映画デッドプール感想~バーリ・トゥードver #1~

映画デッドプール感想~試写会ver~
映画公開記念 デッドプールを知るためのQ&A
映画デッドプール感想~上映後ver~

 今までこうして映画デッドプールに関する記事をあげてきたものの、基本全部ネタバレ無しの記事。でも、公開そして最初の週末を乗り越えたわけだし、もう、ネタバレもいいんじゃないかな!

 というわけで、遠慮なし、感想を書きつつ気づいた小ネタにもガンガン触れていく、バーリ・トゥードバージョン解禁! ここから先はネタバレ注意、観る前に読んでしまうのはアウトな仕様。もし映画観る前に読んじゃってぐわー!となっても、俺ちゃん責任取らねえし!といったところです。

 ……いやマジ、ホント。一回劇場で観てから、この先読んでください。
 あと、この記事、複数回に分けます。一本にしてしまうと長すぎるのと、正直俺の体力と精神力がインターバル挟まないと持たねえ!

 

 

 

 穏やかなBGMと共に、いきなりインサートしてくるネタの数々。にこやかなグリーンランタンっぽいピンナップで笑ったらボンクラ。コーヒーカップに書かれた『ROB L』(デッドプールの生みの親のアーティスト、ロブ・ライフェルド)で笑ったらデッドプール好きのボンクラだから、もう諦めろ。

 

 

 しょっぱなからタクシーで鬱陶しい客として振る舞った後にしゃべくり倒し、観客にむけて話しかけてくる、僕らのデッドプールさん。この後のアクションシーンも含めて「ああ、コイツはそういうヤツなんだ」とわからせてくれる、良い導入。そして映画化に際し、媚を売った相手。字幕だと「ウルヴァリン」吹き替えだと「ウスノロヴァリン」と、チビのクズリへの呼び方が若干違います。なお、映画でウルヴァリンを演じてるヒュー・ジャックマンは、ライアン・レイノルズが始めてデッドプールを演じたX-MEN:ZEROでの共演相手でもあり、その後もデッドプールの映画化を後押ししてくれた、恩人の一人。

 こうして、歴史はヒドい方向に曲げられていく。ホント、お前……。

 

 

 ハイウェイを高速で走る車の中でのアクション。この一連のアクションは、“流出した”テスト映像をグレードアップしたもの。やだもー恋愛映画だと思ってたのに、流れるように人が死んでくじゃん!

 あと、このハイウェイ中にばら撒かれた小ネタとしては、ハイウェイの看板に書かれた地名は、デッドプールの関係者や制作陣やスタッフ、そしてマーベルコミックスの関係者から取られたものだったりします。

 わかりやすいのは、車を止めてから判別できる「Parker Boulevard」。これはスパイダーマン(ピーター・パーカー)がおそらく元ネタです。さっそくやらかしてますね。他にもデッドプールのもう一人の生みの親である、ファビアン・ニシーザが元ネタの「Nicieza st」や、OPで前に出てきたロブ・ライフェルドが元ネタの「Leifeld st」も確認しやすい看板です。でも、ロブ・ライフェルドの綴りはRob“Liefeld”であり、看板とは綴りが違います。これは向こうの人でもよくLiefeldの綴りを間違えるんだヨ!というのにかけたネタだと思われます。流石に、ガチでの間違いではないはず。たぶん。きっと。

 そして知識だけでなく、動体視力も試される、高速走行中に横切る看板の数々。かつてデッドプールを担当したアーティストであり、スーパーマン/バットマン:パブリック・エネミーなども手がけたエド・マクギネス。デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプションに収録されたデッドプールの力士時代こと、“暴れん坊力士! サケノハナ”編(勝手に命名)にてデッドプールの師匠となったオヤカタ。更には、これまたスパイダーマンの生みの親となった伝説的アーティスト、スティーブ・ディッコからいただいたであろう地名まで。さあ君は、どれだけハイウェイの看板からネタを見つけられるかな!?

 まあぶっちゃけ、劇場で無理に探さず、ご家庭で観れる上に一時停止も出来るBlu-ray&DVD発売後にやったほうがいいんじゃないですかね! でも日本版、何時出るんだろうなあ。

 

 

「12発しか弾がねえ……だが、退いてはならぬ、やらねば、ならんのだ!」

 こう書くと、デッドプールが逆境を乗り越えようとするヒーローに見えますが、現実は家に弾忘れたバカ野郎ですからね。制限付きの弾数で、群がる敵を倒すというのはアクションものでよくあるシーンですが、デッドプールの場合、無駄撃ちします。正々堂々無駄撃ちします。計画性ではピカイチなキリングマシーン、パニッシャー辺りと比べてみると、なんかもう涙出てくるぐらい、地球に優しくない無駄撃ちです。

 けれども、そこを自身の技術で乗り越えてしまうのも、デッドプール。このシーンは“無軌道なものの、それを自分でフォローできるぐらい高い能力を持っている”というデッドプールのキャラクターを観客に伝えるものでもあるのですよ。

 

 

 ひとしきりエイジャックスの配下をぶちのめし、一人ばかしシシカバブーにしたところでようやく語られる、ウェイド・ウィルソンがデッドプールに至るまでの物語。なお、このシシカバブーシーンの元ネタは、WOLVERINE #88の表紙では?という噂もあります。ちゃんとシシカバブーされてるのも、ミュータントですしね!

