日々雑談~2330~

 全米では3月3日にLOGAN/ローガンが上映開始。そして7日の今、初の週末上映を終えたところ。ヒュー・ジャックマンのウルヴァリンとパトリック・スチュワートのプロフェッサーXは、ひとまずこの作品でお終い。過激で乾いた作風は、今までのX-MEN映画に無い魅力がありますね。結局このX-MENが居そうにない世界って、どうなってんだろうなー。未来だとしても、映画X-MENの世界線はこんがらがっているからな!

 内容についてググると色々踏んでしまってマズいので、ちょっと数字的なところを見てみます。
(参考:ボックスオフィス
 今のところ、ローガンは全米での興行収入=初週興行収入が$85,300,000。これはだいたい、X-MEN2(歴代4位)やウルヴァリン: X-MEN ZERO(歴代5位)と同じ数字。となると、まずは歴代5位以内に入れるかどうかがポイントですね。ただ、今のX-MEN映画は旧三部作の頃に比べて世界で強くなっているので、世界興収で比べたらちょっと話が変わりますね。世界レベル(by ヘレン)なら、5位以内はほぼ確定かもしれん。
 ここ最近のX-MEN映画、デッドプールは全米初週$132,434,639でX-MEN:アポカリプスは$65,769,562。こうやって並べてみると、なんというか色々検証すべき課題が浮き出てくるような。今度じっくり、数字を比べてみよう。しかし、これだと今後、チームとしてのX-MENの出番、減るかもしれんなあ……。

2016年デッドプール伝説~映画編~

ふじい(以下F)「2017年、あけましておめでとうございます! ちょっと遅れちゃったけどね!」

サイレン(以下S)「おめでとう。とは言え、俺とお前さんは大晦日仲間内で集まって年越してたから、改めて言われてもって感じだな」

F「ああ。大晦日、周りが年齢相応に家とかローンの話をしている中、お前だけ蝶野正洋にビンタされそうになっている山崎邦正見て、ゲラゲラ笑ってたよね。なんつーか、お前見てると安心するわー」

S「いきなり何見下してやがるテメエ」

F「みんながゴルフ初めて、打ちっぱなしに通っている話をしている中、リアルタイムでガチャの打ちっぱなしをしているというのも中々にロックだと思うの。それはそれとして、2016年の話、2016年のアメコミの話ですよ。いやほらこのサイト、アメコミ系サイトとしての側面も強いわけですし?」

S「ここ最近、FGOとゴリラの話がメインだったけど。むしろアンタ、FGOとゴリラを悪魔合体させたよな?」

F「アメコミと言えばゴリラであり、つまりゴリラはアメコミで、何ら問題ない。つーかほら、絶対需要被ってるし」

S「適当なこと言ってんじゃねえと言い切れないのがまた」

F「まあなんだかんだで、2016年のアメコミは熱かったね! どうせだからさ、当サイトでも2016年のMVPとなるキャラを決めようじゃないか。投票とかそういうのは無しで、あくまで個人的に。あえて言うなら、肉雑炊賞。じゃあさっくり発表しちまうか。2016年の主役となったキャラクターは……マーベル・コミックのデッドプール! おめでとう! はい、拍手!」

映画デッドプール はじまるヨ!

S「…………」

F「お前、なんで黙ってるの? ここは、わかってた!とかやっぱな!とか、そうやってツッコミ入れるトコじゃないかな! もしくはズコーッ!って派手にコケてみたり!」

S「いや。俺、今回犬溶接マンかなーって思ってたから」

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F「それでもいいんだけどね!? 確かに今年の犬溶接マンは凄かったよ。遂に“何故彼は犬を溶接するのか?”という疑問に、一つの終止符が打たれたし。しかもその答えが、神話世界に足を踏み入れつつ、ただ一人の犬溶接マンではなく、人類史に何人も居た犬溶接の戦士たちにまで話が広がっているんだから、とんでもねえよ」

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S「いやお前、いくらなんでもそれは……(当該話を借りて読んでみる)……ホントだ。ちゃんと納得できる形で、犬溶接マンの動機も歴史も纏めている」

F「なるほど。そういうことでしたか。こう納得できる時点で、ヤバい。犬溶接マン、相変わらずヤバい。でも、今回はデッドプールだ。おそらく犬溶接マンには、別の機会が待っている。というか、今年のMVPにしないのは、流石にデッドプールが可哀想すぎる。この二つのポイントを同時に成し得た年って、たぶんこれから先も無いからな!?」

