ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その15~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第15話!
 それぞれ紅一点であるジェシカとワスプがメインのお話。親しい人だからこそ、弱い部分を見せたくないという躊躇、正直言って俺にも有りますし、誰にでも大小問わずある躊躇だと思います。いきなり全てをあけっぴろげにするのは無理だとしても、ゆっくりと己を開いていくこと、お互いを知っていくことが親しくなる過程なんじゃないかと。そんなジェシカのある種意固地な悩みを否定するのではなく、真正面から受け止めるワスプもまた良し。どっちかっつうと、ファッションデザイナーであり著名なヒーローでもあるワスプはノブレス・オブリージュ側の人間ですからね。友だから、女性だから、相棒だから分かる。この作品のアベンジャーズは、子供を受け止められる実に良い大人をしています。
 今日紹介するのは、派手なコスチュームチェンジをしたあの博士。おそらくアレ、遠目で見ると丸い身体がタコの頭に見えるデザインよね。

ドクター・オクトパス

ドクター・オクトパス

 肉体労働者である父を早くに亡くした本の虫であるひ弱な少年は、息子の頭脳に高い期待をかける母の元で育ち、やがて核と放射能の研究において右に並ぶものが居ないとまで言われる優れた科学者に成長する。しかし、大人になった少年はやがて傲慢になっていき、母も過保護となっていく。母が、息子の婚約を強引に破棄してしまった事により遂に二人は口論。その末に、母親は心臓発作で死亡してしまう。嘆きと罪の意識に苛まれ、手製の金属製アームだけを共に危険な実験に臨む元少年オットー・オクタビアス。数時間後、彼は事故に巻き込まれ、金属製のアームと神経レベルで融合してしまうことになる。
 マスター・プランナー、マスター・プログラマーの異名と四本の金属製の触手を持つ頭脳派犯罪者、ドクター・オクトパスの誕生である。元々の両手足に、四本の金属製の触手で八本、蛸の足と同数になる。
 科学の力で人間を超越したと思い込んだオクトパスは、真なる新たな創造物として既存の論理も道徳も踏みにじっていく。怪物と化した天才の前に現れたのは、スパイダーマン。一匹の蜘蛛に敗北した蛸は以後、蜘蛛の優越性を否定するための歴戦に臨むこととなる。蛸であるオクタビアスと、蜘蛛であるピーター・パーカー、ひ弱な本の虫であり、優れた頭脳を持ち、父親的存在を早くに亡くす。来歴だけ見れば、二人はそれなりに似ている。ただ、それぞれ超人となった後に出した答えは、真逆となったが。

スパイダーマンVSドクター・オクトパス

 能力は、まず金属製の触手の操作。融合の際、オクトパスの脳には新たな神経経路が出来ており、彼は触手を感覚的に使い分けることが出来る。秒速27.4メートルで動き、7.8メートルまで伸びる触手の力は容易にコンクリートを砕くことが出来る。
 しかし、彼の最も優れた能力は、頭脳である。感覚的に動く触手、つまり人間で言うなら手が一気に四本増えたことになる。機械的な補助がないまま、これら触手を同時に操り別の作業をそれぞれこなせるのは、オクトパスの天才的頭脳があってこそ。そして科学者として触手のアップグレードも重ねており、今では切り離しての遠隔操作も可能、更に触手の数を倍増、最終的には八本の金属製の触手を操ることとなった。

ドクターオクトパス(末期)

 元々科学者であったせいか、積極的に新たな挑戦にも取り組んでいる。例えば人々を威嚇するための、コスチュームの変遷(ジャンプスーツ→テーラードスーツ→トレンチコート)。

ドクター・オクトパス(スーツ)

