読解 ワールド・ウォー・ハルク~ハルク追放の是非~後編

ふじい(以下F)「ハルク追放の是非を考える、今回の記事。前回は人としてのハルク、災害としてのハルクにライトを当てたので」

サイレン(以下S)「次は、ヒーローとしてのハルクだな」

F「すっごく簡単に表現するなら、荒っぽい等身大サイズのウルトラマン。もしくはnot怪獣王で人類の味方路線のゴジラ、子どもたちの味方なガメラ。ただし荒っぽいは付属したまま」

S「簡単だなオイ!」

F「一応正義の為がメインだけど、巨大サイズのウルトラマン並の破壊規模で暴れるから、科学特捜隊にフルファイア食らう感じと言いますか。第一話のメビウスよりひでえ」

S「でもまあ、相手も等身大で怪獣並みの連中ばかりだから、破壊規模に関しては仕方ないかもしれない」

F「そもそも、ウルトラマンや怪獣二匹と同じく、地球最大の戦力でもあるからね、ハルク。コズミックビーイングにパンチ一発でダメージ与えられるの、ハルクぐらいよ? もう一人の一線級ヒーローが居ない状況で追放して、オンスロートやサノス(ガントレット装備)クラスの敵が来たら、どう対処するつもりだったのか……」

S「それにロス将軍みたいなハルク追跡班はいいとしても、ハルククラスのヴィランって結構いるしねえ。ジャガーノートはこの頃ヒーローだったっけ?」

F「性質上、善い人じゃサイトラックの力を引き出せないので、明確にパワーダウンしていたけどな。この戦力上の問題は、ハルクバスターのような手段で補うつもりだったのかもしれないし、置いておこう。このまま、ススッと流れるように当時のヒーロー業界の情勢に映るとしよう。ススッと!」

S「うん。流れるようにって強調した時点で、流れ自体台無しだと思う!」

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ゲーム DeadPool(デッドプール) レビュー

 映画? なにそれ美味しいの?とばかりに、映画化→ゲーム化の流れをすっ飛ばして僕らのMarvelヒーロー、デッドプールさんが主役のゲーム、DeadPoolが先日発売されました。北米やアジアでの販売で、日本語版発売というわけではないですが。つまるところ、オール英語の洋ゲーです。

 アイアンマンもキャプテン・アメリカもソーも、次世代ゲーム機でのゲーム化は映画とストーリーや企画共に準拠なので、こうして映画と全く関係ない所で単品ゲーム化するのは、X-MENやスパイダーマンくらい。でも、X-MENは映画の公開時期に合わせていたり、スパイダーマンも新作映画アメイジング・スパイダーマンをゲーム化するようになったので、本当に全く映画も何も関係無いのは、デッドプールくらいですね。お祭りゲーであるマブカプ3も、アベンジャーズ出演に関してのホークアイ推しや、現在未公開の新作映画ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーを見越してのロケットラクーン参戦があったようですし。でもいい加減、デッドプールも映画化してやれよ。製作予定の話だけなら、キャップやソーやアベンジャーズより早かったじゃねえか。
 それはともかくとして、ゲームDeadPoolはPS3と360で発売。VITAや3DSのような携帯機、Wii∪のような任天堂ハードでの発売は無し。なるべく多くのハードに出そうとする洋モノキャラゲーにしては、2機種はかなり少ない部類ですね。
 オールリージョンフリーなPS3は当然として、360での動作も確認されたので、PS3&360共に日本の本体で楽しめます。近年は殆ど360の洋ゲーも日本の本体で動くのですが、でもまだ時折リージョンコード(再生地域限定コード)に引っかかって動かないゲームが有るんですよ。近年だとベセスダのRAGE、Marvelのキャラゲーだとインクレディブル・ハルク(北米版)が日本の本体でのプレイが不可能でした。この辺り、実際やってみるまで未知なので、日本で洋ゲーを扱っているショップさんも、確実に日本の本体で動くPS3版を多めに入荷する傾向にあります。

 まずゲームとしての評価ですが、非常にとっつきやすい作品です。英語が分からずとも、ハイテンションさで第四の壁どころか言語の壁すら破壊せん勢いのストーリー。弱攻撃、強攻撃、回避の三ボタンでこなせる容易さと、武器チェンジや射撃ボタン等を組み合わせることによる幅の広がりを併せ持ったアクション。総じて、是非とも洋ゲーの入り口としてプレイして欲しい分かりやすさが。マブカプ3で大暴れしていた変な赤タイツぐらいの知識でも、きっといけます。
 一部アクションがあまりに平均点すぎるとの評もありますが、突き詰めると最終的に、湧いて出る敵をズバズバ切ってバスバス撃ってヒュンヒュン避けてガンガン撃たれるデッドプールファイトが再現可能な仕様だと思うのですよ。攻略情報的なものは、後に稿を改めて書ければと。入り口のシンプルさが、単純なアクションとして評価されてしまった面もあるかなと。慣れるとハンドガンのみでガン=カタできますよ。デッドプール本人の希望通りに。