・主演映画の大ヒット

・コミックスにおけるキャラポジションの進化

S「主演映画の大ヒットは、続編が成功すれば達成できることだから……これから先に無いっていうのは、キャラポジションの進化の方か」

F「うむ。2016年のデッドプールは、スパイダーマンやウルヴァリンのような“マーベルのメインイベンター”の域にたどり着いたと言っても過言ではない。コレに関しては後に回すとして、まずは映画方面について触れてみようか!」

 

F「まず、2016年のアメコミ系映画の状況としては、シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ、バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生。一昨年の段階では、2016年はこのメガトン級の2作が引っ張っていくと予想されていたな」

S「シビル・ウォーも実質キャプテン・アメリカVSアイアンマンだし、マーベルとDC、両者のヒーロー対決が鍔迫り合いする展開になったわけだ」

F「バットマンVSスーパーマンがあるから、本来別の路線で考えられていたキャプテン・アメリカをVSアイアンマンなシビル・ウォーに変更してぶつけてきたってえのは、ホントでも冗談でも嘘っぱちでもガチンコだよな! だが、そんなヒーロー大戦に肉薄する、ダークホースがマーベルとDC、それぞれから出現! 映画デッドプールスーサイド・スクワッド! 全世界で話題沸騰! 拡大するファン層! え? なんでコレこんなに売れちゃったの……?と困惑する制作側の皆様!」

S「困るの? 売れて困るの?」

F「いや真面目な話、売れたのは万々歳だとしても、売れ過ぎで今後数年における路線の見直しは必須となったというか……だって、全米興行収入だけで言うなら、X-MENスピンオフなデッドプール(3億6000万ドル)が本丸であるX-MEN:アポカリプス(1億5000万ドル)にダブルスコアつけちまったんだぜ? X-MEN:アポカリプス、面白いのに……悪の行く手を阻む鋼鉄のX!のシーンなんか最高なのに……」

S「あ。俺もX-MEN:アポカリプス観てないわ。睨むなよ、俺上映当時、修羅場ってたんだよ!」

F「わかってるさ。でも、もうソフト化も配信もされているから、早く観とけ。くっそ面白いから。話をちょっと戻すと、映画X-MENシリーズトップクラスの売上を果たしたデッドプールと同じダークホースなスーサイド・スクワッドも、全米興行収入でバットマンVSスーパーマンに肉薄してる。3億3000万ドル対3億2500万ドル。その差、500万ドル。でけえ数字ではあるものの、興行単位で見れば僅差よ? つーか、デッドプールは3億6000万だから、バットマンVSスーパーマン超えだな。ただまあ、全世界での興行収入となると、バットマンVSスーパーマンはこの2作に1億ドル以上の差をつけているんだが。この差は、デッドプールもスーサイド・スクワッドも、ドル箱市場の中国で上映しなかったってのがデカいね。中国は単体で1億ドル稼ぐ市場だから」

S「ううむ、スピンオフポジションな映画が、ここまで来るとは……」

F「そう。そこだよ。その驚きを、みんなが共有したのが2016年のアメコミ映画市場だったんだよ。俺だってデッドプールにはかなり高い期待値をつけていたけど、まさかここまでとは思わんかったよ! このBOXOfficeの2016年スーパーヒーロー映画一覧見てみ? Production Budget(制作費)のトコ!」

S「うん。みんな1億ドル越えの制作費なのに、一つだけ5800万ドルな作品があるね」

F「日本基準で考えると5800万ドルは大金なんだけど、こうして並べてみるとデッドプールの制作費、群を抜いて少ないのよ……。この少なさは、期待値の低さを表しているというか。少なくとも、金を引っ張れる商材と、企業やスタジオに認められてなかったわけで。だってこの金額、映画X-MEN第一作(7500万ドル)より低い、X-MENシリーズの最下位なのよ?」

S「それでいて、X-MENシリーズ最大級の売上を出したのかよ……確かにそれは、色々な人の計画や予定が狂うな」

F「アメリカの大統領選で、有力視されていたヒラリー・クリントンをぶっこぬいて、ドナルド・トランプが大統領になったじゃん。それと同じ。様々なところで、今までの視点やデーターでは対処できない変化が起こっている。デッドプールやスーサイド・スクワッドの躍進は、その気付きとなるタイミングの一つだろうな。そして、映画やドラマといった映像作品が、コミックスから独り立ちしようとしているのがハッキリしてきたんじゃないかな」

S「世界的なキャラクターの歴史や知名度で言ったら、黄金コンビなスーパーマンやバットマン、映画としてキャリアを積んできたアベンジャーズやX-MENに、デッドプールもスーサイド・スクワッドの面々は相手にならんだろうしな。ところがデッドプールもスーサイド・スクワッドも観客に支持されたと」

