映画公開記念 デッドプールを知るためのQ&A

 本日6月1日。ついに日本で映画デッドプールがいよいよ公開……だが、日本では一部でめっちゃ燃え上がっているものの、未だにバットマンやスパイダーマンの知名度には及ばない。そもそも、なんなんだろうこのニンジャスパイダーマン!?
 ということで、一度基本に立ち返り、基本的なことからデッドプールを見直すQ&Aを作成してみました。デッドプールとはなんなのか、いつ生まれたのか、X-MEN ZEROとはなんだったのか。そんなことをまとめた、Q&A。正直映画は映画、コミックスはコミックスなので、映画を見る前に役に立つかと言ったらクソの役にも立たない可能性がありますが、とりあえず話の種にでもしていただければと。めげないこりないあきらめない。それでは、スタート!

映画デッドプール はじまるヨ!

 

 

デッドプールとは、なんなんですか?
 本名は、ウェイド・ウィルソン。マーベルコミックスに属する、(一応)ヒーローです。最初はX-MENのキャラクターの一人であったものの、やがて独立。様々な武器を使う不死身の傭兵、鬱陶しいまでの華麗なトーク、そして自身がコミックスのキャラクターであるメタ的な目線、それらがウケにウケた結果、独自のファン層を掴み、映画化に至りました。

 

デッドプールはいつ生まれたんですか?
作中では「実は1980年台にもいたし、戦時中も活動してたし、アメリカンコミックス創世記にもいたんだよ! これがさっき作った証拠だ!」とフいてますが、現実においては、1991年2月に発行された「ニューミュータンツ」の98号にて初登場しました。

デッドプール 初登場号

 この号では、右でデッドプールと共に並んでいる二人、高い能力と権力を持つ巨悪ギデオンやデビューシーンでデッドプールを叩きのめした女傭兵ドミノも初登場しており、デッドプールは新キャラの三番手ともいえるあまり期待されてないポジションでした。仮面ライダーシリーズならデッドライオン、キン肉マンならビッグボディチーム、聖闘士星矢ならヒドラの市ぐらいのとこです。新キャラがこうも一気に出てくるというのは、チームの群像劇であるX-MEN系列の作品はキャラクターの数も新キャラの登場頻度も、比較的高い傾向にあるという事情もあります。

 デッドプール初登場回となったニューミュータンツを担当したライターはファビアン・ニシーザ、アーティストはロブ・ライフェルド。つまり、この二人がデッドプールの生みの親となります。実は映画デッドプールにて、この二人を筆頭に他のデッドプール関係者やキャラクター、全然関係ないアーティストや某蜘蛛男っぽい名前が隠れミッキーの如く仕込まれているので、余裕があったら探してみるのも面白いかもしれません。さらにロブ・ライフェルドは、カメオ出演も果たしています。なお、マーベル映画の名物ともいえる、あの偉大なるご老人も出ているので、ご心配なく。

 

デッドプール(ウェイド・ウィルソン)とはどんな人物なのでしょうか?

・若き日に家出。特殊部隊にて訓練を受けたものの、脱走もしくはクビに。フリーの傭兵、暗殺者としての活動を始める。

・自身がガンに侵されてることが発覚。余命いくばくもない状況で、一縷の望みをかけ超人兵士計画に志願。ウルヴァリンが持つ超再生能力ヒーリングファクターの移植に成功し命は永らえるものの、がん細胞が全身に定着してしまい、顔面も肌も醜く歪んでしまう。

・実験動物として扱われたウェイドは、研究施設から脱走。醜くなった身体をマスクと全身タイツで隠し、不死身の傭兵デッドプールとして再び傭兵兼暗殺稼業に身をやつす。

 基本的なラインとしては、以上の通りになっております。両親はろくでなしだった。いや、厳格な軍人の父だった。最初は真面目な人間だった。いや、生まれた時からイカれていた。ウェイド・ウィルソンからデッドプールに至るまでの人生には諸説あり、当人の記憶もあやふやなため、これだ!という決定的な設定がありません。第三者の証言も相反しあっており、真相は不明です。映画デッドプールでは、様々な設定を組み合わせての、映画独自のデッドプール誕生譚が語られることとなります。

