ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その31~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第31話。
 ハルク&エドによるパワー属性回! 出てくるヒーローもヴィランも、みんな手足が丸太なんだぜ!?

 行き先に戸惑い足を踏み出せなかったのがクリスなら、まず足を動かすことが出来なかったのがエド。最初は唯一であったヒーローへの愛情すら揺らぎがあったものの、30話近い戦いを重ねることにより、愛情には確固たる足場が生まれ、前に進めなかった足はもはや止まること無く。登場メンバー中、最も成長を遂げたキャラは、おそらくエドでしょう。
 もう完全に、見守る妖精ポジションなハルク。このアニメ終わったら、魔法少女系アニメの妖精枠に立候補しよう。ガンマパンチでQB辺りを一撃してですね。それはともかく、最初とっつきにくかったものの、今では面倒見の良い武人ポジションなハルク。性格的には、公式チートだったワールド・ウォー・ハルク時の王者ハルク域に達しているのでは。とほうもない強さがウリだったキング・ハルクですが、実のところカリスマ性や性格面でも並大抵でない物がありましたからね。でなければ、ああも部下が慕ってこないですよ。
 全く今回、情報がなかった新規参戦のセカンドヒーローは、前回出たアイアン・フィストの相棒ことパワーマン(ルーク・ケイジ)に。チョイスとしては、かなりいいんじゃないですかね。パワー属性って、力がメインな時点で、基本皆ハルクの下位置換になりがちですし。そこのところパワーマンはアイアン・フィストとのコンビネーションもそうですが、後述するような魅力は、これまたハルクとは一線を画した別種の香りがします。エドとクリス自体の相性もいいですし、ファイト&パワーのコンビネーション、見たいなあ。
 というわけで、このまま今日の紹介は様々な邦訳への出演率はかなり高めな、パワーマンことルーク・ケイジで! 流石にアニマル属性な成分は一切ないヒーローだけど、ジェシカのパートナーだったら、それはそれで面白かったかもしれない。名前的に。

パワーマン(ルーク・ケイジ)

ルーク・ケイジ

 ディスクウォーズにて、パワーマン名義で参戦した彼。原作では主に、最初は偽名でやがて法律的にも本名となったルーク・ケイジ名義で活動しているため、一先ず今回本文での呼称はルークで。なお、マーベルユニバース内にて、パワーマンを名乗った、名乗っていたヒーローは複数人居る。比較的、移ろいやすい名でもあり、このカテゴリーだとルークも一時的に名乗っていた者の一人となる。

パワーマン(アトラス)

パワーマン(ビクター)

 ハーレムで生まれ、小さな悪事を重ねつつ大物のワルになることを夢見ていた黒人の青年、カール・ルーカス。カールはやがて、まっとうな大人への道を選ぶが、幼馴染であり共に大物のワルを夢見ていたウィリス・ストライカーは悪党のままであった。それでも友人で在り続けたカールとウィリスだが、女性問題による逆恨みの嫉妬から、ウィリスはカールを裏切る。コカイン所持の冤罪により、カールは逮捕され刑務所へ。カールが送られた刑務所では、薬物実験が行われており、カールは早期の仮釈放を得るため自ら被験体に志願する。だが実験中、カールをこれまた逆恨みしていた警備員が薬物の過剰摂取による死や再起不能を狙い、わざとカールに薬物を過剰摂取させる。実験の枠を超え、カールの体内に注入された多数の薬物。薬物が体内で予期せぬ化学反応を見せた結果、カールは超人的な腕力と銃弾や刃物や電気が効かぬ皮膚と肉体の再生能力を手に入れることとなった。カールはその力を持って、刑務所を脱走。捕まらぬため、偽名“ルーク・ケイジ”を名乗ることとなる。逃亡中のルークは、とある店を襲っていた泥棒を撃退。店主からお礼として報酬を貰ったことで、商売としての雇われヒーロー稼業を思いついた。ヒーロー、ルーク・ケイジの誕生である。