 ゲーム開始早々、自身のCV担当のノーラン・ノースと喧嘩し、便座に腰掛けタイツを脱げば自分で股間隠しのモザイクを伸ばし、呆れるほどのパンケーキを焼き上げご満悦。ええ、実にいつも通り。コミックスそのままのデッドプールです。この後、悪徳メディア王の拉致や、ミュータントにとって因縁の地であるジェノーシャでの巨悪ミスター・シニスターとの決戦と話がどんどんでかくなっていきますが、ノリは一切替わりません。このまま、最後まで突き進みます。制作会社であるハイムーンスタジオズもシナリオの悪乗りに合わせ、大暴走。技術力有る悪乗りほど、ひどいもんはないね! なんで、ゼ◯ダよ。なんでヤッターと日本語で叫んだ後、JRPGじゃねえんだよ!ってキレてるのよ。なんでお姉ちゃんのおっぱいに顔を埋めたと思ったら、いかにもCV玄田哲章な未来傭兵の胸板(以下削除
 この原作同様のノリの秘密は、シナリオ協力のダニエル・ウェイに。ダニエルさんは、ついこの間までデッドプールの担当ライターをやっていたお人です。2008年から2012年まで続いた第三期デッドプールシリーズ。マーベル・ユニバースの時系列としては、シークレット・インベーションからマーベル・ナウ!直前までですね。今は、デッドプールではなく新生サンダーボルツのライターやってます。最も、新生サンダーボルツのメンバーにデッドプールいますけどね!
 話がズレました。つまり、最もデッドプールに携わっているライターが、この原作まんまのシナリオの裏に居るわけです。そりゃ、そのまんまに決まってますよ、当時の現行シリーズ、第三期デッドプールの延長線上にあると言っても、過言ではないのだから。
 結果、エンディングの頃には、アメコミを1シリーズきっちりと追いかけたような。そんな満腹感があります。出番に差はあれど、ケーブルやウルヴァリンにローグと言った、人気キャラも登場。もれなくヒドイ目にあってるのはさて置いて。特にローグとか……あと本人出てないけど、扱いがヒドすぎる鵜堂刃衛某フランス人盗賊とか! この件に関しては、シニスターがヒドいよ! 原作準拠の使い方だからこそ、余計に!

 洋ゲー、洋制キャラゲーの入門作としての個人的評価は高く、もういっそのこと邦訳して日本でも売ってくれないかなと。全世界に通ずるノリと簡易さがあるので、入り口の分かりやすさと広さではかなりの物ですよ。贔屓目抜きで、大好きかもしれん。

読解 ワールド・ウォー・ハルク~ハルク追放の是非~前編

ふじい(以下F)「ワールド・ウォー・ハルクの邦訳版が発売され、ついにハルク大暴れ!が容易に手に入るようになったワケだ」

サイレン(以下S)「現状、最も海外コミックスを楽しむ上での壁は、やはり言語だからな。邦訳化は、何よりのブースターだ」

F「初めてサイトで取り扱った時は、邦訳化なんて夢物語と思っていたからね。楽しいから日本でも出して欲しい!という夢と、いくらなんでも厳しいよなあという現実。この数年で、夢を信じられる状況になったのは、本当に素晴らしいことです。満ち足りすぎて、成仏するレベル」

S「お前、地縛霊か何かか。そう言えば、凍結中のワールド・ウォー・ハルクの記事に関してなんだが」

F「ああ。アレね。邦訳も出たので、仕切り直しや廃止も考えていたけど、現段階での放棄は、どうにも後味が悪い。なので、現状の路線で続きを作る方針で。でもその前に一度、邦訳出版により情報も広まった現状、先に取り上げておきたいテーマが一つある。シビルウォーのタイイン邦訳企画の一番手、ロード・トゥ・シビルウォーも出たことだし」

S「ありゃあ、シビルウォーの話でありながら、ワールド・ウォー・ハルクの前日譚でもあったからな」

F「ずばりそのテーマは、ワールド・ウォー・ハルクの根幹“ハルク追放は正しかったのか”だ」

S「そ、そこか! いやでもしかし、これは一個人に答えが出せる話とは思えんのだが」

F「わかっている。おそらく答えは出ないが、ひとまず多角的に分析をして、考えてみようじゃないかと。ワールド・ウォー・ハルクの日本デビューにより、多くの人が情報を共有して考えられるだけの環境も整ったし」

S「ふうむ。多角的に」

F「ああ。ここは、視点を変えてテーマを分けて、とにかく思いつく限りの色々な方向から見てみよう。この事件は、どれかひとつの枠に狭めて考えるには、正直大きすぎる」

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ヒーロー対グール! Marvel Universe Vsシリーズ~後編~