 デッドプールの性格は、まず適当、無責任、フリーダムの大三元。金や女に弱く、思いつきのアイディアでとんでもないことをしでかし、毎日を面白おかしく生きるがモットー。近くにいると迷惑だが、遠くにいてもいきなり近寄ってくるという、どうあがいても絶望な危険人物。大抵のヒーローだけでなくヴィランも、接し方に困る核弾頭です。

 一方、女に弱くとも、最後の一線を超えれば容赦しない。その一方、女にフラれたあとに本気で落ち込む。その内面にあるのは、リアリストとしての顔と、少年少女もビックリな純粋さと無垢さ。自由に見えて、過去の過ちや罪を抱え続けており、信頼には信頼で応えたいとは思っている。その性格を理解、もしくは内面に接した結果、それなりの人望もあったりする。
頭のネジが全部外れているように見えて、肝心要なところは意外と閉まっている。愛すべき部分もちゃんと持っている人物と言えましょう。

 

デッドプールの能力について教えてください。
 まず能力としては、一流の傭兵としてのスキル。各種銃火器や刃物に爆発物と、武器を選ばずに使うことが出来、二振りの日本刀(忍者刀)を使っての二刀流やスナイパーライフルでの長距離狙撃と、数々の特殊な技能も持ちあわせております。更には、その場にある日用品を容易く武器にしてしまうだけの知恵と応用力もあり、徒手格闘も収めています。
普段はアッパラパーなので目立っていないものの、戦略や戦術の基本も抑えており、本人の性格と相まっての奇抜な戦術は敵を出し抜くのに最適。数カ国語を話すことも可能と、頭脳面でも意外と高いスキルを持っています。

 ミュータントの能力としては、超再生能力であるヒーリング・ファクター。オリジナルであるウルヴァリンより移植されたこの能力により、デッドプールはほぼ不死となっており、軽い傷であればすぐに回復。四肢の欠損のような重症、頭部の破壊のような即死級の攻撃であっても、時間をかければ回復も可能。一度、爆発四散し死亡、墓に収められたのは手首のみという悲惨な状況にもなりましたが、この時も“決して死亡できない呪い”をかけられ、手首から再生。更にその不死性は向上しました。不老かどうかは作品の描写によってかわるものの、百年程度でしたらまず生き延びられるようです。

 若干能力からは離れるものの、デッドプールの特性としてあるのは“第四の壁の破壊”。第四の壁とは劇におけるステージ上の役者と観客席の観客の間に存在する境界であり、コミックスで言うならば作中人物であるキャラクターと現実に存在する我々読者との境目となります。デッドプールは既にこの境界の存在を知っており、容易に乗り越えてこちらに話しかけたり、退屈なストーリー展開だとボヤいたりします。それでいて、この特性はルール違反であるというのも弁えており、ストーリーに直接関与したりするような使い方はあまりせず、自分が主人公でない作品やシリアスな作品では後ろに引っ込むぐらいの理性はあります。MARVEL VS. CAPCOM 3出演時に見せた、体力ゲージでの殴打のような使い方は、むしろ珍しい例と言えます。

 

デッドプールってそもそもX-MENなんですか?
 映画デッドプールが20世紀フォックスにより製作されたことを見ればわかるように、映像権利的にはX-MEN枠です。マーベル・スタジオズが制作する、アベンジャーズが属するマーベル・シネマティック・ユニバースと映画デッドプールは、一応別の世界の話となります。一応。

 原作におけるデッドプールですが、初期は作品としてのX-MENとその関連作の枠内に収まっていたものの、やがてマーベルユニバースを自由に渡り歩くようになりました。今ではアベンジャーズのバリエーションチームの一つである、アンキャニーアベンジャーズの主要メンバー兼スポンサーという、チームに欠かせない存在となっております。

アベンジャーズ アッセンブル!

