2016年1月22日
/ 最終更新日 : 2016年1月22日
fujii
アメコミ
サイレン(以下S)「放置していた企画物をひとまず完結させるシリーズ、第二弾は“はじめてのローグス”(前編・中編)なワケだが……平蜘蛛の茶釜に火薬を詰め込むレベルで自爆してる人、コメントどうぞ」
ふじい(以下F)「やっちゃったぜ」
光速の男に抗う男たち~ローグス紹介~
S「いや、やっちゃったぜじゃねえよ!! 何ちょっとカッコつけて言っていってるんだよ!?」
F「気に入っちゃったぜ、とっちゃやだぜ」
S「やってられないんだぜ」
F「ごめんねだぜ」
S「……ところで俺、いつまでソードマスターヤマトごっこに付き合えばいいんだ?」
F「ああうん、このままギャグマンガ日和ごっこに突入しそうなので、もう止めよう。いやコレも、昨日の追跡! アントマンとだいたい流れは一緒でな。放置している内に、別のところで、やりたかったことや代替えテキストを作ってしまった」
S「Twitterでのツイートを編集してまとめられるTogetterか……時折連投用アカウントと合わせて使ってるよな」
F「コレとか、コレとかな。実況に近いリアルタイム感や、普段と違う層にアピールできると、TogetterはTogetterでサイト掲載とは違った利点がある」
S「だからと言って、前編、中編とやっておいて、後編をずっと放置していいわけじゃないけどな……無いままの後編を探す閲覧者の方が居たら、どうする気だ」
F「それは、頭を下げるしかない……。だからこうして、一度完成させる。また何かローグスについて書くことがあるとしても、それは“はじめてのローグス”ではない記事だ。でも実際これもアントマンと同じで、中編を完成させてから後編を書かずにいた数年で状況が変わっていてなあ。当時はともかく、今はもう日本にいる誰もが、ローカライズされたローグスに会える機会があるからね」
S「それは、邦訳のフラッシュ:新たなる挑戦(THE NEW 52! )のことか?」
F「一度世界観を一新しての全シリーズリスタートなNew52、そんなNew52の中の一冊だな。始まりだけあって、しっかりとフラッシュ周りの設定を固めた上で、宿敵キャプテン・コールドも出ているわけだが……どっちかっつうと、ローグスの本気は次巻以降だからな」
S「次巻出るのかねー」
F「わからん。ただこのシリーズは、フラッシュに負けない加速度で進めば進むほど面白くなっていくから、ここで止まるのは惜しすぎる。是非とも波に乗って、続刊出来るだけの、実のある強さを身につけて欲しいところだが……」
S「波? ああ、アレのことか。ローグスと会える機会というのも、まずそっちのことだな!」
F「ソフト販売にレンタルに動画配信……コミックス、アニメ、映画に続く第四の選択肢、ドラマ。グリーンアローを主人公としたドラマARROW / アローに連なる、光速の男の物語。ドラマ版ザ・フラッシュことTHE FLASH / フラッシュよ!」
S「ドラマのフラッシュ、観た人の評価かなり高いよな」
F「実際、面白い。揺れ動き続ける登場人物の心を直視するアメリカドラマらしい光景に、基本一話に一回、新怪人が出てくるという豪華さ! 安心しろ、お約束の再生怪人回っぽいエピソードもあるから!」
S「いやお前、怪人っつうか、あっち流だとヴィランだから。もしくはメタヒューマン。言い方が特撮レビューみたいになってるから」
F「マジでTHE FLASH / フラッシュって特撮作品として観ても面白いと思うのよ。ドラマ部分も含め、ニチアサに組み込んで流してもイケるんじゃねえかな」
S「しかしドラマ版か……実写に際して、ローグスのイメージも変わってる?」
F「そうだなあ。例えばリーダー役となるキャプテン・コールドを例にしてみるか。まずはこれが、コミックスの伝統的なスタイルな」
F「で、次が、さっき取り上げたフラッシュ:新たなる挑戦(THE NEW 52! )の際に、デザインが変わったコールド」
F「で、コレがTHE FLASH / フラッシュのコールドだ」
S「最終的に、イケメンにたどり着いたな」
F「演じるのは、プリズン・ブレイクのマイケル・スコフィールドや、映画バイオハザードのクリス・レッドフィールドを務めたウェントワース・ミラーだな。実際イケメンなんだが、粗にして野だが卑ではない雰囲気が、すげえキャプテン・コールドっぽくてなあ」
S「あーなんか分かるわ」
F「コールドの持つ冷徹さや喧嘩強さが、上手く映像として昇華されてるんだよ。ドラマにおけるフラッシュとの関係も、単なる敵とは決して呼べない、強いて言うなら好敵手と呼ぶしか無い奇妙な関係になってるし。衣装もゴーグルやファー付きのコート、現実にありそうな格好でそれらしいラインにちゃんと沿っているからな」
