日々雑談~5769~

不変不変の圣诞节

忘れじの圣诞老人

Q:なんで急に2日連続でクリスマスSSをアップしたんですか?
A:なんとなく

 というわけで、告知も何もなく唐突にSSをアップしてみました。タイトルが中国語(圣诞节=クリスマス 圣诞老人=サンタクロース)なのは、タイトルでネタバレしたくなかったからです。特に最初の圣诞节はせっかくのクリスマスらしくないスタートだったので、タイトルにいきなりクリスマスと入れるのも台無しだなあと。

 あと理由があるとしたら、来年はもう少し小説方面に尽力していこうという決意表明でもあります。
 どういう方向性で行くにしろ、まずはバンバン書かにゃアカンよ。行き先を決めるだけでなく、歩くことで目的地には行けるんだからよ。

 

 もう日付的には明日からコミケじゃねえか! ってことで、当サークルの新刊と持ち込む既刊をまとめたツイートをペタりと。うちは二日目、日曜日の参加ですね。ひとまず荷物はまとめてあるので、あとは当日を迎えるだけ……だとは思うんだけど。何回参加しても、どうしても準備に対する不安は拭いきれない。もっとも、ここで警戒心なく大丈夫!と思い始めたらまずやらかしの始まりなので、臆病なくらいでちょうどいいんだろう。たぶん。

忘れじの圣诞老人

 カチリカチリと、時計の針が動いていく。
 12時になった瞬間、再び364日間の副業が始まる。

 たった1日の正業はハードワークではあるものの辛くはない。
 むしろ、一日中心の底から笑顔で働ける仕事の、なんと楽しいことか。
 だがこれからは、笑顔を忘れ、しかめっ面でいなければならないのだ。

 ついに時計の針が12時を指し、クリスマスが終わる。
 サンタクロースはすやすやと眠る子供の頭を撫でると、帰宅の準備を始める。

 ソリを引く姉弟のトナカイ、姉のトナカイがクリスマスの終わりとともに言葉を思い出したかのように呟く。

「今の最後の子は頭を撫でられて幸運だったけど、明日の始めの大人はきっと不幸だよね」

 

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不変不変の圣诞节

 周囲に散らばっているのは、もはや人ではなく、ただの肉であった。
 子供と見紛うほどに小柄な兵士たちが、処理した肉を次々と袋に放り込んでいく。
 兵士たちはヘルメットとフルフェイスのマスクを装備しており、その表情は読めない。
 袋を受け取りに来たのは、双子の姉弟であった。
 彼らの格好は、全身フル装備の兵士たちとは違い、それぞれ男女のライダースーツである。
 全身を覆うぴっちりとしたレザータイプのスーツを着た姉が、兵士の一人に話しかける。
 
「オヤジは?」

「屋上です」

「行ってやった方がいいかな?」

「いらんでしょう」

「だよねー」

 ケラケラと笑う姉を尻目に、弟は複数個の袋を一人で担いで下へと運んでいく。
 弟のライダースーツは、当然男性ものである。分厚い胸筋が、襟から覗いている。
 姉弟の服の共通点は、あちこちについた角のような尖った装飾と、色が茶色であることぐらいだ。
 詰め込み作業を追えた兵士たちは、血痕や壁にへばりついた肉の掃除を始める。
 その手際の良さは、まるで熟練のライン工である。

「よっと」

 姉は楽しそうに鉄製の金庫に近づくと、なんとそのまま担ぎ上げてしまった。
 金庫の大きさは姉の身長と同じくらいあり、横幅は姉を越えている。
 それなのに、彼女は鼻歌交じりでかついでいた。

 ドン! とビルが揺れ、全員が思わず上を見る。
 震源地は地面ではなく屋上であった。

「やってるねえ」

 姉がそう言っただけで、他の人間は特にこれ以上の反応もなく、作業に戻る。
 誰もが皆、屋上にいるオヤジを信頼していた。

 

 

 そのオヤジと呼ばれる男は、まるで仁王であった。
 巨大な逆三角形の肉体と、肉体に見劣りせぬ太い手足。
 髪も眉毛もないいかつい顔には、怒りが貼り付けられている。
 ボディービルダーの頭脳による研磨と、肉体労働者の生活による研磨。
 二つの研磨を合わせたかのような見事な筋肉は、くすみきった赤色の革ジャンとロングパンツの下からもその見事さを主張していた。そんな筋肉に見合った勢いのショルダータックルは、屈強なラグビー部崩れの用心棒を一発で吹き飛ばした。

「役立たずが!」

 雇い主である組長は毒づくものの、用心棒からの反応はなかった。
 いくらラグビー部でも、ダンプ同様の破壊力と突進力を前にしては、肉塊になる以外の選択肢はなかった。

 組長はそのはしっこい頭脳で考えを巡らせる。
 このヤクザにとって冬の時代に、ドラッグに手を出したのは間違ってなかった。
 未成年に狙いを絞って、警察に見つからないよう上手く立ち回ったことに間違いもない。
 ドラッグの生産拠点と管理部門を、警察や同業者でもわからないような場所にしたのも間違いない。

 間違いはなかったのに、今現在組長が屋上で相対しているのは、破滅であった。
 このオヤジは、突如この廃ビルに見せかけた拠点に現れたかと思うと、一瞬で三人殴り殺した。
 こちらが反応するより先に、窓や扉からなだれ込んでいくる子供くらいに小さな兵士たち。
 戦闘訓練を受けたであろう兵士により、組員たちはあっさりと全滅させられた

