マーベル・ライバルズについていろいろ書いてみた

 マーベル・ライバルズ……無茶苦茶面白えじゃねえか!ということで、ちょっと応援記事を書いてみようかと。いやねえ、PvPの対戦FPSやTPSはあまりやったことがないけど、無料ゲーだしちょっと触ってみるかと思ってやってみたら、本当にフルプライスじゃないんですか? くらいの出来でビックリ。対戦ゲーは不慣れなので比較は難しいですが、そこそこマーベルゲーをやって来た身としては、おそらく歴代トップクラスで各キャラクターの個性を際立たせ、なおかつゲーム性と合致させた良ゲーではないかと。あと、キャラの選出やデザインに革新性があるのも高評価ポイント。アベンジャーズやスパイダーマンといったいつものメンツを抑えつつも、パニッシャーやムーンナイトのような後で出してくるタイプのキャラや、比較的キャリアの浅いルナ・スノーやジェフを持ってきてるのは、ゲームの若年層&新規層向けの性質を理解した上での選出だなと。キャラデザや筋肉の描写もちょっとコミックスやアニメ風に誇張してあって、歩くだけでかっこいいんですよ。


 
 とはいえ、いいとこだけ挙げても、このゲームがどんなゲームなのかがわからない。ということで、自分がゲームをプレイする前に持っていた疑問をベースに、一問一答形式で基礎的なことを書いてみます。

 

 

Q:どんなゲームなのか? プレイできるゲーム機は?

A:プレイヤー同士がオンライン上で対戦するPvP型対戦アクションゲーム。フォートナイトやエイペックスやオーバーウォッチやスプラトゥーンと同ジャンル。占領戦や車両輸送といった試合形式に乗っ取り、相手チームを倒せば勝ち。対応しているゲーム機はPS5にXbox Series、そしてSteamやEpic Games経由でのPC。PCの場合、それなりのスペックは要求してくるので要検証。Switchには対応していないが、もしかしたらSwitch2ならいけるかもしれない。

 

 

Q:無料って言っても、新キャラが有料だったり、ガチャだったりするのでは?

A:無料で全キャラ使えて、ガチャ要素もありません。有料の範囲は一部スキン。

 ガチャは悪い文明……! それはそれとして、マーベル・ライバルズでは現状実装されている33人(追加予定あり)のキャラを全員無料で使用可能。対戦権のチケット販売などもない。各キャラクターの外見を変えるスキンやダンスや挑発などのアクションができるエモートを入手※するには課金が必要なものの、この手の外見にこだわりがないのであれば、本当に課金の必要が無くなってしまう。なおスキン自体は、パニッシャー2099やメイカーのようなツボを抑えた原作スキンに、辰年合わせのオリジナルドラゴンスキンと、金出してもいいかなと考えられるくらいにはピカ一揃い。インビジブル・ウーマンの、光のドスケベスキンと闇のドスケベスキンは大人気だったらしい。

※一部スキンやエモートはイベント特典やコード入力で入手可能。

 

 

Q:キャラクターの操作方法は?

A:まずチュートリアルをプレイして、それから訓練場にGO。キャラを動かせるようになったら、AIマッチやクイックマッチで実践。

 ゲームを開始すると、まずパニッシャーを使ってのチュートリアルがあるので、そこで基本動作が学べる。チュートリアルがパニッシャーでいいんですか!?って感じだが、もっともシンプルかつ従来のPvPっぽいキャラなので、やってみると納得の選出だったりする。親愛なる隣人であり好感度ナンバーワンのスパイダーマンでいいじゃないとツッコミたいところだが、スパイダーマンは操作が特殊というか一人だけマベスパやってるので、チュートリアルにはまったく向いてない。
 チュートリアルが終わったら、まず訓練場へ。気になったキャラを動かしてみて、とりあえず前に歩けるし、攻撃できるくらいになったら、対人戦より先に、人間対コンピューター戦となるAIマッチをやってみるのがおすすめ。このゲームにおいて、一番のびのびと練習できるモードなので、ここでチーム戦の立ち回りや、ステージの地形を覚えていきたいところ。このゲームのCPUは油断すると負けるぐらいには優秀なので、戦うことが勉強にもなる。人が使うとただ敵陣に突っ込むだけの特攻キャラになりがちなキャプテン・アメリカやブラックパンサー辺りは、緩急をわきまえてるCPUの方がなまじ強い。
 AIマッチに慣れたら、次はクイックマッチへ。クイックマッチも基本ノーリスクなので、ある程度は気軽にやれる。ただ、人対人の戦いなので、ある程度空気は読むようにしたいし、気は使いたい。何がセーフで何がアウトかはそれこそ実践で学ぶしかないが、チーム戦なのに一人特攻するとか、戦闘そっちのけで散歩するとか、操作がおぼつかないキャラを使い続けるとか、とにかく一般常識としてそれはダメでは?という行為を避ければどうにかなるはず。
 クイックマッチの次はシビアなランクマッチに挑みたいところだが、こっちは勝敗がランクに影響するのもあり、結構ギスりがちなのに注意。クイックマッチである程度働けると実感してからの方がいい。あと、アジアサーバーのクイックマッチは過疎り気味という深刻な問題もある。そんな時は、多少通信環境は悪くなるが、最大サーバー=最も人が集まっているオレゴンサーバーに行くといい。

