ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その20~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第20話!
 来週からは、十数年ぶりのアニメX-MEN開始です。え? 違うの?

 ミュータントに変貌して悩んでいる人がいたら、どう接すればいいのか。
 そりゃ何時もと変わらず接して、悩んでいたら普通に励ましてやればいいのさ。
 ミュータントであるノリコと、常人であるヒカル。ヒカルの出した答えは、最適解でした。字面にすると簡単そうだけど、自らと異なる人間に平然と接するのは難しいし、混乱困惑した頭で説得を受け入れるのもまた難しい。この数話で描かれた、二人のすれ違い、それにより補強された信頼関係があってこその和解だったのではないかと。

 そして、もう一組の不和。キャプテン・アメリカとクリス。キャプテン・アメリカとは自由の象徴であり、スティーブ・ロジャースは象徴たる完全無欠の人間である。ええ、違いますね。弱さや悔いがあるからこそのヒーローであり、キャップは弱さに抗い悔いを背負いつつ戦っているから、象徴として皆が慕うような存在となっている。そしてその弱さを認め、支えようとする覚悟が無いと、真のパートナーにはなれない。作中、クリスがシールドをキャップに投げ渡すシーンが有りましたが、あのシールドをああも上手く扱うことから感じさせる、クリスの資質。ソーのムジョルニアの使用条件のように条件付けされた物ではないのですが、時折使われるホークアイやウィンターソルジャーにファルコンと言った後継者の資格を持つものだけが真にシールドを使いこなせるという流れ、個人的には大好きです。英雄の武器が未来の神具になる光景を垣間見ている感じで。

 今日の紹介はX-MENのリーダーにしてミュータントの希望でもある彼! まあぶっちゃけ、いまさら何を付け加えるんだという有名キャラなので、ちょっとした変化球で!

 

 

サイクロップス

サイクロップス

 X-MEN創設時のメンバー、ファーストファイブの一員であり、恵まれし子らの学園の一期生。目から放つルビー色のビーム、オプティック・ブラストは細胞によるソーラーエネルギーの吸収、そのエネルギーで次元を裂くことで放たれていると言う、見た目以上に壮大な能力。ビームは調整が可能であり、クレー射撃の的から山一つまでなんでも吹き飛ばす。最初期からチームのリーダーとして集団行動していただけあって、指揮力は並々ならぬ物があり、またもしオプティック・ブラストが封印されたとしても、素手で武装集団を鎮圧、センチネルを撃破出来るだけの戦闘スキルも持ち合わせている。
 映画での貧乏くじや、ときどきのやらかしからイメージが悪くなっている面もあるものの、上記の能力に加え、プロフェッサーXやジーン・グレイにエマ・フロストのような強力なテレパスと長く付き合ってきた結果、通れば一撃必殺なテレパシー攻撃への耐性も。贔屓目抜きで、チートに足を踏み入れています。
 そしておそらく、90年代に放映されていたアニメやマブカプでのイメージから、コスチュームも立ち位置も大きくかけ離れてしまったキャラクターの一人。

サイクロップス(マブカプ)

 嘗ては若きリーダーであったものの、その視点は自然と大局的な物となっていき、やがてプロフェッサーXやマグニートーでしかたどり着けなかった種の指導者としての立場に。生真面目な性質はそのままながらも、清濁を飲み合わせる器量も持ち合わせ、ある事件による学園壊滅後には、ミュータントの独立国ユートピアを設立。一線を退いたプロフェッサーXに代わり、種を導こうとする彼をマグニートーも支持。当時数が減りに減っていたミュータントを一つに纏めることに成功する。そんなサイクロップスと道を違えたウルヴァリン派の離脱や、未知なる力フェニックスフォースを巡るアベンジャーズとの諍いでユートピアは崩壊するものの、サイクロップスはそんな汚濁も受け入れ、ミュータントを護り導く希望としての活動を続けている。その真摯な姿勢からウルヴァリンやアベンジャーズとの雪解けも近い。

サイクロップス(現在)

 あと余談なのですが、一時期暴走していたサイクロップスを止めるため、ビーストが過去の世界からX-MEN創立当時のサイクロップス(とファーストファイブ)を連れてきてしまった結果、今現在原作では、若サイクとサイク、二人のサイクロップスが居るという、非常に面倒くさい状況となっております。

サイクロップスVSサイクロップス

 過去より、格段たる成長を遂げたサイクロップスの下地にあるもの、それは訓練や修行による努力です。例えば、かつて生きた島クラコアにサイクロップスを始めとするファーストファイブが捕らえられるという事件(この事件の解決のため、ストームやウルヴァリンがX-MENに初めて招集される)がありましたが、今現在のサイクロップスは、この島サイズの化け物であるクラコアのクローンを瞬殺、それどころか一人であしらえる実力を持っています。

クラコア

サイクロップスVSクラコア

 サイクロップスの成長は典型的な例ですが、X-MENに所属するミュータント、戦闘に出るようなメンバーは全員しっかりと訓練を積んでいます。実戦による鍛錬ではなく、組織立ったカリキュラムによる訓練。理由としては、大きいのが二つ。一つは反ミュータント主義者による差別や迫害からの自衛、そしてもう一つは己の能力を制御するため。

デンジャールームでの特訓

 例えば本日のディスクウォーズでノリコが能力発動により街中を停電させていましたが、能力発動の度にそんな事になっていては、同じミュータントでも一緒に生活することは難しく。なので、ミュータントは自身の能力を把握制御する術を訓練により学ばなければいけないわけです。ただでさえ、現実を改変できる、機械を支配できる、触った生物が死ぬと、ミュータントの能力は尖り気味かつ世界を簡単に崩壊させられる素養アリ。この暴れ馬を制御するすべを学ぶのは自分の為でも有り、仲間や世界のためでもあるのです。