日々雑談~5929~

 ……室温38度って正気な気温じゃないよな。
 それこそ数十年前の基準だと、悪の組織がいろいろ弄くった末に「ガーッハッハ! 人間どもよ、38度の灼熱の大地で焼け死ねえ!」ってドヤ顔するくらいの気温なのに、今では自然に達してしまうんだからたまらねえよ。しかしまあ、そんなひどい気温でも、なってみりゃあ生きていけるし、生きていくしかねえんだよなあ。

 

 映画スーパーマンの感想を書いてみたけど、やっぱあの映画のテーマは「自分の頭で考えろ」だよな。だいたい、最初のスーパーマンの善行って、ロイスですらちょっとそれはどうなの……?となってる辺り、独善もしくはその一歩手前なわけで。万人に受け入れられるであろう優しさですら、衝動的に使えば理解されない。ならば、どう使うのかを考える必要があるわけで。その一方で、ロイスもスーパーマンの善性は認めている以上、彼の優しさをどう支えればいいのか、悩む彼をどう救えばいいのかを考える。そして、ある意味スーパーマン以上に考えているのがルーサーではあるものの、ルーサーの考えは悪であり、他人の思考を許さぬタイプの強制力があるっていうね。自分の頭で考える善と、他人から思考を奪う悪の構図ってのが、またねえ。
 でもその一方で、たとえその行為が独善的だったとしても、善である以上、その行為には人を惹きつけるだけの輝きがある――という面もちゃんと書いて善性自体は決して否定していない点は、優しさの映画スーパーマンとしてのでっけえ大黒柱かと。まだネタバレ上等なタイミングではないので、深いところには突っ込んでないけど、本気で突っ込んだらまだまだいろいろ出てくる映画だろうな。

日々雑談~5928~

 ここしばらく、ネットを見つつも、あまり発信しない日々を過ごしておりました。
 いろいろバタバタしているのもあったけど、ほらアレだ、選挙とかの時期はどうしてもね。みんなが気が立っているので、そっと距離を取るしかないというか。
 しかしまあ、今回の選挙は大抵の政党が負けるかマイナスの現状維持で、勝った党もどうにも腰が落ち着かずにふらつき気味と、なんだか全員課題を抱えるタイプの選挙だったね。課題が見えて、解決という宿題が生まれたって意味では、良い選挙だったのかもしれない。課題を解決しなかったら、そりゃ次は大負けよ。

 あとここしばらくと言えば、映画? いやー、鬼滅の刃は大ヒット確定と言えども、いくらなんでもここまで枠がいるのか? と思ってたら、その枠がほぼほぼ埋まってて、こりゃいるわと。そもそも無限列車編が400億でしょ? もし売上が前作比50%減の普通の映画ならやべえよな成績だとしても、それでも200億の映画なわけで。200億だってハリー・ポッターやもののけ姫の域だって考えると、そりゃ大ヒット前提の組み方をしておかんとマズいよね。

 そんな鬼滅ラッシュの隙間を狙ってスーパーマンを見てきたけど、これまたジェームズ・ガンはすげえことやったな。ある種の神性持ちのスーパーマンから、神性を剥ぎ取って、親しみやすい主人公にする。あえて神性を高める方にいったザック・スナイダーとは、ある意味真逆のアプローチというか。ただ、この革新性は……神棚にいるスーパーマンに慣れきった業界やファンが、上手く活かしたり説明できるタイプのものなんだろうか?

日々雑談~5927~

 少し一段落したので、いよいよ映画スーパーマンが観れるんじゃないかと思って映画館のサイトを覗いたら、鬼滅効果でサーバーがぶっ飛んじまってて、こりゃもうどうしょうもねえな! 今年夏の映画館は鬼滅の刃一色に染まるとはわかってたけど、まさか予約の段階でこうなるとはなあ。一時期に比べブームが収まった印象はあったけど、やっぱ歴代日本上映映画ランキング堂々1位の作品には恐ろしい地力があるわ。無限列車編が興行収入404億円でしょ? もし今回半分にまで落ち込んだとしても、200億でもののけ姫クラスだぜ? そりゃあ強えよ。

 正直鬼滅とコナン辺りは既に映画館が足を向けて寝られない実績を築いた上に、新作も十中八九トップクラスに当たると、最優遇にふさわしいものを持ってるので、この夏の鬼滅シフトもしゃあないなあと。スーパーマンやファンタスティック・フォーや国宝などなど、夏の他の映画が押し出される形になってしまうことは残念だけど、正当な手段で鬼滅が枠を勝ち取っている以上、そこに文句は言えんよね。

 ただし、上映枠が少ないからと言って駄目というわけではないのが、今の世の中。話題性や評価によってはなんらかの救済措置が生まれるかもしれないし、ソフト化や配信のような映画以外の道もある。実際、中国ではそれこそ鬼滅やコナンをも凌駕する哪吒2のブームの中、キャプテン・アメリカ:BNWがMCU復調を思わせる堅実な数字を見せたわけで。最悪、哪吒2に押されてアメコミ映画どん底状態を維持なんて可能性もあった以上、そうはさせなかった新キャップは大したもんですよ。良い作品が常に救われるとは言えないけど、何らかの救いが生まれる可能性は良さや応援から生まれるんですよ。なので、鬼滅にやられた!と嘆いたり恨むのではなく、前向きに行きたいですね、前向きに!

