ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その30~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第30話。
 ブラック・ウィドウ回だと思ったら、全力全開のデッドプール回だった。そんなファイト属性編。贔屓目かもしれませんが、デッドプール回、前回も含めて作画凄いよね!

 ネジが全部外れているように見えて、実は一本だけしっかりと締まっている。デッドプールを紹介する時に時折使う表現ですが、今回はこの締まっている部分がしっかりと描写されたデッドプールフェスティバルでした。いやねえ、ただのイカレポンチだったら、そもそも人気あるわけねえですからね。人気キャラの座につくイカレポンチは、大抵悪ふざけや狂気の裏に、何か確固たる物を持ってます。前回はネジフルパージ、今回はネジが締まった姿。この二話で、デッドプールの魅力は存分に演出でき、今後は「デッドプールを知りたい? 邦訳かディスクウォーズのデッドプール回観ようぜ!」も十分に通じる状況。良いデッドプールを、堪能させていただきました!
ありがとう! ディスクウォーズ! ありがとう、日本のみんな! ディスクウォーズ~完~
 デッドプールだけでなく、例えば電話先のタスクマスターやサーペントソサエティのダイヤモンドバックのような、所謂傭兵たち。忠誠や正義よりも金をメインにする彼らは、報酬さえ貰えば誰にでも味方するドブネズミ野郎たち。でもドブネズミだからこそ、本性はドライでシニカル。金さえ払えばこいつらはどうにかなると思っている人間と付き合ってきた以上、見捨てられたことも多々有り、見捨てざるを得なかった状況も多々有り。
「こんなもん、ただの慣れさ」
 この言葉が、全てかと。答えを出し続けなければ行きていけないドブネズミ、その中でも最も汚く思われているドブネズミが出した結論であります。自分の命にすら適用される、乾いた結論です。
やあ僕、ミッキー! ハハッ!
 結論を出せる人間がいるからこそ、悩みは若くなり苦しくなり、それに磨かれることで決断の価値は更に上がると。
 今回の主役はクリスであり、求められたのは決断。キャップを慕うSHIELD隊員のひたむきな善、本当にどうしょうもない人間だと思っていたデッドプールの達観、過去の忌まわしさの象徴的存在バロン・ジモ。そして全てを受け止めて、見守るキャプテン・アメリカ。まだおそらく完全な答えではなく、結論とはならないでしょうが、少なくともクリスが今回出した答えは、バロン・ジモの猛攻と策略を掻い潜り大団円を作れるだけの価値はあったかなと。これでガイアライン計画回も、残るは二人。エドやヒカルを待ち受けている物は、果たして……。

 今日の紹介は、黒後家蜘蛛ブラック・ウィドウで! ウィドウさん出番少なかったけど、一番出番多かったデッドプールは、以前やりましたしねえ。ここは映画アベンジャーズでも大活躍なナターシャさんで。
馬鹿な! 俺ちゃんは最後まで生き残って……ぐわー!

 
ブラック・ウィドウ

ブラック・ウィドウ

第二次世界大戦中、最大の激戦の一つに数えられる、ドイツ対ソビエト連邦のスターリングラード攻防戦。燃え盛る街の一角にて、ソ連の兵士イワン・ペトロビッチは、崩れ落ちるビルに飲み込まれた女性より、一人の赤ん坊を投げ渡された。イワンは、名前も知らぬ赤ん坊、女の子にナターシャと名づけた。ブラックウィドウ、ナターシャ・ロマノワはこうして生まれた。
ナターシャは健やかに成長、体育も含めた全ての教科にて優秀な成績を残し、更には美しさを磨きあげた彼女は、バレリーナとなった。彼女の才能は内外に知られ、ナチスドイツ残党であり秘密結社ヒドラの重鎮バロン・フォン・ストライカーに誘拐され、スパイに仕立てあげられそうになったこともある。この時は、イワンそしてウルヴァリンとキャプテン・アメリカの手により救助された。
やがて、テストパイロットであるアレクセイ・ショスタコフと結婚。だが、アレクセイは事故死。独り身となり、悲しみにくれたナターシャにKGBが言葉巧みに接触。優れた素養を持つナターシャを、対米スパイに仕立て上げることに成功する。ナターシャに与えられたコードネームは、黒後家蜘蛛ことブラック・ウィドウであった。
ウィドウはアメリカに渡り、自身の美貌を持ってして、世界バランスに影響を及ぼすであろうヒーロー、アイアンマンを擁すると言われていた※スターク・インダストリーズの社長トニー・スタークに急接近する。

※この頃、トニー・スタークは「私がアイアンマンだ」をしておらず、トニーとアイアンマンは別人扱いだった。

KGBと連携して、アイアンマンを丸裸にしようとしたウィドウだったが、当時ヒーローであるかヴィランであるか、未だ迷いの中に居たホークアイとの出会いが、彼女を揺らがす。ホークアイの説得により心動かし始めた彼女を襲う、更なる真実。赤いキャプテン・アメリカ。ソ連が有するスーパーエージェントであるレッド・ガーディアン、彼の正体は、死んだ筈の夫、アレクセイだったのだ。