 

 

Q:そもそもストーリーは?

A:ドクター・ドゥームとドクター・ドゥーム2099が対立してえらいこっちゃ。

 実際、まだあまりストーリーが説明されてないので、これぐらいしか言えない。
「現代に生きる科学と魔法の独裁者ドクター・ドゥームと、2099年の未来で生きるドクター・ドゥーム2099が宇宙の覇権を巡り対立した結果、時空の揺らぎが発生。数多のマルチバースよりあらわれたヒーローやヴィランが、ドゥームたちの支配を阻止するため、吸血鬼に支配されたニューヨークやワカンダ銀河帝国を舞台にした様々なミッションに挑む」
 大筋をまとめると、このようになる。まだドゥームも2099も暗躍しつつ力を蓄えていると、ライバルズの物語は序盤も序盤である。出てくるキャラクターは皆マーベルのキャラクターだが、各自出自や出身バースが細かく違うこともあり、一般的なイメージとは違う立場のキャラもいる。
 例えば、ペニー・パーカーとキャプテン・アメリカとパニッシャーとブラック・ウィドウは、2099バース(未来)からの参戦となっている。ペニーはその時代の人間だが、冷凍状態からの復活が遅れ未来で覚醒したキャプテン・アメリカに、それぞれ薬により不老化して2099年まで生きていたブラック・ウィドウとパニッシャーと、既知のキャラでも変則的な出自となっているキャラも多い。なので、キャプテン・アメリカは活動歴の浅さもありアベンジャーズの一員やリーダーとしての自覚が薄い上に若々しく、逆にパニッシャーやブラック・ウィドウは精神的に老いているのもあってだいぶ悠然としている。
 他にも、本来X-MENの一員で女忍者カンノンであるサイロックは人と妖怪が共に在る日本の女剣士サイとして参戦している。なので、現代や未来だけでなく、他のまったく違うバースからの、別バージョンのキャラクターの参戦も今後あり得る。なお、本来(現代)のキャプテン・アメリカとサイロックはどうなったかと言うと、キャップはライバルズのストーリー開始前の混乱期で戦死、サイロックはX-MENが本拠地のクラコアごと未来世界に転移してしまった際に行方不明となっている。
 なお、現状のメインストーリーは近年コミックスにて展開された、吸血鬼によるニューヨーク侵略作戦のBlood Hunt(2024年)やミュータントの祭典HELLFIRE GALA(2022年)にゲームオリジナル要素や原作にいなかったキャラを足す、いわゆるスパロボ形式の組み立て方になっている。参考にしているシリーズの新しさ、またキャラ同士の掛け合いも多彩となっており、コアなコミックスファンも楽しめるだろう。

 

 

Q:キャラクターがヴァンガードやファイターやストラテジストみたいなので区分けされているけどこれなに?

A:それがこのゲームにおけるロール(役職)です。

ヴァンガード
 高いHPと防御性能を持ち、前線で肉壁となるタンク役。
 現在所属するキャラクターは以下の通り。

 広範囲バリアで味方を守る近距離バランス型のドクター・ストレンジ
 二種のバリアを持つ遠距離バランス型のマグニート
 バリアに拘束にジャンプによる一撃離脱となんでもできるハルク(ブルース・バナー)
 ハルクを更に肉弾戦&地上戦に寄せたシング
 スキルの切りどころを間違えなければ実質不死のヴェノム
 タンクでありつつアタッカー並の火力を持つソー
 全キャラトップクラスの機動力で戦場を駆け回るキャプテン・アメリカ
 ドローンによる罠とウェブによるスタンで陣地形成するペニー・パーカー
 樹木の壁による通路遮断や敵陣分断を得意とするグルート
 テレパシーによる遠距離攻撃とダイヤモンドフォームでの格闘戦をこなすエマ・フロスト