S「見比べてみると、結構ピン!と来るパーツが多い感じだな」
F「まあぶっちゃけた話、コミックス通りの、育ちきったアイスクライマーのポポみたいな衣装でドラマ出れるかっつったら、厳しいだろ」
S「本当にぶっちゃけたな!」
F「数多くの実写版を観れば分かると思うが……漫画では受け入れられる表現やキャラクターでも、実写にしたら観ててキツッ! って例、結構あるぜ? 漫画、アニメ、実写。メディアによって、セーフの線引は違うからな。実写版で浮いてしまった作品の一因には、この線の見極めを誤るっていうのもあると思うぜ? むしろ、THE FLASH / フラッシュのアレンジや線の見極め方は、神業レベルだ」
S「ダークな作風のARROW/アローと繋がっている以上、その世界観と組み合わせても違和感のないイメージが求められるよな。フラッシュのキャラは結構明るいからなあ。調整には、確かに神業に匹敵するものが求められそうだ」
F「まだキャプテン・コールドはマシな方だぜ? ローグスに籍をおいていた、結構古くからいるヴィランのレインボーレイダーとかさ、ビジュアルだけでなく能力からしてキツすぎるだろ。虹乗るんだぞ、虹!」
S「虹、虹に乗るオッサンかー……綴はRainbow Raider。虹に乗るレインボーライダー(Rider)じゃなくて、侵入者や襲撃者を意味するレイダー(Raider)なんだな。確かにコイツはちょっと厳しいかもしれないけど、ここまで神業級の腕前を見せた、ドラマスタッフ達なら」
F「ほれ、追加画像」
S「あ。ゴメン、無理だわ」
F「多分、実直に映像化したら、何をどうやっても面白映像にしかならんと思う……バットマンVSスーパーマンだろうがシビルウォーだろうがライダー大戦だろうが、どんな熾烈な戦いでも背後で虹に乗ったオッサンがシューっと滑っていたら、オッサンが全部持ってくぜ」
S「うん。虹のパワー、ハンパないね。結局、ドラマ版ではスルー?」
F「いや出たよ、ちゃんと。ドラマに馴染むヴィランとして」
S「おい。虹、何処に行った」
F「ビジュアル的にはレインボーじゃないけど、ちゃんとコイツはレインボーレイダーなんだよ! 実は、レインボーレイダーの虹には、人の感情を操る力があってな。ドラマのレインボーレイダーは、眼からの赤い光で他人の怒りを爆発させるんだよ。手当たり次第にバーサクかける感じで!」
S「なるほど、磨き上げての一点突破か!」
F「実際、ドラマではフラッシュもこの赤い光の力で、感情制御不可の暴走状態になっちまってなあ。もう仲間や大事な人ですら手に負えない、暴走するヒーローを止められるのは、同じヒーローしか居ない! レインボーレイダーの出る、第8話のタイトルは、そのものずばり“フラッシュ VS アロー”よ!」
S「ARROWの主人公であるアロー(オリバー・クイーン)との対決。つまり、レインボーレイダーをドラマに適した形にした上で、ヒーロー同士の対決の立役者にもなったと。ドラマ、凄いな!」
F「ARROWのシーズン3の第8話“アロー vs フラッシュ”はこれと対となるクロスオーバーエピソードだぞ。こちらでは、弓の達人アローをも苦戦させるブーメランの達人、キャプテン・ブーメランが登場だ!」
S「キャプテン・ブーメラン、映画スーサイド・スクワットへの参戦といい、ザ・フラッシュ以外のところでの頑張りが目立つよな」
F「一時期、ロビンとの因縁が出来て、ゴッサム・シティでの活動なんかもあったしねえ。ああちなみに、ドラマのレインボーレイダーも、原作のレインボーレイダーの持つ趣味嗜好や悲しさは持っているぞ」
S「悲しさ?」
F「レインボーレイダーだけでなく、ローグスのメンバーのオリジンって、物寂しさがあるからよ。それに触れるのであれば、こういうトーク形式でのテキストではなく、真面目に書かないとダメだな。最低限の礼儀だ。そうだな……直接書かずに言わせてもらうなら……キャプテン・コールドの出自と冷酷さ、そして情愛と復讐を描いた“ABSOLUTE ZERO”のエピソードは、名著だ。つーか、俺、アメコミのエピソードの中で、五本の指に入るレベルで好きだ」
S「お前のその枠、てっきりデッドプールで全部埋められてると思ってた」
F「まあ確かに、デッドプール好きだけどね。でも、ローグスもまた好きだし、愛読している連中よ。そうでなきゃあ、こんなに文章書けないし、レビューや紹介しよう!って気にもなれんよ。運転するのに知識が必要なら、好意は動くためのガソリンってね」