人間シシカバブー

 本人のナレーションと回想により、入り混じる今と過去。これデッドプールの第四の壁を破壊するというキャラクター性でなんとかなってるけど、他のキャラクターでやったら、繋ぎが荒すぎて困っていただろうなあと。

 

 

 映画デッドプールにおける、ウェイド・ウィルソンの初仕事。ピザ屋のストーカーを成敗!するシーンは、わりとしっかり元ネタがあったりします。もっとも、コミックスだとストーカーがやっていたことがもうちっとエゲツない上に、その結果、僕らのデッドプールさんにヘッドショットされてるわけですが。あと、家主もデッドプールを狙ってやってきた偽ホークアイ(正体はブルズアイ)に殺されております。ふんだりけったり。元ネタとなるエピソードはDeadpool – Volume 2に収録されております。ノーマン・オズボーン率いるダークアベンジャーズがブイブイ言ってたころですね。

 そしてこのピザ屋、Feige’s Famous Pizzaの元ネタは、X-MEN三部作の製作を務め、やがてマーベル・スタジオズの社長にも就任した、ケヴィン・ファイギと囁かれております。

 

 

 傭兵たちのたまり場であるバー、SISTER MARGARET’S。コミックスではデッドプールのレギュラーシーズン開始当初、デッドプールやウィーゼルのたまり場としてよう出ておりました。このバーに始めてウェイドが入るシーン、ここにロブ・ライフェルドが客の一人としてカメオ出演しております。あと、死の賭け“DEADPOOL”の掲示板にも、ちゃんとLiefeld・Rの名前がありますね。良かった、今度はスペル違わないんだ。

 

 

 カルーアとベイリーズとホイップクリームを混ぜたカクテル、ブロージョブ(Blow job)。説明しよう! ブロージョブとは、特殊な飲み方が求められるカクテルであり、まずテーブルの上に置いて、手を使わず一気に口でゴクゴクと。顔も口の周りも白いモノでベタベタになってしまう、危険なカクテルなのだ! ブロージョブ、直訳するとフェラチオだ!

 こんなカクテル「あちらのテーブルの方からです」とやられた日には、ブッダだってコブラクローで首絞めてくるわ。

 

 

 傭兵ウェイド・ウィルソンと娼婦ヴァネッサの出会い。互いにめくるめく不幸な過去を言い合うシーンですが、ウェイド・ウィルソン(デッドプール)の場合は本人の狂気、かたやヴァネッサは原作における彼女“変身能力を持つミュータント”コピーキャットを連想させるところがあります。ミスティークもそのケがありますが、変身能力を持つミュータントはこうして自身の過去やアイデンティティが揺らいでいくところがありまして。映画デッドプールのヴァネッサは、あくまで一般人なものの……コピーキャットを連想させる、妖しさもあるのよね。

 

 

 ゲームセンターのシーン。字幕版でも吹き替え版でも、ゴライオンでなくボルトロンだったのに、少しだけガッカリ。やっぱ版権や権利の問題とかあるのかねえ。なお、このボルトロンのリングは売っている模様。映画デッドプールに出てきた、ゴライオングッズ! うむ、なんだコレ!

 そしてこのライオンロボリングを交換するシーン、山と積まれている景品の中に、真っ赤で目の周りを黒く縁取りされた犬のぬいぐるみが混ざってます。ひょっとして、ドッグプールなのかなあ、アレ。

ドッグプール

 

 

 名曲カレンダーガールを奏でつつの、ウェイドとヴァネッサのおセックスまみれな日々! ビバ! R15!

 コイツら凝ってるなあ、仲いいなあ以外の感想が中々浮かんでこないのですが、ここのシーン、4D上映で観ると、ちゃんと椅子が揺れるタイミングがあるのよねえ。演出は、各劇場によって違うのですが。国際女性デーで、ウェイドがアー!となるとこで椅子がズン!と来た時は、なんかもう死にたくなった。俺達は、こんな未来を望んでいたのか……!

 

 

 ヴァネッサとの幸せな日々の最中、ウェイドが読んでいるのは俳優マリオ・ロペスの著書。マリオ・ロペス、またの名を、ライアン・レイノルズに映画デッドプールのインタビューをした際、最後デッドプール本人にぶっ飛ばされた人。あの、本人が出てしまってもよかったのよ?

 

 

 そして俳優繋がりでもう一人。ウェイド・ウィルソンが着ているTシャツにプリントされた謎の老婆。彼女の正体はアメリカの女優ベア・アーサー(故人)です。

ベア・アーサー

 何の脈略もなくベア・アーサーシャツを着ているのではなく、コミックスにおけるデッドプールさんは、彼女が出演していた四人の熟女のコメディドラマ“ゴールデンガールズ”のファンであり、その中でもベア・アーサーは推しメンの様子。なのでまあ、一応コレも、原作再現というやつではないかなあと。いやもうコレ、普通わっかんねえよ。

 

 

 この後、ガンを告知されたり、フランシスをボッコボコにするシーンに入るのですが、今日はここまで。まさかの、ベア・アーサーでシメ。それにしても、今日こうして取り上げた部分にも、まだまだネタが埋まってるんだろうなあ。これ全部見つけるの、砂浜の砂を数えるぐらいハードじゃねえの?

 

 

映画デッドプール感想~バーリ・トゥードver #2~