日々雑談~1848~

 マンダリンって、イメチェンはともかくアップグレード自体は大人しめなのに、遂にMk50まで達したアイアンマンに食らいついたって意味じゃ超頑張ってるよな……。最初マンダリンと戦った頃のアイアンマンはMk3、トレードマークである赤と金を初めて取り入れた機体だぜ? つーかアイアンマンは、本人のアップグレードの速度の方がヴィランより上行ってる気がする。

 最終回直前なディスクウォーズの勢いそのままに、コミスペ新刊の山場を迎えております。詳細は後日明らかにしますが、バチ魂には出ているもののアニメ本編には出れなかったキャラ一人と、バチ魂にも参加していないキャラ三人、総計四人のマーベルキャラをディスクウォーズ世界に適すようなアレンジを加え、登場させております。
 重要度が比較的低い二人の台詞を抜き出してみると、こんな感じです。

「見たかこのパワー! この硬度! アイアンなど、所詮は鉄屑。最強最硬、それはチタニュゥゥゥゥム!」

「スピスピスピードッ! ああトロい、世界はトロくてしかたねえ! スピードは愛! スピードは情熱!」

 分かる人には、誰だか分かってしまったような気がする。特に前者。タイトルと表紙とメインテーマは近日公開しますので、しばしお待ちください。
 さて、詰めの作業をやるだけやったら寝るか……。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その50~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ、50話。
 最終決戦開幕! 押し寄せる悪意、思いもよらぬ結末とは!

 大火力のウォーマシン。空を駆けまわるファルコンとノバ。久々のタッグで名を売ろうとするパワーマン&アイアンフィスト。ビブラニウムを誇るブラックパンサー。ハンク・ピムの知力と戦力としてのジャイアントマンの両立。光の結界でヘリキャリアーを包むドクター・ストレンジ。我らセカンドヒーロー、ここにあり!
 欠席期間が長かったウォーマシンやドクター・ストレンジだけでなく、他のヒーロー達の設定も補完。パワーマンとアイアンフィストと言えば、名を売らなければ食っていけねえ雇われヒーローチーム、ヒーローズ・フォー・ハイヤー! ワガンダ原産な不思議金属ビブラニウムをスーツにたんまり使っているのは、世界最高のビブラニウムの権威ブラックパンサー! 登場回や話の都合で入れられなかった設定を、話を壊すこと無くさらりと挿入。夕方6時半のアニメとしては、やはりこれぐらいのバランス感覚がベストなのではとは思うのですよ。程よいこだわりは元ネタへの敬意でもあり、くすぐられる物です。

 レッド・スカル、ウルトロン、ドルマムゥ……ディスクウォーズに出た大物ヴィランだけでなく、未出演の大物を含め比較してみても、このクラスで他人に腰を低くすることが出来るのはロキ様ぐらいだと思うのですよ。ひとまず同盟を組めたり、絶対的な力に従うヴィランは多いですが、「本気で従っているのかどうか分からず、黒幕どころか読者や視聴者ですら見抜ききれない」程、幅広く上手く従うことが出来るヴィランの極地ではないかと。本気で裏切らなかったり、あまりの自体にヒーロー側に転がる事もありますしねえ。
 ちなみに、腰が低いと言うのは貶し言葉ではなく、褒め言葉です。自分が嘘を付く存在であり、他人に従える存在であることの自覚って、これ一つの武器ですよ。まあロキの場合、自分が絶対的に優れている者であると確信しているからこそ、神でありながら他人の靴を舐めにかかれるワケですが。もう少しマシな理由で辛酸を嘗める事が出来るなら、ロキの不屈さと根気は、下手すりゃアベンジャーズ以上の主人公適正だろうに。

