デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド プチレビュー

 ここ最近、どうにも忙しくて、アメコミ邦訳の新刊を確認していなかったけど、今月からしばらく中々勢いがいいねえ……。というわけで、自分用のメモも含めて、発売予定な作品を軽く紹介。切り込み役は、未来&お喋りが手を組んだ、伝説の傭兵コンビだ!

 

デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド

 ケーブル&デッドプールって知ってるかい? 昔、Marvelでイキに暴れまわってたって言うぜ。今も世の中荒れ放題、ボヤボヤしてると後ろからバッサリだ!
 いや、昔はケーブル&デッドプールだったんですが、デッドプールさんの人気が上がったことと、おそらく旧作との差別化から、順番が入れ替わってのデッドプール&ケーブルに。ワーオ、シビア。

 このスプリット・セカンドは近年の作品でして、元祖ケーブル&デッドプールから派手なアクション! 人が死ぬ! タイムトンネル ジュオンジュオンジュオン!なトコを継承しつつ、ちと味わいの違う作品に。その主な理由は、きっとデッドプールのキャラチェンジ。

 デッドプールは様々なライターやアーティストが冒険心をぶち込んだ結果、とんでもないことになったキャラなのですが、ケーブル&デッドプールの頃はまだ発展途上。まだ、チミチャンガへの愛着もハッキリ持っていない時期。なので、ケーブル&デッドプールの頃のデッドプールと今のデッドプールのキャラは若干違うわけです。デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンドのデッドプールは、最新モデルのデッドプールとしてケーブルと組むわけで、そりゃあちょっと違いが出ちゃうよねと。

 かつて名を馳せた伝説の名車のリバイバルでありながら、今時の流行を熟知し、最新の技術や部品を使うことで非常に乗りやすくなっている車。それが、デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド。ライターはデッドプールの生みの親の一人であるファビアン・ニシーザ氏。アーティストはケーブル&デッドプールの後期から長年デッドプールに関わり続け、最近ではデッドプール:ドラキュラズ・ガントレットも担当した、ベテランのデッドプールアーティストことライリー・ブラウン氏。デッドプールを知り尽くした達人が作った新たな名車の乗り心地を、とくと味わいやがれ!

日々雑談~2177~

 最近、衝動的にシャドウバースマッスルショットを始めた結果、ソーシャルゲームが混戦状態。ログインボーナスすらめんどいし、そもそもスルッと忘れる。ゲームに縛られてもしゃあないし、ここは幾つかもう放置を決め込むべきか。

 しかし、基本無料のソーシャルゲームも日進月歩で進化してますね。シャドウバースに至っては、通信対戦可能で中々に深みと面白さのあるカードゲームですし。ソーシャルゲーム隆盛の理由として、スマホやタブレットの性能向上により、据え置きや携帯ゲーム機ばりに出来ることが増えたというのもあるのでしょう。
 結構洋ゲー、特にキャラゲーは日本と同じく、据え置きからソーシャルゲームへと転換しているシリーズも多いからなあ。例えば、今でも据え置きで定期的に作品が出てきているヒーローとなると、バットマンとスパイダーマンと……あと誰か居たっけか。インジャスティスやレゴマーベルのような総集合モノを加えても、結構厳しい状態。

 それにしても、なんでこの据え置き冬の時代に、デッドプールはポンと出たんだろうか。映画も当たったし、日本でもローカライズして出そうぜ! PS4版ならイケるって!
 あと、最近気になるのは、ニンジャ・タートルズをゲーム化したTeenage Mutant Ninja Turtles: Mutants in Manhattan。タートルズ自体への興味もありますが、制作プラチナゲームズというのも、中々そそるものが……。

