日々雑談~2201~
シン・ゴジラを観て来ました。
わかる、わかるぞ……! 軒並み知り合い友人が大絶賛していたのも! その一方で合わない人がいたのも! 島本和彦が庵野監督に「俺の負けだ!」となったのも! 全て、わかるぞ!
今まで業界や自身が築き上げてきたものを磨きあげ、刀を打つ上で必要であると思われていたものをあえて削り、己の理想を完成図に盛り込み。そうして出来上がったのは、多くの人が扱える妖刀。何時も知名度のわりに使い手を選ぶ刀を打つ鍛冶師が、創り上げた新たな刀。使い手を選ぶという一点は変わっていないものの、その刃や研ぎの見事さは多くの人を惹きつける――
シン・ゴジラは、近年のゴジラ(ギャレス・エドワーズ版)やパシフィック・リムのような、海外産怪獣映画が期待も含め問いかけてきた「俺はこういう怪獣映画を作ったぞ! そっちはどうするんだ!?」との主張に対する、見事なアンサーだったと思います。無理に背伸びしない、日本の制作環境ならではの作品というアンサーを用意することで、怪獣映画の世界はここに来て再度広がりました。
そしておそらくこれは、今後の呪いになる可能性を孕んだ作品です。中途半端に真似をしようとすればコケ、創作者の脳天に強烈な刺激を与え、焦燥感や出遅れたという気持ちを抱かせかねない魅力。妖刀には、どこまで行っても、呪いが付きまとうのですよ。そしてそんな呪いを「ええい! シン・ゴジラはこうだったが、俺が思うゴジラはコレだ!」と真正面から弾き返せる人間が作るゴジラを、観てみたくもあります。
シン・ゴジラ、感想書いたり説明したりするのが野暮としか思えてこないのは、問題点かもしれんなあw いやとにかく、凄いですよ。未見の人には、語彙を放棄して凄いと薦める以外無い。そして見終わった人とは……よし、飲み行くか!