 X-MENの映画に出ているのに、それでコミックスを読んでみたらアベンジャーズ。本当に、ややこしいです。

 そしてX-MENがミュータントで結成されたチームであるとした場合、デッドプールの立場は、更にややこしくなります。ミュータントとは、体内の遺伝子がなんらかの変化を起こし超人化した種族ですが、デッドプールの場合は前述したとおりウルヴァリンのヒーリングファクターを移植して超人化した存在。つまり、超人血清を摂取したキャプテン・アメリカ、放射能持ちの蜘蛛に噛まれたスパイダーマン、ガンマ線を浴びて覚醒したハルクのような、後天的能力者であるミューテイトとなります。

 ただし先天的能力であるミュータント能力は、本人のミュータント能力によるコピーや強制的な能力の覚醒やクローンによる能力ごとの複製が可能でも、能力をそのまま他者に移植することは不可能と言われており、他人の能力が定着し続けているデッドプールは、ほぼ世界でも稀な珍種と言えます。言葉としては矛盾するのですが、後天的ミュータントと呼ぶしか無い存在です。

 他に類がない結果、この辺りはあまり問題視されること無く、デッドプールも時折X-MENの周りをうろついております。正式なチーム入りは、ミュータントとかそういう問題ではなく、人格的に断られることが多めです。

 

映画デッドプールを見る前に、読んでおくべきもの、観ておくべき本や作品はありますか?
 特に無いと思います。映画X-MENと同じ作品と言えども、内容は独立しているというか好き勝手やっているので、気軽に劇場に足を運んでください。必要なことは、だいたいスクリーンのデッドプール本人がどうでもいいことと合わせて、べらべら喋ってくれます。

 他の映画からガンガンネタを持ってきている作品ではあるのですが、あまり根幹には関わってこない上に、そもそも「この作品を観とくと良いよ!」というのもネタバレなので、まあいいかなと。あえて、何も知らないまま映画デッドプールを観てからの逆引きというのも、十分アリだと思います。

 

ウルヴァリン: X-MEN ZEROにデッドプールが出ていたと思いますが、アレとは関係ないんですか?
 ウルヴァリンの生誕を描く、ウルヴァリン: X-MEN ZERO。あの作品にてデッドプールは傭兵ウェイド・ウィルソンとして登場、そしてラストにて、サイクロップスのオプティックブラストやジョン・ライスのテレポート能力やウルヴァリンのヒーリング・ファクター諸々を移植された複合型ミュータントのウェポン11“デッドプール”としてウルヴァリンの前に立ちはだかりました。コスチュームもないし、口も縫い合わされて喋れないコレジャナイプール呼ばわりされたアレですが、デッドプールのもう一つの特性である“他人のミュータント能力の定着化”はちゃんと受け継いでおります。

X-MEN ZERO ウルヴァリンVSデッドプール

 そしてこのX-MEN ZERO版デッドプールですが、映画デッドプールのデッドプールとは、違う存在となっております。何故なら、映画X-MENの世界は、絶望の未来とそのきっかけとなる過去を股にかけたX-MEN: フューチャー&パストでのウルヴァリンの活躍により、1973年以降の歴史が様変わりしております。つまり、X-MEN ZERO版デッドプールは作品ごと“ありえたはずの過去”になっております。歴史が改変された1973年を起点に世界が枝分かれし、二つのX-MENユニバースが平行して存在しているわけです。映画デッドプールと今夏公開のX-MEN:アポカリプスは、我々の記憶や知識が時に足かせになる、未知のX-MENユニバースです。

 ただ、この本当はそうだったはずの過去のことを覚えてあげるのは非常に大事なことなので、皆さん決して忘れないようにしておいてください。

日々雑談~2157~

 東映アニメーション創立60周年公式YouTubeチャンネルにて、期間限定の『キン肉マン』イチオシ名場面が配信されておりますが、実にこれがなかなか。
ウォーズマンやバッファローマンとの決着回や、本誌掲載時初のアンケート1位をとったテリーマンVS魔雲天の回もいいですが、個人的にオススメしたいのはキン肉星王位争奪編 第39話「さらば!貴公子ロビンの巻」。王位争奪編でのロビンマスクVSマンモスマンの死闘が、一話に凝縮。幸運の鳩やロビン父のゆで生物史の部分が抜けてるけど、そのぶんテンポが良くなってるので、まあしゃあないかなと。その結果、すごく一話限定なセレクション向けの話になったと思います。作画の気合の入り方、特に涙の出るシーンの滂沱もまた素晴らしい。期間限定ですので、配信停止となる前に是非!

