日々雑談~3482~

 どうせ気になるし、早いうちに見ておいたほうがいいなーということで、映画ヴェノムを鑑賞。ちょうど観に行った時間が激戦の時間帯で、あやうくプリキュアやシャークネードに流れるところだった。

 予告どおりにヴェノムのビジュアルは実に素晴らしく、アクション面も上等。エディとシンビオートのやり取りも軽快でよかったのですが、上映時間2時間20分のわりにフラグ立てが上手くいってなかったり、主要キャラの大半が自分の行動で起こる先のことが考えられないタイプだったり、そもそも人物造形にデケえミスがない?という穴もちらほら。穴の空いた器に、だばだばとシンビオートが流れて、なんとかふさがっている感じ。たぶん、ロッテン・トマトとかで批評家の評価が低かったのも、こういうとこだろうな。観客はへうげた器を愛せるけど、批評家はゆがみの理由となっている欠けを客観的に評価する仕事だもの。

 俺はこの形も愛せるけど、それでもきつかったなーという部分を、ネタバレ対策を施した上で以下に。あと、コミックスを知っていることが前提となるエンドロール後のいろいろもちょっと……今のヒーロー映画の客層って、知らない人がメイン層だし。こういうズレたとことを味と見るか、欠けと見るかで、評価は変わるのでしょう。エディとシンビオートのやり取りみたいに、今のヒーロー映画戦国時代でもやっていける個性もあるので、そこはガンガン推していきたいですわ。

 自らと周りを滅ぼすほどの正義感を持つエディが、やりすぎなまでに警官(SWAT)をぶちのめして喰らって、何の抵抗も後悔も感じてないのはヴェノムの影響を考慮してもマズいのでは? 正義と規律を持つ警官を殺さないというのは、ある程度割り切っているパニッシャーですら守っているラインなわけで。そこを躊躇なく超えたら、ダークヒーローではなくヴィランです。

 このシーンは、敵をシンプルに財団の傭兵にする。もしくは警官に財団の息がかかっているという描写を入れて悪徳警官化すればフォローできると思うんですが。それとも、カットしたシーンでフォローがあったりするのだろうか。

 この後、自身の身体の不調を指摘されてエディはシンビオートと決別するわけですが、この映画のエディのキャラ造形なら、警官を殺したことを離別の理由にした方がバランス取れてるよなと。自分本位よりも、他人を巻き込んだ拒絶の方が統一性のある描き方なのでは。エディの正義感や破滅を描くヴェノム前の部分に1時間使っているのに、繋げないのは勿体ねえ……。