日々雑談~5870~

 ゴールデンウィークだけど、特になにかできるわけではない……! という状況なので、少しでもハレの日の気分になろうと、Amazonプライム入りしたゲゲゲの謎マイゴジを観ているけど、やっぱ二つとも戦後を舞台とした名作だなあ。作風的にハレの日の気分になるか? というのはさて置き、二つ並ぶとスペシャル感はあるよね。

 ゲゲゲの謎は、ゲゲゲの鬼太郎生誕の謎が明らかに――ってのがメインテーマですが、「鬼太郎はなぜ強いのか」「鬼太郎はなぜ人間と妖怪の間に立ってくれるのか」「目玉おやじはなぜ妖怪仲間ではなく、人間に赤子の鬼太郎を預けたのか」と、作中で明かされる謎の内容は複数ある上に、しかもゲゲゲの鬼太郎の根幹に全部関わっていると、ハードルの高さも数も桁違い。一本の映画でよくまとまったよなあ。

 これらの謎を一つにまとめるキーワードがあるとしたら「目玉おやじ(ゲゲ郎)の悔い」を挙げたいところです。自分が裏鬼道や狂骨を力尽くでどうにかできるくらいに強ければ。もっと人間とわかりあっていれば。未来に希望を持っていれば。哭倉村も龍賀一族も映画開始の時点で詰んでいる村であり、滅ぶ定めというより滅びなければならなかったものの、かと言ってあそこまで凄惨な滅びとなるべきだったのか。もしかしたら、妻が行方不明になった時に、もっと広い視野で立ち回っていれば間に合ったかもしれない。このゲゲ郎の悔いが、目玉おやじの人格形成と育児方針に繋がり、結果、鬼太郎は強い中庸の子になった。こう考えるのも、アリじゃないかと。

 現代パートは追記であり、鬼太郎の出番自体も少なかったものの、実際鬼太郎はゲゲ郎が封印するしか無かった狂骨をネコ娘と共に制してますからね。今回で一気に片付けたのではなく、すでに何度か村に訪れていたんじゃないかという解釈もありますが、それでも力の証明としては十分でしょう。実際、ゲゲゲの謎本編自体、もし鬼太郎が平時のスペックで挑んでたら、もうちょっとマシなところに着地してた感はありますし。少なくとも、狂骨と裏鬼道を抑えられるだけで、状況はだいぶマシになるはず。おそらくは、龍賀一族はほぼ滅んで、村人は生き残ったものの村から離れていく、哭倉村衰退ルートが落としどころかなあ……。
 
 無念の死を遂げた幽霊族の墓場にて、困難に負けない力を披露する。これもまた、一つの鎮魂か。