日々雑談~5641~

 口でいうとそこまででもないんだけど、4巻のラストは本当に「俺たちの戦いはこれからだ!」感がスゲえ強かったんですよ! だからこそ、こうして5巻が出てくれたことが超嬉しい。

 江戸時代随一の豪商として知られているものの、生没年の確証もなく、架空の人物説まである紀伊国屋文左衛門。享保前後の物語を書くなら、これほど面白い上にチートじみた視点も許される人はそうそう居ないわな。あと、トラブルを解決する際、武と誠意の人のもっこりとは違い、智でアイディアが出せるのも話の幅を広げているよね。

 上記ツイートで触れてる「時系列が若干違う」の詳細ですが、享保2年の時代設定なのに柳生俊方が死に松平家養子の俊平が跡を継いだ話をしているとこですね。俊方の没年は享保15年で、俊平が養子になるのも享保6年の話なので。ただこれは間違いでなく、このエピソードのテーマが「剣を捨てた柳生」なので、その印象を強めるために石舟斎からの血が途絶えた話を前倒しした、いわゆる時代劇的な演出ではないかなーと。

 歴史の話となると、柳生家が将軍家の兵法指南役から退いたのもいろいろ事情はあったんですが。そもそも、指南できる年齢になる前に死んだ家継に、紀伊時代からの指南役を持ち弓馬の方が好みの吉宗と続いたら、そりゃ将軍家兵法指南役としての出番も自然消滅ルートだよなあ……。