F「日本の興行収入で順位をつけても、デッドプールはシビル・ウォーに次いでの2番手だからね。こりゃあ、中々だよ」

S「へー。バットマンVSスーパーマンを抑えてたのか」

F「最も、ロシアやオーストラリアやフランスやドイツだと、デッドプールがシビル・ウォーすら抑えているので、日本もまだまだって感じはあるんだが」

S「上には上がいるというか、どうなってるんだ世界!」

F「しっかし、だんだんコミックス基準ではこう!というのが、映像作品に対して通じなくなってきているんだよな……。コミックスのキャラクターとしての人気や格や地位が映像作品での人気に直結していないし、作数や話数を重ねて巨大化していくことで、映像作品が独自の世界観とファン層を掴んでしまったというか。知識面は小ネタとして生き続けるけど、概念や常識にはズレが出てくるだろうね。この辺の話は、後の総括で纏めたいけど」

S「後の総括ってことは……この記事、続くの?」

F「ちょっと長くなってきたからねえ。コミックス編と総括編、どう分けるかはまだ考えているけど、続くってことで。つーか、不振と言われたX-MEN:アポカリプスも2016年の全世界興行収入ランキングで現在13位につけてるんだよな。上位には当然、デッドプールを含めたアメコミ映画がゴロゴロいるわけで。市場は向上の一言よ。ここに各作品のコストや期待値が入ってくるから考察のしがいがあるわけで。野球のバッターで例えたらこんな感じ」

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 
期待の4番としてシーズン通して打ちまくる。圧倒的MVP。

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
4番として十分チームに貢献したものの、年俸的にはもう少し打ってほしかった。

デッドプール
球場でクダまいてたオッサンをやけっぱちで打席に立たせてみたら、満塁サヨナラホームラン。
場外まで飛んでいった球を見て、監督や選手は唖然。オッサン、いい笑顔でダイヤモンドをウィニングラン。

S「どうしてこうなった……!?」

日々雑談~2222~

 いかん。日々雑談がせっかくのゾロ目なのに、何も用意してなかった……しかもちと幾つか事案が片付いたので、チューハイやらウィスキーやらを飲んだせいで、思考力もあまり無い。ゾロ目に加え、せっかくのメガネの日(10月01日)なのに、勿体ねえ。眼鏡系SSも、久々に書きたかったんだけどなあ。明日の内に、どうにかできればいいんだけど、ちと予定があるから厳しいだろうなあ……。

 

 映画スーサイド・スクワッドが元祖アイアンマンとアイアンマン2の二作をぶっこ抜き、全米興行収入ランキング13位に。ちと差があるので、12位の映画を抜くのは難しいでしょうが、よく頑張った! まあほら、12位はバットマンVSスーパーマンなので、抜いてしまうとそれはそれでややこしい話になりそうな気配もあるし! バットマンVSスーパーマンは、興行で言うなら日本武道館を満員にしたレベルなので、そこまで悪い興行収益じゃなかったんだ……ただ、期待値が東京ドーム満員だっただけで。

 今年のアメコミ系ヒーロー映画は、X-MEN:アポカリプスがちと伸び悩んだものの、ここを除くとシビル・ウォーもスーサイドスクワッドもデッドプールも、全米興行収入3億超えで全世界でも7億ドル突破と、かなりの映画の当たり年ですな。アポカリプスだって、内容自体は決して悪くないというか、これらの映画と互角なレベルだぜ。

 そういや、デッドプールと同じく、スーサイド・スクワッドも現在ドル箱市場である、中国本土での上映が無い映画だったり。おそらく両作とも、1億ドルは中国で稼げる作品だよなあ……その一方、規制の厳しい中国を考慮しない映画の可能性も示したわけで。番外ポジションな両作の当たりっぷりを見るに、今後のヒーロー映画のあり方に変化がある可能性も多々。今年は当たり年にして、ターニングポイントなのかもしれん。

日々雑談~2216~

 自分の中でX-MEN:アポカリプスの評価はかなり高いんだけど、やはりこれは久々の「超強い一人のボスにヒーローが力を合わせて立ち向かう」構図がストライクだったんだろうなあと。近い存在ならば、BvSのドゥームズデイもそうなのでしょうが、アレは強いもののあくまで怪物。首魁とするには、ちと力任せすぎる。まああと、タイトルから序盤に最後までボスを張り続けるアポカリプスと比べ、唐突ですしね。ボスというより最後の切り札、“手段”の一つといいますか。

