リニューアル! 奇天烈アメコミキャラ名鑑!?

 ヒットマン3巻4巻5巻がついに5月18日発売! ということで、自分が担当した奇天烈キャラ名鑑のことに少し言及させていただければ。おいおい、遂にヌーナンのイカr……イカした男たちが、日本を再び席巻する日が来ちまったぜ!

 

 ヒットマンの日本語版付録である、奇天烈アメコミキャラ名鑑。1巻と2巻にも載っていましたが、ちと3巻以降は変更点があります。

 まずは取り上げるキャラのディープ化。1巻や2巻で取り上げたキャラが、この数年の実写化の波に合わせ、かなりの数、実写化されてますからね。映画とドラマを席巻したキャプテン・ブーメランや、ドラマのアローやフラッシュやレジェンド・オブ・トゥモローにて強大なボスキャラとして登場したヴァンダル・サベッジはその代表格。なので、「コイツは絶対実写化されねえだろうな……」というキャラが増えてます。いやもう正直、数年後には犬溶接マンが実写化されていてもおかしくない時代なんだけどね!?

 そして大きな変更点として、キャラの取り上げ方の変換。1巻と2巻は、まず基本となるゴリラ枠やローグス枠を設定し、そこに一人ずつキャラを当てはめていく形(例:1巻ではローグス枠にキャプテン・ブーメラン、2巻ではローグス枠にミラーマスターをチョイス)でしたが、3巻~5巻はそれぞれの巻でテーマを設定し、テーマに沿ったキャラをまとめて紹介する形になっております。

 まず3巻は「ニセモノ、パチモノ、ハンパモノ特集」。有名ヒーローのニセモノ、むしろパチモノと呼びたいキャラやもうニセモノとかそういう問題じゃない大反則なキャラをチョイス。スーパーマンのニセモノであるビザロは、その筆頭です。ああうん、3巻の一番最後にいるヤツ、アレ正直、反則すぎてボツくらうかと思ってたよ。

 4巻は「けものもいるし、のけものもいる。みんな大好きフレンズ特集」。取り上げているのは、全員動物キャラです。キャット・ウーマンやキャットマンのような動物モチーフのキャラではなく、ガチで動物、人類一人も居ません。先陣を切るのは、ゴリラ界の重鎮、ゴリラ・グロッド。結構な数混ざっている、人を虐殺するのが得意なフレンズ。きっとジャパリパークなら、どうにかしてくれる(無茶振り

 最終巻となる5巻は「グランドオーダー発令! 歴史キャラ特集」。現代から外れたキャラ、円卓の時代や西部開拓時代や第2次大戦を生き抜いた男たちをチョイス。ここではDC西部劇界の英雄、ジョナ・ヘックスなどを取り上げてます。ジョナ・ヘックスは奇天烈どころかまっとうなキャラだけど、一人ぐらいテーマに沿ったメジャーどころを取り上げないと、企画の意図が暴走してぶっ壊れるから……その分、切り口は一風変わったものを目指しました。なお、5巻だけでなく、結果として奇天烈アメコミキャラ名鑑のフィナーレを飾っているキャラ。コイツは自分のお気に入りにして、奇天烈の三文字の体現者です。連載企画のシメで、コイツもって来た例は多分無いというか、あったらビックリよ。

 なお、各巻に一人以上、翻訳者である海法さんが推薦したキャラ、もしくは自分が海法さん経由で知ったキャラがいます。答えはここに書きませんが、だいたい各巻で一番変なヤツです(オイ 

 そして日本語版ヒットマンには、「DCコミックスの世界」と題した海法さんのコラムも載っています。イギリス発のコミックスやクリエイター、原作者ガース・エニスについて、これからのヒットマン。どの巻のコラムも非常に知識欲が満たされますので、ヒットマンご購入の際は是非本編だけでなく、付録も隅から隅まで読んでいただければ幸いです。

日々雑談~2375~

 ふうむ。もう一週間きったか。
 来週5月18日、いよいよゴッサムの奥の裏の隅の酒臭いトコより、彼らが帰って来る――
 ヒットマン3&4&5の同時発売という奇跡、日本よ、これがガース・エニスだ!

ヒットマン3

ヒットマン4

ヒットマン5

 ヒットマン1ヒットマン2の発売から3年、これでヒットマンコンプリートです。ヒットマンこと、トミー・モナハン。透視と読心が可能な目を持つ、(一応)超人専門の殺し屋。どこから見てもスーパーマンではないし、スペースオペラの主役にもなれない。でも、危機一髪は救えるし、結構ご期待通りに現れてくれる。ダメだけど、なんとも愛おしいボンクラ。トミーの生き様をしっかりと目に焼き付けろ!

