暴虐の牙、俊足の古代絵
冴子「ところで霧彦さん。ナスカのレベルアップに成功したそうだけど、いったいどういう訓練をしたのかしら?」
霧彦「フッ、高速移動の能力を手に入れられたのは師匠のおかげさ」
冴子「師匠?」
??「おばあちゃんが言っていた。じっくり一日寝かすことで、美味くなる料理は多々あると。今のお前は寝かされている状況だ。器を開けた時、嫁もライバルも驚くようなことになっている筈。料理も修業も我慢が大事だ」
霧彦「なるほど、あえて戦いを料理に例えるとは。深いですね」
霧彦「こうして偶然出会った師匠のおかげで、高速移動を手に入れられたんだ」
冴子「その師匠、どっかで聞いた口癖なんだけど……」
Wは平成っぽく新アイテムでパワーアップ。霧彦さんは昭和っぽく秘密特訓でパワーアップ。主人公に負けてパワーアップするライバルキャラは多いけど、両者のパワーアップが偶然被るのって珍しくないか?
悪魔と相乗りする勇気、あるかい? こんだけ丁寧にパワーアップ回が書かれるのは珍しい仮面ライダーW(ダブル)16話感想。パワーアップは物語の肝……。
アームズ・ドーパント、まさに外道!
性格といい拷問の仕方といい、力に溺れきった人間のテンプレみたいなことをしやがる。力を御している悪役が最近多い中、ここまでの三下風味と暴力っぷりは目立つ。いやー、パワーアップアイテム初登場回に相応しい敵ですよねーw
相棒ってなんなんだろう。怪盗コンビ出演の理由は、ここで一度二人で一人の意味を再確認させるためでした。
二人であることのいがみ合いやトラブルを強調するのではなく、二人という言葉の意味を深化させていく。いがみ合いを頻繁に書けば作品がコミカルな雰囲気になるだろうけど、作品世界を深めたいなら後者しかない。
悪魔と相乗りする勇気あるかい? 俺が現時点で一番好きなセリフはこれなのかもしれない。いやねえ、予告から今週まで、聞く度に鳥肌出るんだから、好きなんだろ。きっと。
ファングジョーカー一年ぶりに大復活。スーパー虐殺タイム開幕。劇場版の時はそれほど……?と思ったけど、あれは翔太郎がワケもわからずな状況下だったせいだと納得。一年たって翔太郎もWに慣れているので、強い強い。アームズ・ドーパントも逃げ惑うしかないレベル。人の技である斬に暴力的な獣のスタイル。人と獣の融合、超獣機神ファングジョーカー! いやあ、なんか言ってみたくて。
ミュージアムの皆様方は、真剣にリボルギャリーを倒す方法を考えるべきだろ。武装は無いけどパワーと装甲と機動力で押し切るといったスタイルを確立させている。全盛期の鉄人28号か。
ファングメモリは純粋なパワーアップアイテムじゃないんですよね。制御が難しい上に、応用性にも欠ける。何より一番問題なのは、フィリップが変身しないと使えないこと。安楽椅子探偵を表に出すこと自体が無茶な上に、フィリップが確保されたら積み。将棋で言うならば、王将にチェスの女王ばりの機動力を持たせて前線に出すようなもの。いくら王将がパワーアップしてても、そりゃあ無茶だ。
本来の筋道から外れた奥の手、それがファングのポジションだと思います。キバのドカバキやアギトのトリニティーに近い気がするけど、この二つはおざなりな扱いすぎてコメントに困るレベルなので、並べるのはちょっとねえ。
今後ファング頼りにしないという方針は、最後のチェイスシーンでハッキリとスタッフ側が主張していた気がします。本気でファングメインのストーリーにするならば、お目見え回でわざわざ他の形態を出さんだろ、しかもシメに。
予告のイメージといい、本編の内容といい、今週のWは出来る限りのことをした秀作なんじゃないかと。盛り上がった上で、盛り上がりを殺さずに終える。1月3日放映の重責に見事に応えてました。きちんとした物を正月から見れるのって幸せですよね。