初期ルーク・ケイジ

 誰だよ!?このサタデーでナイトしそうなヒーロー!?とお思いでしょうが、上記のアフロが初期ルーク・ケイジ。ディスクウォーズのデザインに似たスキンヘッドのルーク・ケイジになるのには、少し時間がかかる。髪型もそうだが、髭を伸ばすまでも結構な時間がかかっている。実際その変遷は、作中においても激しいらしく、アフロスタイルの際にルークに負けて封印され、十数年後に現代に蘇ったヴィランが、スキンヘッドになったルークを見ても、誰だか分からず困惑していた。

ルーク・ケイジ(現在)

 デッドプールやタスクマスターが生業とする、傭兵にも通ずる雇われヒーロー稼業。初期は自身を裏切った後、ダイヤモンドバック(彼女とは無関係だが、名乗ったのはこっちが先)と名を変えたウィリスを始めとした普通の犯罪者が相手だったが、やがてルークはNYの超人業界に首を突っ込むこととなる。ファンタスティック・フォーを偶然助けたり、某編集長に雇われてスパイダーマンを捕らえるよう依頼されたり。一歩間違えれば、超人を敵に回しかねない案件ばかりだったが、持ち前の真摯さや明快さにより、ファンタスティック・フォーからは代理メンバーに呼ばれるほどの信頼を得ることが出来、スパイダーマンとは友人と呼べる間柄になった。なおこの超人業界入りたての時期に、パワーマンの名前を使っている。
 そして、ルークはその最中、人生に関わる二人の人物と出会うことになる。

ルーク・ケイジ&アイアンフィスト

 まず一人目は、大親友となるアイアン・フィスト。崑崙で修行した拳法家であるアイアン・フィストとルークは意気投合。雇われヒーロー稼業を共に行うヒーローズ・フォー・ハイヤーを結成することとなった。大柄なパワータイプと小柄な技巧タイプ。この二人のコンビネーションは、Marvelだけでなくアメリカヒーロー界隈に話を広げても、ベストクラスのタッグチームとなっている。

ジェシカ

 二人目は当時ジュエルと名乗っていた超人ヒロイン、ジェシカ・ジョーンズ。出会いは、ルークが彼女を助けたことから。やがてルークがアベンジャーズ入りした後、ルークとジェシカは付き合い始める。そしてそのまま二人はゴールインし、結婚。

ルーク&ジェシカ結婚式

 神父が、マーベル映画でさんざん見たようなお爺ちゃんなのはスルーするとして。もうこの時には子供が出来ており、ルーク・ケイジは妻ジェシカ娘ダニエルと共に家族を作ることとなった。なお後に、ベビーシッターとして雇われたのは史上最強のリス女ことスクイールガール。とある事件の際、ダニエルはスクイールガールを戦闘不能に追い込んでしまったので、ダニエルは正史で彼女に黒星をつけた珍しいキャラの一人だったりする。

ルーク&ジェシカ&ダニエル

 怪力がウリのパワー属性なキャラだが、スペック上の数値はかなり低い。腕力はあまり怪力タイプに見えないスパイダーマンやデッドプールと同じくらいと言えば、その低さを感じられるだろうか。神の中では非力なロキディスクウォーズのメンバー中、ハルクやソーに次ぐアイアンマンにも負けている。実際、ディスクウォーズに出てきたパワー属性のキャラの中で、最も非力と言っていいかもしれない。
 だが、ルーク・ケイジは決して弱いヒーローではない。無頼の喧嘩殺法を用いることで、スペック上ではかなわぬはずのハルクやジャガーノートとも渡り合えるし、自身のタフネスを理解した猛進は通常兵器に頼らざるを得ないタスクマスターやデッドプールのような技巧派キャラにとっての鬼門。アベンジャーズやディフェンダーズにヒーローズ・フォー・ハイヤー、数々のチームに参加しつつ、どのチームでも頼れる中核としてのポジションをキープ。頼れる兄貴や親父として、メンバーと良い関係を築いている。
 そして、そんなルーク・ケイジの強さを誰よりも認めているのはファンであり、ファンのアンケートによる能力値は、公式の設定を遥かに凌駕している。YouTubeでLuke Cageと入れれば、もし映画化した場合、ケイジを演じたいと思っている褐色で筋肉系な役者が先んじて作ったPVがいくつもヒットし、かの俳優ニコラス・ケイジの芸名の由来はルーク・ケイジにあると言われている。
 たとえ活動範囲が狭く能力が大人しめでも、宇宙最強の男と肩を並べても決して見劣りしないストリート系ヒーロー。ルーク・ケイジは、そんなヒーローの典型例と言えるかもしれない。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その30~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第30話。
 ブラック・ウィドウ回だと思ったら、全力全開のデッドプール回だった。そんなファイト属性編。贔屓目かもしれませんが、デッドプール回、前回も含めて作画凄いよね!