 後述するアタッカー役のファイターと比べると体力に優れたぶん瞬間火力が控えめとなっているせいか、あまり人気のない役職である。しかし、このゲームの対戦ルールは戦線を維持することが勝敗に直結するため、持ち前のタフさで前線に居座れるヴァンガードがいないと、一旦戦線が崩れたら立て直せなくなる。数値上では瞬間火力が控えめなものの、前線でずっと殴り合えるヴァンガードの継続火力は馬鹿にならないため、数多のアタッカーを差し置いて撃墜スコアをガンガン稼いでのMVPはよくある話である。まず生き延びる、長時間戦場にいるのが上達のコツである以上、ヴァンガードは初心者向けとも言える。チームの中核として、全員を引っ張っていく。ヴァンガードにはハルクやソーのようなパワフルなキャラが揃っている一方、キャプテン・アメリカやマグニートやドクター・ストレンジのようなリーダー役が多いのも納得である。

 

ファイター
 高火力や長射程や高機動力と言った、敵を仕留めやすい武器を持つアタッカー役。
 現在所属するキャラクターは以下の通り。

 間断無い攻撃スキルで一撃離脱を繰り返すブラックパンサー
 スナイパーライフルによる狙撃で戦線遅延を狙うブラック・ウィドウ
 弓によるヘッドショットが強烈無比なホークアイ
 得意の魔術により、中~遠距離で圧倒的な強さを発揮するヘラ
 空中から地表を制圧するのが得意なヒューマン・トーチ
 隠密、自己回復、瞬間火力の高さと、奇襲役として穴のないアイアン・フィスト
 対タンクに優れ、空中戦でも強い、飛行ユニットアイアンマン
 リーチの長い大剣とワープで的を絞らせないマジック
 実質サブタンクとまで言われるタフネスを持つミスター・ファンタスティック
 影から敵陣を狙い撃つ瞬間火力と移動力の鬼ムーンナイト
 オートタレットとなるタコで盤面制圧ができるネイモア
 姿を消しつつ、敵陣を引っ掻き回すサイロック
 オートエイムと広範囲破壊兵器持ちのスカーレット・ウィッチ
 縦横無尽にステージを飛び回り、敵も味方も捕らえきれないスパイダーマン。
 爆裂ドングリとリス軍団で敵陣を蹂躙するスクイレル・ガール
 高火力の二丁拳銃と高機動力のブースターが揃っているスター・ロード
 天候操作により、味方へのバフと敵への攻撃を両立させるストーム
 敵味方ドン引き、重火器の鬼、パニッシャー。
 高火力ハンドガンと謎の力を宿した最新型ギミックアームで戦うウィンター・ソルジャー
 割合ダメージのヴァンガードキラー。前線で暴れ狂うウルヴァリン
 
 ヴァンガードと比べてわかるように、ファイターのキャラクターは多い。大まかに分けると、空中を主戦場とする空戦タイプ、前線で身体を張る前衛タイプ、火力支援が得意な後衛タイプ、相手の裏をかく奇襲タイプとなっている。撃墜数を稼ぎやすいのもあり人気の職業ではあるものの、HPが低いのもあり、やられる時はあっさりやられる。そしてファイターしか頑なに選ばないプレイヤーも多々おり、この手のプレイヤーが集まってチームを組むと、オールファイターな試合前に負け確定なチームが出来上がる。マーベル・ライバルズは戦線維持を争うゲームであり、撃破数を競うゲームではない。いくら強いファイターが集まっても、ヴァンガードやストラテジストのサポートが無ければ、勝率は悲惨なものとなってしまう。逆にチームのバランスや、後衛も気にできるファイターは、一人で盤面をひっくり返せるくらいには強い。ヒーローになるには、能力よりもまず協調性が必要というのをわからせてくれる職業。それがファイターだ。

 

ストラテジスト
 他のキャラを回復させる能力を持つヒール役。バフや蘇生と、チームを支える能力を持っている。
 現在所属するキャラクターは以下の通り。

 回復能力と火力を両立させつつ、自己蘇生とチーム蘇生能力を持つアダム・ウォーロック
 隠密と火力のクロークと回復のダガー、二人で一人のクローク&ダガー
 バリア付与と回復フィールドで味方を護るインビジブル・ウーマン
 奇襲役適正と回復能力を持つ謎の陸ザメ、ジェフ・ザ・ランドシャーク
 チームを支えつつ、相手チームを騙しにかかるロキ
 新進気鋭のK-POPアイドルヒーロー、バランス型ヒーラーのルナ・スノー
 他者にバフをかけつつ、自己バフと睡眠付与で自分自身も火力が出せるマンティス
 蘇生、機動力、回復力、性能は真面目なロケット・ラクーン

