日々雑談~2250~

「そういやさー、DCコミックスにはナチス・ドイツが天下を取った世界があったな。アース10って言うんだけど」

「どんな流れで?」

「隕石型ロケットに乗ってやって来た赤ん坊のスーパーマンを、ナチス・ドイツが回収した。この世界だと、スーパーマンじゃなくて、オーバーマンと名乗ってる」

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「ドイツって言うか、シベリアっぽい名前だな。シベ鉄とか、エクソダスとか……」

「ソ連が天下を取りそうだったアースは、アース30だな」

「……どんな流れで?」

「隕石型ロケットに乗ってやって来た赤ん坊のスーパーマンを、ソビエトが回収した。スーパーマン:レッド・サンだな」

「スーパーマンを手にしたものは天下を取る。伏龍と鳳雛のセットよりすげえな」

「いやむしろ、そんなスーパーマンを拾いつつも野心を抱かず、ただ善き人間に育てたケントさん家がすげえよ」

 余所の世界でスーパーマンがはっちゃければはっちゃけるほど株が上がる、スーパーマンの育ての親こと、ジョナサン&マーサのケント夫妻。

 

 こりゃあ、えらく面白い企画じゃないか?

 アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマン、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーからお題を選んだ上での漫画賞。プロでも応募可能と、応募資格はフリーパス。報酬も上等と、応募要項だけで人材発掘への気合の入れ方が伝わってくるぜ。

 おそらく、求められるのはアメコミへの知識ではなく、キャラクターを使っての発想力や漫画家としての基本スキル。要は、お題に沿って面白い作品が作れるかどうかという、他の漫画賞とあまり変わらぬ資質ではないでしょうか。向こうとしてはクイズ王を探しているのではなく、漫画家やクリエーターを探しているわけで。事前の知識も英語力もあったほうがいいでしょうけど、おそらく肝心なのは作家としての実力です。

 この賞、漫画と違うアメコミだから……と臆さず、色々な人に挑んで欲しいですね。だいいち初めてだから、向こうが本格的に何を欲しているのかはわからない。俺の予想がすっかり外れて、別路線の人材を求めているのかもしれない。とりあえずやってみないとわからんし、なあに上手く行けば面白いことになるぞ! 

 いやー俺も、漫画描ければなあ……一応、小説とはいえ、幾つか「キャプテン・アメリカが日本で誕生していたら?」系のIFで別バースなネタは考えているので、早めに消化しておいた方がよさそうですね。被ったらマズいし。マガジンという媒体に、観て分かる報酬の良さ。色々な所から様々な人が集まり、今後の日本におけるマーベルだけでなく、アメコミ全体を引き上げてくれるような未知の人材が見つかるといいな!

日々雑談~2109~

 地上波マン・オブ・スティール、予想通りガッツリ削っていたものの、それがテンポの良さになっていたので、満足。やはりスーパーマンとゾッド将軍の「スーパーマンを実写化したらこうだよなあ!」なアクションは最高だし、宇宙人の少年が鋼鉄の男スーパーマンになるまでのストーリーラインもはじまりの物語というテーマに合致していて良し。
 スーパーマン熱が再燃したので、今ちょっと手元にある本を読んでおります。DCコミックスの看板だけあって、作品の水準は高めな上、輸入するにあたって選別された結果、邦訳でスーパーマンがタイトルに入っている本は、全部イケるって!という無茶な進め方が出来る状態に。他の本と収録タイトルが被っている本作品の収録の仕方が変則的な本もあるので、この辺りだけ、ちょっとだけ要注意で。
 そうですね、マン・オブ・スティール寄りの作品はクラーク・ケントがスーパーマンになるまでを描いたスーパーマン:アースワンや、極上のVSゾッド将軍が楽しめるスーパーマン:ラスト・サン辺りでしょうか。
 個人的な好みで言うなら、ソ連に落ちたカル=エルことスーパーマン:レッド・サンやヒーロー物らしからぬ柔らかな風味を持つスーパーマン・フォー・オールシーズン もオススメです。スーパーマンの最終回であるアラン・ムーアのスーパーマン:ザ・ラスト・エピソードもこれはヒーロー物の最終回の教科書にすべき!な作品なのですが、ちょっとプレミアついてる状態でして……うーむ、こうやって思い返してみて、改めて思う。スーパーマンの邦訳、ホントにハズレが無いなあ。