 ネジが全部外れているように見えて、実は一本だけしっかりと締まっている。デッドプールを紹介する時に時折使う表現ですが、今回はこの締まっている部分がしっかりと描写されたデッドプールフェスティバルでした。いやねえ、ただのイカレポンチだったら、そもそも人気あるわけねえですからね。人気キャラの座につくイカレポンチは、大抵悪ふざけや狂気の裏に、何か確固たる物を持ってます。前回はネジフルパージ、今回はネジが締まった姿。この二話で、デッドプールの魅力は存分に演出でき、今後は「デッドプールを知りたい? 邦訳かディスクウォーズのデッドプール回観ようぜ!」も十分に通じる状況。良いデッドプールを、堪能させていただきました!
ありがとう! ディスクウォーズ! ありがとう、日本のみんな! ディスクウォーズ~完~
 デッドプールだけでなく、例えば電話先のタスクマスターやサーペントソサエティのダイヤモンドバックのような、所謂傭兵たち。忠誠や正義よりも金をメインにする彼らは、報酬さえ貰えば誰にでも味方するドブネズミ野郎たち。でもドブネズミだからこそ、本性はドライでシニカル。金さえ払えばこいつらはどうにかなると思っている人間と付き合ってきた以上、見捨てられたことも多々有り、見捨てざるを得なかった状況も多々有り。
「こんなもん、ただの慣れさ」
 この言葉が、全てかと。答えを出し続けなければ行きていけないドブネズミ、その中でも最も汚く思われているドブネズミが出した結論であります。自分の命にすら適用される、乾いた結論です。
やあ僕、ミッキー! ハハッ!
 結論を出せる人間がいるからこそ、悩みは若くなり苦しくなり、それに磨かれることで決断の価値は更に上がると。
 今回の主役はクリスであり、求められたのは決断。キャップを慕うSHIELD隊員のひたむきな善、本当にどうしょうもない人間だと思っていたデッドプールの達観、過去の忌まわしさの象徴的存在バロン・ジモ。そして全てを受け止めて、見守るキャプテン・アメリカ。まだおそらく完全な答えではなく、結論とはならないでしょうが、少なくともクリスが今回出した答えは、バロン・ジモの猛攻と策略を掻い潜り大団円を作れるだけの価値はあったかなと。これでガイアライン計画回も、残るは二人。エドやヒカルを待ち受けている物は、果たして……。

 今日の紹介は、黒後家蜘蛛ブラック・ウィドウで! ウィドウさん出番少なかったけど、一番出番多かったデッドプールは、以前やりましたしねえ。ここは映画アベンジャーズでも大活躍なナターシャさんで。
馬鹿な! 俺ちゃんは最後まで生き残って……ぐわー!

 
ブラック・ウィドウ

ブラック・ウィドウ

第二次世界大戦中、最大の激戦の一つに数えられる、ドイツ対ソビエト連邦のスターリングラード攻防戦。燃え盛る街の一角にて、ソ連の兵士イワン・ペトロビッチは、崩れ落ちるビルに飲み込まれた女性より、一人の赤ん坊を投げ渡された。イワンは、名前も知らぬ赤ん坊、女の子にナターシャと名づけた。ブラックウィドウ、ナターシャ・ロマノワはこうして生まれた。
ナターシャは健やかに成長、体育も含めた全ての教科にて優秀な成績を残し、更には美しさを磨きあげた彼女は、バレリーナとなった。彼女の才能は内外に知られ、ナチスドイツ残党であり秘密結社ヒドラの重鎮バロン・フォン・ストライカーに誘拐され、スパイに仕立てあげられそうになったこともある。この時は、イワンそしてウルヴァリンとキャプテン・アメリカの手により救助された。
やがて、テストパイロットであるアレクセイ・ショスタコフと結婚。だが、アレクセイは事故死。独り身となり、悲しみにくれたナターシャにKGBが言葉巧みに接触。優れた素養を持つナターシャを、対米スパイに仕立て上げることに成功する。ナターシャに与えられたコードネームは、黒後家蜘蛛ことブラック・ウィドウであった。
ウィドウはアメリカに渡り、自身の美貌を持ってして、世界バランスに影響を及ぼすであろうヒーロー、アイアンマンを擁すると言われていた※スターク・インダストリーズの社長トニー・スタークに急接近する。