 戦場における戦線維持には補給が必要なように、ヒーラーであるストラテジストはチーム必須の職業となっている。ヴァンガード抜きのチームはプレイヤースキルでまだなんとかなるが、ストラテジスト抜きのチームは奇跡が起こってもどうにもならない。プロプレイヤーチーム対初心者チームぐらいのスキル差があればどうにかなるが、ストラテジストを入れないプロというのがありえない以上、意味のない仮定である。
 集団戦における回復は重要であり、先にストラテジストを落とされたチームが負けると言っても過言ではない。ここ最近、奇襲によりストラテジストが倒すムーブが流行っているため、ヴァンガードやファイターは戦線維持だけでなく、ストラテジストの護衛にも気を配るといい。またストラテジストも、ヴァンガードやファイターの手の届くところにいるといい。後方でちまちま回復しているストラテジストは、ヒーラー狩りの男! スパイダーマッ!やアイアン・フィストにとってカモでしかない。集団を活かし、集団が活かすのがストラテジストだ。

 

 

Q:どうすれば上手くなるのか?

A:そんなん、俺が知りたい。

 これはどんなゲームでも言える上達法だが、習うより慣れるしかない。それと実況動画や解説動画をチェックすると、コツや注意点をサクサクと学べる。攻略のコツを説明しやすいシュミレーションゲームやテキストゲーは文章での解説が向いてるが、攻略にお手本があったほうがいいアクションゲームやFPSはやはり動画での解説が強い。書いているうちに、シューターゲーのマーベル・ライバルズを文章で説明しているのが辛くなってきた。
 上手さは説明しづらいが、悲しいことに下手さは説明しやすい。以下、実際にプレイして頭を抱えたタイプのプレイヤーを少し書いてみる。

玉砕系ブッコミヒーロー
 5プレイのうち2回ぐらいのペースで遭遇する、困ったプレイヤーの中ではよくいるタイプ。ゲームスタート→前線に突っ込む→即死する→復活する→前線に突っ込む→即死(以下略 を繰り返し続けるプレイヤーである。前線に突っ込むのところを、奇襲失敗にしてもいい。とにかく周りも相手も見ずに突っ込んで死ぬのを繰り返すので、戦力どころか囮としてすら機能していないし、上達の機会なんてものもあるはずがない。

腰抜けスナイパー
 玉砕系より遭遇頻度は少ないものの、出会った時の落胆度は時に上を行く。とにかく物陰に隠れて、前線に出てこない。援護射撃や回復の届かない場所で、ずっとちまちま何かやっている。前線の安全が確保できれば出てくるが、こんなお荷物が後ろにいる状況で前線の確保ができるわけがない。今現在、狙撃キャラのブラック・ウィドウの人気が恐ろしく低いのにも影響している。彼女を選んだプレイヤーの大半は、物陰に隠れて一生出てこない。ブラック・ウィドウ自体は、スナイパーライフルとツインスティックとキックと遠近の使い分けが強いキャラなのに、なまじスナイパーライフルにスコープがついているせいで狙撃専門と思われ、引きこもりを量産している。(ウィドウが)不憫である。

バーサーカーヒーラー
 ファイターをやりたかったけど、先に取られた。しゃあないストラテジストをやるかというタイプに多い狂戦士系ヒーラーである。回復もそっちのけで、敵を攻撃する。ストラテジストはヒーラーにしては火力があるため、意外となんとかなりそうなものの、結局どうにもならない。補給部隊のコックが前線で戦っているようなものである。いいか、お前はケイシー・ライバックじゃないんだ。ヴァンガードは肉壁、ファイターは攻撃、ヒーラーは回復。この前提を忘れてはいけない。

 以上、三つの例を挙げてみたが、共通して言えるのは「ひとりよがり」である。自分一人のことしか考えてない結果、チームに貢献できていないどころか、まともにプレイもできていない。複数人によるチーム対戦ゲームである以上、周りのこと、他人のことは考えなくてはいけない。周囲と歩調を合わせることを覚えれば、それこそ本物と遜色ないヒーローらしさを発揮できるだろう。

 

 

Q:で、結局このゲームは面白いの?

A:面白くなきゃ8000文字もグダグダ書かねえよ。

 現在、毎週新スキンが追加されつつ、月1で新キャラが実装されている状況。オンラインゲームは盛り上がっている時期ほど面白いということで、マーベル・ライバルズおすすめです。結構その、中国韓国そして日本に目配せしてくれているのですが、なんだかアジア圏ではいまいちという噂もあり……向こうが手を差し出してくれているんだ、ここで握り返してナンボよ!