日々雑談~5836~
ここでムーンサルトプレスを出せば、大会の話題も一面も全て持っていけるという確信。試合に負けても、大会を自分色に染め上げてみせた武藤の嗅覚と踏ん切りはやっぱスゲエな……。https://t.co/0uqLFTo67a
— 藤井三打 (@nikuzousui) June 7, 2021
先日おこなわれた、プロレス四団体合同興行サイバーファイトフェスティバル。DDTやノアの選手たちが話題を提供する中、頭一つ抜けた話題性を作ってみせたのが、武藤敬司。膝を人工関節に入れ替えてから出来なくなったはずのムーンサルトプレスをついに解禁。当人は負けてベルトを落としたものの、話題性や一面ではまず勝者。今、ネットやSNS慣れしたレスラーも増えてきているけど、この武藤の自分を輝かせる才能はネット社会でも十分通じるスキルだな……。プロレスラーと言えば、他人を光らせてナンボなイメージがあるけど、武藤の場合は自分の光を相手に反射させてリングを照らすって感じだからなあ。あくまで光るのは自分。
そして、こうして大試合でムーンサルトプレスを披露したことで、武藤のムーンサルトプレスのフリは「出せないのに出そうとする」から「いざという時は出す」に変わったわけで。ここ最近は出そうとして出せないムーブが続いてたけど、これも数をこなせば鮮度が落ちて、やがて歓声もブーイングに変わるわけで。もう出来ないのに、やるふりをずっとするってのもアレなわけで。
でも実際こうしてムーンサルトプレスを出したことで、やるのか!? マジでやるんじゃないか!?という緊張感の付与に成功。もうこれで、一生ムーンサルトプレスを出さなくても、フリだけで客席がずっと盛り上がるって感じじゃないかな。やるのなら、ここしかない!ってタイミングでカードを切ってみせた報酬はデカいよ。
もっとも、今の武藤の膝の状態でムーンサルトプレスをやるってのは、純粋たる無茶なんですけどね。本来ならばやってはいけないことを、やるべきタイミングでやってみせた。だからこそ、効果も意味もあったものの、リスクもまず間違いなくあった。武藤敬司は、やはりプロレスラー。そうとしか言いようのない、大会場での輝きでした。