映画デッドプール感想~上映後ver~

「大変だ~大変だぞおい~。レディデッドプール」
「ん?」
「ヘッドプール」
「あ?」
「キッドプール」
「え?」
「エビルデッドプール」
「殺すぞボケ」
「デスウィッシュ」
「俺、デッドプール一族じゃないんだけど」
「ドッグプール……は喋れねえからボブ!」
「ハイル・ウェイド! ……痛い痛い! 出番取られたからって噛まないで!」
「「「「「「どうしたんだよ、デッドプール?」」」」」」
「俺ちゃんの映画が、日本でも大ヒットなんだってよ!」
「「「「「「えー!?」」」」」」

 思わずこんなおそ松さんパロを挟んでしまうぐらい、日本でも記録的な初日興収を見せている、映画デッドプール。この文章を書いている段階では、未だ土日を迎えてない段階。週末興収はどうなるのか、これからどれだけ行けるのか。もはや不安はなく、あとは見守るだけです。
 いやしかし、禁じられてもう中々元ネタを見れないおそ松さん第一話をパロってどうすんだオイ。

 

 

 ついに映画デッドプールが公開となり、色々な人の感想を眺めているのですが、結構多くの人が“ヒーロー映画としてのまっとうさ”に驚いてますね。自分も最初観た時は、驚きました。第四の壁をぶっ壊すような演出や、らしい無茶苦茶さはあるのですが、ヒーロー映画としてはめっちゃ王道ですよね。しかも動機も、自分のため、そして惚れた女のためとすごくわかりやすい。そんなわかりやすい男が一途に戦う。それすなわち、爽快です。ここ最近、ヒーロー同士が矛を交えるVSモノも多かったので、いっそう爽やか。

 そしてコレ、デッドプールの映画を作る上で正解なんですよね。しっかりと土台を固めた上で、デッドプールらしさをトッピングする。そうでないと、デッドプールのキャラの濃さに呑まれて、アカンことになるんですよ。デッドプールの特性である「軽口」も「第四の壁の破壊」、これらは物語を作る上で、非常に扱いにくく、滑りやすい特性です。当たればデカいのですが、当てるのがまず難しい。だからこそ、物語を動かす地力、すなわち基本が大切なのです。優れた実力と、バランス感覚が必須。

 今現在、日本で読めるデッドプールの邦訳はライターがデッドプールを乗りこなしている作品が主なのですが、デッドプールは本来かなりの暴れ馬であり、乗ることにしくじったり滑ってしまった作品も無いわけではありません。梶原一騎風の誇張を入れるなら“デッドプールに挑んで、再起不能となったライター、発狂したライターもいる!”と纏めたいところですね。いやまあ、せいぜい疲れきってるなーぐらいで、廃業まではいかんですけど。

 なので映画デッドプールの、観客に王道作品を観ているような爽快感を与えつつデッドプールらしさを追求する方針は、世界での観客動員数を見れば分かるように正答に近い方針です。一部で受ければいいカルトムービーじゃなくて、世界で勝負しなければいけないヒーロー映画ですからね。金とか撮影期間とか、めっちゃ絞られても、それで勝負しなければならない。
 マーベルコミックスの映画は、新進気鋭の人材を監督やメインスタッフに据えることでの成功を続けておりますが、映画デッドプールの監督であるティム・ミラーを始めとするスタッフ一同もこの成功例に加えるべきでしょう。

 

 

 今回の映画デッドプール、エピソードのベースとなっているのは連載初期のデッドプールです。デッドプールの初カノと言われるヴァネッサ(コピーキャット)。デッドプールを情報屋や同居人として支えたウィーゼルにブラインド・アル。デッドプールの生誕に関わるヴィラン、エイジャックス。初期における重大メンバーなものの、今では中々お目にかからないメンツです。
 つまり、今回の映画はX-MENの枠内におり、ミュータントっぽかった初期のデッドプールをベースにしたんだよ! と言いたいトコですがちょっと違います。何故なら、この映画のデッドプールの性格が丸いからです。