 ロキ様、人を騙す事への自覚はあっても、自分が騙される事には慣れてねえというか想定外なんだよ! そして、アキラ達はほぼ一年ロキとやり合うことで対ロキのエキスパートになっているというね! なんでお前、アイアンマンスーツしっかり着込んでるねん! 「卑怯者め!」小物の特大ブーメランか!という笑いどころはさておいて、真面目に考察すると……ロキの虚言は、相手が多数であればあるほど機能するので、組織であるSHIELDはむしろ得意な相手。かと言って、一人なら一人で、周りから孤立させられるハメになる。つまり、ロキのやり口を全員知っている上に、揺らがぬほどの信頼関係がある少人数の集団が対ロキには最良であり。うむ、アキラ達、完璧な対ロキ特化チームだ。つーかSHIELDって、ロキが属する魔法関係にゃあハナから弱いからなあ。それは、別部署の担当だ。
 しかし今回、本人なんもしてないどころかむしろ頑張っているのに「口出ししてきて邪魔」「絶対負けを認めない」「むしろテーブルをひっくり返す」と、トニー・スタークの株が落ちてきているのはなんでだろう。これはアレか、先週上げた株価が純正価格に戻ろうとしているだけか(酷

 お前ら、待たせたな! 現れたのはミラノ号、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー再登場! えーと、確か30回ばかし宇宙でダンスバトルしてきたとかどうとか……。頼れる援軍とヒーロー達の総力により、ダークディメンションを封じ、ドルマムゥを引きずり出すことにも成功! よし、次回最終回への布石は打たれた……からのロキ様下克上! まさかのラスボス化! ええ、リアルタイムでTwitterの実況を聞いていましたが「まさか!」「ロキやりやがったな!」とTLが驚愕まみれでしたね。一度ボスを務めていたこともありラスボス化は予想していなかった、見え隠れしていたドルマムゥへの不満も最後の最後で裏切ってヒーロー側に加勢する布石だと思われていたのではないでしょうか? ついに来週はディスクウォーズ最終回、小物の花道、最終決戦から目が放せませぬ。「勝ち目キター!」「あれ? ロキラスボス? 勝てるんじゃね」みたいな呟きもTLで乱舞していたのは内緒だ!

 今日の紹介は、マンダリンで。いや今回出てないじゃんとお思いでしょうが、既に最終回の紹介キャラは内定済み。今回の話は、基本新キャラ居なかったよね!?ということで自由枠状態。というわけで、今まで紹介していなかったキャラからマンダリンを選択。登場回をノバの紹介に使ってしまった結果、触れてなかったんですよねー……。
 そしてマンダリンの紹介を全文書いて、見直す段階で「あれ? 今日登場してセカンドヒーローなウォーマシンも書いたことなくない?」と気づくオチ。ええい、今日はもうマンダリンで行くぞ!

マンダリン

マンダリンⅡ

 かつて、中華人民共和国にて巻き起こった粛清と破壊の嵐こと文化大革命。様々な人々が財産や命を奪われる中、とある過程の男児もまた、裕福な家庭に産まれながら全てを失ってしまった。行くあてもなく彷徨い成長した彼が辿り着いたのは、龍が棲まうと言われる深遠の秘境、精霊の谷であった。秘境に足を踏み入れた彼が見つけたのは、壊れた宇宙船。この地に住むと言われていた龍の正体は異星人マクルアン人、フィン・ファン・フームとその仲間たちであった。男は宇宙船よりマクルアン人の超科学を回収、その中でも最も不可思議な能力を持つ10の指輪。一つだけでも所有者に多大な能力を与える指輪を、全て自身で装着してしまう。
 謎の科学と10の特殊能力を持つ、自称チンギス・ハーン直系の子孫、怪人マンダリンが中国だけでなく、世界をも脅かすようになるのはその後の事である。中国で勢力を伸ばしつつ、テロリストを支援することで世界各地に食指を動かす。やがて優れたテクノロジーを持つ最強の男が、世界を征する。マンダリンの夢想を打ち砕いたのは、東洋でなく西欧の男。自身に負けぬテクノロジーを独力で開発した鉄の男、アイアンマンであった。