 

 現在、映画デッドプール直前最後の特集記事を準備しております。深さよりも広く浅くを意識したものですが、映画を見る前の参考にもなるよう仕上げるようにします。ここに来て、広く浅く、基本への立ち返りを意識したのは、実は今月かなりヒット数が増えておりまして……。下の方にあるカウンターがバカになってて気づかなかったのですが、データーみたらあらまあと。
 おそらくこれは、デッドプールの情報を求める人が多い証。ならば再度、基礎を固めておくのが定石と言えましょう。最初の方の記事、書いてから数年経つ上に旧サイトにあるので、改めてやっておきたいというのもありましたし。
 しっかし、日本公開まで長かったなあ。でもその結果、やろうと思えばデッドプールとシビル・ウォーと変態仮面を同じ映画館で観れるという奇跡が。変態仮面をやっている映画館から探っていけば、それなりにあったりするぞ! スパイダーマンとオマージュ。三人のヒーローが、いよいよ劇場で揃い踏み--!

変態仮面対スパイダーマン(仮)

日々雑談~2155~

 なるほど。遊園地戦でうさぎさんチームが観覧車を使ったミフネ作戦を思いついたのは、前日夜に戦車映画を観て研究していたからか……。ポン!と元ネタが映画「1941」な作戦を思いついたのではなく、前日に映画を観ていたという伏線がきっちり張られていたんだな(ガルパン劇場版鑑賞中
 やはりガルパンは、作劇の参考にもなるねえ。なんでガルパンが流行ったかと言えば「ミリタリーが好きで詳しい人間が、しっかりと物づくりをした」という、奇抜さや奇跡よりも、地道さや王道に通ずる結論なのでしょう。努力研鑽の果てにたどり着いたと考えれば、色々と頑張る気持ちが湧いてくるものよ。

 

デッドプール「映画デッドプールには、人生の大切なすべてのことが詰まってるんだよ」(バンジョーをかき鳴らしつつ

ミカ「あまりにわかりやすすぎる模倣には、賛成出来ないね」(カンテレをかき鳴らして

デッドプール「サルミアッキ食べりゅ?」(バンジョーをかき以下略

ミカ「こちらに合わせてくれたのには感謝するよ。けどそちらの流儀、チミチャンガも食べてみたいな」(カンテレ以下略

 

アキ「なんで会話が成立してるのかな、あの二人……」

スパイダーマン「最大限に言葉を選ばせてもらうとして、お互い変わり者だからじゃないかな」

 

 

 ふうむ。おそらく今週末、映画デッドプールの全米興行収入がシビル・ウォー:キャプテン・アメリカに抜かれるな。うん、シビル・ウォーが公開されてから一ヶ月近くよく持った。そしてこれで、2016年公開の映画ナンバーワンの座からも滑り落ちるわけか。
 全世界興行収入では既に負けていて全米限定とはいえ、ここまでバットマンVSスーパーマンやズートピア相手に、よく持ちこたえたものだ……。中国市場が、仕方ないとはいえ、中国市場を使えていれば。
 しかし制作費や宣伝費が桁違いな作品を抑えてたって、デッドプールがんばったよりもまず、全米で何が起こってるんですか!?な気分になるな。
 

日々雑談~2151~

デルザー>最近だとキン肉マンのオリジンもそうですかね?