レッド・ガーディアン

元々、アレクセイの死は彼をレッド・ガーディアンにするためのKGBの偽装であり、つまりウィドウの悲しみも無念も、国家の手の平の上でしかなかった。ウィドウはソ連と決別し、アメリカへ亡命。アベンジャーズに加入し、ヒーローの一員となる。なお、アレクセイはそのままソ連に忠を尽くし、共産主義への反逆者となったウィドウとも敵対。ソ連崩壊後もその幻影を追い求め、数年前には北方四島でのネオソビエト連邦建国を企んだ。

アベンジャーズの一員として、別のヒーローチームであるチャンピオンズの一員として、デアデビルの恋人として。

ブラック・ウィドウ&デアデビル

国家の一員ではなく、一人の人間として生きるウィドウの前に、もう一人のブラック・ウィドウ、後の好敵手となるイリーナ・ベロパが現れる。

ブラック・ウィドウ(ベロニカ)

彼女だけではない、ソ連による女性エージェント育成計画「ブラック・ウィドウ・オプス」計画。素養在る少女を集め、黒後家蜘蛛の名を冠するに相応しいスパイに育て上げる。育ての親であるイワンは、この計画のエージェントであり、バレリーナや優秀な学生という経歴も、ニセの記憶として用意された物だったのだ。学校で学んでいたと思い込んでいた時期、彼女は「赤の部屋」と呼ばれる場所におり、ソ連の伝説的暗殺者ウィンター・ソルジャーより技術を学んでいた。この結果、ブラック・ウィドウのオリジンは虚実入り混じるものとなってしまった。彼女の過去を完全に解き明かすのは、峰不二子の出生レベルで難しい。映画アベンジャーズシリーズにおける彼女の来歴の不確かさは、ある意味忠実な原作再現である。

映画 ブラック・ウィドウ

オリンピック選手並みの運動能力、手首に装備された移動用攻撃用のケーブル発射装置ウィドウズ・ラインや電撃発射装置ウィドウズ・ボルト、戦略や戦術に関してはキャプテン・アメリカに匹敵すると言われ、どんな国の言葉も使え男を魅惑する才女。生身のヒーロー、ファイトタイプの典型例+スパイとしての技能が、彼女の能力である。それ以外には何もない……と見せかけて、ウィドウにはもう一つ、人とは違う物がある。前述の経歴を見れば分かる通り、彼女の出生や経験は、どうみてもそれなりの歳の人間のものである。偽の記憶ではあったが戦時中生まれとして設定されていたし、そもそもソ連崩壊を子供の頃目の当たりにした世代ですら、そろそろ30代が見えてきている。
ウィドウは、改良型超人血清の摂取者である。ニック・フューリーも使っている、摂取者の加齢速度を遅くする超人血清の効力により、彼女は瑞々しい若さと全盛時の能力をを保ち続けている。アイアンマンとなる切っ掛けの戦争が時代とともに変わっているトニー・スタークと違い、彼女の原典であるソ連の代わりは無かった。
ただし、血清の代償として、ウィドウは妊娠することが出来ず、子供が作れない。祖国を裏切り、悲哀を背負い。そんな彼女を信頼する多くのヒーロー、そしてニック・フューリーとSHIELDの信用。様々な物を捨てざるを得なかったウィドウではあるが、確かに残っている物もある。だからこそ、確かな物を他人より預けられるのだ。

ブラック・ウィドウ&ウィンター・ソルジャー

 まあ、時折変なのも寄ってきますが、それはそれとしてですね。

デッドプール&ブラックウィドウ 

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その29~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第29話。
 おいおい、待て待て。デッドプール再登場は来週だぜ?という訳で、ジェシカ&ワスプによるアニマル属性編!

 アフリカの(架空の)国家ワカンダを襲う、タイガーシャーク率いるヒドラの一団! 立ち向かうのは王にしてヒーローであるブラックパンサー! X-MEN編を始めとした、地に足つけた展開もいいですが、こういう世界を巡る国際色豊かな流れ、きっと望まれていたもの。国が変われば背景も色も代わり新鮮味があるものなのですよ。

「欲しいワンピースに悩んだら、どっちも買う。バッグの色に悩んだら、全色揃える。何かのために、何かを諦めるって、わたしのスタイルじゃないの」

 ジェシカのこの発言、ブラックパンサーの心を動かしただけあって、良い台詞です。一つの物を手に入れるために、別の物を捨てる。非常に現実的ですが、たとえ理想論で都合のいい話だとしても、ヒーローならば全てを救うベストを目指して欲しい。目指さなきゃ、ベストには辿り着けねえんだよ!

 でもアレですよね、セレブとしての立ち居振る舞いや矜持を持っているジェシカだからこそ上手く出来ましたが、他のメンバーが来ていたら、多分初っ端のブラックパンサーとの交渉上手くいってねえよな……。ヒカル兄さんは上手く纏めそうだけど、アキラ&アイアンマンは、全く上手く行くビジョンが見えないぜ!