 初期連載よりはちょっと先なものの、現在出ている他の邦訳よりは前のシリーズ。今では名コンビ扱いなデッドプール&ケーブル、そんな彼らがコンビとして組み始める時期を描いたケーブル&デッドプール:青の洗礼。この本を読むと分かるのですが、デッドプールさん、けっこう荒れてます。他の邦訳や、アニメやゲームなどのイメージと較べても、ちと荒っぽいです。最初の頃のデッドプールは、今よりはるかに付き合いにくいサイコパス寄りだったんですよ。それが段々と丸くなって、なんとかアベンジャーズやX-MENの一員として活動できる今に至っているわけです。

 この映画のデッドプールは今現在の連載のイメージに併せてか、殺ることは殺るものの、害悪となる狂人のレベルには達していません。マスコット的狂人。なので映画デッドプールは、デッドプールの初期ストーリーをモチーフにしつつ、今のデッドプールのキャラクターや、今までの設定の美味しいトコロを利用し、映画に収まるラインでいいとこ取りした、ハイブリットプールとなります。

 ぶっちゃけると、原作におけるデッドプールのウィーゼルやブラインド・アルへの対応は映画に比べ相当ハードというか、デッドプールがガキ大将すぎるとこがありまして。例えるならば、ジャイアンとのび太とスネオの関係。時々劇場版仕様のごとく、いい話が入ってくるけど、基本ヒドい。いやあ、映画における三人の関係は、マイルドだよホント。
 あと、ヴァネッサが気になった方は、7月に発売されるデッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプールをチェックしてみてください。この本には、コミックスにおけるデッドプールとヴァネッサの恋愛関係をテーマにした描き下ろしの短編が収録されています。あと、出番自体は少ないものの、ブラインド・アルもえらいことやらかします。えらいこっちゃ。

 

 

 映画デッドプールに自分がキャッチコピーを付けるとしたら“あまりものの大逆襲”です。

 日本映画と比較すれば垂涎なものの、巨大化著しいアメコミ映画の中では少ない予算に短い撮影期間。他の映画が2億ドル超で3ヶ月以上撮影している中、デッドプールは5千万ドルの一ヶ月半です。こうして数字としてみてみると、最初ということを差っ引いてもかなり絞られており、企業側からの高い期待値は感じられません。同じX-MENスピンオフなウルヴァリン: SAMURAI。制作会社は違えども、比較的近い時期かつ風変わりなヒーローポジションなアントマン。この2作も制作費は1億ドル超えてますしね。デッドプールは、かなりコンパクトに抑えております。

 そして出演しているキャラクターも、X-MEN本編ではおそらく使わないキャラクターたち。名前が面白いから使われたネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドに、X-MENを知る人間でも中々顔が浮かんでこずネット上の資料も少ないエンジェルダスト。X-MENの主要メンバーであるコロッサスも、新作映画であるX-MEN:アポカリプスではお休み。正直言って、2軍所属もしくはファーム落ちで休養中なメンツです。直近の関連作であるX-MEN:アポカリプスと繋がるどころか、なるべく邪魔にならないよう勤めたかのような人事です。

 予算の都合とR15という制限で宣伝もままならず、追加のカメラや予算が必要な3D映像も無し。身の丈にあった収入をだしてくれれば、まあいいか。そんな公式からの期待値の低さをひしひしと感じる映画デッドプール。だが実際、蓋を開けてみたら平均値どころか、もっと期待されていた映画をもぶっこ抜く大ヒット作に。これぞまさに、大逆襲。
 この従来の常識や予測を真正面からひっくり返す姿、リアルにデッドプールですよね。デッドプールが作中で見せる、大どんでん返し。誰も予測してなかった! ヒーローもヴィランも予測してなかった! 読者も予測できなかった!
 もっとも、この大逆襲が生じた理由には、デッドプールが抱えている独自のファン層という事情もあります。デッドプールはジャンル外への波及力が強い結果、公式の観測範囲外で隆盛を極めるという、マーケティング泣かせのファン層を持ってます。だからこそ、従来のやり方で測った期待値は低めになってしまう。
 まあアレだ、デッドプールの大ヒットは、山でサンマが大漁ぐらいの、わけのわからん話だ。