 一時期、代理のオクトパス(レディ・オクトパス)となった弟子キャロリン・トレイラーの育成。

レディ・オクトパス

 本人が最高の犯罪と自負する対スパイダーマン連合シニスター・シックスの結成。

シニスター・シックス

 そんな彼の最大の試みにして閃きは、永年放射能に侵され死期を自覚した時に披露されたのだが……この試みの結果、スパイダーマンは最大の受難を背負い同時にドクター・オクトパスも思わぬ宿命を背負う羽目になったのだが、この数奇な話は別の機会に。とにかく、オクトパスの挑戦心は、本人の宿命や運命を切り拓く力となっている。
実写では映画スパイダーマン2(サム・ライミ版)で登場。アームに善性を侵食された悲劇の科学者として登場した。

ドクター・オクトパス(映画版)

そしてスパイダーマンのメインヴィランとして、関連アニメに何度も登場。アニメ、アルティメットスパイダーマンでは痩身長髪と今までとは一線を画したデザインながらも、途中披露した機械的なスーツはディスクウォーズでのオクトパスに近い。

ドクター・オクトパス(アニメ アルティメット・スパイダーマン)

長く続くアメコミであるが、それは停滞ではない。日常的に数多くのクリエーターが思考を振り絞っており、例えばオクトパスの挑戦心として世に出ているのだ。

 なお、時折話題となるピーター・パーカーの保護者メイおばさんとの関係は……警察から身を隠している時家に転がり込んだり、メイおばさんが当時最高峰の原子炉を遺産として受け継いだ時に結婚を申し込んだりと、結構打算的なモノに見えないこともないが、時折メイおばさんの写真を見つつ飲んだくれているので、やっぱそれなりの物はある感じで。この辺り、どう転んでも面白いと、ある意味卑怯です。

ドクター・オクトパスの結婚式

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その14~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第14話!
 同じ兄である、ヒカルとソーのコンビ。まっとうに弟を愛せるヒカルと、弟への親愛の情を抑えるしかないソー。この二人の兄の邂逅が、ついにマイティ・ソー刊行当初からの鉄板ネタを打ち砕く!
 ええ、そりゃ現実世界で数十年間引っかかってた人が来なかったら、誰とて「え!?」となると思うのですよ。ロキも、視聴者も。ロキへのこだわりで失敗するソーは原作や他のアニメ、映画でも使われるような、ある種テンプレ的なネタ。テンプレというのはあって安定する物ですが、逆に言うと飽きを招くものでもあり。ソーとロキの関係に、こうして一応の決着をつけた事。既存の路線を識りつつ新たな物に挑もうとする姿勢、個人的には好ましいものです。
 お前らダメだから俺が本当の策略を見せてやる!からの失敗で、敵陣営におけるロキ様の威厳失墜必至な今後。今日紹介するのは、ビッシビシ!と短時間ながら存在感を示した、映画出演経験アリな鞭使いで!

ウィップラッシュ

ウィップラッシュ

 映画アイアンマン2でミッキー・ロークが演じたヴィラン。電磁鞭を使い、サーキット場でトニー・スタークを追い詰める様はアイアンマン2のイメージとして広く使われ、彼を一気に有名ヴィランへと押し上げた。

ウィップラッシュ 映画版

 ただ、以前クリムゾンダイナモの項で紹介した通り、映画のウィップラッシュはクリムゾンダイナモと合成されたキャラなので、ここはまず原作における最初のウィップラッシュについて紹介したい。
本名マーク・スカロッティ、元々スターク・インダストリーにおける天才電気技術者だった彼は、富と名誉を求めて犯罪組織マギアへと出奔。自作のアーマーと電磁鞭を装備し、犯罪者ウィップラッシュと対決、科学の最先端を走るアイアンマンとの引き分けという、今後に期待が持てる戦績をあげた。

初期ウィップラッシュ

 しかしその後、再戦でアイアンマンに敗北。以後、ウィップラッシュは様々な組織を渡り歩きヒーローと戦い続けることになる。そして企業家ジャスティン・ハマーと組んだ際に装備一式をアップグレード、名前もウィップラッシュから“ブラックラッシュ”に改名する。