※この頃、トニー・スタークは「私がアイアンマンだ」をしておらず、トニーとアイアンマンは別人扱いだった。

KGBと連携して、アイアンマンを丸裸にしようとしたウィドウだったが、当時ヒーローであるかヴィランであるか、未だ迷いの中に居たホークアイとの出会いが、彼女を揺らがす。ホークアイの説得により心動かし始めた彼女を襲う、更なる真実。赤いキャプテン・アメリカ。ソ連が有するスーパーエージェントであるレッド・ガーディアン、彼の正体は、死んだ筈の夫、アレクセイだったのだ。

レッド・ガーディアン

元々、アレクセイの死は彼をレッド・ガーディアンにするためのKGBの偽装であり、つまりウィドウの悲しみも無念も、国家の手の平の上でしかなかった。ウィドウはソ連と決別し、アメリカへ亡命。アベンジャーズに加入し、ヒーローの一員となる。なお、アレクセイはそのままソ連に忠を尽くし、共産主義への反逆者となったウィドウとも敵対。ソ連崩壊後もその幻影を追い求め、数年前には北方四島でのネオソビエト連邦建国を企んだ。

アベンジャーズの一員として、別のヒーローチームであるチャンピオンズの一員として、デアデビルの恋人として。

ブラック・ウィドウ&デアデビル

国家の一員ではなく、一人の人間として生きるウィドウの前に、もう一人のブラック・ウィドウ、後の好敵手となるイリーナ・ベロパが現れる。

ブラック・ウィドウ(ベロニカ)

彼女だけではない、ソ連による女性エージェント育成計画「ブラック・ウィドウ・オプス」計画。素養在る少女を集め、黒後家蜘蛛の名を冠するに相応しいスパイに育て上げる。育ての親であるイワンは、この計画のエージェントであり、バレリーナや優秀な学生という経歴も、ニセの記憶として用意された物だったのだ。学校で学んでいたと思い込んでいた時期、彼女は「赤の部屋」と呼ばれる場所におり、ソ連の伝説的暗殺者ウィンター・ソルジャーより技術を学んでいた。この結果、ブラック・ウィドウのオリジンは虚実入り混じるものとなってしまった。彼女の過去を完全に解き明かすのは、峰不二子の出生レベルで難しい。映画アベンジャーズシリーズにおける彼女の来歴の不確かさは、ある意味忠実な原作再現である。

映画 ブラック・ウィドウ

オリンピック選手並みの運動能力、手首に装備された移動用攻撃用のケーブル発射装置ウィドウズ・ラインや電撃発射装置ウィドウズ・ボルト、戦略や戦術に関してはキャプテン・アメリカに匹敵すると言われ、どんな国の言葉も使え男を魅惑する才女。生身のヒーロー、ファイトタイプの典型例+スパイとしての技能が、彼女の能力である。それ以外には何もない……と見せかけて、ウィドウにはもう一つ、人とは違う物がある。前述の経歴を見れば分かる通り、彼女の出生や経験は、どうみてもそれなりの歳の人間のものである。偽の記憶ではあったが戦時中生まれとして設定されていたし、そもそもソ連崩壊を子供の頃目の当たりにした世代ですら、そろそろ30代が見えてきている。
ウィドウは、改良型超人血清の摂取者である。ニック・フューリーも使っている、摂取者の加齢速度を遅くする超人血清の効力により、彼女は瑞々しい若さと全盛時の能力をを保ち続けている。アイアンマンとなる切っ掛けの戦争が時代とともに変わっているトニー・スタークと違い、彼女の原典であるソ連の代わりは無かった。
ただし、血清の代償として、ウィドウは妊娠することが出来ず、子供が作れない。祖国を裏切り、悲哀を背負い。そんな彼女を信頼する多くのヒーロー、そしてニック・フューリーとSHIELDの信用。様々な物を捨てざるを得なかったウィドウではあるが、確かに残っている物もある。だからこそ、確かな物を他人より預けられるのだ。

ブラック・ウィドウ&ウィンター・ソルジャー

 まあ、時折変なのも寄ってきますが、それはそれとしてですね。

デッドプール&ブラックウィドウ 

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その29~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第29話。
 おいおい、待て待て。デッドプール再登場は来週だぜ?という訳で、ジェシカ&ワスプによるアニマル属性編!