 そして敵陣営レギュラーなのに今日ここに至るまで出番が少なかったタイガーシャークを補うのは、公式認定サブレギュラーことキングコブラ。アニマル陣営、連携が取れて居やがるぜ……! デッドプール戦もそうですが、水に引き込むスキルを得た時点で、タイガーシャーク強すぎる。タイガーシャークと同じ土俵、水中戦で勝つにはネイモア・ザ・サブマリナーやスティングレイみたいな、同じ水中特化型のヒーローを持ってこないとおそらくアウト。逆に言えば、同じくらい水中で渡り合えるヒーローがレギュラーなら、タイガーシャークも序盤からガンガン行けたのかしら。

 今日の紹介は、ワカンダの黒豹ことティチャラ(ティ・チャラ)王で! 私やヒーローとしての公より、王としての公を優先させる固さはあるけど、コレは王である以上当たり前だし……。この人、かなりの完璧超人だよな。

ブラックパンサー

ブラックパンサー

 ブラックパンサーの正体は、アフリカの国家ワカンダの王ティ・チャラである。
 この文章には、足りないところがある。ブラックパンサーとは、ワカンダの王に在位中与えられる尊称であり、歴代の王は全てがブラックパンサーだったということになる。つまり、ティチャラの父である先王もブラックパンサーであり、そのまた前の王もブラックパンサーであり。正体ではなく、ブラックパンサーは王である者が持ってしかるべき称号なのだ。
 希少金属ビブラニウムの産出国であり、アフリカの国家の中でも比較的裕福で高度な文化を持つワカンダの王子として産まれたティ・チャラ。ティ・チャラがまだ幼い時期に、先代のブラックパンサー、王である父がビブラニウムを狙う悪党クロウ※により暗殺されてしまう。ブラックパンサーの座と王位は幼いティ・チャラが受け継ぐことになるが、ティ・チャラはまず王にふさわしい人間となるべく、ヨーロッパやアメリカにおける一流の学校に留学し、心身共に鍛えることを選ぶ。立派に成長したティ・チャラは、ブラックパンサーを受け継ぐ儀式に挑戦。見事やり遂げ、新たなブラックパンサーとしてワカンダの王となった。

※クロウ 音波を操るヴィラン。現在は自らの身体を音波に変換し、物理的な肉体を捨てた音波人間になっている。バチ魂には既に登場(エナジー属性)、デッドプール:スーサイド・キングスにてクロウの装備をパニッシャーが使用していた。音が弱点な、共生体シンビオート系キャラ(ヴェノム、カーネイジ等)の天敵。

クロウ

 ブラックパンサーとなったティ・チャラは、国家の外に目を向ける。やがて、渡米。その目的は、強大なる力を持つ者として世界各国の注目を浴びていたアメリカのスーパーヒーロー、彼らがワカンダの脅威となるかどうか見定めることにあった。ファンタスティック・フォーやアベンジャーズやX-MENと接触したティ・チャラは、スーパーヒーローとは信頼できる存在なのだと認識する。またスーパーヒーロー達も、ティ・チャラの能力と人格の確かさを好意的に受け止め、ティ・チャラは多くのヒーローと個人的な親交を結ぶ事となった。アベンジャーズにも何度か参加し、夫婦関係の修繕のためチームを抜けたリード・リチャーズの代役としてファンタスティック・フォーにも参加している。実力頭脳リーダー適正と、非常に頼れる男である。

ブラックパンサー登場

 同じアフリカ産まれの黒人である、X-MENのストームとは一層親密に。恋愛関係に発展した二人は、そのままゴールインした……が、最近ストームは直接関与していないものの、ミュータントとして彼女と陣営を同じくしていたアトランティスの王ネイモアがワカンダを襲撃、多数の国民を溺死させてしまった。ミュータントによる虐殺にブラックパンサーは激怒、立場上ストームも王妃で居られなくなり、婚姻関係は解消されてしまった。和解は果たしたが、今の二人は良い友人関係という所に収まっている。

ブラックパンサー&ストーム

 ブラックパンサーはキャプテン・アメリカと同じく生身の人間だが、キャップに超人血清があるように、ブラックパンサーには歴代のブラックパンサーのみが服用を許された神秘のハーブが在る。元々、オリンピック選手並、特にアクロバットや体操に優れているティ・チャラの身体能力がハーブの力で五感と共に倍増され、結果ブラックパンサーは超人並みの力を手にしている。クローでの格闘戦が主だが、剣術や槍術など数々の武術を習得しているため、獲物を選ばずに戦える。
 もう一つの秀でている物と言えば、ティ・チャラの頭脳。アイアンマンことトニー・スターク、X-MENのビースト、ファンタスティック・フォーのリード・リチャーズ、アベンジャーズのハンク・ピム(アントマン)、ハルクであるブルース・バナーと並ぶ頭脳を持っており、特に自国で産出されるビブラニウムに関しては世界トップクラスの権威。王が権威となることで、知識面資源面、両面においてワカンダはビブラニウムを独占している。
 キャプテン・アメリカのシールドに始まる、様々な装備に使用されるビブラニウム。当然、ブラックパンサーのコスチュームにもふんだんに使われており、コスチュームに仕込まれたビブラニウムは打撃や銃弾の力を大幅に軽減する。特筆すべきは、手の平と足の裏に使われているビブラニウム含有のパッド。パッドを装備することにより、ブラックパンサーは壁を駆け上がることが可能に、ブーツの衝撃軽減能力は高高度からの落下による衝撃を殺し、水面を走る事さえ可能に。主武装である手のクローには溶解液の噴出機能やレーザーの発射装置。スーツに装備されたホログラム装置により、スーツまるごと普段着への偽装が可能。野性味溢れた外見、その内実はハイテクさの結晶。まるでティ・チャラを具象化したかのようなスーツだ。
 ワカンダの王であるため、ティ・チャラの中で優先されるのはアメリカより自国民となるが、決して冷淡で非協力的なわけではない。性質は善であり、本質は善き王。Marvel初、アメコミ初の黒人ヒーローに相応しい男であり続けている。

王たる黒豹

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ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その28~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第28話。
 開戦! アベンジャーズVSヒドラ!