 「超強い一人のボス」相手のチームバトルは、何気に映画のアベンジャーズも手を付けてない領域です。ロキは本人というよりチタウリの軍隊が敵だったし、ウルトロンも最終的には個であり群の数で押してくるタイプになりましたしね。おそらく、サノスは「超強い一人のボス」として立ちふさがるのでしょうが……まだちと先の話だろうなあ。X-MENがいち早く、「超強い一人のボス」に立ち向かえたのは、やっぱ大きいですよ。
 しかしデーターで見ると、X-MEN:アポカリプスは世界での支持は高いものの、アメリカ国内では伸び悩んでおりまして。率直に言ってしまうと、今年のヒーロー映画やX-MENシリーズの中でも下位。アメリカ人、もったいない事すんなあ……。

 クオリティは高く徐々に成長を続けていて、海外での認知度も高い反面、妙な閉塞感がシリーズ全体を覆っている現状。アメリカにおける映画X-MENシリーズは、日本におけるウルトラマンシリーズとなんか被るねえ。ホント、勿体無い。

X-MEN:アポカリプス感想

 遅ればせながら、X-MEN:アポカリプスを観て来ました。ファースト・ジェネレーション、フューチャー&パスト、新生X-MEN三部作の完結編となる本作。観た感想としましては、独歩ちゃんが「完成したんだよ、映画X-MENシリーズが……」と呟いてしまうぐらいの集大成。新三部作だけでなく、それ以前の映画X-MENシリーズで築き上げたものや、フューチャー&パストで歴史をひっくり返してしまった都合上やっておかなければいけない描写、そして過去作の小ネタと、物語的な要素もてんこ盛り。そして向上した撮影技術やジャンルの成熟により第一作のX-MENより目指していた理想が、アポカリプスとして形になった。シリーズの良い所を伸ばしつつ、一方悪い所も残っているものの、なんとか緩和するための努力もしつつ。シリーズと付き合ってきた人間にはたまらない最終作です。

 

 原初のミュータント、古代の神、数多の能力を内包する魔人。今作のヴィランである、アポカリプスの強ボス感よ。存在するだけで世界の脅威となり、複数のヒーローと単独で渡り合える強さ。このストレートなラスボスっぽさ、逆に新鮮。ここ最近はヒーロー同士のVSモノだったり、奸智計略を武器にするヴィランが多かったから……ストレートに悪いボスという意味ではデッドプールのエイジャックスも該当するんだろうけど、デッドプールは世界の脅威と戦うというより、野郎ぶっ殺してやる!な空き地の決闘っぽさというか、個人対個人で収まっている所もあるというか。あと単純に、エイジャックスの能力がデッドプールより多分下だよね? というのもあり。

 まー、とにかく、松平健が声を当てるだけの問答無用さはありますよ。スケジュールの関係で、今回観たの字幕だったんだよなあ。吹き替えの暴れん坊ミュータントっぷりも気になる……。

 

 今回の登場キャラは、日本でも馴染み深いキャラばかりです。具体的に言うと、テレ東X-MENやマブカプに出張っていたメンバー。誰もが人気キャラなだけあって、能力はシンプルに強力でビジュアルも元来特徴的なメンツばかりと、初見でもおそらくキャッチーよね。モブレベルのキャラはともかくとして、メインキャラには全員ちゃんと見せ場が用意されております。今作におけるクイックシルバーの高速描写は、アベンジャーズでの当人や他社の光速の男と較べても、群を抜いていると思う。あの余裕ある速さは、必見です。

 今までの映画では不遇だったサイクロップスも、新人ミュータントの一人として大活躍。コミックスでは弟なハボック先に出しちゃってどうすんだという疑問に対してのアンサーはというと、

ハボック「弟のスコットです」

 うん。こういうこと出来るのが、映画X-MENシリーズだ! そして、これでいいんだよ!

 

 映画X-MENシリーズは経験値を積み重ねる反面、ブランドイメージの固定化と作品数による観客の疲労と伸び悩んでいる面もあるのですが、このアポカリプスでは例えば過去作の映像を使うことで、過去に何があったのかを思い出しやすい、もしくは理解しやすいよう務めております。いやコレは正直、他のヒーロー映画でもやるべきだと思いますが。数年前の映画の話、ただぶっこまれても、人間そうそう覚えてないですしねえ。

 幸い、このX-MENのブランドイメージを補う作品として、新規層に強いデッドプールというスピンオフが生まれたので、経験値を活かすアポカリプス路線との両輪で盛り上がって欲しいですね。正直デッドプール、世間にX-MEN系の作品としてあんま認識されてないけど。
 まだイケる、X-MENシリーズはまだまだイケる。シリーズ最終作でありながらも、アポカリプスは今後のX-MENの未来に期待を持たせてくれる作品でもありました。

 

 以下ネタバレなので、一度隠しておきます。

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