ブラックラッシュ

 だがウィップラッシュのアイデンティティも名も捨てたわけではなく、ウィップラッシュとブラックラッシュの名を使い分けつつ、躁鬱病を患ったり、引退して家庭を持ったものの金の都合で復帰したりを繰り返し、最終的にはアイアンマンのアーマーの暴走に巻き込まれ死亡した。スカロッティ死亡後に、それぞれウィップラッシュとブラックラッシュを名乗るヴィランが現れたが、スカロッティ自身とは関係ない。
 武器は二本の変幻自在の鞭。チタニウムで出来たこの鞭は硬化し、棒やヌンチャクとしても使える。更には反重力の投げ縄や電気エネルギー発生装置と、様々な発明品を携帯しているため、意外な万能型。元々アイアンマンのヴィランだけあって、自らの開発力でパワーアップしていく様は、トニー・スタークに近い。
 正直なところ、アボミネーションやグリーン・ゴブリンのような好敵手でもなく、モードックのような組織の頭でもなく、サノスのような強敵でもなく。率直に言って、スカロッティのウィップラッシュどんな時でも使いやすい便利なヴィランだった。最近は映画からフィードバックされた新ウィップラッシュ(アントン・ヴァンコ)の登場で、アイアンマンの好敵手ポジションにつこうとしてはいるが。

新ウィップラッシュ

 なお便利なキャラというのは決してけなし言葉ではなく、連なる世界観を形作る上でこういう動機が容易に作れる雇われかつ適度な強さのヴィランがいないと、ヒーローは毎日が激闘、もしくは世界征服の志と実力を持つヴィランが毎週銀行強盗をするハメになる。むしろこういう便利なキャラこそが、アメコミのウリである広大な世界観を演出する上での要なのだ。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その13~

ディスクウォーズ:アベンジャーズ第13話!

キャプテン・アメリカ「トニー……」
ソー「……」
ハルク「ふん」
ワスプ「あちゃー……」

 アイアンマンとウォーマシンとマイアミのお陰で、アベンジャーズの心が一つに! そういやこの世界だと、以前ワスプに手を出した件はどうなっているのかしら(更なるガソリンをくべつつ
 VSジャガーノートにつづいての、ハルク&エドくん回。「いつだってやりたい放題のくせに、倒すべき敵を見誤る事だけは十中八九、なかった君だけど」(リック・ジョーンズ談)。確かに乱暴であれども、他人が思うよりは遥かに本質を見抜く目を持っているのがハルク。そっけない態度でしたが、きちんと相棒の良い所を見抜いて認めていました。まあハルク(の人格)が大嫌いなメガネ君こと、ブルース・バナーよりは良い子ですしね。あとやっぱ、こういうキャラクターが多い世界観だと、解説をぶち込んでくれる目玉の親父ポジションのキャラ、マジで大事。アレは牛鬼じゃ! 倒した相手に乗り移る危険な妖怪なんじゃ!
 あと、番組前みんな兄貴ポジションに入ると思われていたスパイダーマンが引いた結果、ホークアイが兄貴ポジションに。いやキャラ的に合ってはいるんだけどさ! せめてOPに出してやりましょうよ!?
 今日の紹介は、重力上等! おそらく日本での知名度と実力が最も釣り合っていない、レギュラーヴィランの一人で。重力こそ愛! 作画もなんか気合入っていて愛!

グラビトン

グラビトン

 粒子加速装置の事故に巻き込まれた科学者フランクリン・ホール。重力という強大な力を操れるようになった彼は、グラビトンと名乗る犯罪者となった。余談だが、ウルヴァリンやデッドプールと同じ、カナダ人。それなりに珍しいカナダ系ヴィランだったりする。
 能力は重力支配。0重力にしての物体浮遊、逆に重力倍増による圧縮。複数標的を同時に狙えるどころか、一定の空間ごと重力操作も可能。加圧も並の重さではなく、力自慢のヒーローすら狙われたが最後、容易に動けなくなる。