 地球の龍脈を侵す事による、レッドスカルの地球破壊作戦。世界各地に分かれた敵に対処するため、アベンジャーズと子供達もそれぞれペア同士の単独行動へ。今回のファルコン、そして来週のブラックパンサー。おそらくしばらくは一話ずつ、世界各地に分かれたペアを支援するヒーローが登場するのでしょう。そして、結果属性ごとに分かれる事になったヴィランたちも。世の理、悪の栄えた試し無しを、理ごと世界を一度破壊しようとするレッドスカル。開いた戦力差を補うためのビルドアップアーマーも完成し、ディスクウォーズ最大の大戦開始!
 そして実は、本日よりコミックスでも、アベンジャーズとX-MENの連合軍VSレッドスカル率いるヴィラン軍団の決戦となるシリーズ、AXIS(アクシズ)が開始。奇しくも日米同時にレッドスカルとの大戦が始まる流れとなりました。アクシズにおけるレッドスカルは、嘗て全ての理を破壊しようとし、マブカプシリーズでもラスボスを務めた大物オンスロートの力を手に入れ、こっちはこっちでヤベえ事になってます。

 死ぬ気で戦うのと、死ぬつもりで戦うのは違う。ホークアイの犠牲を目の当たりにしたファルコンの心のモヤ、振り払ったのは先輩ヒーローであるアイアンマンと、アイアンマンの心を知る少年アキラでした。こうして一緒に振り払えたこと、パートナーとして培ってきた物の大きさを感じさせてくれます。死ぬつもりのファルコンは突入時被弾もしていましたが、一度モヤを振り払ってからは大活躍。おそらく、この気持の変貌こそが、今回不利を何度も覆した原動力だろうなと。
 
 ホークアイとファルコン、ファルコンについては後述しますが、二人共原作の経歴を並べると「悪人から始まり正義に目覚めた男」。根源が親しいヒーローなんですよね。大悪党により悪人にされかけていたものの、ヒーローとの出会いにより正義の道へ。今回の濃密な先輩後輩関係は、グッドなアレンジだったと思います。今までの話でレギュラー勢の地固めをちゃんとした結果、現状濃密な話が出来るようになってるのは実に良く。ベクトルは若干違うけど、話の濃密さで言ったら、デッドプールもファルコンも、新キャラとは思えないぐらいギッチギチに個性詰まってましたよね。

 今日の解説は、科学忍者隊ファルコンで! 今回属性はテックだけど、ファイトやアニマルでも何らおかしくないよな、この人。

ファルコン

ファルコン

 本名、サム・ウィルソン。ニューヨーク市でも非白人が多いハーレムを拠点とする、ハーレム生まれの黒人ヒーロー。アメコミ界初の、アメリカ系黒人ヒーローと言える存在である。なお、もう一人の黒人ヒーローでありファルコンよりも登場の早いブラックパンサーは、アフリカ系黒人系ヒーロー。つまりアメコミ界初の黒人ヒーロー。身近な黒人と、異国の黒人、アメリカ人にとって若干二人の立ち位置は違う。

ファルコン&キャプテン・アメリカ&ブラックパンサー

 ハーレムで産まれ、ボランティア活動に勤しむサムであったが、父も母もそのハーレムによる災禍により死亡。絶望により善性を塗り替えられたサムは、一路犯罪者へ。ハーレムからも離れ、密輸ギャングの一員へ身を投じてしまう。
十把一絡げの悪人として生きる筈だったサムの運命を変えたのは、カリブ海の孤島への漂着。そこで出会った、強大な善と悪を持つ二人の人間、キャプテン・アメリカとレッドスカルだった。サムを見出したレッドスカルは、コズミックキューブの力を使い、彼のペットである鷹“レッドウィング”との交流能力を授け、島にやってきたキャプテン・アメリカの相棒に仕立て上げる。
 レッドスカルの計画では、キャプテン・アメリカの信頼を得た段階でサムを裏切らせ、嘗ての相棒バッキーの死に揺れるキャップの心身を破壊する段取りだったが、キャップと出会ったことによりサムの中の善性が復活。レッドスカルの洗脳すら振り払い、サムは正しい相棒としてキャップと共にレッドスカルを打ち破った。
 キャップのかけがえのないパートナーとなったサムは、クライムファイターとしてハーレムを守護する事を選択。もう一人の黒人ヒーロー、ブラックパンサーからグライダー・ウィングを授かったサムは空を制するヒーロー、ファルコンになった。明るく、いかにも若者な性格のファルコンが相棒となることにより、キャプテン・アメリカの年長者としてのあり方も浮上。キャラのあり方が広がることとなり、読者人気も上がったとか。

ファルコン&キャプテン・アメリカ

 当然、超人類登録法を巡るヒーロー同士の内戦シビルウォーにおいても、ファルコンは反対派であるキャップの側に居た。最終的に、ファルコンは超人類登録法に従い登録することとなるが、その理由はシビルウォーで死亡したキャップの葬儀への参加条件に超人類登録法への参加が義務付けられていたからだ。その条件下でも反対派に属したままのヒーローに背を向け、ファルコンは一人、登録しキャップを偲ぶ道を選んだ。このキャップと共に在る姿は、出会いも能力の由来も全て違う映画ウィンター・ソルジャーにおいても、ばっちりと描かれていた。

