ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その34~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第34話。
 新キャラ目白押し、新章開始はロケットスタート!

 過去の象徴たる大敵レッド・スカルとの激戦が終わり、アベンジャーズと少年たちが見るのは未来に。アカツキ博士の救出、そしてディスクの回収。ディメンションスフィアという新たなサンプルを手にしたアイアンマンは、切るのに躊躇していた切り札、天才科学者ハンク・ピムに協力を要請する! ええ、遂に出ましたハンク・ピム。ディスクウォーズのピムは、ピントがずれ気味のある意味らしいとも言える学者キャラ。色々な作品にピムはいますが、今回は変人なので、分かりやすくまだ救いがある方じゃないかと。ピムは結構やらかすタイプのキャラですが、ヒーローとしての重圧によるミスや、荒れた心による暴走と、やらかしの原因が誰でも持っている心の弱さや暗黒面に起因していて、よくよく考えてみると痛ましい感じで。悪い人間ではないものの、決定的なミスやピントのずれた事をしてしまうという観点なら、このピムもちゃんと原作要素を汲み取ったものなのかなと。しかし、ディスクウォーズのワスプは所謂女子力高めなお姉さキャラだけど……このピムと付き合いがあったなら、そりゃ色々鍛え込まれるよなあ……。

 ソーの義弟ロキ、キャプテン・アメリカの宿敵レッド・スカル。続く巨悪は、アイアンマンの大敵、マンダリン! 10の指輪を持つ男、テンリングスとして、火炎や冷凍といった10の力の一端を披露。策謀を好むロキや暗躍を持ってして超人の域へ辿り着いたレッド・スカルとは若干違うタイプな、正統派のボスキャラ。かと言って策略暗躍が不得手なキャラではないので、今後の動向はまた多彩。チンギス・ハーンの子孫が打つ今後の一手とは!
 ディスクウォーズに際して、中華の怪人マンダリンがメカメカしくなった!というイメージが見受けられますが、実のところ既にマンダリンは、先行のアニメ、アイアンマン・ジ・アドベンチャーズにてアイアンマンのライバルらしい、ディスクウォーズの源流となる容貌となっております。

マンダリン(アイアンマン・ジ・アドベンチャーズ)

 つまり、この路線を一層強めて、日本の成分を若干取り入れた結果がディスクウォーズのマンダリンですね。まあ、マンダリンに関しましては、正直アイアンマン3というとてつもねえ大アレンジがありますからね! いやアレは、劇場で見てビックリしたわ……。

 公式サイトで言及されていたハンク・ピム、10の指輪が予告で映しだされていたマンダリン。そんな二人を隠れ蓑にして、大半の視聴者に正体を隠しつつ、ここまで来たのが新人アベンジャーズであるノバことサム! またはノバではなくノヴァ!
 ノバ自体は過去の活躍でそれなりに知られていた上にマブカプ3にも参戦したヒーローですが、代替わりがあったという情報がなければ、おそらくノバを知っていてもサムと繋げられなかったかなと。サムが登場しノバになったのって、去年とか一昨年の話ですからね。ディスクウォーズに出たマーベルキャラの内、おそらく最も登場が新しいキャラです。サムが2010年代、おそらく時点が2000年代のサージ(ノリコ)、次が90年代のデッドプール。いやもう、アメコミキャラって長寿だ。なお、「Marvel Sam」で検索すると、一番最初に出てくるのはこの人です。
 なお自分の場合、サムの顔に見覚えがあったので「あー、アイツか!」と思い当たることが出来ました。原作のサムに比べディスクウォーズのサムは若干年が上に見えますが、髪型を始めとした原作のサムの雰囲気は出ていたと思います。そういえば、予告で見せた速さからサム=クイックシルバーな説も出てましたが、クイックシルバーは本名ピエトロですしね。あと、指輪を付けた悪役としてサノスの名も。サノスと言えばジェムですが、アレは指輪ではなくガントレットなので。あと、両手につけるほどの数はありません。

サム

 というわけで、今日の紹介は正体隠しGJ!なサムこと宇宙の戦士ノバで!
 今日出た三人は誰もが今後出そうな感じだけど、GJ補正でまずはノバ!
 なおハンク・ピムに関しては複数紹介記事を書いてるので、ぶっちゃけもういいんじゃないかな?というのもあり。いやまあ、機会あれば改めてやりますけどね!