グラビトンVSウェスト・コースト・アベンジャーズ

 更に応用編として、自身の重力を0にすることでの浮遊、強力なバリアであるフォースフィールド(ジャガーノートの超防御力の要)の展開、単純物理攻撃である衝撃波の発射と、単に重力を使うことのみで能力が留まっていない。そして、最大奥義というか最もヤバイのが、異次元へのゲートを開く能力。初戦の対アベンジャーズ戦からして、負けて異次元に追放された後、自力でゲートを開き戻ってきている。というか、サンダーボルツやスパイダーマンに負けるたび異次元にすっ飛ばされているが、基本自力で毎回戻ってくる。時折、異次元のとんでもない生命体が追ってきたりして、グラビトン以上にヤバい。
 負けが混んでいるイメージがあるが、だいたいが一人対ヒーロー多数による結果、エナジー属性のレギュラーヴィランとして選ばれるだけの実力者である。地球発、後天的能力者としては、五本の指に入ってもおかしくはない。

反重力全開

 同じヴィラン、同じ圧縮反発を使う者として磁力の王マグニートーとなんとなしに比較されるが、カタログ上のスペックではグラビトンが勝っている。ただX-MENのミュータントはスペック上にない強さが多いせいで、カタログスペックを落とされる傾向にあり、確実に上とは言えない。おそらく指揮能力や集団の長としてはマグニートーの方が上、磁力で異次元の扉は開けずとも、地球の地軸をずらした結果地球やべえぐらいは出来る。

磁界の王マグニートー

 結論としては……重力磁力、どっちもヤバい。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その12~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第12話!
 パワー属性としてアブソービングマン、ジャガーノート参戦!
「そのキャップのシールドを俺が触ったら、最強になるぞぉ!」
 アブソービングマン、アベンジャーズに優しいというより視聴者に超優しい。アブソービングマンに関しては、ディスクウォーズ開始前にこちらでちょっと書きましたね。アブソービングマン(ゾンビ)大活躍のデッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス もヨロシク!
 というわけで、今日はハルク回。実の話、ディスクウォーズのメインメンバーで最も多くの少年と共にあったのはハルクと言っても過言ではなく。最初からして、良きアベンジャーズの友であるリック・ジョーンズが共に。リック以降も複数人良き少年の相棒が居ましたからね。彼ら、ディスク使う側として出てこないかしら。
 勇気、知能、それぞれ優れたるハルクのパートナー達と並ぶことになるエド君。小柄で気弱な彼は、一見劣って見えてしまいがちですが、迷いあれど一番ハルクの友として大事な物を持っているので、大丈夫でしょう。
 ハルクの相棒に最も必要な事は、ハルクを信じることです。信じてくれる人がいる時のハルクは、無敵。恐るべき怪物ではなく、正しきヒーローとして。
 今日の紹介はジャガーノート……と言っても、元よりジャガーノートは有名キャラ。ここはあえて、ちょっと突っ込んで。マーベルパワーキャラの両極こと、ハルクとジャガーノートのスペックを項目ごとに比較してみましょう。今回の話はホラ! ハルクレギュラーで、ジャガーさんゲストだししょうがないよ!

ハルクVSジャガーノート

パワー:ハルクは怒りによってパワーが上がり、その際限は無し。この天井知らずのパワーこそがハルクの売りであるが、ジャガーノートのパワーの源であるサイトラックの魔石も、かなりの底無しである。そもそも平常時のジャガーノートも、完全に魔石に適合しているとは言えず、シンクロ率100%、通称トリオン・ジャガーノートとなれば、光の国の超人のごとく巨大化。次元の壁を腕力でぶち壊すという無茶をやらかす。ハルクもテレパスを使って限界までブチ切れると、物理無効バリアを物理でぶっ壊すという無茶ができるので、こいつら力こそパワー過ぎて困る。