マンダリン 初登場

 トニー・スタークは、戦場にてテロにあうことにより武器商人たる自身の過ちを反省、正義のヒーローであるアイアンマンとしての活動を始めることになるが、実はこのテロリストの支援者はマンダリンであった。彼の野望を打ち砕いたのは、自身の策略が遠因だったのだ。マンダリンは以後、精霊の谷を本拠地とし、アイアンマンやアベンジャーズとの戦いを繰り広げることとなる。
 マンダリンが装備した指輪が彼から外れることは無かったが、死亡したと目されていた一時期はマンダリンの両手を切り落とすことにより、非嫡出子の息子テムジンが継承。テムジンもやがて自身の指に指輪をはめるが、テムジンの手もまた切り落とされてしまった。指輪は復活したマンダリンが回収。バイオアームで両手を取り戻すが、なんと彼は指輪を脊椎に融合させてしまう。

マンダリンⅠ

 指輪を体内に仕舞いこんだマンダリンは、憎きアイアンマンと再度対決するが敗北。指輪を引きぬかれ、結局元の形に戻ってしまう。その後も戦いは続き、再びマンダリンは死亡したが、今度は指輪を継承した10人の能力者、マンダリン10が出現。アイアンマンを別の形で苦しめることとなる。

 マンダリンの能力は、それぞれが能力者を作り出すほどの、10の指輪にある。以下がその能力の内訳である。

 絶対零度氷の力。アイスビームを発することが出来る。
 暗闇の力により、辺りを暗黒で包み込む。
 精神操作。他人の心をテレパシーで操る。
 分解光線で物質を原子レベルで崩壊させる。
 電撃を放ち、放電することも出来る。
 風の力。敵を吹き飛ばすだけでなく、自身の飛行も可能。
 火炎放射。その温度は、鉄をも溶かす。
 音波や電磁波、波のつく物なら大抵変換できる衝撃波。
 白熱の力と呼ばれるビームを放つ事が出来る。
 分子操作。形を変えるまでには至らないが、分子より物体を変質変換出来る。

 どの能力も、一つで天下が取れそうな能力である。マンダリンは瞑想や修行で、リングの効果を最大限発揮できるように鍛えており、孫子を始めとした兵法を熟知。超人には及ばないものの、武道家としても一線級である。なお、超硬度を持つ指輪つきパンチの威力は特殊能力として筆記されることもあるぐらいに強い。指輪の都合でパンチ攻撃を控えていた仮面ライダーもいるんですよ!?
 ここまで使っていた画像やディスクウォーズのマンダリンを見ていて気づいている人もいるだろうが、実はマンダリンの外見はアイアンマンスーツのアップグレード並にコロコロ変わっている。
 まずはフー・マンチューを連想させる妖しき東洋人デザイン。

初期マンダリン

東洋の怪人マンダリン

 近年のアニメでは、アイアンマンとの対立構造をくっきりさせるためもあってか、フルアーマーとしての洗練された姿を見せる機会も多い。

アニメ仕様マンダリン

 これに加え、上記のスーツ着用や武道家らしい上半身裸の姿。中国伝来の鎧を付けた姿などもある。鎧に関しては、一時期恐ろしく攻め気な時期もあったが。

マンダリン(攻めすぎ

 かの映画アイアンマンにも第一作のヴィラン候補として名前が挙がっていたが、いきなり魔術魔法の域に達しているヴィランというのは世界観的にどうなんだろうか?という事もあり、お蔵入りに。ただし、テロリストとしてテン・リングス(10の指輪)が登場。トニー・スタークを捕縛したテン・リングスの構成員は、前述したテムジンに似た男であった。
 映画アイアンマンへのマンダリン登場は、魔術魔法もある神の映画マイティ・ソーとアベンジャーズを経由したアイアンマン3まで待つことになる。