 大いなる男(大首領orザ・マン)に近い信頼できる部下であり、一騎当千の実力者揃いと、デルザー軍団と完璧始祖は、中々に立ち位置が近いですね。
 最も完璧始祖は、仲が悪い用に見えて奥底に確かな絆があったと、マジで仲悪かったデルザーに比べて、だいぶまともですが。サイコマンがなー、ああいう死に方した以上、もうねー……。

 

 ハリー・オズボーンのアンチ・ヴェノム化とその影響でエージェント・ヴェノムであるフラッシュ・トンプソンが離脱。そんな、今週のアルティメット・スパイダーマン VS シニスター・シックス

 ヴェノムに対しめっちゃハリーが怯えていましたが、アルティメット・スパイダーマンの世界だと、様々なキャラに寄生し暴れまわったヴェノムを、ハリーが密かに回収。そのヴェノムを利用してブラックスパイダーマン化、そしてヴェノムの宿主にと、ある意味エージェント・ヴェノムであるフラッシュよりも長くヴェノムと付き合ってきました。だからこそ、アンチ・ヴェノムへと変貌できたのでしょう。原作における、初代ヴェノムことエディ・ブロックがアンチ・ヴェノムに変貌したのも、彼が長年ヴェノムであったことが大きな理由の一つでした。

 シールドアカデミーに転校したことにより、普通の高校生ピーター・パーカーの学生生活はあまり描かれなくなったのですが、ヒーロー活動を通し同級生であるハリーやフラッシュとのやり取りが描かれるというのも、中々に遠回りで妙手。
 しかし今週、普通に正体絡みの会話をしていたけど、スパイダーマンって、フラッシュに正体明かしてたっけか……? 

 

ホークアイ VS. デッドプール

ホークアイ-VS.-デッドプール

 というわけで、5月25日、ホークアイ VS. デッドプールの発売でごぜえますです。月末の5月30日にはケーブル&デッドプール:青の洗礼が発売。そして6月1日には映画デッドプールが公開と、いよいよの時が近づいてまいりました。

 シビル・ウォー:キャプテン・アメリカに登場したホークアイ。そして映画デッドプールの主役をはるデッドプール。今年の二大ヒーロー映画の登場キャラが夢のコラボ! 実は時間軸的にはデッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプールよりも結構先の話になってしまうものの、こまけえこたぁいいんだよ! おもしれえし、これ!

 最近、キャプテン・アメリカやウルヴァリンと、友人が増え続けているデッドプール。そんな彼が新たに組むのは、アベンジャーズの主要メンバーでありながらイリーガル色の強いホークアイ。悪魔と仮装が跋扈するハロウィンを舞台に、二大ヒーローが手を組み悪を追う。ボケとツッコミを使いこなす二人の男の爆走に、ひとっ走りつきあえよ!

日々雑談~2149~

 お、おう……。おそらく、ガールズアンドパンツァーの公式ブログにデッドプールが出てくることも、デッドプールとガルパンのW表紙な雑誌が店頭に並ぶのも、空前絶後(未だかつてなく、今後もまずありえない)な事態。スパイダーマンと変態仮面とデッドプールがそれぞれ出たり主役張ってる作品が連続で公開されるぐらいに、まずタイミングが合わんと無理だぜ。
 そんなことを言いつつ、今後もあってもいいのよ? なんなら俺がと言いたいところですが、流石にガルパンSSを書けるだけのミリタリ知識がありませぬ。……いっそここで、学ぶか?

 今週も真田丸スゴかった。豪華絢爛な大阪と絶対的な豊臣家を書きつつ、この人達にこのまま天下収めてほしくねえなという不安や、破滅に至るであろう種が存分に撒かれているのが恐ろしい。光と闇が、両立している。
 長年付き合ってきた、ねねだから分かる秀吉の恐ろしさ。普通ここで、妻から心に秘めた優しさが語られるものの、結果は逆。権力者となり恐ろしさを震えるようになった今も怖いものの、この恐ろしさを抱えつつ、信長の配下としてギラギラしていた頃の木下藤吉郎は、いったいどんな人物だったのか。想像するに、怖い。
 多くのドラマで描かれる秀吉像は、老いる事により明るさや閃きを失っていく姿がよく見られるものの、真田丸の秀吉は全てが共に成り立っている。人を変える狂気も恐怖も、ただ当人の中で眠っているだけなのかもしれませぬ。