 贔屓目一切抜きで、ヒットマンは自分の人生の中で5指に入る作品です。テレ東午後のロードショーを必ずチェックするタイプのボンクラなトミーは妙に親近感がわくし、親友ナット・ザ・ハットや頼れる親父ショーン、酔っぱらいのシックスパックが率いる、犬溶接マン所属のセクションエイトと脇を固めるキャラも魅力的。自他共に屑だと認める彼らの物語は、されども粋。心に響く物語です。

 ヒットマンの詳細と紹介については、こちらのまとめ()をどうぞ。タイトルが犬溶接マンになっているけど、そこはスルーして欲しい!
 当サイトも、しばらくは犬溶接マン強化週間です。待ち望んでいた作品が邦訳されたという喜び、そして俺も……(以下明日

日々雑談~2365~

 昨日、レゴバットマン ザ・ムービー:もうひとりのジョーカー? もうひとりの◯◯◯?をアップしました。もう少し早めに記事を上げて、映画の援護射撃といきたかったものの、俺自体、観に行ったのがかなりの滑り込みだったしなあ。観に行った人や、ソフト化後にはみんな楽しめるから無駄にはならんはず。

 

 そもそも、“書く”ことに無駄の二文字は全くありません。そりゃねえ、どんな物事でもそうだけど、やらなきゃなんにもならんよ。どんな天才でも、自ら行動することで物事を習得している。何か目的意識を持ってやるのがいいんでしょうが、がむしゃらにでもひたすらやれば、何かしら成長はする。

 こうして久々にアメコミ関係の記事をアップすると、製作中からアップ後の今まで、鈍ってるんじゃないかという疑念に襲われます。やっぱ、久々だからですね。例えば、ディスク・ウォーズの時みたいに、一週間に一回アップしていれば、そんな疑念をいだいてる余裕もない。書かないことで、勘は鈍って、アメコミ系としての繋がりも薄くなる。やっぱ、動くという行為自体が、最高の練習ですよ。

 

 色々取り組んでいて、なかなかアメコミ関係のことには手がまわらないのですが、出来る限りのことはやっていきたいねえ……おいおい、気づけばケーブル&デッドプール:銀の衝撃が発売しているぞ!? 現在、日本で出ているデッドプール関係で最もディープとも言えるシリーズなので心配していたけど、こうして2巻が出たか! めでたい!

 そして5月は、ついに帰って来た、ゴッサムの気のいい酔っぱらいどもこと、ヒッマンの発売ですよ! 彼らの帰還を信じていたからこそ、犬溶接マンやセクション・エイトの話はわざと一部ぼかしていた! 待ってたぜ!

 細かい話は、また後程。今回も、ねえ?

日々雑談~2143~

 デッドプール邦訳奇譚をアップする予定だったのですが、ちと緊急性のあるニュースというか、え? マジかよ!?というか、気が狂ったような話が舞い込んできましたので、こちら先にさせていただきます。

EXCLUSIVE!: DC COMICS ANNOUNCES NEW SIX-PACK AND DOGWELDER: HARD-TRAVELING HEROZ MINI-SERIES

シックス・パック&犬溶接マン

 ヒットマンにて鮮烈なるデビューを果たした、酒瓶で頭を殴るマンことシックス・パック率いるヒーローチーム、セクション・エイト。その中でも、ヒットマン邦訳の起爆剤とも言われたドックウェルダー、日本での名を犬溶接マン。そんな二人を主人公とした、ミニシリーズが決定――! 変態性欲マンことブエノに、新生セクション・エイトにてメンバー入りした悪魔ベイターと内臓人間ガッツ(♀)も参戦!
 新生セクション・エイトの連載はついこの間までおこなわれていたものの、それが好評だったのか、DCコミックス編集部の気が触れたのか、新たに犬溶接マンを主人公の一人にしたシリーズが開始。インパクトの有る脇キャラとして世に出て、チームごと主人公になって、その後こうしてミニシリーズの主人公に。まるでウルヴァリンやデッドプールのような、堅実な出世街道。こりゃあ、10年後くらいには、犬溶接マン・ザ・ムービーが公開されてるね!
 公開は8月と、近いような遠いような。とにかく、またどうなるんだろうね、コレは。いや世の中、ホント何があるかわかんねえわ。