ノバ(ノヴァ)

ノバ(サミュエル・アレキサンダー)

 異星種族ザンダー星人の私軍として結成された組織、ノバ・コーズ。最初は自国の防衛、他の惑星の調査等が主な任務であったが、後に様々な星でスカウトを開始。組織のメンバーは多様化し、拡大。やがてその任務は、銀河の治安維持へと拡大していく。ノバに選出された者は、多大な星の力を授かり、助けを求める声に応じ、宇宙を飛び回る。宇宙の平和を守る組織としては、ウルトラマンやウルトラセブンが属する宇宙警備隊やDCコミックスのヒーロー、グリーン・ランタンらがメンバーを務めるグリーン・ランタン・コァに類似している。
 ノバ・コーズの隊長(階級:センチュリオン)であるローマン・デイは致命傷を負い、末期寸前、その場に居た地球人の高校生。リチャード・ライダーに能力を託す。ノバ・コーズの一員としての力を手に入れたリチャードは、ノバと名乗りスーパーヒーローとなる。後にリチャードは正式なノバ・コーズの一員となるが、このスーパーヒーロー時代の結果、地球におけるノバの意味は、リチャード個人を指し示していた。なお、マブカプ3に参戦したノバも、このリチャードである。

ノバ(リチャード・ライダー)

 ノバとなったリチャードは、ノバ・コーズの一員として、地球で加入した若手ヒーローチームのニューウォリアーズのメンバーとして、奮闘を重ねつつ成長。遂には、前任者でありセンチュリオンであるローマン・ディより上の階級、ザンダー星の力を全て授かることが出来、強大な火力と不死寸前の再生能力を持つノバ・プライムに認定される。ノバ・コーズの全滅によりメンバー全ての力を集めた結果の強大なパワーアップと新生ノバ・コーズの設立、かのスターロードと組んでの侵略者への一大抵抗軍結成と、宇宙に名を馳せる英雄となっていくリチャード。だがしかし、激戦の末、リチャードは戦死。結果地球からも宇宙からも、ノバの名は消えようとしていた。
 リチャードが死亡同然の行方不明になってからしばらく後、地球にはリチャードとは別のノバであった男が居た。ただし自称、ただし冴えない中年、ただし飲んだくれ。息子のサミュエル・アレキサンダー、縮めてサムですら信じていない、ヨッパライの戯言。そんな父が行方不明となり、探しに行こうとしたサムは謎のヘルメットと出会い、そのまま頭部を打つ不詳。入院し眠るサムを起こしたのは、謎の獰猛な喋るアライグマとブラジリアン水着なコスチュームの美女。

アライグマの導き

 ノバを知る銀河のヒーローであり、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの一員ともなる、ロケットラクーンにガモーラ。二人の来訪と証言により、サムは自分の父が、本当にノバであったことを知る。謎のヘルメットを被ったサムはノバ・コーズとしての能力に覚醒、ラクーンに訓練を受けた後、新たなノバを名乗ることになった。

ノバ新生

 サムの性格は、良くも悪くも“若い”。物おじしない点やノバとしての力を扱うだけのセンスはあるものの、能力を誇示し天狗になったり、大仰に自らを語ってしまったりと、まだ色々危なっかしい。行方不明の父親の追跡、ノバ・コーズの生き残りとの接触、宇宙的な危機との対峙。苦難様々であるが、息子がノバであることを知った母親や周りからかかるプレッシャーに耐えつつ、ただの一学生から最高位のノバへと成長したリチャードの背を、必死に追い続けている。
 ただ、いくら自分の功績をでっかく語る必要があったとはいえ、「NYで戦っていたX-MENやアベンジャーズを軽く押しのけて、ムジョルニアを拾ってドクター・ドゥームをあっさりKO!」は盛り過ぎな感じ。正直、ディスクウォーズのサムは原作のサムに比べ、主に頭脳面にブーストがかかってる。