劇場版マンダリン

 テン・リングスの首領として満を持して世界に宣戦布告をしたマンダリンだが、その正体はある意味とんでもない物であった。総集合映画はともかく、アイアンマンの映画に魔術魔法を持ち込むのはやはり難しかったのか、それとも全力で逆手に取ってくれたのか。余談ではあるが、ゲームレゴマーベルにて原作版のマンダリンと映画版のマンダリンがプレイアブルキャラとして同時に参戦。原作版は多彩な能力を持っているが、映画版はメイおばさんと並ぶ無能力者と、たんなるイメチェンでは終わらない分かっている仕様である。
 未だに本名すら分からない、謎の男マンダリン。ただ、自身がチンギス・ハーンの末裔であり、元々高貴な出自であることは普段より吹聴している。だがしかし、マンダリンの自伝映画を(無理やり)作るよう依頼された映画関係者が矛盾に気づき調べた所、阿片や魔窟に売春婦と言った、刺激的な単語が散乱する出自が浮き出てきてしまった。どうもマンダリンは自身に精神操作の指輪を使うことで、過去の記憶を塗り替えてしまったらしい。強大な力を持つヴィランの、人間らしい弱さを感じさせる逸話である。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その34~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第34話。
 新キャラ目白押し、新章開始はロケットスタート!

 過去の象徴たる大敵レッド・スカルとの激戦が終わり、アベンジャーズと少年たちが見るのは未来に。アカツキ博士の救出、そしてディスクの回収。ディメンションスフィアという新たなサンプルを手にしたアイアンマンは、切るのに躊躇していた切り札、天才科学者ハンク・ピムに協力を要請する! ええ、遂に出ましたハンク・ピム。ディスクウォーズのピムは、ピントがずれ気味のある意味らしいとも言える学者キャラ。色々な作品にピムはいますが、今回は変人なので、分かりやすくまだ救いがある方じゃないかと。ピムは結構やらかすタイプのキャラですが、ヒーローとしての重圧によるミスや、荒れた心による暴走と、やらかしの原因が誰でも持っている心の弱さや暗黒面に起因していて、よくよく考えてみると痛ましい感じで。悪い人間ではないものの、決定的なミスやピントのずれた事をしてしまうという観点なら、このピムもちゃんと原作要素を汲み取ったものなのかなと。しかし、ディスクウォーズのワスプは所謂女子力高めなお姉さキャラだけど……このピムと付き合いがあったなら、そりゃ色々鍛え込まれるよなあ……。

 ソーの義弟ロキ、キャプテン・アメリカの宿敵レッド・スカル。続く巨悪は、アイアンマンの大敵、マンダリン! 10の指輪を持つ男、テンリングスとして、火炎や冷凍といった10の力の一端を披露。策謀を好むロキや暗躍を持ってして超人の域へ辿り着いたレッド・スカルとは若干違うタイプな、正統派のボスキャラ。かと言って策略暗躍が不得手なキャラではないので、今後の動向はまた多彩。チンギス・ハーンの子孫が打つ今後の一手とは!
 ディスクウォーズに際して、中華の怪人マンダリンがメカメカしくなった!というイメージが見受けられますが、実のところ既にマンダリンは、先行のアニメ、アイアンマン・ジ・アドベンチャーズにてアイアンマンのライバルらしい、ディスクウォーズの源流となる容貌となっております。

マンダリン(アイアンマン・ジ・アドベンチャーズ)

 つまり、この路線を一層強めて、日本の成分を若干取り入れた結果がディスクウォーズのマンダリンですね。まあ、マンダリンに関しましては、正直アイアンマン3というとてつもねえ大アレンジがありますからね! いやアレは、劇場で見てビックリしたわ……。