映画版 ファルコン

 能力は人工の翼、グライダー・ウィングによる高速飛行能力。風を読み、自由自在に飛び回る彼を捕まえることは、至極難しい。またキャップより訓練を受けているため、地上に降りてスーツと翼無しで戦ったとしても高い戦闘能力を持っている。装備と訓練と並ぶ中、彼の唯一の超人的能力と言えるのが鳥との交信能力。最初はペットのレッドウィングとの意思疎通だけだったが、やがて全ての鳥類との交信が可能になる。加えて、鳥の視界をそのまま見る事が出来るため、ファルコンにとって鳥類は頼れる仲間であり、無数の高性能レーダーになっている。街から大自然、地球上、鳥が皆無という場所はあまり無い。
 映画では未登場、ディスクウォーズでも遠隔操作モードとして出てきた、本来はファルコンのペットである鷹のレッドウィング。何度もファルコンと共に死線をくぐり抜けてきただけあって、鳥類世界ではイケメンヒーローポジション。他の動物系ヒーローや動物パートナーと手を組み、ペットアベンジャーズなんてチームも結成している。ちゃんと強力なヴィランの一人であるサノスを倒したチームなので、動物(笑)で挑むと大火傷確定なチームである。

ペットアベンジャーズ

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その27~

「日本よ、これがデッドプールだ!」
「地獄からの使者! デッドプール!」
 ちょっと待って! このネタ、超触れにくい! あと、総集編で出来た労力全部ぶち込んだのか、デッドプールの尻が良作画でイラっとくる!
 というわけで、ディスクウォーズ:アベンジャーズ第27話。待ってたぜ!なデッドプール回!

 ……感想を書くことに、何の意味があるんだろうか(哲学化 何も付け加えることが無いぐらいに、超直球。バッターが2~3人病院送りになったんじゃないの?なビーンボールを織り交ぜての豪速球プール。きっとTVの前の子供達も、魂ロワイヤルのCM「デッドプール参戦!」→「誰!?」の無限地獄から開放されたんじゃないかと思います。最高レアリティのカードがアニメにまだ出てない変な赤タイツって、スタッフは大馬鹿野郎ですよ!(花束を手に
 真面目に考察すると、この中盤でのデッドプール参戦はベストタイミングじゃないかと。実際、コミックスでも人気キャラなので、結構ゲスト出演の機会があるのですが、性質上、ちょっとアクが強すぎる面がありまして。全力全開のデッドプールをやるのであれば、デッドプールを主人公にしてしまうか、作品世界をしっかりと固めた上での招聘がベスト。ディスクウォーズは、後者ですね。
 人気があるからと言って序盤に呼んでしまうと、作品自体が振り回されるか、チーム物以上の空気が読めるおとなしいデッドプールになってしまうので。常時やりたい放題にも見えますが、X-Forceやサンダーボルツに参加している時は「ここはウルヴァリンの見せ場だよな」「頑張れパニッシャー!」と、結構空気読むんですよ? というわけで、このタイミングはベストと。地固めや未見の人への優しさをしっかりと考えていたディスクウォーズだからこそ、今回危険球をバンバンやれたんだと思います。会場の熱、Twitterを見る限り、観客の温まり方は今までで最高レベルでした。アイアンフィストのディスク持ってっちゃったし、きっと忘れた頃にまた会える! ……なんか、次はアイアンフィストと一緒にパワーマン(ルーク・ケイジ)のディスクも持っている気がするなあ。
 今日解説するのは……今日は……休みでもいいんじゃないですかね、もう。だってデッドプールについて書くって言っても、

はじめてのデッドプール~日本版~

Deadpool Annual#2紹介+おまけ

 もうこんな感じで、サイトの至る所にデッドプール関係の記事はありますしねえ。なので、改めて書く必要は無いんじゃないかと! 今日久々に出たコットンマウスの話は書いてないですけど、サーペント・ソサエティについては以前書いてますしねえ。今更、コットンマウスだけというのも。というわけで、今日は余程のことがない限りお休みで! 偶にはこういうのも有りということでどうかここは一つ。

 

