ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その38~
ディスクウォーズ:アベンジャーズ第38話。
大気圏外アイアンマン! 敵は復活量産ウルトロン軍団!
本編に触れる前にー……ディスクウォーズ公式サイトで開催されていたキャラクター人気投票の結果が発表されました。アイアンマンを超えたキャプテン・アメリカ、出番は少ないもののX-MENの矜持を見せたマグニートーにT.M.効果もあったであろうシルバー・サムライ。OPにも居るレギュラーヴィラン勢の中で一人だけ順位がやけに低いアボミネーションと、波乱含みの結末。まさか、アボミネーションがレッカーに負けるとは。こつこレッキングクルーに票を入れてきた俺のせいかと思ったものの、レッキングクルーの他のメンバーが最下位争いしている現状、たぶん関係無いッスね!
何より注目すべきは、1位。ヴィラン部門では映画アニメ含め強烈な存在感を放ったロキが! ヒーロー部門は強烈感大爆発!なデッドプールが栄冠をその手に! どうしてこうなった! しかし、ウルヴァリンに完勝、スパイダーマンの立場を立てつつお隣で、1位自体は自分がゲットと、デッドプールにとって最も望むべき結果だったんじゃないだろうか。多分、1位取った当人が、一番今を信じてない。
アイアンマン、宇宙へ。換装というより、特殊コーティングによるタイプチェンジ! 今回の宇宙用、白をベースにしたカラーリングは、映画アイアンマン3で出た、宇宙用スーツがモデルっぽいですね。
余談ですが、原作における新型宇宙用スーツ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに合流した際のマーク45(宇宙型スーツとしてはマーク3)とされるスーツがこちらです。
これはこれでカッコいいけど、コーティングで出来るレベルじゃねえ!
そんなアイアンマンの、限界ギリギリを超えてのファイト。AIのジャービスですら自己責任と言い出すぐらいの決死戦! 時間がない中での、己を振り絞る戦い。ファルコンの守護、トニーの覚悟と、人の限界を振り絞って機械の王ウルトロンの悪意に対抗する激戦!
……いやでも、ぶっちゃけアイアンマンより、ヒカル兄さんのセカンドヒーローことノバの方が今回の任務、向いてたんじゃ。アイツ、自力で大気圏突破できるからなあ。でも、今回の任務に向きすぎていて、出たら緊張感が無くなってたか。あとは大気圏突破だけならハルクが本気でジャンプすれば出来ないことはないけど、ハルクの宇宙活動は息をいっぱいすって酸素を持たせて泳ぐ、江田島平八方式だからちょっと無理だな。
追い詰められるハンク・ピム。自分の本来居れたはずの場所に自分が居ない。なおかつ、自分が居ないのに活躍していく様を見るのは、きっついわなあ。脱退の理由もあってか、アベンジャーズ側からも効果的なアプローチを行えなかったフシもあるし。切り札的扱いといえば聞こえはいいけど、もっと早く頼れるような距離感だったなら、こうはならなかっただろうに……。ピムが追い詰められていくのは原作と一緒だけど、ヒーロー活動に苛まれた後、一度ヒーローを止めて落ち着いた原作とは真逆だったか。
ピムの後悔の源となるのは、蘇ったウルトロン。すでに自分を量産する域にまで達した生産力。それだけでは飽きたらず、センチネルをも超えかねない、巨大ウルトロンの建造にまで着手。この進化と発想力と、やり遂げてしまうだけの計画性がウルトロンの脅威。次回はオメガウルトロンによる主要都市同時攻撃計画発動。仲間であるピムの逡巡に、敵であるウルトロンの侵略。決戦は、来週のクリスマス・イブ!
本日の紹介は、以前一度別の形(前編・中編)でやったものの、まだまだ書くことはあるよね!ということで、ジャイアントマンことハンク・ピムで! 前編と中編、二つのテキストも合わせてどうぞ!