 ところで、現在深夜1時なのに、映画館の予約サーバーがぶっ飛んだままなんですが、どうすんだコレ。こうなったら、飛び込みで行くしか無いか?

日々雑談~5925~

 映画スーパーマンが来週公開だけど、果たしてどんな代物になっているものか。ジェームズ・ガン監督といえば、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーにスーサイド・スクワッドと、マイナーだったり新人だったり歴史の彼方に埋もれていた、伸びしろのあるキャラを復活させることで評価実績人気を積み重ねてきた人。そんな再生工場気質の監督が、スター選手の一人であるスーパーマンを撮り、更にユニバース全体の構想を練ったらどうなるのか。これも「たぶん大丈夫だろう」寄りではあるものの、正直読めないところがある。野村克也がジャイアンツの監督をするくらいには、読めない。

 そして映画をきっかけに、スーパーマンの魅力とは何なのか、どう伝えるべきなのかと立ち返ってみると……これは意外と難しいし、厄介だなと。そもそも、ヒーローの原点であり頂点の一人なのに、その魅力や特徴があまり広まっていないというのが変な状況ではある。簡潔に言うなら”超人的な力を持つ善の人”なんだけど、これだとまったく人の琴線に触れるところが無いし、あまりに普通すぎる。もう少し深く掘ると”常に悩み正しさを模索している超人”みたいなのも出てくるけど、これでもよくあるヒーロー像ですし。むしろ、自身の行為に悩みを抱えてないヒーローは、おそらくヒーローではないわけで。

 この「特徴が説明しにくいスーパーマン」は「SFは衰退した」「グレイシー柔術は弱くなった」に近しいものを感じます。様々なフィクション要素を持ったSFや、総合格闘技の黎明期にて猛威をふるったグレイシー柔術は、かつて触れた人間が他所に行き、強さが分析されることで、もっと大きな枠組みである創作や格闘技の基礎となり、ある意味個性が見えにくくなってしまった。スーパーマンも超人型ヒーローの基礎であるがゆえに普通になってしまった。実際、普遍化は栄誉であり、進化の先ではあるものの、フックが無くなった結果、元となったものが割りを食うという側面はどうしてもあるわけで。特別でなくなった結果、その特別さに寄りかかってたコミュニティが力を失ったり、当たり前の一分になった結果、特化型の専門家がいなくなったりと、栄誉と進化と引き換えに従来の枠組みやそこにいた人が割りを食うようなことが起こってしまうのも現実かと。実際、スーパーマンもバットマンと並び立つDCのビッグ2ではあるものの、コミックスや映画や関連商品の売上ではバットマンに大きく水をあけられてしまっているのが現状。逆にバットマンは、後発に伝えられるタイプの普通とは距離を置いた結果、逆に人にがっつり引っかかるタイプの個性的なフックが多い上に世間に広まりやすい作品。優等生よりアウトローの方がモテるみたいな理不尽さを、ちょっと感じてしまう関係性ですね。

 というわけで、新作映画スーパーマンには、スーパーマンとはこういうものなんだ!とひと目でわかることを期待しております。本来スーパーマンは再生工場入りする立場にはないものの、ちょっと引いた目線で、「超一流に相応しい人気や実績を得ていない、いまだ伸びしろがあるヒーロー」にカテゴライズした場合、ジェームズ・ガン再生工場の対象にはなるわけで。映画に出てくるミスターテリフィックやホークガールも伸びしろアリなキャラなので、ジェームズ・ガンの得意技をやろうとしている=期待値を高くもっていいというのはありますね。というかうん、たぶんジェームズ・ガンがめっちゃ得意でがっつりやれそうなDCヒーローって、ヒーローのくせに脱税とかで悩んでる、クソバカ生々しさヒーロー殿堂入りのガイ・ガードナーだよな。

日々雑談~5602~

 プレデターやエイリアンのINマーベル・ユニバースは見たいものの、それはそれとしてさじ加減は大事だよねと。新キャラが徐々に輝きを失っていくのは何処の世界でもある話だけど、日本と違い作品の切り替えが難しいアメコミの場合、長い使い方を考えることが必要になるわけで。この点、ライターの突飛な発想を取り入れやすい上に、強さとは違うところに価値の基準があるジョーカーはやっぱ強いわ。

 一応言っておくと、バットマンやスーパーマンのクロスオーバー自体は面白いよ! ちゃんと探せば、まだKindleでも読めるし。
 バットマンVSエイリアンの、エイリアンの世界観で満ちたジャングルにぽつんと立ってる蝙蝠男のシュールさや、ゴッサムの地下にエイリアンの卵が眠ってた! 蘇ったエイリアンの行き先はアーカム・アサイラム!みたいなのはこういう企画ならではだし、スーパーマンVSターミネーターにおけるスーパーマン陣営の無法なまでの強さは、強すぎて笑えるレベル。スーパーマンだけでなくスーパーガールやスーパーボーイにもターミネーターは単体じゃ敵わないし、レックス・ルーサーに至っては未来から来たターミネーターを捕獲して解析、即座にターミネーター停止光線銃を作る凶悪さ。スカイネットもお手上げ必至。

 刺激的だけど、枯れていく可能性も内包している。クロスオーバーとは本来そういうものであり、やるのであれば共に育っていく環境づくりが大事なのでしょう。