ディスクウォーズ:アベンジャーズ、42話。
厄年、縁起の悪い数字と言われる42(死に)。そんな42話に訪れた者は、大厄なる吸血鬼!
「気晴らしにピッタリの所だ!」 トニーがこういった時は楽しみでした。この時は、あんな恐怖が待ち受けているとは、思いもよらなかったのです。
こんな感じの導入が似合う、今回の話。夜の博物館に潜むのは、お宝目当てに潜入してきた、バロン・ブラッド率いる吸血鬼軍団。というか、世界的には「ヒーローが封印されて、マジ大変」な構図だったのに、吸血鬼業界は「親玉が封印されて、狩人は野放し。助けて!」な構図だったのか。セレブレティ5にディスク回収されなきゃ、吸血鬼撲滅できてたんじゃなかろうか。
かつて、銀幕デビューの結果、日本人にスタイリッシュさと苛烈さを焼き付けたダークヒーローが居た。吸血鬼ハンターブレイド、勇姿復活! 出るか柳生三奥義! 銀の剣に手裏剣、更にはスプリンクラーに聖水を混ぜる用意周到さ。ブレイドは純然たるファイト属性と言ってもいい技巧を持っていますが、吸血鬼的に恐ろしいのはきっと用意周到さの方。今回銃器は使ってないけど、銃弾一発一発が銀製なのはともかく、それ全部にニンニク詰め込んであるっていうのは執念通り越して怖いよ!?
アキラを残し、全滅した子どもたち。シールドによる攻撃が吸血鬼に通るキャプテン・アメリカや、ムジョルニアが魔を祓うマイティ・ソー。吸血鬼相手にも効果的な攻撃が狙える二人が動けないのは痛い。なあに、ハルクが吸血鬼化して暴れるよりはマシさ。
子どもたちはバイオコードのおかげで吸血鬼にはならなかったものの、プラシーボ効果の自己暗示力は怖く。あの思い込み方だと、十字架見たらショックで死にかねない感じで。最も、吸血鬼になってたら、老若男女問わず皆殺しなブレイドに意地でも殺られて、来週最終回でしたけどね! 吸血鬼を滅殺する意思に関して言うなら、ブレイドは犯罪者を目の前にしたパニッシャー以上ですよ?
今日の紹介は、真祖ドラキュラや吸血博士モービウスを差し置いて登場の吸血鬼、血まみれ男爵バロン・ブラッドで! ……ブレイドに関しては、映画や知名度のお陰で結構情報あるので、先にこっちを。ブレイドは、おそらく来週紹介。ウチは基本、隙間産業な路線でやっております。
バロン・ブラッド
それは、運命だったのだろう。イギリス貴族の子息、ジョン・ファルスワースは吸血鬼という種族に興味をいだき、伝説の在る地、トランシルバニアへと向かう。トランシルバニアでジョンは吸血鬼の真祖であり王、ドラキュラと遭遇してしまう。
再びジョンが英国の地を踏んだ時、彼は既に人間ではなかった。ヴァン・ヘルシング教授に恨みを抱き、彼の出身国であるイギリスに憎悪を燃やすドラキュラ。英国を滅ぼすために産まれた、新たな眷属、ブラッド・バロン。吸血鬼であるブラッド・バロンは、第一次世界大戦を舞台にドイツと連携し、イギリス転覆を目論む。だがその野望は、英国のヒーローであるユニオン・ジャックに阻まれ、銀のダガーで刺され大ダメージを負ったバロン・ブラッドは、撤退を余儀なくされた。
バロン・ブラッドを撃退した、ユニオン・ジャックの本名はジェームス・ファルスワース。バロン・ブラッドの実の弟であった。
バロン・ブラッドは、療養後、再び暗躍。第二次世界大戦下、ナチス・ドイツの一員として、活動を始める。弟ジェームスは怪我のため引退していたが、彼の息子でありバロン・ブラッドの甥であるブライアンが二代目ユニオン・ジャックとなっており、彼や彼の所属するヒーローチーム“インベーダーズ“と数々の死闘を繰り広げる。インベーダーズには、アンドロイドである初代ヒューマン・トーチやアトランティスの王サブマリナー・ネイモアが所属しており、バロン・ブラッドの新たな因縁の相手となるキャプテン・アメリカも所属していた。
ナチスは敗北し、バロン・ブラッドも倒れたが、バロン・ブラッドが完全に滅びることは無かった。数十年後、復活していたバロン・ブラッドは、冷凍睡眠より蘇ったキャプテン・アメリカとの死闘を再開。
銀が練りこまれている結果、破邪の武器としての効果もある、キャプテン・アメリカのシールドにより斬首。身体は灰となり、いよいよ滅びたかに思えたが……不滅の吸血鬼の執念は、そんな生易しいものではなかった――。
バロン・ブラッドは吸血鬼であり、能力も弱点もだいたい同じ。超人的な腕力を持ち、催眠術が使え、普通の武器が効かず陽の光やニンニクに弱い。典型的な吸血鬼であるが、だからこそ恐ろしくも在る。吸血鬼とは、純然たる怪物なのだから。
バロン・ブラッドが、一度滅びた後。複数のバロン・ブラッドが誕生している。まずは初代ユニオン・ジャックの孫にしてバロン・ブラッドの血族でもあるケネス・クライトンが、バロン・ブラッドの眷属であるバロネス・ブラッドの策略により三代目バロン・ブラッドに。
初代と三代目の間にいる二代目バロン・ブラッドは、ファルスワース一族とは関係ない男、ビクターであった。交通事故で死亡、吸血鬼として蘇ったビクターは、犯罪者の血を啜る吸血鬼キーロンとして活動。だが、吸血衝動により徐々に理性を失うようになっていき、無辜の人々に手を出すよりはと、自決した。
ビクターの本名は、ビクター・ストレンジ。そう、かの至高の魔術師ドクター・ストレンジの兄であった。彼もまた、ヒーローの呪われた兄という宿命から逃れられなかったのだ。