「いやマジ、ドゥームとか楽勝だったから」

 ノバとしての共通の能力は、まず超人的な体力と耐久力と力。殆どのダメージを軽減し、体一つで宇宙にいられる生存力。ノバは20トン程度の鉄を持ち上げることが出来るため、つまり一説に10トンほどの鉄を持ち上げられるスパイダーマンの二倍近い腕力となる。またヘルメットには万能翻訳機能がついており、大抵の宇宙人と会話ができる。そしてノバと言えば、コズミックエネルギーであるステラ・ファイアーの使用。ヒューマン・ロケットとあだ名される通り、ノバはステラ・ファイヤーを噴射し、銀河を飛び回る。
 サム固有の能力として軽く物を動かせる念動力の存在があるが、ノバとしての実力はリチャードの方が上である。何故なら、リチャードは前述した通り最上階級ノバ・プライムに認定されており、星の力を自由に行使することが出来、なおかつ最終的に、複数人に与えられるノバの力を全て自分の物にしている。この時のリチャードの実力は、宇宙魔神ギャラクタスやミュータントの悪夢オンスロートのような強大な存在、コズミックビーイングにも匹敵していた。
 なお、ノバ・コーズが無いため、サムは階級の枠組みに入っていないが、力の行使度合いから見て、最上階級の一個下、リチャードに力を授けたローマン・デイが属していたセンチュリオンクラスとの見立てがある。プライムは一人であるが、センチュリオンも数は少ない。この下に、まだ幾つもの階級があることを考えると、すでにこの域に達しているサムの才能は、並み大抵の物ではない。
 余談ではあるが、宇宙に居る都合上、ノバは宇宙的脅威に発見遭遇し、地球へのメッセンジャー的役割を担うことがある。リチャードだけでなくサムもその役割を担うこととなり、宇宙の彼方で不死鳥の形とした脅威と出会ったサムは、大怪我をして地球に墜落する。サムが目撃したフェニックスをきっかけとし、ミュータントとミュータント以外、二つのヒーローチーム同士、フェニックスに絶望を持つものと希望を見出したもの。マーベルに欠かせぬAとX、両者の戦いが始まるのはしばし後の事である。

AvsXは、ここより始まる

日々雑談~1764~

 時折、ジャンルの喩えとして“沼”。一度ハマったら中々抜け出せない、終わりが見えない深淵さ。こんな感じで沼という単語が使われているのを見ますが、個人的にはしっくりこないなと。特に、自ジャンルのアピールポイントとしては。
 奥底に行けば奥底に行くほど、潜れば潜るほど見えてくる物があるというのは、真実だと思います。ただ、この面をアピールしていくと、深さ=ジャンル内における価値の高さに自然と変動していきそうなのが怖く。意識せぬまま、深さを強調し、浅さとの隔離を目指していく感じで。
 例えば、アメコミでは原書を読むことや海外イベントへの参加が深く、邦訳や映画を見ることは浅くととらわれがちですが、別に映画や邦訳を存分に楽しめるなら、それでいいわけで。
 アイドルのファンだって、生のコンサートを聞くことに価値を見出す人もいれば、ソフト待ちでいいやという人も。おそらく、第三者から沼にハマっていると言われるのは前者ですが、これ応援の仕方が違うだけで、一概にハマり度合いは判別できません。
 深さを作る物はキャリアであり労力であり金銭だと思うのですが、そこに拘らない楽しさも別にアリなんじゃないかと。ちょっと知っておこう、これぐらいの触れ方でいいやという人も立派なファン。ここに深さを価値として持ち込んでも、あまりいい方向に転がらないかと。
 あと単純に、自分の居るところの深さを強調することは、他の場所に比べ深い、つまり他の場所は浅いと言っていることにも等しく。趣味というものは様々ですが、どんな趣味でも極めようとすれば延々と先が見えず、つまりどれも底なし沼です。全てが深さを持つ以上、それを誇ることは得策とはいえず。
 こう並べると否定的ですが、自分の感覚でしっくりこないだけで、言葉や喩えとして無し!というほどじゃあないんですよね。実際、潜ること、学ぶこと自体は素晴らしいと思いますし、それが結晶となればそれ貴重。どちらかというと、使い方に関してしっくりこないんですかね……。

 なお、実体験かつ世知辛い話ですが。どんなにハマっていても沼に囚われたと思っていても、実生活でのトラブルはその、どんな深い所にいる人間もロケット噴射な勢いで脱出!となり。金は生命より重いとの格言もあるように、金は潜るに必要な重石なのです……。

日々雑談~1763~

 ううむ……作業に没頭していると、ここに書くことが無い。申し訳ないですが、今日は少し短めで。あと一つぐらい、話題を取り上げたかったんだけどなあ。冬新刊は、順調に進んでおります。今週中には、どんな感じのものかなというのを見せられるかと。ふふふ、ある意味今、地盤も流れも最高潮。夏のゴリラステイナイトを超えるやりたい放題を見せてやるぜ……!