 公式サイトで言及されていたハンク・ピム、10の指輪が予告で映しだされていたマンダリン。そんな二人を隠れ蓑にして、大半の視聴者に正体を隠しつつ、ここまで来たのが新人アベンジャーズであるノバことサム! またはノバではなくノヴァ!
 ノバ自体は過去の活躍でそれなりに知られていた上にマブカプ3にも参戦したヒーローですが、代替わりがあったという情報がなければ、おそらくノバを知っていてもサムと繋げられなかったかなと。サムが登場しノバになったのって、去年とか一昨年の話ですからね。ディスクウォーズに出たマーベルキャラの内、おそらく最も登場が新しいキャラです。サムが2010年代、おそらく時点が2000年代のサージ(ノリコ)、次が90年代のデッドプール。いやもう、アメコミキャラって長寿だ。なお、「Marvel Sam」で検索すると、一番最初に出てくるのはこの人です。
 なお自分の場合、サムの顔に見覚えがあったので「あー、アイツか!」と思い当たることが出来ました。原作のサムに比べディスクウォーズのサムは若干年が上に見えますが、髪型を始めとした原作のサムの雰囲気は出ていたと思います。そういえば、予告で見せた速さからサム=クイックシルバーな説も出てましたが、クイックシルバーは本名ピエトロですしね。あと、指輪を付けた悪役としてサノスの名も。サノスと言えばジェムですが、アレは指輪ではなくガントレットなので。あと、両手につけるほどの数はありません。

サム

 というわけで、今日の紹介は正体隠しGJ!なサムこと宇宙の戦士ノバで!
 今日出た三人は誰もが今後出そうな感じだけど、GJ補正でまずはノバ!
 なおハンク・ピムに関しては複数紹介記事を書いてるので、ぶっちゃけもういいんじゃないかな?というのもあり。いやまあ、機会あれば改めてやりますけどね!

ノバ(ノヴァ)

ノバ(サミュエル・アレキサンダー)

 異星種族ザンダー星人の私軍として結成された組織、ノバ・コーズ。最初は自国の防衛、他の惑星の調査等が主な任務であったが、後に様々な星でスカウトを開始。組織のメンバーは多様化し、拡大。やがてその任務は、銀河の治安維持へと拡大していく。ノバに選出された者は、多大な星の力を授かり、助けを求める声に応じ、宇宙を飛び回る。宇宙の平和を守る組織としては、ウルトラマンやウルトラセブンが属する宇宙警備隊やDCコミックスのヒーロー、グリーン・ランタンらがメンバーを務めるグリーン・ランタン・コァに類似している。
 ノバ・コーズの隊長(階級:センチュリオン)であるローマン・デイは致命傷を負い、末期寸前、その場に居た地球人の高校生。リチャード・ライダーに能力を託す。ノバ・コーズの一員としての力を手に入れたリチャードは、ノバと名乗りスーパーヒーローとなる。後にリチャードは正式なノバ・コーズの一員となるが、このスーパーヒーロー時代の結果、地球におけるノバの意味は、リチャード個人を指し示していた。なお、マブカプ3に参戦したノバも、このリチャードである。

ノバ(リチャード・ライダー)

 ノバとなったリチャードは、ノバ・コーズの一員として、地球で加入した若手ヒーローチームのニューウォリアーズのメンバーとして、奮闘を重ねつつ成長。遂には、前任者でありセンチュリオンであるローマン・ディより上の階級、ザンダー星の力を全て授かることが出来、強大な火力と不死寸前の再生能力を持つノバ・プライムに認定される。ノバ・コーズの全滅によりメンバー全ての力を集めた結果の強大なパワーアップと新生ノバ・コーズの設立、かのスターロードと組んでの侵略者への一大抵抗軍結成と、宇宙に名を馳せる英雄となっていくリチャード。だがしかし、激戦の末、リチャードは戦死。結果地球からも宇宙からも、ノバの名は消えようとしていた。
 リチャードが死亡同然の行方不明になってからしばらく後、地球にはリチャードとは別のノバであった男が居た。ただし自称、ただし冴えない中年、ただし飲んだくれ。息子のサミュエル・アレキサンダー、縮めてサムですら信じていない、ヨッパライの戯言。そんな父が行方不明となり、探しに行こうとしたサムは謎のヘルメットと出会い、そのまま頭部を打つ不詳。入院し眠るサムを起こしたのは、謎の獰猛な喋るアライグマとブラジリアン水着なコスチュームの美女。