 アフリカの(架空の)国家ワカンダを襲う、タイガーシャーク率いるヒドラの一団! 立ち向かうのは王にしてヒーローであるブラックパンサー! X-MEN編を始めとした、地に足つけた展開もいいですが、こういう世界を巡る国際色豊かな流れ、きっと望まれていたもの。国が変われば背景も色も代わり新鮮味があるものなのですよ。

「欲しいワンピースに悩んだら、どっちも買う。バッグの色に悩んだら、全色揃える。何かのために、何かを諦めるって、わたしのスタイルじゃないの」

 ジェシカのこの発言、ブラックパンサーの心を動かしただけあって、良い台詞です。一つの物を手に入れるために、別の物を捨てる。非常に現実的ですが、たとえ理想論で都合のいい話だとしても、ヒーローならば全てを救うベストを目指して欲しい。目指さなきゃ、ベストには辿り着けねえんだよ!

 でもアレですよね、セレブとしての立ち居振る舞いや矜持を持っているジェシカだからこそ上手く出来ましたが、他のメンバーが来ていたら、多分初っ端のブラックパンサーとの交渉上手くいってねえよな……。ヒカル兄さんは上手く纏めそうだけど、アキラ&アイアンマンは、全く上手く行くビジョンが見えないぜ!

 そして敵陣営レギュラーなのに今日ここに至るまで出番が少なかったタイガーシャークを補うのは、公式認定サブレギュラーことキングコブラ。アニマル陣営、連携が取れて居やがるぜ……! デッドプール戦もそうですが、水に引き込むスキルを得た時点で、タイガーシャーク強すぎる。タイガーシャークと同じ土俵、水中戦で勝つにはネイモア・ザ・サブマリナーやスティングレイみたいな、同じ水中特化型のヒーローを持ってこないとおそらくアウト。逆に言えば、同じくらい水中で渡り合えるヒーローがレギュラーなら、タイガーシャークも序盤からガンガン行けたのかしら。

 今日の紹介は、ワカンダの黒豹ことティチャラ(ティ・チャラ)王で! 私やヒーローとしての公より、王としての公を優先させる固さはあるけど、コレは王である以上当たり前だし……。この人、かなりの完璧超人だよな。

ブラックパンサー

ブラックパンサー

 ブラックパンサーの正体は、アフリカの国家ワカンダの王ティ・チャラである。
 この文章には、足りないところがある。ブラックパンサーとは、ワカンダの王に在位中与えられる尊称であり、歴代の王は全てがブラックパンサーだったということになる。つまり、ティチャラの父である先王もブラックパンサーであり、そのまた前の王もブラックパンサーであり。正体ではなく、ブラックパンサーは王である者が持ってしかるべき称号なのだ。
 希少金属ビブラニウムの産出国であり、アフリカの国家の中でも比較的裕福で高度な文化を持つワカンダの王子として産まれたティ・チャラ。ティ・チャラがまだ幼い時期に、先代のブラックパンサー、王である父がビブラニウムを狙う悪党クロウ※により暗殺されてしまう。ブラックパンサーの座と王位は幼いティ・チャラが受け継ぐことになるが、ティ・チャラはまず王にふさわしい人間となるべく、ヨーロッパやアメリカにおける一流の学校に留学し、心身共に鍛えることを選ぶ。立派に成長したティ・チャラは、ブラックパンサーを受け継ぐ儀式に挑戦。見事やり遂げ、新たなブラックパンサーとしてワカンダの王となった。

※クロウ 音波を操るヴィラン。現在は自らの身体を音波に変換し、物理的な肉体を捨てた音波人間になっている。バチ魂には既に登場(エナジー属性)、デッドプール:スーサイド・キングスにてクロウの装備をパニッシャーが使用していた。音が弱点な、共生体シンビオート系キャラ(ヴェノム、カーネイジ等)の天敵。