 今期のアニメって豊作だよなあとふと、単に名作良作が多いのではなく、好みごとに突き抜けている作品も多く。例えば、クロスアンジュなんかは、まず幅広い人が見る第一話は賛否両論だったものの、続けていくうちに賛が残って否が「これ無理!?」と居なくなった結果、わりと好きな人は好きのいいところに落ち着いてるんじゃないかと。作風的に、ここに落ち着く以外選択肢無いもんなあ……。でも、Twitterにおける残った層の超ノリノリな感想を見ていると、「とりあえず見た方がいいのかな?」という気分にはなり。勝つにしろ負けるにしろコイツの試合を見てみたいぞという、口が達者な悪役レスラーのマイクアピールを聞いた感じで。色々な長所短所、色とりどりで多彩な作品が並んでこその豊作よ!
 ……ところでなぜ俺は、クロスアンジュを悪役レスラーにわざわざ喩えてしまったんだろう。

日々雑談~1762~

キン肉マンの次回更新が12月1日ってキツいよなあ。今日の更新で、今月最後だぜ」
「まあ、来週連休だしなあ。しゃあないっていえば、しゃあない」
「祝日なんて、無くなればいいのに」
「いやそれは困る! 休ませて!」
「俺、カレンダー通りに祝日休みじゃないけど、月曜ならそれなりの頻度で休みだし……」
「この野郎……」

 人とは醜いものだな……(他人事
 普通に強い奴が強いを地で行く、ジャスティスマン。サイコマンはマグネットパワーもあり、若干トリッキーな印象。ガンマンの能力無効化ビームは、どんな相手も強さ比べに引きずり込む、魔の一手。完璧始祖はやはり根幹に肉体の強さがあるのか、軒並みギミック抜きで強い印象。このガチムチさ、確かに神のイメージに近いものはあるなあ。

 現在冬コミ作業中です。もうそろそろ、道筋は定まってきた感じ。自分の場合、沢山色々なネタを出して、余分なとこや無理筋を削って、一つの話に仕上げていく感じですね。今は、肉を削いでいる段階。ネタを組み合わせて太らせて削いで。全部のせたい気分ですが、テーブルからあふれるようだと、そもそも食事としての役割が怪しくなってきますからな。削ることに泣く泣く耐える気持ちというのも、わりかし大事です。

日々雑談~1761~

>つい強い言葉に流されて、制作者側の目指したところというのを忘れてしまいそうなところに、フジイさんの御指摘で、「なるほどそういう視点もあるな」と思い返すことができました。直情的に何かを断じてしまうことが多い私のような人間には、今回の記事のような御意見は大変参考になります。ありがとうございます。

 自分も、余程のことがないと一線を越えないが、一線を越えると激しやすい感情的な面があります。ただワンクッションというわけではないですが、「なんでこうなったのか」「どうしてここに至ったのか」と分析することで、理解を深めると同時に気を落ち着かせることが出来ます。最適解であるデーター放送をしなかったという事実より、今までも使っていたデーター放送を何故しなかったのかと考察する方が、色々深められるんじゃないかと。
 批判をするなとは決して言いませんが、批判をするにしても感情的な言葉と冷静な言葉では、おそらく後者のほうが尊ばれます。端的に言ってしまえば、罵倒は肥やしにもなりません。批評考察しつつの悪所の炙り出しは、言うのも聞くのも大事です。

 マーベルと進撃の巨人のコラボイラストがあるよ!ということで、雑誌BRUTUSの進撃の巨人特集号を手にとって見る。
 コラボイラストというか、コレは……普通に巨人VSアベンジャーズWithスパイダーマンの短編じゃねえか! 綴じ方が逆なだけで、これ原書のアメコミや! あ。ちなみに、別ページですがちゃんと全訳乗ってますので。シンプルな内容なんで、邦訳難易度は低いですけどね。
 ニューヨークに突如現れた人喰いの巨人たち、戦いの火蓋を切るのはスパイダーマン! 軽口と元祖立体機動を武器に戦うスパイダーマンを尻目に、駆けつけたアベンジャーズも人の身で未知の巨人との戦いに挑む! 巨人の弱点を見抜くキャプテン・アメリカの指示の下、ホークアイの矢が、アイアンマンのリパルサーが、ハルクの怒りが巨人を砕く! やがて現れる超大型巨人、だがしかし、頼れるアイツらもごきげんなミュージックと共にやってきた! この短編、題して「Attack On Avengers」!
 本場そのもののアートで描かれるアメリカンヒーロー、そして本家そのもののおぞましさと無邪気さを持った巨人たち。フルカラーコミックスですよ! フルカラーコミックス!
 それにしても昔進撃の巨人を観て「この立体機動な動き、スパイダーマンVS巨人とかも面白そうよね!」と発言してからしばし後。まさかこうして、公式コラボという形で叶うとは。いやはや、世の中とはわからぬ物です。