アライグマの導き

 ノバを知る銀河のヒーローであり、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの一員ともなる、ロケットラクーンにガモーラ。二人の来訪と証言により、サムは自分の父が、本当にノバであったことを知る。謎のヘルメットを被ったサムはノバ・コーズとしての能力に覚醒、ラクーンに訓練を受けた後、新たなノバを名乗ることになった。

ノバ新生

 サムの性格は、良くも悪くも“若い”。物おじしない点やノバとしての力を扱うだけのセンスはあるものの、能力を誇示し天狗になったり、大仰に自らを語ってしまったりと、まだ色々危なっかしい。行方不明の父親の追跡、ノバ・コーズの生き残りとの接触、宇宙的な危機との対峙。苦難様々であるが、息子がノバであることを知った母親や周りからかかるプレッシャーに耐えつつ、ただの一学生から最高位のノバへと成長したリチャードの背を、必死に追い続けている。
 ただ、いくら自分の功績をでっかく語る必要があったとはいえ、「NYで戦っていたX-MENやアベンジャーズを軽く押しのけて、ムジョルニアを拾ってドクター・ドゥームをあっさりKO!」は盛り過ぎな感じ。正直、ディスクウォーズのサムは原作のサムに比べ、主に頭脳面にブーストがかかってる。

「いやマジ、ドゥームとか楽勝だったから」

 ノバとしての共通の能力は、まず超人的な体力と耐久力と力。殆どのダメージを軽減し、体一つで宇宙にいられる生存力。ノバは20トン程度の鉄を持ち上げることが出来るため、つまり一説に10トンほどの鉄を持ち上げられるスパイダーマンの二倍近い腕力となる。またヘルメットには万能翻訳機能がついており、大抵の宇宙人と会話ができる。そしてノバと言えば、コズミックエネルギーであるステラ・ファイアーの使用。ヒューマン・ロケットとあだ名される通り、ノバはステラ・ファイヤーを噴射し、銀河を飛び回る。
 サム固有の能力として軽く物を動かせる念動力の存在があるが、ノバとしての実力はリチャードの方が上である。何故なら、リチャードは前述した通り最上階級ノバ・プライムに認定されており、星の力を自由に行使することが出来、なおかつ最終的に、複数人に与えられるノバの力を全て自分の物にしている。この時のリチャードの実力は、宇宙魔神ギャラクタスやミュータントの悪夢オンスロートのような強大な存在、コズミックビーイングにも匹敵していた。
 なお、ノバ・コーズが無いため、サムは階級の枠組みに入っていないが、力の行使度合いから見て、最上階級の一個下、リチャードに力を授けたローマン・デイが属していたセンチュリオンクラスとの見立てがある。プライムは一人であるが、センチュリオンも数は少ない。この下に、まだ幾つもの階級があることを考えると、すでにこの域に達しているサムの才能は、並み大抵の物ではない。
 余談ではあるが、宇宙に居る都合上、ノバは宇宙的脅威に発見遭遇し、地球へのメッセンジャー的役割を担うことがある。リチャードだけでなくサムもその役割を担うこととなり、宇宙の彼方で不死鳥の形とした脅威と出会ったサムは、大怪我をして地球に墜落する。サムが目撃したフェニックスをきっかけとし、ミュータントとミュータント以外、二つのヒーローチーム同士、フェニックスに絶望を持つものと希望を見出したもの。マーベルに欠かせぬAとX、両者の戦いが始まるのはしばし後の事である。

AvsXは、ここより始まる