クロウ

 ブラックパンサーとなったティ・チャラは、国家の外に目を向ける。やがて、渡米。その目的は、強大なる力を持つ者として世界各国の注目を浴びていたアメリカのスーパーヒーロー、彼らがワカンダの脅威となるかどうか見定めることにあった。ファンタスティック・フォーやアベンジャーズやX-MENと接触したティ・チャラは、スーパーヒーローとは信頼できる存在なのだと認識する。またスーパーヒーロー達も、ティ・チャラの能力と人格の確かさを好意的に受け止め、ティ・チャラは多くのヒーローと個人的な親交を結ぶ事となった。アベンジャーズにも何度か参加し、夫婦関係の修繕のためチームを抜けたリード・リチャーズの代役としてファンタスティック・フォーにも参加している。実力頭脳リーダー適正と、非常に頼れる男である。

ブラックパンサー登場

 同じアフリカ産まれの黒人である、X-MENのストームとは一層親密に。恋愛関係に発展した二人は、そのままゴールインした……が、最近ストームは直接関与していないものの、ミュータントとして彼女と陣営を同じくしていたアトランティスの王ネイモアがワカンダを襲撃、多数の国民を溺死させてしまった。ミュータントによる虐殺にブラックパンサーは激怒、立場上ストームも王妃で居られなくなり、婚姻関係は解消されてしまった。和解は果たしたが、今の二人は良い友人関係という所に収まっている。

ブラックパンサー&ストーム

 ブラックパンサーはキャプテン・アメリカと同じく生身の人間だが、キャップに超人血清があるように、ブラックパンサーには歴代のブラックパンサーのみが服用を許された神秘のハーブが在る。元々、オリンピック選手並、特にアクロバットや体操に優れているティ・チャラの身体能力がハーブの力で五感と共に倍増され、結果ブラックパンサーは超人並みの力を手にしている。クローでの格闘戦が主だが、剣術や槍術など数々の武術を習得しているため、獲物を選ばずに戦える。
 もう一つの秀でている物と言えば、ティ・チャラの頭脳。アイアンマンことトニー・スターク、X-MENのビースト、ファンタスティック・フォーのリード・リチャーズ、アベンジャーズのハンク・ピム(アントマン)、ハルクであるブルース・バナーと並ぶ頭脳を持っており、特に自国で産出されるビブラニウムに関しては世界トップクラスの権威。王が権威となることで、知識面資源面、両面においてワカンダはビブラニウムを独占している。
 キャプテン・アメリカのシールドに始まる、様々な装備に使用されるビブラニウム。当然、ブラックパンサーのコスチュームにもふんだんに使われており、コスチュームに仕込まれたビブラニウムは打撃や銃弾の力を大幅に軽減する。特筆すべきは、手の平と足の裏に使われているビブラニウム含有のパッド。パッドを装備することにより、ブラックパンサーは壁を駆け上がることが可能に、ブーツの衝撃軽減能力は高高度からの落下による衝撃を殺し、水面を走る事さえ可能に。主武装である手のクローには溶解液の噴出機能やレーザーの発射装置。スーツに装備されたホログラム装置により、スーツまるごと普段着への偽装が可能。野性味溢れた外見、その内実はハイテクさの結晶。まるでティ・チャラを具象化したかのようなスーツだ。
 ワカンダの王であるため、ティ・チャラの中で優先されるのはアメリカより自国民となるが、決して冷淡で非協力的なわけではない。性質は善であり、本質は善き王。Marvel初、アメコミ初の黒人ヒーローに相応しい男であり続けている。

王たる黒豹

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日々雑談~1733~

 本日TBS系で深夜より、アニメ俺、ツインテールになります。開始! 正確には、現在より数時間後ですね。
 タイトルからして気が狂ってますが、全く持ってそのとおりなので言い返せねえ!(オイ 元はライトノベルであり、作者は水沢夢先生。ツインテールに始まり、ツインテールのまま突き進む作品です。いやもう、あらすじとか説明してもしょうがないんで、とりあえず見れる方はひとまず見てみてください! 録画でもいいんで!
 実のところ、水沢先生とは私的な付き合いが多少ありまして……色々すっ飛ばしての説明でアレですが、うちのサイトの源流となった方でもあります。こういうのアリなんだ!というのを身で示して下さった結果、俺も色々幅が広がったというかやりたい放題になったというか。なんにせよ、オススメな作品です。贔屓目一切抜きでも。