デッドプール

映画化するといいね

 本名、ウェイド・ウィルソン。彼は一流の傭兵だったが、ある日癌を発症。命の危機に瀕したウェイドは、最後の手段として秘密計画ウェポンXに……この辺りは、正直何度も書くと鬱になるし、ググれ。だいたいさ、マーベルだってちゃんと設定しないないっつーか、バットマンのジョーカー、あのピエロのオリジンレベルの扱いよ? 話の都合で上から下へ。こだわりは首輪とチェーン! それはそれとして、癌は治らなかったものの、ウルヴァリン並みの超回復力ヒーリングファクターや、ウルヴァリン以上の戦闘能力、ウルヴァリンより遥かに高い背を持っていたウェイドはマスクとコスチュームを身にまとい、デッドプールを名乗ることになりました。おしまい。
 え? 短い? 続きはWEBで……ああ、ここWEBか! 毎週ディスクウォーズに登場!ならいいんだけど、子安たるZAZELもアベンジャーズのリーダーたる俺ちゃんも忙しいからねー。日本で今売ってるコミックスとなると、デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウスデッドプール/パニシャー・キルズ・マーベルユニバースデッドプール:スーサイド・キングスの三冊があるね。この本を買えば、輝くステージでいつでも会える! シビルウォーのケーブル&デッドプールもあるけど、アレ限定生産でプレミアついてるので一先ずパス。あとWiiとPS3で出ているマーベル アルティメット アライアンスにも出てるね。俺ちゃ……デッドプール初の日本語化は、ひょっとしたらこのゲームでの出演かな!? 初期プレイアブルキャラなので、スイッチ付けたらすぐ会える! 玄関開けたら2分でデップー! 「英語がわからなくてもヒドい」と評判な、PS3&360で発売なDeadpoolも買ってみてもいいんじゃないかな。OK、OK、プレイ感覚はデビル・メイ・クライやベヨネッタ方面に振り切った感じだから。デッドプールさん自らのチュートリアルもあるから、言葉とかマジ些細よ?
 うーん。最近の友達付き合いとか結婚とか紹介したいんだけど、流石にちょっと気恥ずかしいし言い難いから、一旦スタジオにカメラ返そう。ああ大丈夫、こんなこともあろうかと、クローゼットの奥にしまってある、ホットトイズのウィップラッシュを確保しておいたから、もうめんどいとか嫌とかは言わないつーか言わせねえよ!? じゃあ、ちょっとチェンジ・ウィー・キャン!
 あとさー、今さら言うのもなんだけど、黄色って、目ぇ疲れるよね。

 

 急遽気が変わったので、デッドプールの近況報告を。変わったんだってば。
 最近動物と合体してゴライオンになって必殺くまパンチ!じゃ読んでる人も困るので、もうちっと対象を真面目に絞って。

ゴライオンプール

 マーベルは数年前リスタートシリーズ(設定が0になったわけではなく、あくまで仕切りなおし)のMarvel NOW!シリーズを開始。デッドプールもここで仕切り直しとなり、一時期喪失していたヒーリングファクターも元通りに。ぶっちゃけ、仕切り前の最終回で死んだが「次回から新シリーズなので、そのへん大丈夫だから!」とのライターのコメントどおり、ナウでは普通に生きてたし普通にデッドプールのままだった。
 ナウで与えられた初仕事は、SHIELDからの任務。ゾンビ化して蘇ったアメリカ歴代大統領の抹殺。まっとうなヒーローが行うと大問題(実際、キャプテン・アメリカが倒した時はスキャンダルになってしまった)な仕事を与えられたデッドプールは、大統領をゾンビ化させた“ネクロマンサー”マイケルやSHIELDエージェントのエミリー・プレストン、幽霊として事態の収集に来たベンジャミン・フランクリンと知り合う。

マイケル

エミリー・プレストン

ベンジャミン・フランクリン

 過ちに気づいたマイケルやエミリーと共に、デッドプールはゾンビ大統領軍団を撃破しアメリカを救う。しかし、その途中エミリーが殺害されてしまった。マイケルによるとっさの魔術で、エミリーの意識だけは生存。だがその意識は、デッドプールの脳内に収納されてしまった。

脳内エミリー

 その後、エミリーの意識はデッドプールの脳内から、ニック・フューリーがよく使う機械の身体ライフ・デコイに移植。サイボーグおばちゃんとして、家族の元に帰ることが出来た。エミリーはデッドプールの善き面を知ることにより、家族まるごとデッドプールの友人となる。ロボコップ(デッドプール談)となっただけあって、そこらの吸血鬼は素手でくびり殺せるし、銃火器持ちの戦闘員を相手にしても、そうそうは負けない。マイケルも一度死亡したが、利害の一致したメフィストの力で蘇った結果、魔力は増大した。ついでにフランクリンは、ゾンビ騒動終了後も現界。お姉ちゃんの尻を追いかけたりしながら、結構好き勝手に生きている。

メカエミリー

デッドプール&マイケル&フランクリン

 そんなデッドプールの運命を大きく変えたもの、それはドラキュラからの依頼。ドラキュラはデッドプールに、エジプトより自身の花嫁を連れてくるよう依頼。エジプトに渡ったデッドプールは、夢魔の女王シクラーと対面。シクラーは吸精の力を持っていたが、デッドプールはいくら吸い取ってもピンピンとしていた。自分と付き合える男に興味を持つシクラー、デッドプールもシクラーの美しさにどぎまぎし始める。シクラーを狙う吸血鬼ハンターブレイド、シクラーの存在に興味を持ったヒドラとモードック率いるAIM、訝しむドラキュラより派遣されたウェアウルフ……戦いと旅を重ねる中、二人はお互いに惹かれ合っていく。

