日々雑談~5653~

 作業用に流していた有田と週刊プロレスとが『天龍源一郎、馬場に初フォール勝ち!』回(シーズン3 エピソード7)。ものすごくざっくり説明すると、当時ブームだった前田日明率いる第二次UWFの東京ドーム大会、その同日におこなわれた全日本プロレスの興行にて天龍源一郎がジャイアント馬場にフォール勝ちした件です。この時の天龍のコメントである「今日の勝利はドームより重い」は名言となり、このフォール勝ちが後に「ジャイアント馬場とアントニオ猪木の二人にフォール勝ちした唯一のレスラー」の称号に繋がることになります。

 いやしかし、この時期の馬場さんは既にご隠居ポジの大御所“馬場さん”に近い状態。天龍はそんな馬場さんに、シンプルな危険技パワーボムでフォール勝ち。有田と週刊プロレスとでも「やっていいんですか!?」といじられてましたが、個人的見解としてはいいんじゃないかと。だって、フォール負けしたはずなのに、試合後の馬場さん、超上機嫌ですし。かつて鉄人ルー・テーズと試合した際、自分が攻めたシーンよりも、テーズの必殺技であるバックドロップを見事に受けてみせたシーンを誇っていたように、馬場さんが重要視するのは受け。天龍のパワーボムが炸裂したシーンで見せている馬場さんの受けも、実に見事。技が上手いというより無骨な天龍、そして巨人体型の馬場さん。この状況下で見事に受けてみせた以上、それはもうピンフォール負けしつつの勝ちでしょ。

 馬場さんは徐々に全日本プロレスの第一線から退いていくものの、時折やらなければいけない状況で垣間見せる顔はやはり一流。そしてやり遂げた後には、やってみせたという自負がある。この秘めたナイフを研ぎ続けている感じ、ラスボスというより、裏ボスっぽいよな。