デッドプール邦訳奇譚~デッドプール/パニシャー・キルズ・マーベルユニバース ~

デッドプール/パニシャー・キルズ・マーベルユニバース

デッドプール:キルズ・ザ・マーベルユニバース

あらすじ

無数の存在する多次元世界。その一つ一つに固有の物語が存在する。数ある世界の中には、無敵のマーベルヒーローが無残な最期を迎えた世界も少なくない。そして、ここにもそんな世界が二つ……。
一つは、デッドプールが己が存在の真の意味を見出した世界……。
そしてもう一つは、パニシャーがヒーロー達への復讐に駆られた世界……。
デッドプールとパニシャー、二人の怒りの前に、マーベルユニバースは崩壊の時を迎える……。マーベルヒーローは皆殺しだ! コミックスの常識を遙かに超えた内容で大反響を呼び起こした二つの問題作が奇跡のカップリング!(Amazon掲載の商品説明より抜粋)

F「デッドプール邦訳紹介二つ目は、デッドプールとパニッシャー、もといパニシャーのキルズ・マーベルユニバースだ!」

S「なんつーか、マーク・ウィズ・ア・マウスが直球だったら、キルズは変化球だよな。うねりにうねって、バッター殺す的な。テニスの王子様の、必ず殺す系の魔球」

F「得点でなく、選手の命を奪うアレな! デッドプールのキルズのストーリーは、“ヴィランに頭を弄くられた結果、完全に目覚めてしまったデッドプールが、ヒーローもヴィランもMINAGOROSHI!”以外の何物でもないもんな。普段ヒーロー側にある主人公補正や出版社の都合が奪われて、殺戮側に全部持っていかれているんだから、本当にタチが悪い」

S「パニシャーも“ヒーローとヴィランの戦いに巻き込まれて家族が死んで、結果全員MINAGOROSHI”だもんな……テーマの時点で、でっけえハードルがあるから、合う合わないが事前にわかるのはありがたい」

F「タイトルも表紙も、一切オブラート包んでないもんなあ。君の好きな人気ヒーローが沢山出てくるけど、みんな死ぬからね! アンケート取ったわけじゃないけど、10人中10人が受け入れられるテーマでないのはわかる。ただ、受け入れられるのであれば、ハイになって楽しめるぞ! デッドプールじゃないけど、パニシャーのキルズは、かのヒットマンのライターでもあり犬溶接マンやセクション・エイトの生みの親であるガース・エニスが担当。“ヒーロー仲間の弱点を調べ尽くしているバットマン”と並ぶ、“本気出せばヒーローを皆殺しにできるパニシャー”として、日本で伝説化していたからな! 結果的に両方共邦訳されて、日本でも直に読めるようになったんだけど」

S「吹っ切れた常人、精神的超人マジ怖い」

F「かたやデッドプールの方は、ある程度物語の枠に収まっているパニシャーに比べ、無法地帯かつ楽屋オチ的な空気があるんだけど……結果的に今、この作品は完全体になろうとしているからな」

S「ひょっとして、続刊となるデッドプール・キラストレイテッド/デッドプール・キルズ・デッドプールが出るのに関係ある?」

F「OH! YES! キルズ・マーベルユニバースで地獄を創りだした男の行き着く先が、シャーロック・ホームズやネモ船長とガチで殺り合うキラストレイテッド。マーベルユニバースが起承転結の起承で、キラストレイテッドが転結ぐらいには思ってるからね、俺。ある意味、二つで完結」

S「それだと、キルズ・デッドプールの立場が無いぞ?」

F「キルズ・デッドプールもしっかり繋がってはいるんだけど、立ち位置的にボーナストラックというか、ボーナスステージというか……うん。やっぱり、三作で一纏めだな。ああそうそう、キルズ・デッドプールにはレディデッドプールやヘッドプールやデッドプール少佐のような、マーク・ウィズ・ア・マウスで出てきたデッドプールたちもちゃんと出てくるからな!」

S「続刊発売を機に、セットで買ってみるのも悪くないってか」

F「だな。このキルズ・マーベルユニバースから一年近く、デッドプールの邦訳は休眠期に入るわけだが……もし、マーク・ウィズ・ア・マウスが出てなくて、デッドプール/パニシャー・キルズ・マーベルユニバースだけ出ていたら、このデッドプール史でも群を抜いてイカれポンチなデッドプールがスタンダードになっていて、大変だっただろうな……と」

S「あー。確かに、今のデッドプールのイメージ、だいぶ変わっていたかもしれないな」

F「アクセル全開な作品を一発目から出して惹きつける!というのもアリだとは思うが、キルズは劇薬すぎてなあ。予測としては、デッドプールが10冊ぐらい訳されてイメージと閉塞感が出来た頃に出る弾だと思ってたし……でもまあ、ある意味正統派なマーク・ウィズ・ア・マウスとのセットで、休眠期をしっかり支えてくれることとなったんだから、結果オーライよ」