デッドプール:ザ・ガントレットで見る、電子書籍における漫画の表現法

ふじい(以下F)「世間ではイマジナリーラインというのが話題になっているらしい」

サイレン(以下S)「なんだそりゃ」

F「勝利のイマジナリーライン! ……ゴホン。いわゆるマンガの技法の一つで、想定線とも呼ぶらしいんだけど……漫画の技法に関しては門外漢なので、ようわからん。漫画を目で追う際の動線や、小説で言う視点の固定の話に近いとは思うんだが。詳しくは、ググってもらうとして。で、この話を聞いていてポンと思い出したのが、Marvelが電子書籍メインで展開しているインフィニティコミックスシリーズ、現在進行形で連載されているデッドプール:ザ・ガントレット(Deadpool:The Gauntlet)のことなんだけどな」

デッドプール:ザ・ガントレット

S「あー。デッドプールVS西洋妖怪のアレか」

F「実のところ、おまけストーリーどころか、デッドプールというキャラクターの今後と根幹に関わる超大事な話になりかけているけど、それはさて置き。アレの技法ってさ。おそらくイマジナリーライン的に、漫画技法的にとんでもないと思うんよ。そもそも、電子書籍だからこそ!って手法なので画期的で当然」

S「だけど、アレは一枚絵で並べても魅力が伝わらんって、当のお前が言ってたじゃないか」

F「ああ。実際見てもらうしか無いと思っていたんだが……今回のイマジナリーラインの話がきっかけで、色々考えていた所、ある手法に思い当たってな。gif使えば、ある程度再現できるんじゃねと。このホームページ、gifもアップできるよな。動くやつ」

S「ああ。出来るよ。ただ見れるかどうかは、閲覧者の方々それぞれが使っているブラウザによって変わってきてしまうけど」

F「分かった。やってみないと、分からないと。ならとりあえず、作ってみたので上げてみよう。動かなかった場合は申し訳ないとして」

久々のデッドプール&ボブ

F「これはiPadで撮ったスクリーンショットを加工した物だ。実際は、指でスライドするたびに、一コマずつ動いていくんだけど」

S「こうして改めて見ると、パラパラ漫画の発展形とも言えなくはないか?」

F「擬似的なアニメとも言えるしねえ。一コマずつ、接写で写していく感じで……以前、とあるプロの方にこのシリーズをお見せする機会があったんだが、その時は映画的技法と言っていたな。なんにせよ、電子媒体をメインにした画期的な技法だとは思う。これって、イマジナリーラインの補助、もしくはオートイマジナリーラインなのかねえ?」

F「ついでに紹介すると、こっちが以前“すげえ! この漫画、オープニングムービー付きだ!”と騒いでいた所の一部分となる。ホントはもっと長いし、これは第一話のロングバージョンで、他の話にもショートで別演出なOPがついてるよ!」

ガントレットOP(一部)

F「そしてこの手法で栄えるのは、静かな会話シーンよりも派手なアクションシーン。最初は俺もこの新しい手法に戸惑い気味だったけど、この二話の戦闘シーンを見た瞬間から、なにこれスゲエ!と確信する側に代わりました」

死闘INエジプト王墓

S「しかしMarvelは、紙媒体と電子媒体を上手く繋げようとしているな。紙媒体で指定のコマをカメラで移すと動画や音声やデーターのおまけが楽しめるアプリとか。あと、紙媒体に電子版のコードがついてきたり」

F「電子書籍と紙媒体は、別に争う物じゃないからな。2Pに渡る見開きなんかは、サイズ小さめな電子媒体の苦手分野だし。あと、電子書籍はどうしても目が疲れる。読者としては、それぞれと上手く付き合っていけばいいだけよ。なお、電子書籍でのアメコミ購入は、無料アプリのcomiXology(コミクソロジー)が便利です。このまとめを読めば、だいたい感じややり方は掴めるかと」