しかし実は上記の前編、中編、そして未完成の後編ではウルトロンに焦点を合わせるつもりだったものの、先週やっちゃったんだよなあ。どないしよ。
ジャイアントマン(ハンク・ピム)
対象を縮小、巨大化出来る科学的な新物質。この物質は、発見者であるハンク・ピムの名からピム粒子と名付けられることになる。ピム博士は、この粒子を自らに使い、昆虫サイズまで縮小化。昆虫と会話できるヘルメットやサイズの増減に対応したコスチュームを装備することで、ヒーロー、アントマンとしての活動を始める。やがてピムは、縮小ではな巨大化を利用したヒーロー、ジャイアントマンに変身。その後、様々な事故やトラブルにより、イエロージャケット、ゴライアスと複数の名前を名乗ることになる。ワスプが死亡したと思われていた際は、二代目ワスプとしても活動していた。最近は、アントマンやゴライアスの名を他人に譲った結果、ジャイアントマンの名乗りやコスチュームを着用していることも多い。
そしてピムは、不可能を可能にする科学的な頭脳を持った、至高の魔術師ソーサラー・スプリームならぬ至高の科学者サイエンティスト・スプリームである。ある時出会った宇宙の超存在インフィニティによる客観的な認定なので、決して勝手に地球最高の頭脳を言い出したわけではない。ただ、言われる前からその自覚はあったと思われる。
この地球最高の頭脳判定、確かにピムは万能の天才であるが、今後乗り越えかねない人間や専門分野でなら負けない人間は沢山いる。
まず、ピムの専門であるピム粒子も深く理解しており、天才である自負と頭脳では匹敵しているであろう天才、ファンタスティック・フォーのリーダ、リード・リチャーズ(ミスター・ファンタスティック)。リードもピムも理解できない学問である魔術を習得した上で、リードと互角の科学技術を持っているドクター・ドゥームも外せない。
ブラックパンサーやビーストは、長年の研究により、金属やミュータントに関する知識ならば現代社会の一歩先を行っている。
ブルース・バナーも、ハルクとしての活動が目立っているが、前述の天才たちに目に見えて劣る部分はない。世界七番目の天才(リード認定)の天才少年アマデウス・チョは、七番目といえども成長するだけの若さが在る。またこういう頭脳ランキングでは何故か外されやすい、職人としての天才枠トニー・スタークも、傍から見ればこの枠に十分入る。
他にもハンク・ピムのライバルであった悪の科学者エッグヘッド、革新技術研究所ホライゾン・ラボの所長マックス・モデル、二次大戦中から活躍しておりミュータントの知恵袋となったドクター・ネメシスと、あげたらキリがないくらい無理を科学で突破出来るだけの天才はマーベル世界に沢山居る。とりあえず、暫定一位、IQ勝負のチャンピオンぐらいの感覚でいいのかもしれない。ピムが意外と大したこと無いのではなく、周りも凄すぎる。
ハンク・ピムというと、壊れた人というイメージが強い。確かに、原作では妻であったワスプへの暴力や自作自演によるヒーロー活動、全てがバレた上でのアベンジャーズ追放など、あまリフォローできない部分は多い。ディスクウォーズでもヒーローとなれなくなったことへの劣等感が暴走しようとしている。 実際ピムの壊れた部分はアーティスト側も一つの個性として認識していて、例えばアルティメッツ世界では、クズさ大爆発級のキャラ付けになっている。負を描かせた時の、ライター、マーク・ミラーの筆致は本当に恐ろしい。
だが、彼が一介の科学者であったことも忘れてはならない。資質によりヒーローとなったキャプテン・アメリカ、強烈な原体験を戦場で味わったアイアンマン、必要性に常に迫られているハルク、強大な力を生まれつき持っていたソー。このような、ある種怪物的な意識を持つヒーローに常人の神経でついていくことは並大抵ではなく、科学者としての繊細さが精神を蝕んでいったふしもある。正しい行いをしようと思っていたことは間違いなく、過ちに気づいた後は、外部よりアベンジャーズを支援し、許しを得た後も再加入の打診も長い間固辞していた。ヒーローになった人の、一つのケース。道を踏み外さざるを得なかったと、考えるだけの余地を彼は持っていると思いたい。