 

 

 ここ最近の流れを見て薄々感じてはおりましたが、いま世界中にて、アメコミのファン層の形やベストとなる薦め方が変わってきているのではと感じております。従来の感覚では当たると思われていなかったヒーローが、続々と這い上がってきているんですよね……。コミックスの人気やそのヒーローのブランド力や歴史が、映画の動員数や興行収入とリンクしているかと聞かれれば、してないと答えるしかないですし。
 例えるならば、幕末の洋学者。オランダ語が西洋のスタンダードだと思っていたら、実はこれからのスタンダードは英語だった。これぐらいの波が、世界各国を襲っているように思えます。オランダ語を極めるのもよし、英語を学び直すのもよし。ただ、変化を認めないまま行動した場合は、おそらくどちらもアウトです。
 何も変わっていないように見えて、実はとんでもない分岐点に居る。映画デッドプールのヒットは、それぐらい大きな変化が起こっていることを、内外に示すシグナルなのではないでしょうか。

日々雑談~2151~

デルザー>最近だとキン肉マンのオリジンもそうですかね?

 大いなる男(大首領orザ・マン)に近い信頼できる部下であり、一騎当千の実力者揃いと、デルザー軍団と完璧始祖は、中々に立ち位置が近いですね。
 最も完璧始祖は、仲が悪い用に見えて奥底に確かな絆があったと、マジで仲悪かったデルザーに比べて、だいぶまともですが。サイコマンがなー、ああいう死に方した以上、もうねー……。

 

 ハリー・オズボーンのアンチ・ヴェノム化とその影響でエージェント・ヴェノムであるフラッシュ・トンプソンが離脱。そんな、今週のアルティメット・スパイダーマン VS シニスター・シックス

 ヴェノムに対しめっちゃハリーが怯えていましたが、アルティメット・スパイダーマンの世界だと、様々なキャラに寄生し暴れまわったヴェノムを、ハリーが密かに回収。そのヴェノムを利用してブラックスパイダーマン化、そしてヴェノムの宿主にと、ある意味エージェント・ヴェノムであるフラッシュよりも長くヴェノムと付き合ってきました。だからこそ、アンチ・ヴェノムへと変貌できたのでしょう。原作における、初代ヴェノムことエディ・ブロックがアンチ・ヴェノムに変貌したのも、彼が長年ヴェノムであったことが大きな理由の一つでした。

 シールドアカデミーに転校したことにより、普通の高校生ピーター・パーカーの学生生活はあまり描かれなくなったのですが、ヒーロー活動を通し同級生であるハリーやフラッシュとのやり取りが描かれるというのも、中々に遠回りで妙手。
 しかし今週、普通に正体絡みの会話をしていたけど、スパイダーマンって、フラッシュに正体明かしてたっけか……? 

 

ホークアイ VS. デッドプール

ホークアイ-VS.-デッドプール

 というわけで、5月25日、ホークアイ VS. デッドプールの発売でごぜえますです。月末の5月30日にはケーブル&デッドプール:青の洗礼が発売。そして6月1日には映画デッドプールが公開と、いよいよの時が近づいてまいりました。

 シビル・ウォー:キャプテン・アメリカに登場したホークアイ。そして映画デッドプールの主役をはるデッドプール。今年の二大ヒーロー映画の登場キャラが夢のコラボ! 実は時間軸的にはデッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプールよりも結構先の話になってしまうものの、こまけえこたぁいいんだよ! おもしれえし、これ!

 最近、キャプテン・アメリカやウルヴァリンと、友人が増え続けているデッドプール。そんな彼が新たに組むのは、アベンジャーズの主要メンバーでありながらイリーガル色の強いホークアイ。悪魔と仮装が跋扈するハロウィンを舞台に、二大ヒーローが手を組み悪を追う。ボケとツッコミを使いこなす二人の男の爆走に、ひとっ走りつきあえよ!