ふじい(以下F)「デッドライジング3発表記念、がっこうぐらし!2巻発売記念、なんとなくショーン・オブ・ザ・デッドが観たくなって借りてきた記念。浜の真砂は尽きるとも、世にゾンビの種は尽きまじ。Marvel Universe Vsシリーズ解説後編のお時間となりました。基本設定を解説した前編はこちらとなります」

サイレン(以下S)「観たくなって借りてきたのは、単なる気まぐれですよね?」

F「善の戦士集団“キマグレ”! そんなこんなで、ヒーロー対グールなMarvel Universe Vsシリーズ。今日は各作品におけるメインキャラの紹介、それに付随してあらすじの少し深い所まで突っ込んでみようかと。今回はあらすじの底、重要箇所やオチには触れないけど。その辺りに魅力がある作品だしね。いくらふんわりと大まかなゆるふわ系サイトのウチでも、流石に確信は突けんよ」

S「ゆるふわ系じゃないよ!? ゆるふわ系、グールもゾンビも取り上げないよ!?」

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ヒーロー対グール! Marvel Universe Vsシリーズ~前編~

ふじい(以下F)「アメリカと言えば、ゴリラとゾンビ。最近、こんなことが巷で語られています」

サイレン(以下S)「そんな巷、俺知らないよ!? その巷って、池袋の某中華料理屋のテーブルか、大山の某焼肉屋のカウンターだろ!?」

F「美味いよな、あの店両方共。それはそれとして、ゴリラとゾンビですよ。この2ジャンルにおいて、アメリカは強烈な強さを持っている。最も、ゾンビに関しては、最近日本もだいぶ色々なものが出揃ってきているけど。多種多様なゾンビ物の発生は、裾野の広い日本漫画界の本領発揮と言えるかもしれん。最近は、ゾンビ」

S「そういやマーベルゾンビーズは邦訳トップクラスで売れているらしいな」

F「アメコミの無茶苦茶さの代表格として、結構長い間、日本でネタにされ続けてきたからなあ……インパクトだけで言うなら、間違いなく邦訳どころかアメコミ史でも随一な企画だし。だがしかし“ヒーローのゾンビ化”をテーマとしたシリーズには、ゾンビーズとは一線を画した上で、勝るとも劣らない傑作がある。それこそが今回取り上げる、『Marvel Universe Vs. the Punisher』『Marvel Universe Vs. Wolverine』『Marvel Universe Vs. The Avengers』の、通称マーベルユニバースVSシリーズ(以下VSシリーズ)だ。アメリカで突如発生した、食人鬼(グール)化現象。人々が、ヒーローが、ヴィランが、喰らい貪る地獄における、三編の物語。パニッシャー、ウルヴァリン、ホークアイ(Vs. The Avengers主人公)、三人の男は、地獄と化したNYで、果たして何を見出すのか。旧来路線のゾンビものがゾンビーズなら、戦うヒーローの枠から外れていないのが、VSシリーズだ。既存の路線で名作が生まれている状況で、ベクトルの違う傑作を生み出したことは、もっと大々的に評価されてもいい」

Marvel Universe Vs. the Punisher

Marvel Universe Vs. the Punisher
 食欲で生きるグールと、彼らの餌でしか無い人間。荒廃したNYに残るのは、捕食者と食料、そして捕食者を狩る一人の男。無力な人でありながら、パニッシャーは超人的なグールを狩り続ける。

Marvel Universe Vs. Wolverine

Marvel Universe Vs. Wolverine
 異変は、日常において始まった。きっかけを目撃し、事態に気づいた時、既にグールの波は、ウルヴァリンの手に負えぬ段階に達していた。X-MEN、アベンジャーズ、ファンタスティック・フォー、チームメイトや友人がグールとなる中、ウルヴァリンは戦い続ける。

Marvel Universe Vs. The Avengers
Marvel Universe Vs. The Avengers

 生き残ったヒーロー達は、必死でグール化現象に立ち向かっていた。ホークアイも、その一人である。徐々に追い詰められていくヒーローに差し向けられた、救いの手。魔法と科学を識る男Drドゥームは宣言する。自分に従えば、グール現象は止められると。

S「……」

F「どうした? 予想外で未知のタイトルだったか?」

S「てっきり、導入部がゴリラとゾンビだったから、今日は『MarvelZombies Evil Evolution』の話かと」

「ウキー!」「グワー!」「ウキィィッ!」「肉、肉、肉」

F「アベンジャーズ(ゾンビ)対アベンジャーズ(猿)な時点で、もはや完成されすぎだからな、コレ。キャプテン・アメリカ同士、夢の対決! ただし片方は腐っていて、もう片方はゴリラだよ!」

(一応)アベンジャーズ対決!

理を知るゴリラVS理を忘れたゾンビ

S「素敵すぎて、駄目だコレ!」

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