デッドプール:キルズ・ザ・マーベルユニバース~前半戦~

 去年のベノムプールに続く、今年の大問題作Deadpool Kills The Marvel Universe! 

Deadpool Kills The Marvel Universe#1

 このキルズ・ザ・マーベルユニバース、元々はパニッシャーが主人公でした。パニッシャー版はヒーローに妻と子を殺された男の復讐譚として、大変良く出来ていましたが、果たしてデッドプール版はどうなのか。
 すっげえ簡単にイメージを伝えるとしたら、13日の金曜日やエルム街の悪夢のようなホラーですよ。殺人鬼がデッドプールで、被害者がヒーローな。なにせ今度のデッドプールは、ほぼ不死身。頭を吹き飛ばされても、数コマで蘇る恐ろしい生命力。いつもなら最低一週間はかかるというのに。
 そんな不死身の殺人鬼が、刀やピストルを振り回しながら追いかけてくるという、紛れも無い恐怖。緻密な戦略と思い切った作戦で勝ち星を上げてきたパニッシャーが詰将棋なら、デッドプールは将棋盤で相手に殴りかかっている感じ。もうね、無茶苦茶っすよ。

 以下、すげえざっくりとしたあらすじと、1話から2話までの犠牲者名簿です。まだ前半が終わっただけなのに、なんという惨状なんだ……。
 まあでもコレ、あくまでホワット・イフですからね。現にホワット・イフでお馴染みの監視者ウォッチャーが一コマ目で解説してくれている時点で、所詮パラレルのお遊び企画ですよ。

監視者の嘆き

 つまり、そう構えずリラックスして楽しめばいいのさ!(ウインク

 X-MENにより、精神病院に担ぎ込まれるデッドプール。→精神科医に化けていたヴィランが様々なことを吹き込む→「うん! わかった!」何かを悟ったデッドプール。手始めに余計なことを吹き込んだバカを殺し、精神病院に放火して脱走→ヒャッハー! この世界のヒーローもヴィランも皆殺しだぜ!
 実は結構このシーンに重大な伏線が隠れているんだけど、こうやって事実だけ書くと、シンプルかつヒドすぎるなオイ。

ファンタスティック・フォー

バクスタービル陥落

Mrファンタスティック(リード・リチャーズ)
 身体がだるんだるんに伸びきった状態で死亡。

シング
 爆砕でもしたのか、破片がバクスタービル中に散らばっている。

ヒューマン・トーチ(ジョニー・ストーム)
 FF所有のロケットによるカミカゼアタックで動きを止められ、トドメを刺される。

インビジブル・ウーマン(スー・ストーム)
 掟破りの、体内へのエネルギーフィールド展開でデッドプールの頭を吹き飛ばすものの、油断している所を蘇生したデッドプールに襲われ死亡。

ウォッチャー
 ジロジロ偉そうに観てるんじゃねえよとばかりに、斬首されてしまう。解説役兼見届け役が速攻いなくなったんだが、どうすんだコレ。

 高みの見物は許さねえ!

ここまでが、1話の犠牲者。続けて二話の犠牲者。

ゴーストライダー
 おそらく大クラッシュを起こし、バイクともども大炎上。

ドクター・ドゥーム
 電線に引っかかった状態で死亡。大歓声を上げる民衆。

ハワード・ザ・ダック
 もはや、アンタッチャブルな領域はないことの証。ローストダックとなり、食卓へ。

 スパイダーマン
 デッドプール相手の空中戦に勝利し、墜落したデッドプールを問いただそうとした所、至近距離からの銃撃をくらい死亡。舌戦ではほぼ互角だった。

アベンジャーズ

ハンク・ピム
 アベンジャーズで一番最初に狙われた男。デッドプールの狙いは、彼ではなく物体のサイズを自在に変えるピム粒子にあった。

キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ミズ・マーベル、スパイダーウーマン、ホークアイ、ウルヴァリン、ジャービス
 アベンジャーズマンションでの対デッドプール会議の最中、ピム粒子により縮小化されていた大量の爆弾が、突如卓上にピムの死体と共に出現。マンション毎、全員吹き飛んだ。パニッシャー版では強敵として立ちふさがったキャップも、ここで脱落。いやー、いくらウルヴァリンでも、白骨化したら再生とか無理ッスよね(棒読み)。

ルーク・ケイジ
 爆発に耐え切った会議参加者1号。勝ち誇るデッドプールに襲いかかる。しかし既に、会議中に飲んでいたコーヒーにミニサイズの爆弾を仕込まれており、ピム粒子により元のサイズに戻された爆弾が体内で爆発し死亡。ピム粒子、マジすげえ。

ソー
 爆発に耐え切った会議参加者2号。ムジョルニアをデッドプールめがけ投擲するものの回避され、更にピム粒子をムジョルニアにたっぷりと振りかけられる。結果、ジャイアントマンサイズまで巨大化したムジョルニアが手元に戻ってきてしまい、押し潰されてしまった。ハンク・ピムより、遥かに上手くピム粒子を使いこなす男、その名はデッドプール。

ラグナロクじゃないですよ?

ビースト
 特に描写は無いが、2巻の時点で死んだ様子。X-MENではなく、アベンジャーズとしてカウントさせてしまったせいで、死期が早まった。

ハルク
 暴れに暴れ、デッドプールの五体をバラバラにして勝ちを確信。

ハルク、うるさいの殺す!

 暴れ疲れて睡眠、ブルース・バナーに戻ったところで、再生したデッドプールがあっさりバナーを殺害。“ハルクではなく、ブルース・バナーを殺す”という基本戦略はパニッシャーもデッドプールも同じなものの、入念な監視後、タイミングを見計らってのの狙撃をした前者とは違い、後者は一回ズタボロに殺された後に油断を狙うという、言わば不死身の力押しとなった。

 次々と倒れていくマーベルヒーロー。そして遂に、思いもよらぬ場所から、デッドプールへの反撃が始まる。ピーター・パーカーの叔母、メイ・パーカーの呼びかけにより集まった、殺されたヒーローの親族たち。牙無き人々は、復讐心と財産をあの男に託す!

タスクマスター「金額、そしてデッドプールを殺すこと。どちらも問題はない」

対デッドプール用最終兵器

 デッドプールと対峙するX-MEN、更にリターンマッチをしかけてくるあの男、そしてタスクマスター。やがて明らかになる、デッドプールの真の目的とは? もはや一作品の枠内では収まらぬ大事件の後編。全てを破壊し、全てを繋げ!(byディケイド)