて来ないし、企画した放送局は焼き討ちに合うと思うの』
 こんな感じの発言をしたら、短時間なのに意外とRTや返信があったので、これは結構考えるべきネタなんじゃないかと思い、ちょっと色々書いてみようかと。それなりの物を書くなら、Twitterよりこっちの方が向いてるしね。ビール片手に書いてみるので、しばしのお付き合いをお願いします。


 上記の発言の後、自分はこんな発言をしています。
『いやー、正直、あの世界におけるミュータントって、道歩いていたらいきなり袋叩きにされて殺されるレベルで迫害されてますよ? アニメのX-MENやマブカプではそこまでの描写はされてないので、日本人が彼らに持つイメージは明るいけど』
 まあ、ミュータントになぞらえるのに無理があるという点は、これが全てですね。確かにNEXTも作中差別を受けている描写がありますが、ミュータントの受けているものは差別ではありません、もっと強烈な迫害です。
 物騒なキーワードが書かれたプラカードを持った群衆が毎日本拠地を囲んだり、ミュータントを殺害するための生物兵器やロボットが作られ、国の政策で公的な迫害や虐殺が認められそうになるという、激しさ。
 ちょいと昔の話にはなりますが、嘗てのマグニートーも嘗てのエグゼビア教授も、根本にあるのは自衛ですね。座していては、ただ滅ぼされるのみ、だから協調や支配のために動く。ミュータントは、必死です。この自衛の理念は、ミュータントの国家設立という手段を取ったサイクロップスにも、引き継がれていると思います。
 実はミュータントの歴史上、ミュータントであることを公言してヒーロー活動をしていたX-statixというチームがあったりします。彼らはリアリティ・ショーにも出演し、一晩でセレブとなれるほどの大金を手にしました。多分、存在的にNEXTに一番近いミュータントは彼らですね。
 しかし、これだけ近しいチームでありながら、自分はTwitterで言われるまでX-statixの存在を忘れていました。理由はただひとつ、彼ら既に、全滅しているんですよ。もう、跡形もなく。X-ForceやX-Factorとは違い、名前を継ぐものも多分現れないでしょう。
 全滅の理由は様々なものの、TVに出ることによりミュータント迫害派の的となり、番組内で初期メンバーの半数以上が死んだのは大きい筈です。ミュータントをTVショーに出したらどうなるかの答えこそ、X-statixではないかと。


 もし、TIGER&BUNNYををアメコミに例えるとしたら、まず対象として、MarvelではなくDCからの引用がまだ適している筈です。バットマンのイメージからは想像できませんが、あの世界はヒーローに対して、優しいです。スーパーマンは国連で勲章をもらい、ワンダーウーマンが慈善活動を行っていることがニュースで流れ、フラッシュがCMに出演し商品はバカ売れ。散発的に排斥運動らしき物は起こるものの、一般市民が長年差別意識を持つようなことにはなってません。
 事実、フラッシュがMarvel世界に来訪し、ミュータント迫害運動を見た時は、迫害の事実自体が認識できず、群衆にボコボコにされました。逆にアベンジャーズがDC世界に行った時は、悪人を倒したとは言え、いきなり現れた謎のヒーローチームが市民に絶賛されるという状況に動揺していました。
 ファンタスティックフォーやスパイダーマンと言った、世間に認められているヒーローがMarvel世界にも居ますが、彼らも状況が少しでも傾けば、迫害される位置に居ます。Marvel世界に根付く、超人の立ち位置は想像以上に危ういものです。


 ただ、ココまでの話を台無しにするような俺の中での前提が、実はありまして。
 TIGER&BUNNYって、サイゼリア的ポジションなんじゃないかと。いわゆる、「これイタリア料理じゃねーけど、超うめえ!」とイタリア人がコメントするような。
 ガワや小ネタは確かにアメコミなものの、根本的な部分はあくまで日本式なんですよね。あくまで、純日本製の名作。
 色々なところからガワとしてのネタをとっているので、何々に似ていると例えるのは、凄く難しい気がします。というか、アメコミ風に1から作ったものと、アメコミを参照にして日本式で作ったものが入り交じっているので、判別は制作者が明言しない限り、不可能です。
 まあ、細かいことは気にせず、素直に1作品として楽しむのがベストですね。ただ、アメコミとタイバニは、あくまで似て非なるもの。アメコミ好きの方に「アメコミ好きならタイバニも」、逆に「タイバニ行けるなら、アメコミ行けるだろ!」と先入観を持って紹介するのは、危険です。逆に意固地になって、見なくなったりします。そういう切り口で、それぞれが好きな人に紹介するのは、オススメしません。
 あくまで、それぞれに別の魅力アリ。自発的に未見の側への興味が湧いたのだったら、挑戦してみても損はないですよ?

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