ひかれあう二人

 そもそも、シクラーの美しさと血統の良さに惹かれているだけのドラキュラの求愛なんぞシクラーにとってどうでも良い話。二人はドラキュラの本拠地であるニューヨークに乗り込み、ドラキュラ率いる西洋妖怪軍団に戦いを挑む。戦局は明らかにデッドプール不利であったが、囚われていたシクラー支持の妖怪が開放され五分に。更に、シクラーとデッドプールを認めたブレイド、ドラキュラの洗脳が解けたウェアウルフ、途中合流したものの怪我して動物病院に入れられたボブ、ついこの間数コマ出ただけのモブな神父と道中出会った人々の援軍。そしてデッドプールのSOSによりやって来たのは、サンダーボルツ(レッドハルク、パニッシャー、エレクトラ、ゴーストライダー)一同に加え、先のマイケルやフランクリン。援軍による猛攻の前に、次々と倒れるドラキュラ一派。それでもドラキュラは王たる余裕を崩さなかったが、シクラーの発言により、仰天する。

「私、デッドプールと結婚したのよ」

ドラキュラ「え!? マジ!?」

 NTR!?と激昂するドラキュラは、ゴーゴンの首を使いシクラーを石化。駆けつけてきたデッドプールも追い詰めるが、デッドプールの捨て身の奇策により敗北。命からがら逃げ出すが、重症を負った上に権力の大半を喪失。ドラキュラにとって、デッドプールは最大の怨敵となった。つい最近も、スパイダーマン抹殺兵器スパイダースレイヤーをデッドプールスレイヤーに改造し、襲撃を仕掛けてきた。科学と魔術が交錯する時!

デッドプールスレイヤー降臨

 ドラキュラの権力はシクラーに移り、デッドプールとシクラーは正式な結婚式を挙げる。式には、アベンジャーズが参加。結婚式は平和地帯なこともあってか、ウルヴァリン派とサイクロップス派に分かれていたX-MENの両メンバーも平和的に式に参加した。もちろん、エミリーやマイケルにフランクリンやボブ、デッドプールの友人一同も参加。ケーブルももちろん登場。今ケーブル、指名手配犯だった気がするけど。平和地帯!

結婚おめでとうございます

 善悪さだからぬ傭兵も参加したせいで、パニッシャーが乱入して大乱闘なんてことにもなったが、ハルクとシングやヘラクレスといったヒーロー勢も暴れていたのでまあとんとん。多分一番賢かったのは、素顔でこっそり参加していたタスクマスター。平和地帯? 何の話ですか?
「え? 実は10回ぐらいもう結婚してるよ?」と言ったデッドプールの発言や、結婚記念号の表紙がギネス入り等のサプライズも大量にあったが割愛※。
※この辺り丸っと邦訳される気もするのでちとボカさせて頂きます。VSドラキュラ一派も、結構その辺、処理してます。大丈夫、アンケートとか送ればきっとその内どうにかなる。

 遂に結婚し、妻を持ったデッドプール。だが彼は、まだ知らない。自分には、既に娘が居たことを――。

 以上、駆け足で紹介した、デッドプールの最近の友達&結婚周りの話です。娘の話、新たに判明したデッドプールの生物学的特徴はまた今度に。新しい友人が増えたのもそうですが、キャプテン・アメリカやウルヴァリンと言った知り合いも、とある任務をデッドプールと共にこなしたことにより、現在はかなり親しい間柄に。世間的な評判が、一昔前の「良くわからない厄介な奴」から「良くわからないけど悪い奴じゃ無い」に変わった感じですかね。とりあえず、独り身のホークアイが拗ねるぐらいには、今のデッドプールは妻を始めとした家族や友人に恵まれております。

 

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ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その26~

アイアンマン「総集編で出番のなかったビッグ3を連れてきたぞ」

アキラ「三銃士……じゃなくてビッグ3!?」

アイアンマン「サーペントソサエティのキングコブラ」

キングコブラ「序盤じゃレギュラー扱いだったのによお」

アイアンマン「X-MEN創設者、プロフェッサーX」

プロフェッサーX「私は君たちと直接会っていないし、映像記録に残るような出方をしていない以上、仕方ないな」

アイアンマン「以上だ」

サイクロップスさん

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第26話は総集編!
 いやほら、サイクさんX-MENとして名前呼ばれなかったけど、ちょっと出てたしね! アキラの言い方だと、ウルヴァリンが名実ともにトップっぽかったけど! 当サイトは、不屈のミュータントの長、サイクロップスを応援しています。いや、マジで。

 というわけで、今週は今までの戦いを振り返る総集編。回顧するだけではなく、ディスクウォーズのルールである属性についても解説。少年達は、自分の担当以外の属性ディスクはスマッシュできない。知らないと、解説や該当シーンを観ていないとわからないルールです。
思い出や名シーンだけでなく、そこに解説やルールを加える事で、ここから作品を観始めてもOKなのが良い総集編。前者だけだと単なる回顧録ですし、後者のみだとそもそも面白い話に仕立てにくいですしね……。あとおそらく、最も肝心な部分であろうガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー関連のデーターを盗まれなかったことは、ヒーローにとっての利点、今後の伏線になるかと。対戦データーってそもそも、ヴィラン側にもある物ですしねえ。
 そして、TwitterやついっぷるのHOTワードを占拠したのは、アイアンマンでもモードックでもなく「デッドプール」や「デップー」。というわけで、来週はデッドプール回でございます。待ちに待ってた出番が来たぜ! 降臨、満を持して! 予告の時点で「本当に大丈夫か?」言われてるけど、それはコッチのセリフよ!?
公式サイトの予告に載っている「デッドプールに恨みを持つヴィラン達までもが押しかけて来て
」って、一体誰が押しかけてくるというんだ。既にディスクウォーズに出ているヴィランにも、結構な数デッドプールに恨みを抱いているヴィランが居ますしなあ。