トリオン・ジャガーノート

 おそらくトリオンならば、全ヒーローを総なめしたワールド・ウォー・ハルク時のワールド・ブレイカーなハルクとも五角以上に渡り合えたと思われる。問題は、ハルクはあくまで怒りという自身の中にある物だが、ジャガーノートは魔石サイトラックを介して邪神サイトラックから力を得ている。

サイトラック

 つまり、サイトラックの気まぐれという不安材料が大きく、彼の意に沿うような邪さを見せたり、サイトラックを直接殴り倒すことで望み通りの力を得たりと、全力の条件がハルクに比べて若干厳しい。……全力条件がブチ切れるだけなハルクがむしろ簡単すぎるような気もするが。

防御:ハルクはヒーリングファクターを持っている。ウルヴァリンやデッドプールに比べると流石に落ちるが、並の傷であれば戦闘中でも、致命傷でもそのうち勝手に回復する。HP数万のボスキャラが、HP回復(小)もしくは(中)を持っていると考えると、非常に恐ろしい。
 ただ防御面の話を持ちだした場合、ジャガーノートはとんでもないことになっている。
 まずエドくんも説明した頭のヘルメット。このヘルメットを装備していればテレパスは効かない上に、ヘルメット自体の防御力も高い。ハルクはむしろ、テレパスによく引っかかりダマされる。
 更に恐るべきは、生存能力。サイトラックの加護があれば、ジャガーノートは食事も水も、空気でさえも必要としない。深海も歩けるし、宇宙も泳げる。ハルクも生身での宇宙遊泳はやったことがあるが、流石に息を一杯吸って我慢して泳ぐのが精一杯だった。所謂、江田島平八方式。
 HP回復を持っているが状態異常にかかるキャラ、かたや重装甲でENほぼ無限かつ状態異常がほぼ無効なキャラ。どっちが厄介かと聞かれれば、おそらく後者だろう。いやまあ、両方共そもそもHPが数万とか数百万なので、詰むボスキャラレベルの強さがあるけど。お前ら、ネオグランゾンか何かか。
 そしてこの二人、生身での大気圏突入を成功させているので、防御力の方程式としては以下のようになる。

 ハルク、ジャガーノート、江田島平八>>(大気圏突入の壁)>>ザク

素早さ:ぴょんぴょん跳んで高速移動、本気で跳べば大気圏突破一歩手前。そんなハルクに比べ鈍重なイメージがあるが、ジャガーノートも十分速い。高い防御力を全面に押し出した突進力は、山も谷もビルも軍事基地もぶち壊すド迫力走行。走行中でも、ヘリコプターぐらいになら簡単に飛びつける。あえて言うなら、高いジャンプも含めた立体移動のハルク、あくまで直進を主とする直進のジャガーノート、このような形で書き分けられているきらいがある。

ジャンピング・ハルク

猛進! ジャガーノート!

 ただジャガーノートの場合、遠くに行く場合の手段として、ハルクとは全く違う物が一つある。まず飛行機の座席を空港窓口で予約。ヘルメットやアーマーは脱いで手荷物扱いに。私服で飛行機に乗り込んだら、大人しく離陸待ち。暴れた場合自分はともかく周りに迷惑(ヒント:墜落)がかかるので、飲酒厳禁。あとはお気に入りの歌手の曲をヘッドホンで聞きつつ数時間眠るだけで、目的地に。非常に理性的かつ、見習うべき紳士な移動方である。
 ……やっぱりこの人、邪なる破壊を力とするサイトラックの眷属に、向いてないんじゃないかな。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その11~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第11話!
 日常回INジャパン! 先週は住宅街にニンジャがうろついてましたが、今週は普通の日本、ごく当たり前な日本でのお話です。今後の舞台になる以上、一回限りと過剰にジャパンな描写を盛りこまなくてもいいし、日本制作なので妙なアジアンテイストや中華風味もなく。海外発だと、例え日本人アーティスト参加でも、ニンジャ普通にいますからね? ともかく、歩道橋の上を飛ぶソーや、甘味屋でいつもの調子のキャプテン・アメリカと言った、よく知る日常の中でのアベンジャーズは実に面白く。
 あと単純に、日常を子供たちとともに楽しむアベンジャーズもいいですよね。許容がある上に派生誌が多いスパイダーマンやエニタイムなんでもアリなデッドプールとは違い、アイアンマンを始めとするこのメンバーがゆっくりしているというのも新鮮で。派生誌で多様に描けるのがアメコミの強みといえども、今の御時世、のんびりとした光景が似合わぬor挟み込んでいるヒマが無いメンツは多々。色々あったせいで、元来の明るさやファッションデザイナーという本職を披露する間も無いワスプなんか、その恩恵をモロに。そうか、ゴスロリか……。
 今日は人の尻馬に乗る形で、馬面なあの人の紹介。エドくん居れば、俺、いらない子なんじゃないかな……。

