ゲーム版アメイジング・スパイダーマン2 収録邦訳全紹介

 ゲーム、アメイジング・スパイダーマン2における収集要素の一つとして、コミックページが有ります。フィールド(NYの街中)に散らばったコミックページは300枚。このページを一定数集めるごとに、コミックスが一冊づつアンロック。アンロックされたコミックスは、ピーターとベンおじさんの昔馴染みの男ことスタンの店で読めるようになります。
※285枚集めた時点で、全冊アンロックを確認。

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 そしてなんとこのコミック、日本発売に際して、全てが邦訳されております。しかも、訳の精度は小プロやヴィレッジが出版する現行の邦訳本にも劣らぬ、ちゃんとした物。冊数も14冊と、これはもう、スパイダーマンの邦訳本が、二冊弱付いていると言っても過言ではなく。

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 先日、ゲーム内で読めるコミックスを全解禁したので、その内訳を紹介します。選出された本は、ゲームに出演しているキャラに縁深いものが主(例:エレクトロ初登場回)なので、ゲーム本編のネタバレ防止も含め、「続きを読む」で一度隠しておきます。大半が、現在未邦訳、このゲームで初めて邦訳されたスパイダーマンコミックスとなっております。エンターブレインのアメコミ邦訳参入ばりに、思わぬところからのアメコミ邦訳畑開梱……。

THE SPECTACULAR Spider-Man #27(2003年)
(ベンおじさんとの対話)
初期状態からアンロックされている一冊。ベンおじさんの墓参りに行ったピーター・パーカーは、幻影として現れたベンおじさんに、近況報告や思い出話、そしてスパイダーマンとして生きることによる日々の不安や死への恐怖を吐露する。

THE Amazing Spider-Man #46(1967年)
(ショッカーの初登場)
キルト記事のコスチュームを身にまとった、振動による衝撃波を操るヴィラン、ショッカーの初登場回。現在ではショッカー=C級悪役レベルの扱いだが、初登場補正もあって、この話では普通に強い。

THE Amazing Spider-Man #15(1964年)
(クレイヴン・ザ・ハンターの初登場)
超人的狩人クレイヴンの初登場回。変幻自在の変装術を使う悪党カメレオンに呼び出されたクレイヴンは、共にスパイダーマンを狙う。初回で既にクレイヴンは狩人らしい技能や戦略眼を持っており、狩人キャラのしてのアピールはこの時点で存分に成されている。
「ゴリラならジャングルで倒したことがある。私に任せろ! 中枢神経をうまく狙って、一撃をお見舞いするだけでいい」(ゴリラにクレイヴンパンチ)

THE Amazing Spider-Man #226(1982年)
(ブラックキャットがスパイダーマンへの愛情を明らかにする)
女怪盗ブラックキャットのスパイダーマンへの告白回。初登場回でないのは、前作アメイジング・スパイダーマン(日本未発売)にて初登場回を収録してしまったため。スタートの時点で「スパイダーマンに思いを告げたら、イカれてると思われて精神病院にぶち込まれて入院中のブラックキャット」の姿から始まるという、超フルスロットル告白回。

THE Amazing Spider-Man #50(1967年)
(キングピンの初登場)
超巨漢のマフィアのボスにしてデアデビルの宿敵でもある、キングピン初登場回。でもこの話は、スパイダーマンがタイツとアイデンティティを捨てる「スパイダーマン ノーモア!」(さらばスパイダーマン)として有名。ベスト・オブ・スパイダーマンにも、収録されてます。スパイダーマンの引退から復活に、一喜一憂するジェイ・ジョナ・ジェイムソンの姿は必見。このゲームの収録作、かのスタン・リーがライターやってる作品が結構入っているのですが、JJJとピーター・パーカーの愉快な言葉のデッドボールの投げ合い+不遇な目に合う度に「ヒューマン・トーチならこんな目に合わないだろうに」と愚痴るピーターが鉄板レベルのネタに。ああもう、楽しいなあコイツら!

THE Amazing Spider-Man #9(1963年)
(エレクトロの初登場)
映画のメインヴィランとなった電気人間エレクトロの初登場回。初登場回でやろうとした悪事、刑務所からの囚人開放が、後に彼が行う大悪事を彷彿とさせる。この回で、ピーターは初のガールフレンドと言われるデイリービューグルの秘書、ベティ・ブランドと良い仲になる。最も、前述の#15(クレイヴン初登場回)に、険悪になる瞬間が載っているのだが。収録作のタイミングがかっちりあった結果、このゲームの収録作では、グゥエンやMJ並に、ベティのヒロインとしての姿が描かれている。

THE Amazing Spider-Man #136 #137(1974年)
(ハリー・オズボーンがグリーン・ゴブリンになる)
ノーマン・オズボーンの後を、息子であるハリーが引き継いでしまった回。ニュー・ゴブリンとなった彼は、スパイダーマンの心を揺さぶるため、MJやメイおばさんを巻き込んだ作戦を立てる。既にハリーは、スパイダーマンの正体が親友であるピーター・パーカーだった事を知っていたのだ。圧倒的不利な状況に、決して逃げ出さないヒーローは立ち向かう。

THE Amazing Spider-Man #361(1992年)
(カーネイジの初登場)
スパイダーマン史上、最大の残虐性と狂気を持ったヴィラン、カーネイジの初登場回。スパイダーマンのライバルである共生体シンビオートと共生する男ヴェノム。彼から分離したシンビオートは、殺人鬼クレタス・キャサディと融合し、新たなヴィラン、カーネイジとなってしまう。カーネイジの実力と狂気に危機を覚えたスパイダーマンは、好敵手との共闘を考え始める。あくまで個人的な雑感なものの……初登場時のキャサディの尖り気味の鼻と流線型の顔立ちは、某ゴッサムの道化師にやけに似ている。

Ultimate Spider-Man #8~#12(2001年)
(ピーターの成長)
最後は四冊セットの中編、マーベルユニバースを元に1から世界を作りなおした、アルティメットユニバースのスパイダーマン。正史よりも若々しいピーター・パーカーは、強敵キングピンと相対することで敗北と挫折を学び、決して逃げない意志により勝利と復活を手にする。前述の初登場回以上のキングピンフューチャリング回。配下として、仕事人三人衆エンフォーサーズ、そしてエレクトロも登場しており、四話セットにするだけの読み応えは十分にある。なおこの作品自体は、嘗て新潮社より刊行されたアメコミ新潮において、邦訳済みだったり。でももう絶版なので、こうして読めることは実にありがたく。アルティメットも、いいなあ。