タイガーシャーク「蜂の巣にされたわぁ!」

モードック「飛行チェアを盗られて、上空から突き落とされた!」

バロン・ジモ「シチズンⅤ、大破轟沈!」

ドクター・オクトパス「ウェブシューターを奪われて、アイツそのままスパイダーマン気取りで街を跳び回って……いやいや、私ではなく、スパイダーマンがね、愚痴ってたんだ」

クロスボーンズ「ああん? 気球に括りつけられて空飛ばされて、海に落ちて漂流してカモメ食って、そのあとリベンジマッチ挑んだら、ブリーフ一丁にされた上にボコられて、パンツ一丁で連行されたわ! どうだ、俺には勝てねえだろ!?」

ダイヤモンドバック「女傭兵一同で囲んだら、下半身の物全部脱ぎ捨てて、ブランブランさせながら挑発されたことあるんだけど」

一同「「「「優勝!!」」」」

 思い出せる範囲でだけど、ホント、ロクでもないことしかしてねえな、アイツ……。これでいて、タスクマスターや(ヒーローだけど)グレイト・レイクス・アベンジャーズが乗り込んでくる可能性もあり。しっかし、実写映画化決定からディスクウォーズ参戦に邦訳発売。この連続コンボのような流れ、まず間違いなくデッドプールは何か“持って”いますな。タイミングが良すぎるわー。
 今日の紹介は、せっかくの総集編での新撮出演。ずっと裏方としてアベンジャーズを支えてきた、あの人。最も今世間で欲されている情報は赤タイツだろうけど、それは流石に来週ね!?

ペッパー・ポッツ

ペッパー・ポッツ

 本名、ヴァージニア・ポッツ。愛称であるペッパーの由来は、そばかすや赤毛より連想されるものが胡椒だから。ディスクウォーズのペッパーにそばかすは無いが、原作でもあったり無かったりなので、細けえことはいいんだよ!精神でここは一つ。
 元々はスターク・インダストリーの一社員だったが、巨額損失一歩手前だった会計上のミスに気付き、社長であるトニー・スタークに報告。ペッパーの優秀さを認めたトニーは、彼女を個人秘書に昇格させる。同じく、トニーを交通事故から救った元ボクサーのハロルド・ホーガン(ハッピー・ホーガン)も、トニーのお抱え運転手に。トニー、ペッパー、ホーガン、後にアイアンマンを公私共に支える事となる関係性は、ここより始まった。
 トニーは最初、自分がアイアンマンであることを隠していた(名目上アイアンマンは、トニーの私的ボディーガード)が、やがて信頼できる友人となっていたペッパーとホーガンの二人には真実を告白。二人は、陰日向にアイアンマンとトニー・スタークを支えることとなる。ペッパーは最も身近な人間としてトニーのフォローに周り、ホーガンも時にはトニーの代役としてアイアンマンスーツを纏うことになる。
 しかし、ペッパーにとってのトニーは友人でも有り上司でも有り、想い人でもあった。だがトニーは友人より一歩踏み込む事はせず、やがてペッパーはホーガンと結婚する。一度の離婚を経て、ペッパーとホーガンは再婚。関係性や苗字に変化があっても、三人の中には変わらぬ絆があり続けた。

ペッパー&ホーガン

 だがしかし、ヴィランであるスパイマスターがトニーを狙い、人質としてホーガンを誘拐、続けてペッパーも狙う。だがホーガンは、ペッパーを守るため捨て身の奮起。結果、ほぼ相撃ちの形となり、負った傷が元でホーガンは死亡してしまう。
 未亡人となったペッパーだが、その後トニーの最も信頼できる部下として、ヒーローチーム“オーダー”の司令官に就任。情報参謀役であるヘラ(オーダーのモチーフはギリシャの神々)として、活動した。
 やがてペッパーはアイアンマンの戦いに巻き込まれ、重態に。心臓の近くには榴散弾が。トニーは彼女を生かすため、自らと同じ手術をペッパーに施す。サイボーグとなっての復活後、国政に携わっていたトニーの権力が失墜し、ペッパーの身にも危険が迫ったその時、彼女はトニーが設計開発していた新たな力を手にする。アイアンマン・マーク1616。ペッパーの為に創られた非武装アーマー“レスキュー”の装着である。

Rescue_Earth-616

 ペッパーの意向で武装は内蔵されなかったものの、当然ながらスーツとしては高性能。アイアンマンスーツの基礎である身体能力向上や飛行能力は当然装備。加えて高性能なセンサー類や電磁&磁力フィールドの展開、更には後に外されたものの、トニーの執事ジャーヴィスをモデルにした高性能AI『J.A.R.V.I.S』も装備されていた。レスキューの名の通り、救助活動が主なスーツではあるが、トニー・スタークの職人魂とペッパーを大事にする気持ちが込められた逸品である。信頼できる人間が装備する非戦的なスーツ。平和を望むトニーにとって、ある意味作りたいスーツでもあったのかもしれない。
 このように、コミックス、映画、アニメ、そしてディスクウォーズと、ペッパーの立場は作品によって大きく違う。だがしかし、彼女が暴走しやすいトニー・スタークを押しとどめる、大事な善き人であることは、基本何処の世界でも変わらない。

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