ベータ・レイ・ビル(ベータ・レイ・ソー)

ベータ・レイ・ビル

 マイティ・ソーと同じ力を持つ、もう一人の雷神ベータ・レイ・ソー、本名ベータ・レイ・ビル。ムジョルニアと同じ能力を持つストームブレイカーを自在に操り、悪を雷撃にて誅する!
 ここまではエド君が説明してくれたので、補足的な物を。北欧神話に名を残す悪魔スルト、彼の害意は神界や地球のみにとどまらず、とある銀河を壊滅寸前にまで追い込んでしまった。スルトの魔の手から逃れた人々は、生物工学を結集、新天地を切り拓くだけの力を持つ守護戦士を作り上げる。腕力と敏捷性に長けた肉食獣ベータ・レイ・ビルはこうして誕生した。
 冬眠状態のまま宇宙戦艦スカトルバットで送り出されたビルは、偶然太陽系にたどり着く。そこで宇宙船へ調査にやってきたソーと接触、スカトルバットがソーを脅威と判断した結果、ソーとビルは戦闘になってしまう。戦闘中、力の源であるムジョルニアを手放してしまい、無力な人間ドナルド・ブレイクとなってしまった当時のソー。ビルがムジョルニアを手にすると、ムジョルニアは雷神の姿と力をビルに与えてしまう。この異星人は、神の資質を持つ者だったのだ。

ソーよさらば

 事態を知ったオーディンは、ソーとビルをアスガルドへ召喚。戦利品としてムジョルニアを求めるビルに対し、再度のソーとの対決を指示。再戦でビルはソーに再び勝ち、雷神の地位とムジョルニアを与えられるが、そもそもこの戦い、自身が有利になるよう仕向けられていたのを察したビルは拒否する。自らを唯一無二最強の雷神と思っていたソーの鼻っ柱を折りつつ、ビルの価値を確かめたのではないか? 真意は定かではないものの、その後オーディンはもう一つのムジョルニア、ストームブレイカーを創造し、ビルに与えた。
 その後ビルは、宇宙人そしてアスガルドの一員として、神界や銀河を駆け巡っている。ソーと遜色ない力を持つ彼であるが、宇宙や神界にゴロゴロ居る大敵、そして宿縁の敵スルトと、強敵には事欠かない。最初は上手く行かなかったソーとも、ダブルライダーならぬ二大ヒーローダブルソーとして友情を築いている。

ソー&ビル

 ビルと同じ、ソー経由でアスガルドに認められ神となったものは、一時期ソーと融合し、分離後独立したサンダーストライク。

サンダーストライク

 ソーの勇姿に感動した結果、アスガルド人となることを志望したソーガールなどが居る。

ソーガール

 なお、ビルを送り出した惑星は、ビルがストームブレイカーを持って里帰りした頃には、ギャラクタスに美味しくいただかれ消滅していた。なんというか、ふんだりけったりだ。
 そして更なる余談だが、ある事件により幼児化したソーとビル。日本人アーティストであるグリヒルさんにより描かれたこの二人はぬいぐるみで欲しいぐらいにかわいい。リトルポニー!

ソー&ビル(あざとかわいい)