 生き残りの少数と共に屋上に逃げ込んだ組長だったが、追ってきたたった一人のオヤジに誰も勝てなかった。
 組長は悠然とした足取りでこちらへ向かってくる男に、言葉を投げつけた。

「テメエの目的は何だ!」

 組長の言葉を聞き、このビルに現れてからずっと巌の如き表情と沈黙を守っていたオヤジの口が開く。

「商売敵を潰すためだ」

 商売敵と聞き、組長の中で情報が組み立てられる。
 なるほど、この男もおそらく売人だ。
 顔面もよく見れば彫りが深く、目も青い。汚れた肌も、その色自体は白い。
 きっとコイツは、海外の売人だ。
 アジア系ではなく、おそらくロシア、もしくは北欧系だろう。
 おそらく率いている兵士も、フランスの外人部隊のような組織で鍛え上げたのだ。
 一ヤクザとは、格が違いすぎる。

「すまんかったあ!」

 組長は恥も外聞もなく土下座する。
 もはやこうなれば、意地を張っても仕方ない。
 意地と共に死ぬ任侠の美学は、とうに廃れていた。

「二度と、あんたらの商売の邪魔はしない! いや、儲けを全部献上する! 待った待った、俺はあんたらに逆らう気はねえんだよ!」

 男がいくら言葉を重ねても、オヤジの歩みは止まらない。
 このまま土下座している組長の頭を一気に踏み砕く。
 そうしようとしているとしか思えなかった。

「俺には家に待ってる子供が居るんだ! 頼む! 助けてくれ!」

 家族をだしにした組長必死の懇願が聞いたのか、オヤジの足が止まった。
 仁王のわりに、随分と甘いじゃねえか。
 ほくそ笑んだ組長は、笑みを涙に変え顔を上げる。

「あ、ありがとうござ……」
 
 ゴクリと、組長は生唾を飲み込む。
 立ち止まり、組長を見下ろすオヤジの顔は険しいどころの騒ぎではなかった。
 怒りが渦を巻き、その顔に張り付いている。
 こんなの、仁王ではない。仁王とて、これだけの怒りを内包できるわけがない。

「お前を待っている子供などいない。お前は今、ついてはいけない嘘をついたのだ」

 組長には家庭がなく、子供も居ない。組長の嘘を、オヤジは確信を持って見抜いていた。
 こちらの本拠地だけでなく、家庭環境まで抑えているだなんて、この男はどれだけ用意周到に調べてきたのだ。
 組長の身体がガタガタと震える。
 つららで頭から尻まで串刺しになったとしても、ここまでの冷えは感じまい。
 オヤジの図太い足が、足元の組長を床のコンクリートごと踏み抜いた。

 

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日々雑談~5768~

サタン「アリステラにまず1億パワーの素地を作ってもらって、それから依代にして(以下略」
知性の神「1億パワーいるだろ?」
残虐の神「1億パワーが貰えるだなんて、千載一遇のチャンスだぞ。え? いらない?」

 なあ、サタン……お前は1億パワー以上を見てるんだよな! 現時点で、1億パワーまでアリステラを育成しようとしているお前と1億パワーをポンと授けられる邪悪神たちとの間に越えられない壁が出来かけてるけど、なにか策があっての回り道なんだよな! そうだと言ってくれよ! 頼むよ!

 管理者が「俺はマリキータマンを微塵も疑ったことがない!」と言ってたけど、アレたぶんホラだと思う。実際のとこ、マリキータマンはマスク越しに表情が出ている今のキン肉マンでも難しいぐらいに感情が表に出ないデザインだったからねえ。どうしても感情がわからないと、怪しくなっちまう。

 マリキータマンの生死は来年までわからないけど、腹を裂かれてカレーを練り込まれてキン肉族三大奥義が直撃してエグすぎるツープラトンをくらった上で高所から落下した後、更に身体に鉄杭を刺されて死ななかったら、もう倒す手段が無いんじゃないですかね……。マリキータマンにごめんなさいはするけど、それにしたって無茶苦茶すぎるわ。

日々雑談~5767~

 昨日、東京に出たついでに見ようと思っていた、仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーションを地元で鑑賞。なんで昨日見れなかったかというと、お目当ての映画館が上映数時間前で満席御礼だったからですよ、こんちくしょう。今回、大人が見やすい夜上映が減ったり、混み具合に結構な差があったりと、微妙に上映劇場のバランスが悪い気がする。

 夏のOver QuartzerがハイテンションなP.A.R.T.Y.ならば、冬のザ・ファースト・ジェネレーションは地に足つけた物語。今年のライダー映画は好対照で、しかも当たりだ! これなら満席御礼になるよ!

 Over Quartzerのテーマが年号ならば、ファースト・ジェネレーションのテーマは1号。令和の1号ライダーとなるゼロワン、令和初のアナザーライダーことアナザーゼロワン、ゼロワンの代わりに或人の力となる001、ゼロワンの物語における1号ライダーの1型、そしてライダーの原初に関わるアナザー1号……これら1号の集まりに加わるのは、平成最後のライダーとなり、過去となった平成を一手に担うジオウ。時代を切り開く1号たちが集まったのが、この映画。ファースト・ジェネレーションのタイトルに偽りなし。

 共演映画でやってしまっていいんだろうか? と思うぐらいにゼロワンの根幹に関わっている今作。もっともこれは、ジオウの特性があってこその物語なので、ジオウと組んだから出来た話なのでしょう。流石に多くは語れないけど、ファースト・ジェネレーションはライダー映画でもかなり高順位な作品ですよ。対決の実現、そして重みではトップクラス。ライダーバトルも、悪くねえなあ……。