 ディスクウォーズにおける、テック、エナジー、ファイト、パワー、アニマルの属性。ヒーローやヴィランがこの枠組に入れられるわけですが、ふと思ったことが。ファンタスティック・フォーのリーダことリード・リチャーズ(ミスター・ファンタスティック)。あの人、属性分けしたら、どこになるんですかね? ファンタスティック・フォーの他のメンバー、インビジブル・ウーマンとヒューマントーチはおそらくエナジーで、シングはパワーなんでしょうが、ゴム人間のリードの行く先がどうにも。
 科学者なんでテックだろうと言っても、テックはアイアンマンやドクター・オクトパスみたいな科学技術に起因する能力や装備持ちのキャラが多く、リード自身、制作はできても特殊装備はよく伸びるコスチュームぐらいの物。超常的なエナジーと言っても、ゴムによる変形は他のエネルギーの放射や魔法が主なエナジー系キャラと若干毛色が違い。技術で戦うファイトや巨躯猛進のパワーはあってない気がするし、アニマルに至っては全く関連なし。ホント、どの属性なんだ、あの人。科学的アイテムをを使うこともあるから、あえて分類するなら、それらを装備した上でのテックかのう。バチ魂参戦か、アニメに出てきてくれれば、この辺スッキリするんですが。
 頂いた意見ですが、リード・リチャーズは属性リード、デッドプールを属性デップーにしてもいいんじゃない?ぐらいのオンリーワン感はあるよなあ。あの人、常識枠に見えて相当濃いぜ。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その28~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第28話。
 開戦! アベンジャーズVSヒドラ!

 地球の龍脈を侵す事による、レッドスカルの地球破壊作戦。世界各地に分かれた敵に対処するため、アベンジャーズと子供達もそれぞれペア同士の単独行動へ。今回のファルコン、そして来週のブラックパンサー。おそらくしばらくは一話ずつ、世界各地に分かれたペアを支援するヒーローが登場するのでしょう。そして、結果属性ごとに分かれる事になったヴィランたちも。世の理、悪の栄えた試し無しを、理ごと世界を一度破壊しようとするレッドスカル。開いた戦力差を補うためのビルドアップアーマーも完成し、ディスクウォーズ最大の大戦開始!
 そして実は、本日よりコミックスでも、アベンジャーズとX-MENの連合軍VSレッドスカル率いるヴィラン軍団の決戦となるシリーズ、AXIS(アクシズ)が開始。奇しくも日米同時にレッドスカルとの大戦が始まる流れとなりました。アクシズにおけるレッドスカルは、嘗て全ての理を破壊しようとし、マブカプシリーズでもラスボスを務めた大物オンスロートの力を手に入れ、こっちはこっちでヤベえ事になってます。

 死ぬ気で戦うのと、死ぬつもりで戦うのは違う。ホークアイの犠牲を目の当たりにしたファルコンの心のモヤ、振り払ったのは先輩ヒーローであるアイアンマンと、アイアンマンの心を知る少年アキラでした。こうして一緒に振り払えたこと、パートナーとして培ってきた物の大きさを感じさせてくれます。死ぬつもりのファルコンは突入時被弾もしていましたが、一度モヤを振り払ってからは大活躍。おそらく、この気持の変貌こそが、今回不利を何度も覆した原動力だろうなと。
 
 ホークアイとファルコン、ファルコンについては後述しますが、二人共原作の経歴を並べると「悪人から始まり正義に目覚めた男」。根源が親しいヒーローなんですよね。大悪党により悪人にされかけていたものの、ヒーローとの出会いにより正義の道へ。今回の濃密な先輩後輩関係は、グッドなアレンジだったと思います。今までの話でレギュラー勢の地固めをちゃんとした結果、現状濃密な話が出来るようになってるのは実に良く。ベクトルは若干違うけど、話の濃密さで言ったら、デッドプールもファルコンも、新キャラとは思えないぐらいギッチギチに個性詰まってましたよね。

