ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その16~
ディスクウォーズ:アベンジャーズ第16話!
物語は、近代都市、そして学園へ。そして現れる二人のミュータント、ウルヴァリンとセイバートゥース! 日本を舞台とした、X-MEN編開幕!
そりゃアキラたち学生なんだし、勉強しなきゃダメだよね?って事で学園に。学校が休みという状況も、トニー宅での自習も、あまりいい形とは言えませんからな。そして、遂に姿を現す、マーベル界隈の大勢力ミュータント勢とX-MEN! 最初のレセプションに出席してディスク化されたサイクロップスとビーストの登場から世界観にいることは分かっていましたが、一つの種であるミュータントにここでスポットライトが。……既に作中ガッツリ出たミュータントなシルバー・サムライがハラキリ扱いですが、それはさて置き。あ。ジャガーノートは、X-MENのキャラですが、ミュータントではないので。
布石から見て、X-MEN、ミュータントにおいて最もテンプレであり、当たり前としての残酷さが描かれる可能性は、大かと。そして別ベクトルのミュータントの悪意や残酷さを体現しているのが、あの男……! と言うわけで、今回はMarvel史上において、最も獣であることを受け入れている男の紹介です。
セイバートゥース
映画やマブカプにアニメ、X-MEN出演作にはウルヴァリンの宿敵やライバルとして登場しているキャラだが、実のところ、何者かは良く分かっていない。分かっているのは、本名はビクター・クリード。彼もまたウルヴァリンと同じヒーリングファクター持ちであり、外見以上の歳であることのみ。幼少期、あまりの凶暴性のせいで鎖に繋がれて暮らしていた、1910年代には凶悪な怪物として伝説となっていた。1959年にはニック・フューリーやクレイブン・ザ・ハンターらと共にアッセンブルしていた。
全てが断片であり、全貌は明らかになっていない。この謎の経歴を見ていると、映画第一作(演:タイラー・メイン)とウルヴァリン:X-MEN ZERO(演:リーヴ・シュレイバー)での役者変更も自然に思えるから不思議である。映画では兄弟だったが、原作では兄弟を一足とびしてのウルヴァリンの父親を騙ったことがあった。
親族、息子としては反ミュータント組織「人類の友」設立者グレイドン・クリードがいる。変身型ミュータントであるミスティークとの間に出来た、非ミュータントの扇動家である。
ヒーリングファクター以外の能力は、動物じみた俊敏な動きと腕力、爪は刃の如き鋭さを持ち、牙は巨獣の肉を引き千切る。狡猾な知略を持っており、優れた五感による追跡は獲物を逃さない。
こうして能力を並べると際立つが、セイバートゥースはウルヴァリンの宿敵というより、影である。似た能力を持ちながらも、人間であることを選び続けたウルヴァリン、片や獣であることを受け入れたセイバートゥース。二人は互いから自らの呪うべき部分を見出し続け殺しあう。アダマンチウムという強い武器を持っているウルヴァリンだが、セイバートゥースには巨躯と獣であることによる凶暴性や残虐性という武器がある。それと、ウルヴァリンにより前頭葉を一時破壊された影響で、セイバートゥースにはテレパシー耐性がついていたりする。
ウルヴァリン憎しで生きているため、基本的にウルヴァリンが籍を置くX-MENやミュータント勢との戦いが多く、あまりアベンジャーズ勢と戦うことはない。むしろ今回のアイアンマン戦は、かなりレアだった可能性がある。基本好き勝手なセイバートゥースだが、ウルヴァリンへの誕生日プレゼント“ウルヴァリンの恋人をいたぶって好き勝手したあと殺す”は無駄に習慣づけている。
そして、ついに恨みと怒りの限界を越えた結果、ウルヴァリンはヒーリングファクターを無効化する刀、ムラサメ・ブレードを手にセイバートゥースとの決戦に臨む。シルバー・サムライより剣技を学んだウルヴァリンは、遂にセイバートゥースを葬った。
……だがしかし、彼自身は死を装い(ヒント:クローン)しばし潜伏していただけだった。ウルヴァリンの人生を地獄同然に貶めるため、セイバートゥースは復活。一匹の狂獣ではなく群れを率いる長として二代目シルバー・サムライや忍者軍団ザ・ハンドと手を組むことで、彼はアジア有数の権勢を手にすることとなった。アニメでは日本での知名度の無さを嘆いていたセイバートゥースだが、今はむしろ日本はホームグラウンドの一つである。
権勢を手にし、ヴィランを集めてパーティーなんて物を開いてみたところ、ウルヴァリンがしれっと参加。セイバートゥースとパーティーの参加者をボコボコにした。
「お前の誕生日プレゼントよお……やる方に回ると、最高じゃねえか。テメエの誕生日なんか知らねえけど、俺も毎年やってやるよ」
好敵手という言葉も霞む、負の感情しかない関係。セイバートゥースとは、そんな感情の源に相応しい、獣である。