 今日の解説は、科学忍者隊ファルコンで! 今回属性はテックだけど、ファイトやアニマルでも何らおかしくないよな、この人。

ファルコン

ファルコン

 本名、サム・ウィルソン。ニューヨーク市でも非白人が多いハーレムを拠点とする、ハーレム生まれの黒人ヒーロー。アメコミ界初の、アメリカ系黒人ヒーローと言える存在である。なお、もう一人の黒人ヒーローでありファルコンよりも登場の早いブラックパンサーは、アフリカ系黒人系ヒーロー。つまりアメコミ界初の黒人ヒーロー。身近な黒人と、異国の黒人、アメリカ人にとって若干二人の立ち位置は違う。

ファルコン&キャプテン・アメリカ&ブラックパンサー

 ハーレムで産まれ、ボランティア活動に勤しむサムであったが、父も母もそのハーレムによる災禍により死亡。絶望により善性を塗り替えられたサムは、一路犯罪者へ。ハーレムからも離れ、密輸ギャングの一員へ身を投じてしまう。
十把一絡げの悪人として生きる筈だったサムの運命を変えたのは、カリブ海の孤島への漂着。そこで出会った、強大な善と悪を持つ二人の人間、キャプテン・アメリカとレッドスカルだった。サムを見出したレッドスカルは、コズミックキューブの力を使い、彼のペットである鷹“レッドウィング”との交流能力を授け、島にやってきたキャプテン・アメリカの相棒に仕立て上げる。
 レッドスカルの計画では、キャプテン・アメリカの信頼を得た段階でサムを裏切らせ、嘗ての相棒バッキーの死に揺れるキャップの心身を破壊する段取りだったが、キャップと出会ったことによりサムの中の善性が復活。レッドスカルの洗脳すら振り払い、サムは正しい相棒としてキャップと共にレッドスカルを打ち破った。
 キャップのかけがえのないパートナーとなったサムは、クライムファイターとしてハーレムを守護する事を選択。もう一人の黒人ヒーロー、ブラックパンサーからグライダー・ウィングを授かったサムは空を制するヒーロー、ファルコンになった。明るく、いかにも若者な性格のファルコンが相棒となることにより、キャプテン・アメリカの年長者としてのあり方も浮上。キャラのあり方が広がることとなり、読者人気も上がったとか。

ファルコン&キャプテン・アメリカ

 当然、超人類登録法を巡るヒーロー同士の内戦シビルウォーにおいても、ファルコンは反対派であるキャップの側に居た。最終的に、ファルコンは超人類登録法に従い登録することとなるが、その理由はシビルウォーで死亡したキャップの葬儀への参加条件に超人類登録法への参加が義務付けられていたからだ。その条件下でも反対派に属したままのヒーローに背を向け、ファルコンは一人、登録しキャップを偲ぶ道を選んだ。このキャップと共に在る姿は、出会いも能力の由来も全て違う映画ウィンター・ソルジャーにおいても、ばっちりと描かれていた。

映画版 ファルコン

 能力は人工の翼、グライダー・ウィングによる高速飛行能力。風を読み、自由自在に飛び回る彼を捕まえることは、至極難しい。またキャップより訓練を受けているため、地上に降りてスーツと翼無しで戦ったとしても高い戦闘能力を持っている。装備と訓練と並ぶ中、彼の唯一の超人的能力と言えるのが鳥との交信能力。最初はペットのレッドウィングとの意思疎通だけだったが、やがて全ての鳥類との交信が可能になる。加えて、鳥の視界をそのまま見る事が出来るため、ファルコンにとって鳥類は頼れる仲間であり、無数の高性能レーダーになっている。街から大自然、地球上、鳥が皆無という場所はあまり無い。
 映画では未登場、ディスクウォーズでも遠隔操作モードとして出てきた、本来はファルコンのペットである鷹のレッドウィング。何度もファルコンと共に死線をくぐり抜けてきただけあって、鳥類世界ではイケメンヒーローポジション。他の動物系ヒーローや動物パートナーと手を組み、ペットアベンジャーズなんてチームも結成している。ちゃんと強力なヴィランの一人であるサノスを倒したチームなので、動物(笑)で挑むと大火傷確定なチームである。

ペットアベンジャーズ